追記:1月13日リメイク
表現、文章の変更・追加を行いました。
1:もしも転生したら現状確認を怠らず
俺の記憶の中、小さい頃から両親は「もしも、もしかして」と様々なことに心配性を発揮していた
その影響を受けてか、なるべくして俺も「もしも」が口癖となり、心配性な性格が形成されるのも時間の問題だった。……友人からは心配性の割に大雑把と矛盾した評価を頂いていたが。
ただまあ、心配性のおかげか俺の人生は大学4年まで割と穏やかに大きな問題もなく進んでいた。問題や厄介事を回避できるので自分の性格も悪くないなあなんて思っていたのだが……
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『貴方のことは、ちゃんと私が守って見せる。だから泣かないで――ちゃん』
『お主が運命を変える……いや、捻じ曲げる最後の望みだ。……次はないぞ?』
ハッと誰かの声が聞こえたと思い、俺が目を覚ますと一面きれいな青空で、見渡す限りの草原『しかない』空間にぽつんと立っていた。……何故に?
周りをキョロキョロと見渡しても、特別何もなく……あれ?さっきまで俺は何してたんだっけ?というか俺は誰?
何て混乱していると背後から急に声をかけられる。
「ハイ!気分はどうだいぃ?黙雷ぃ。頑張れる?悟ぅ」
微妙にラップを気取っているのか人の名前で馬鹿みたいな話し方をする角が生えた青白い顔のおっさんがいつの間にか背後に胡坐で浮いていた。
「どわ!?あんた何もん……。というか
「……ふむ、記憶が混乱しているようだな、どれ」
俺の罵倒を気にせず、急に厳格な喋りになった変人が、俺に向かって手をかざす。
「何す、うぐっ……」
頭が割れそうだ……、というか体全体が正に割れているような……。
そこで意識が飛んだ俺は、次に目を覚ました時不思議なことに事情をある程度把握できていた。
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「つまりは俺は死んだのか……」
目を覚ました俺はそうつぶやいた。
「Yes,you死んじゃった、不安的中しちゃった、でも幼女助かった。OK?」
目の前の胡散臭いおっさんは謎のテンションで俺のつぶやきに答えてくれた。
そう、ついさっきまで俺、
その公園では「女の子」が一人で砂場で遊んでた。友達と遊ぶため待ち合わせ場所にしたその公園にいた俺は最近読んでいた漫画「NARUTO」の影響もあり
(もし俺が忍術使えるなら、何使おうかなあ。術と言えるかわからないけど仙人モードは便利そうだよなあ)
と空想にふけっていた。
(現実で仙人モードになれたら、超すごそう。例えばトラックとかダンプカーが突っ込んできても片手で止めたりとか……)
そしてふと視界に入った「女の子」を見て
(もしもトラック突っ込んで来たら助けてあげなきゃなwwwニンニンwww)
なんてふざけてヒーロー的な、ありえもしれない空想にふけっていたのだ。
そしたら突っ込んできた。俺の空想の下らなさに対する漫才の突っ込みとかではなくトラックが。
公園の木々をなぎ倒し俺の近く、「女の子」が遊んでいる砂場まで真っ直ぐ直進。
その時、俺は根が心配性なためか、冗談でも想定していたおかげなのか定かではないが咄嗟に動くことができた。
そして俺は女の子を突き飛ばし……。
「こういうあらましかぁ……マジかよ……」
おぼろげな記憶を頼りに事態を把握した俺は、目の前の不審者に問いかける。
「……確かに俺は死んだん……だな。なああんた、つまりここは死後の世界なのか?」
「Ye「普通に喋ってもらえません?」……そうだ、お主は今魂だけの存在となりこの場にとどまっている。」
普通に喋れるんじゃねえか……
「へえ~魂だけって、うっおぉ?!手がねえ!?よく見たら体全体が見えねえ!違和感すっご……はえ~すげ~……」
「中々個性的なりあくしょんだな。まあそれはどうでもよいか……。時間がないのでなさっそく本題に入るぞ」
「本題?」
「そう確かにお主は死んだが、こうして魂だけは……そうじゃの、善行によりうんたらかんたらで救われておる」
「……雑じゃないですか?もしかして今設定とか考えt」
不審に思う俺の言葉を遮るようにおっさんはまくしたてる。
「しかし、しかしなあ。時間が立てばたゆたう魂は消滅してしまう。なんと儚いことかぁ……。なのでな、お主の魂を別次元へと送り新たな肉体に入れることで魂の消滅を防ごうとワシは思案しておるのだ」
変な演技を挟んだ設定の小出しをジト目で(体がないのでジト目は出来ないが)聞いていた俺は、おっさんについて疑問に思ったことを言う。
「魂を別次元にって……。転生?何?貴方そんな胡散臭いなりで神さまなの?」
俺の失礼な発言に今度はおっさんがジト目になる。……失言だったか?
「……悠長にしておる時間はないぞ?あと1分でお主は消滅する」
…………へ?
「なので空きのある世界に問答無用で捻じ込む。思案といったがどちらかと言えば強制だ。ではまた会おう少年」
まくしたてる様に別れの挨拶までを言い切ったおっさんこと恐らく神様?が俺に向かって先ほどのように手を向ける。
すると俺の視界は万華鏡のような変化を見せ暗転した……。
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火の国、この葉隠れの里。そう、ここが俺の第二(誇張なし)の故郷だ。
漫画自体はあまり読まない俺でも、友達のを借りて読んだこともあるしアニメもたまに見たことがある。何が言いたいのかと言うとつまり「NARUTO」の世界に転生したことを理解したということ。
それを自覚したとき、俺は1歳ぐらいだったと思う。
1歳にしてはクリアな思考をしている俺は今、孤児院で生活している。
周りの大人の会話から「捨て子」などの俺に関するキーワードを拾い、自分の立場を確認した。
……この死が当たり前のように転がって安売りされている世界に転生してしまった俺は、かなり落ち込んだ。実際一度死んでしまっている以上贅沢は言えないのだが。
何とか、何とか、平穏に生きたい……。
漫画で読むのと実際に体験するのとでは全然違うということを身をもって理解した。
何はともあれまずはとにかく現状確認だ。
俺は
おっさん……神様の仕業なのか。最初から俺の名前知ってたぐらいだし、一応まあ、馴染み深い名前にしてくれてありがとうございます……?
俺はこの葉隠れ近辺に捨てられていたらしく、見まわりの忍びが見つけたことで保護された。
その際<呪印>や体の特別な特徴、血などを調べたそうだがその時は特に何も見つからなったそうだ。
つまり里にとって赤子を使ったテロとか、トロイの木馬作戦みたいな陰謀ありきの存在ではないことが証明されたので俺は孤児院に送られた。
……あれ、俺って凄い力的なものとか才能ないのか?転生物にはつきものでしょ?
まっまあ……まだ1歳だあわてるな……俺。
気を取り直して、年代について。孤児院の日課の散歩で外に出ているため、その時に情報を集めることができた。
確認できた情報は顔岩は4つであること。里は一部再建途中の区域があるようだ。あと住民が「九尾の妖狐」のキーワードを話していた。これらの情報から恐らく九尾がこの葉を襲った後だと見て間違いない。……かもしれない。
年代についての自信はない。漫画の内容を隅々まで覚えているほどのファンではないので、仮定としておいておこう。
次に俺の周辺環境について。孤児院といっても協会的に場所ではなくアパートの形をした建物になっている。
12歳の子が「下忍」とか言って額あてをしているのを職員が泣きながら見送っていた。
これはつまりアカデミーに「通える」選択肢があるようだ。他にもどこかの家や、職場など引き取られて孤児院を離れる子も少なくない。
俺は……アカデミーに通うつもりだ。忍びになる、ならないに関わらずこの世界は危険だ。耐え忍ぶ必要はない、むしろ耐えられないだろう。だがもしもの危険から忍び逃げる必要がある。
だからこそ少しでも力をつけないと……。
そしてこれらの情報を集め2年が経ち俺は3歳の誕生日を迎えた。
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「出かけてきます」
3歳になった俺は内心元気よく、声は小さくこそっと孤児院から出かけて、公開演習場へと向かう。公開演習場とはつまり、一般に解放されている演習場だ。そのままの意味だが実際には公園みたいなもの。
俺はここで自分の能力の現状を確認していた。
「元々二十歳すぎだったおかげで、意識的なところは同年代以上みたいだけど……いやそうでないと困るけど」と俺は呟く。
身体能力というのか、もといこの世界の「チャクラ」というものをまだ俺は理解できていない。
たまに見かける忍びが視界から消えるのは超早く動いているってことなのだろう。まあ、そういう光景意外に俺はこの世界にあまり前世とのギャップを感じていないのだ。
現状俺はひたすら演習場で筋トレをしている。まだ修行と言える域のものではないがやらないよりましだろう。……3歳が筋トレしている場面は傍から見たらさぞシュールだろうか。
ここは公園的な場所でもあるため遊んでいるちびっ子は割といる。忍者ごっこしている子なんて見ない日はないぐらいだ。
まあ、俺には関係のないことだ。あえてボッチでいるんだ、あえて、あえて……。
すると俺に声をかける少女が一人。
「さとる君~やっほー」
ほらきた呼んでもないが、俺がボッチではないという証明が向こうからなあ!!
「相変わらず変なお面付けてるんだねさとる君、外さないの?じゃまじゃない?」
ちょっと失礼な事をいうこの女の子はテンテンちゃん4歳。
「……恥ずかしいからつけてるの、問題ないよ」
と俺はテンション低めで答える。今の俺は狐のお面で顔を隠している。そして筋トレしている。奇天烈……なので周りに人が寄り付かないのだ。
お面で顔を隠しているのは俺の素性を広めない為である。忍びになろうというのだ。プライベートを静かに過ごすために幼少の頃から顔を隠すのは別におかしくないだろう……多分
そう考え俺がお面を触って少しいじっているとテンテンちゃんが話しかけてくる。
「そういえばぁわたしまださとる君の顔見たことないけど、本当に男の子なの?かみのけ後ろで縛ってて女の子みたいだよ~」
「男の子です。」
「じゃあ、お顔見せて♪」
「嫌です。」
「ぶーーーーー!」
ブーイングされても見せはしない俺は忍ぶのだ。
「まあ、いっか、今日は何して遊ぶ!?」
流石天然4歳児。似非3歳児の俺と違ってテンション高いなあ。
……まあ筋トレだけでは飽きもくるし今日も付き合ってあげるか。
そう思い俺は遊びの提案をする。なるべく体を動かせるものだ。
「鬼ごっこでもしましょうか?一時間後鬼だった方が負けです。鬼は私からで」
「いいよ~。今回も負けないからね~」
とテンテンちゃんがぴょんぴょん跳ねて準備運動をし始める。
……くっくっく。悠長だなあぁ……。
「はいよーいどん!!!タッチ!!!」
丁寧なゆっくりとした口調から、不意にスタートの合図をしテンテンちゃんをタッチしておもっいっきり逃げる俺。
「あっちょっとずるい!」
テンテンちゃんの苦言を無視してひたすらに全力で逃げる。
卑怯もクソもないのだ。これぞ……忍び……!
~~~~そして1時間後~~~~~
「はい私の勝ち~♪」
満面の笑みでピースを掲げるテンテンちゃん
「うううぅぅぅっぐぞおおおぉぉぉぉ……」
地面に這いつくばる俺。
俺が負けました……はい。
文字数は最初なので少なめにしておきます。