目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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19:ライジング

ペイン六道襲来より、約1週間前……

 

 

 

 

 

 

(くそ! ……これでは……!!)

 

 雨隠れの里、その最奥から続いていた激しい戦闘は入り組んだ里内から外へと移動し終結しようとしていた。

 

 伝説の三忍の1人、自来也は単身暁のリーダーペインの潜む雨隠れの里へと潜入。 山椒魚の半蔵の統治から、密かに解放され新たにペインによる外敵に対して容赦のない統治が成されていた雨隠れ。 そんな中で、情報を集めていた自来也は暁のペインと小南に見つかり戦闘が勃発、そして窮地へと立たされていた。

 

 ペイン六道の秘密に苦戦し、その正体に気がついた自来也はしかし、あと一歩のところで黒い金属状の棒によって体の五ヵ所を貫かれ瓦礫の上にうつ伏せで倒れ込んだ。

 

(ペインの正体を……伝えなければ……っ!)

 

 苦し紛れにそう思考を働かせようとも、すでに自来也は急所を幾つも貫かれ喉も潰されている。 フカサクが叫び、自来也の薄れ行く意識を引き戻そうとしても既にその言葉は彼の意識に届いてはいなかった。

 

「────っ!」

 

 遠くに雑音のように聞こえるフカサクの声。 全ての感覚が黒く塗りつぶされていく中、自来也は無意識に己の半生を思い出していた…… 

 

 

 

 

 忍びは生き様ではなく、死に様の世界……思い返せばワシの物語は失敗ばかりだった。

 

 綱手に振られ、大蛇丸を止められず……弟子と師を守ることも出来なかった。

 

 ワシも……歴代火影の様に死にたかった……

 

 物語の結び……終わり良ければとは言うが……この様ではな。

 

 大ガマ仙人はワシを“変革者を導く者”と予言し、忍び世界の安寧と破滅を握る選択を迫られると仰った。

 

 しかし……ワシがペインを倒せず……暁も止められず、ここで死んでしまうということは……仙人の予言で世界は破滅へと向かってしまう…… 

 

 ……これが自来也豪傑物語結びだとはな……情けない……情けない……

 

………………

…………

…… 

 

 

~~~~~~

 

 

「自来也ちゃん!!」

 

 フカサクの必死の呼びかけに、自来也は反応を示さない。 既に心臓の鼓動は止まり、死者の様に体はその温かみを失いつつあった。

 

 フカサクが叫ぶ中、自来也の身体から離れたペインらは高所からその様子を見下ろす。

 

「……あの蛙の息の根も止めておく必要があるな」

 

 ペインの内の1人、ガタイの良い修羅道が天道の言葉に添うようにその右腕を構える。

 

 その時ふと気がつけばいつの間にか、死んだと思われていた自来也が息をして右手を僅かに動かしていた。

 

「心の蔵は止まっていたはず……あそこから吹き返すとは、流石は我々の師匠(せんせい)と言ったところか」

 

 天道の、混じりけのない尊敬の念。 しかし自来也がダイイングメッセージをフカサクの背に刻もうとしていることに気がつけば、容赦なくペインの修羅道が改造された右腕は撃ち放つ。

 

 所謂ロケットパンチがフカサクを穿とうと迫る。 フカサクもそれに気がつき、自身の背にメッセージを刻む指の動きが止まったのを確認して手を合わせた。

 

「暗号化したか」

 

 ペインがそう呟き、ロケットパンチがフカサクごと、足場を砕こうとした瞬間

 

 

 その右腕はその間に割り込んだ何者かのサッカーボールキックで、弾丸のごとく蹴り飛ばされ雨隠れの外壁の一部を吹き飛ばす。

 

 

 一瞬フカサクがその腕を蹴り飛ばした人物と目が合うと、その人物はフカサクの背に紙を張り付け……その瞬間フカサクは逆口寄せの術によりその場から煙を残して消え去った。

 

「……どういうつもりなのか……この状況、もはや聞くまでもないか」

 

 ペインのその呟きに、自来也の傍らに立つ人物はペインらを見上げ口を開いた。

 

「……今回ばかりは言い訳は通用しなさそうですねっと……まあ、するつもりも毛頭ないんですけど」

 

「まさかとは思ってはいたが……貴様が裏切るとはな()()()()……なるほど暁の夢に賛同したなどと、噓をついていたわけか……面白い」

 

「い~え? 私はその点については噓をついていませんよ……まあ」

 

 その瞬間、徐に天音小鳥は自身の両目に瞳に指をあてがう。 そしてそのまま黒いカラーコンタクトを取り去り、海面へと捨てた。

 

 その様子にペインらが疑問符を浮かべると、一瞬緑色に見えた天音の瞳が回転するかのように模様を浮かべ、その色を朱く変える。

 

 そして

 

「うぐ……っ!」

 

 ペインらの背後の壁で小さく呻き声が鳴る。 ペインらが振り向けば、壁から体を生やしたゼツがうなだれるように体をだらけさせ少しずつ壁の中へと埋まっていく様子が見て取れた。

 

「ホントは殺したいんだけど、今はせめてもの足止めを……()()()に余計な邪魔を入れられたくないしね」

 

 壁に埋まっていったゼツから視線を外したペイン天道は、天音を見下ろし口を開く。

 

「……写輪眼か……なるほど、お前はつくづく噓をつくのが好きなようだな……」

 

「好きじゃないですよ、リーダー。 聞かれなかったから答えなかっただけですぅ♪」

 

「減らず口を……それでどうする? ゼツに幻術をかけようとも、じきにそれも解け……自来也を助けに来たのであれば、それも既に死に体だ……今更貴様に何ができる? 別に目的があるのであれば、大人しく忍んでいればよいものを」

 

「聞かれたから答えますけど、自来也さんを助けに来ました……本当はもっと早く来るつもりだったんですけど、なかなか体調がすぐれなくてね……」

 

 天音は印を結び、出した影分身3人分で自来也の治療にあたる。 しかしペイン修羅道が体から幾つもの機械的な射出口をむき出しにして口を開く。

 

「我々がそれを許すとでも思ったか?」

 

 次の瞬間、修羅道から放たれる無数のミサイル。 天音は尾異夢・叉辺流を構え、迫りくるミサイルを刀身を一瞬だけ伸ばしたその斬撃で一歩も動くことなく切り落としていく。

 

 天音と自来也を乗せている足場から外れた位置で爆発が起き、海面の波を荒立たせた。

 

「……さて、我々を前にして調子のすぐれないお前がどれほど持ち堪えるか見せてもらおうか」

 

「さてと……勝負っ!」

 

 天音小鳥は足場から飛び出し、自来也に倒された畜生道を除いた五人のペインらに戦いを挑んだ。

 

 

~~~~~~

 

 

 爆発や建物群を揺らす衝撃。 天音とペインらの戦闘は既に並の忍びの領域を遥かに超越したものとなっていた。

 

 巨大なパイプで出来た壁の側面に立つ長髪細身の人間道と術を無効化にしてチャクラを奪う餓鬼道を蹴り飛ばしていく天音を天道は観察するように見つめる。

 

(自来也の延命と怪我の治療に3人分の高精度の影分身を出し、そのまま俺たち相手にもここまでやるとはな。 ……更に餓鬼道の忍術の吸収と人間道からの接触を避けて動くなど、六道の術に対しても知っているかのように動く……厄介なことこの上ないが)

 

「同時に限界も近いと見える」

 

 修羅道のカラクリによるミサイルや銃撃が、自来也を狙って放たれるがそれを察知した本体の天音が瞬時に足場へと戻りそれらを尾異夢・叉辺流で叩き落とす。 しかし

 

「……ぐっ!」

 

 弾き切れない細かい銃弾が天音の太ももや二の腕を穿ち、穴を開ける。 膝をつく天音だが、瞬時に立ち上がり修羅道に向かって切りかかっていく。

 

(守るモノ……それが奴の弱点となりダメージを蓄積させている要因となっている。 調子が良くないとは言っていたが、もはや限界も近いのだろう……)

 

 ペインらは深く踏み込むことなく、天音から致命的な攻撃を受けないよう受けの姿勢で戦いを続ける。 遠距離手段を持つ修羅道を守りながら、他のペインらが天音本体に牽制をしかけ着実に天音にダメージを負わせていった。

 

 ほぼ勝利の見える展開に天道が口を開く。

 

「もはや結果の見えた戦いだ……天音小鳥。 これ以上貴様が戦う理由などありもしないだろう、自来也を見捨て逃げることも出来るはずだ……なぜお前は戦う?」

 

 その問いかけに天音は叫ぶ。

 

「私がそうしたいからする!! それ以上も、それ以下もないっ!!!」

 

 既に助かるかどうかも分からない自来也の為にそこまでする天音に、ペインは

 

「無駄なことを……」

 

 そう呟き、そのままじわじわと天音を追い詰めていく。

 

 やがて修羅道の攻撃が自来也の治療にあたっている天音の影分身の1人を穿ち消し去ってしまう。

 

 自来也の身体から黒い棒が抜かれ、止血が済んだところだがもはや自来也にこの先を生き抜く力は残されてはいないだろうと傍から見ても分かってしまう。

 

「あきらめろ」

 

 天道からその言葉を投げかけられ、天音の本体は自来也を守るために立つその足場からその朱い瞳で睨みを効かせる。

 

「……私は後悔しないために動く、願望を諦めるなんて言葉は既に私の中にはないっ!」

 

「……そうか」

 

 天音の返事に、天道が右手を構える。 すると

 

 飛来する白い何かが、天音に迫りそれは尾異夢・叉辺流によって弾かれる。

 

 天道に寄り添うように、白い天使の羽のような物を生やした女性が舞い降りた。

 

「小南か……」

 

「ペイン、時間をかけすぎよ……裏切り者には早急に死を」

 

 天道と状況を把握している小南が言葉を交え

 

 そして…… 

 

 

 

 

「ゼツがいつまでも来ないと思えば、ここに居たか……それにどうやら奇妙なことにもなっているな」

 

 

 

 

 空間の歪から橙色の仮面をつけた忍びが姿を現す。

 

 その姿を見て、天音は顔を引きつらせた。

 

「……思ってたよりも大ピンチって奴かも……っ!」

 

 天音の様子を見てその仮面の忍びは

 

「あれれ~~? 天音小鳥後輩じゃないっすかーっ!」

 

 一瞬わざとらしく、明るい声を上げ天音に向け手を振る。 そして

 

「火遁・豪火球」

 

 刹那、凍えるような声と共に巨大な火球が天音を飲み込むように迫った。

 

「っ……! なりふり構ってられないかっ」

 

 天音がそういうと、手足に着けていた黒い輪の装飾を無造作に外し投げ捨てると全身に雷光を巡らせ、足場から飛び出す。

 

「八門八卦・剛天っ!」

 

 体を回転させながら、豪火球に突っ込む天音。 回転エネルギーで火球を爆散させるとともに、その勢いのまま超高速で跳び蹴りを放つ。

 

「死ね、トビっ!」

 

 しかし

 

「神羅天征」

 

 間に割り込んだ天道のその術が発生させた斥力が天音の蹴りを弾き、海面へと叩きつけた。

 

「……ふん、俺への攻撃は効かないと知っているだろう。 助けたつもりか?」

 

 いささか不満そうに低い声で言うトビのその言葉に天道は

 

「ペイン六道の正体を知っている節を見せる奴が、名指しで蹴りを放つ以上もしもがないとは限らない……お前の正体に気づいていると見て行動したまでだ」

 

 そう答えた。 トビはその返答に鼻で笑う、よほど自身の術に自信があるのだろう。

 

 その傍らで小南が無言で紙手裏剣を幾つも精製し自来也へと向け放つ。

 

 瞬間、海面から水柱が上がりその紙手裏剣を叩き落とした。

 

 その様子を見ていた小南は呆れたように呟く。

 

「水陣壁か……随分と頑丈なようね、あの子」

 

「ああ、だから俺も手を焼いた。 だがそれもここまでだ」

 

 小南と天道のその会話の中、水柱から海面の上に立つ天音が姿を現す。

 

 ダメージを負い肩で息をする天音は、背後の自来也に目を向ける。

 

(このままじゃ……っ)

 

 苦しそうな表情を浮かべる天音に、トビは声をかける。

 

「なぜお前が写輪眼を有しているのか一応気にはなるが……暁に楯突いたのだ、死んでもらおう」

 

 そのまま、再度超高速での印が組まれトビの眼前の空間が歪みを見せる。

 

 危機を察知した天音はその瞬間、背後の自来也に向け走りだす。

 

「火遁・爆風乱舞っ!」

 

 空間の歪から、爆炎が渦を描くように飛び出し周囲の空気を巻き込みながらその規模を瞬間的に増し

 

 海面と接触して大規模な爆発を発生させた。

 

 

 海面から水が巻き上がり、爆発の衝撃で周囲の建造物にヒビが走る。

 

 

 爆炎と、水蒸気による目隠しが消えればトビやペインらの眼下は爆発で荒立った海面の身しか映らず足場は消え失せていた。

 

 その様子に天道が無言のまま、海へと降り立ち海面へと手を添える。

 

 小南はそんな天道に声をかけた。

 

「どう……? 死んだかしら」

 

 その問いかけに天道はしばらく何かを探るように黙っていたが不意に

 

「……海中に目だった動きは見られない……時空間忍術でも使われていない限り、底へ沈んだとみて良いだろう」

 

 そう返答をした天道は小南とトビの元へと跳躍した。

 

 海面をしばらく見つめていたトビは

 

「……さて、では俺は戻らせてもらおう……やれやれゼツが暫く行動不能であれば、俺一人で動くしかないか……」

 

 そう文句を言うようにして、空間の歪へと吸いこまれるようにして姿を消した。

 

 小南は、トビに警戒していたかのように姿を消した瞬間に天道へと寄り添うように近づき耳打ちをする。

 

「本当に殺せたの?」

 

 再度天音小鳥と自来也の生死を確認する小南に天道は瞳を閉じて応える。

 

「……身体能力活性での海中移動であればその痕跡は大きく残るだろう。 痕跡が感じられず、時空間忍術に長けているであろうマダラが反応を示さないことを見るに状況的には死んだと見て良いが……」

 

「……確信が持てないのね」

 

「奴は……嘘つきだからな、どんな手を隠し持っているか想像がつかない。 生きて再度俺たちの前に立ちはだかる可能性も視野に入れて動いた方が良いだろう」

 

 消化不良のような感覚に苛まれながらも、ペインらと小南はそのまま引き上げていった。

 

 

~~~~~~

 

 

 雨隠れの里を覆う海に隣接するとある浜辺。 そこで一つの人影が仰向けの状態から勢い良く起き上がり、辺りを見回す。

 

「……何か助かってる……それに」

 

 ブツブツとその人影の正体である天音は隣に流れ着いている自来也に目を向けると、素早く状態の確認を行う。

 

「辛うじて息をしてる……あの状況からどうやって……もしかして」

 

 自分たちが助かったことに疑問を感じているかのように、天音は自来也へ掌仙術をかけながら心当たりを探る。

 

(多分起きてると思うけど……あーあー、()……聞こえる?)

 

 正しく自分の知らない間にどうにかできそうである人物にそう語りかける天音。 心の中への語りかけには反応があり

 

(──君、心中でも女の子みたいな声になってるから正直話したくないんだよね……何のようだい?)

 

 気怠そうな声が返ってきた。 その返答に天音は

 

(何かピンチの状態から助かってたんだけど、黙の仕業かなって……)

 

 話したくないと言われ、若干傷つきながらも自来也へ施す治療の手を緩めることなく話を続ける。

 

(仕業と言われてもねぇ……僕は何もしてないよ、眼を覚ましたのもついさっきさ。 それよりも、()……わかってるとは思うけど今の自来也様の容体だと、そう長くは生きられない。 しばらくすればペインがナルト君を狙って木ノ葉に襲撃をかけるはずだけど、現状自来也様の治療と火の国への移動を両立するのは厳しいってことはわかっているかい?)

 

 確認するかのような口調の黙の言葉に天音は、掌仙術を発動したまま自来也の身体を抱きかかえる。

 

(どっちもして見せるよ……どちらも私のしたいことだからねっ!)

 

 黙の言葉に、自信満々に答えを返した天音はそのまま隣接する森の中へと歩き姿を消したのであった。

 

 

 

 

 

(ねぇ……せめて僕との会話の時くらい口調を直したらどうだい?)

 

(ほら……小雪からもらったアドバイスで、心の中でも役になり切れって言われてたから)

 

(ああ、そんなこと……確かに君が彼女から食事を食べさせてもらってるときに話してたような気が……僕と同じ声で、女性らしいトーンと口調をされると本当に気味が悪くて仕方がないよ)

 

(ごめんごめん……多分あと少しの辛抱だからね?)

 

(ハァ……しばらくは起こさないでくれよ?)

 

 

~~~~~~

 

 

 翌日早朝。 木ノ葉の里のとある居住区の一室でうずまきナルトはベッドにうつ伏せでうずくまった目を覚ます。

 

 前日にサスケと暁であるイタチを捜索する隊を編成し、その後トビと遭遇。 トビがサスケの存在を示唆するかのような言葉をちらつかせたが、イタチとサスケの戦闘の跡にたどり着いた木ノ葉の小隊らは、しかしサスケの存在を捕えることは叶わなかった。

 

 そんな中トビと遭遇する前にナルトはうちはイタチの分身と一対一で遭遇しており、その時交わした会話を振り返っているうちにいつの間にか寝てしまっていたようだ。

 

 ナルトは自身が目を覚ますきっかけとなった物音に聞こえる方へと目線を向ける。 するとそこには窓を叩くはたけカカシの姿があった。

 

「なんだ……カカシ先生か……」

 

 寝起きで調子の出ないナルトの言葉にカカシは

 

「五代目がお呼びだ、すぐに支度しろ」

 

 妙に落ち着き払った感情の起伏の無い言葉でそう告げた。 カカシの様子に違和感を覚えたナルトだが、仕方なく取りあえずの支度だけして自身の部屋を出るのであった。

 

 

~~~~~~

 

 

 ナルトが火影屋敷に近づくと、直ぐに違和感に気がつく。 それもそのはず、普段里では見ない図体の大きいガマブン太の姿が目に入ったからだ。

 

 屋敷の傍の彼には狭い空間に佇むガマブン太にナルトは声をかける。

 

「アレ……ガマオヤビンに……ガマ吉か? どうしたんだってばよ?」

 

 ガマブン太の頭の上にいる息子のガマ吉の存在に気がついたナルトの声掛けにひょこっと顔を出したガマ吉が深刻そうな顔で答える。

 

「実はのう──」

 

 しかし

 

ガマ吉! おめーはいらんこと言わんでええ! (かしら)と綱手に任しとったらえーんじゃ!

 

 ガマブン太の図体通りの大きな声がガマ吉を制止し、その様子にナルトはただ疑問符を浮かべるのみであった。

 

「一体なんだってばよ?」

 

「いいから行くぞ」

 

 そんなナルトに、カカシは先を急ぐように足を進めたのであった。

 

 そのまま2人が火影室へと前へと着き、中に入ると既にサクラとサイがおり綱手の隣にはシズネと、ナルトの見慣れないガマたちがナルトへと目線を向けた。

 

「…………?」

 

 現状を把握できないナルトが戸惑っていると、ガマたちの中で一際体格の小さいフカサクが口を開く。

 

「この子が自来也ちゃんの弟子か?」

 

 その問いかけに綱手が答える。

 

「はい……これがうずまきナルト……その話の予言の子でしょう」

 

 そんなやり取りにナルトは

 

「じじいの蛙……? 予言って……」

 

 何も考えずに思ったままの言葉を口にすると綱手が語気を荒げる。

 

「コラ! 口を慎めナルト! こちらは妙木山の二大仙人の1人フカサク様だ。 お前に用があってわざわざお越しになったのだ!」

 

 妙に様子が変な綱手の言葉に、ナルトは何時もの調子で返答をする。

 

「こんなのが仙人……? エロ仙人のこと自来也ちゃんって言って子ども扱いだし、綱手の婆ちゃん冗談も──」

 

「口を慎めと言っている! ……この方は自来也の仙忍術の師だ」

 

 しかし綱手からのその言葉で、ナルトは驚き目線をフカサクへと向ける。

 

 そんなフカサクはナルトの言葉に

 

「ハハハ! エロ仙人とは自来也ちゃんらしい慕われ方じゃ」

 

 軽く笑って見せた。 そんな蛙から、何か用があると言わんばかりの様子にナルトが己の中の疑問を口に出した。

 

「……んでそのエロ仙人の師のじじい仙人が、一体俺に何の用だってばよ?」

 

「どこから話せばええのか……そうじゃの取りあえず言っておくが……」

 

 少し困った様子のフカサクは、考えた後の言葉を放つ。

 

 

 

 

「自来也ちゃんが戦死した」

 

 

 

「……………………は?」

 

 その言葉が持つ意味を直ぐに理解できなかったナルトは、思わず口から一言だけ言葉が漏れる。 そして、その言葉を聞いた周囲の人間の様子を確認しようと見渡すと……皆がナルトへとその眼を向けていた。

 

「な、なに……何いってんだよ……」

 

 じわじわと言葉の意味がナルトの中へと染みわたり、その拒否反応がナルトを苛む口から漏れ出る。 

 

 しかしそんなナルトにお構いなくフカサクは自来也が雨隠れへと潜入したあらましから喋りはじめ、ナルトはただその言葉の中身が通り過ぎるのをただじっと眺めていることしか出来なかった。

 

 

~~~~~~

 

 

 フカサクが己の背に刻まれた暗号を見せ、言葉を繋ぐ。

 

「……以上が自来也ちゃんの全てじゃ」

 

 フカサクの話が終わると、少しの沈黙の後虚空を見つめるように床に目線を落としたままのナルトが小さく呟く。

 

「……バアちゃんが行かせたんだな……」

 

 その言葉に綱手は

 

「…………そうだ」

 

 少しの間を置いて答えた。 

 

 その返答にナルトは一瞬綱手を睨み、拳を強く握る。

 

 が、開きかけた口を閉じその場から踵を返す。

 

「ナルト」

 

「ナルト、どこに……!?」

 

 心配するかのようなサイト、サクラの問いかけにナルトは振り返ることなく

 

「……放っておいてくれ」

 

 震える声でそういって、火影室から静かに出ていった。

 

 そんなナルトを追いかけようとするサクラだが

 

「サクラ、いい……少しそっとしておいてやれ」

 

 綱手の制止の言葉に「でも……」と言いながらも、引き留められた。

 

 ナルトの様子を見ていたフカサクは

 

「自来也ちゃんを慕い、それでいて綱手ちゃんの気持ちにも気づいておる。 優しい子じゃ……」

 

 そういい静かに目を瞑る。 カカシはそんなフカサクに

 

「すみませんフカサク様、ナルトとはいずれまた」

 

 そう言い

 

「ああ……それでええ」

 

 フカサクも納得した様子を見せた。

 

「自来也ちゃんが導くべき予言の子……それがあの子であって欲しいとそう願わずにはおれんの」

 

 フカサクがそう言うと綱手も静かに頷き、しかし

 

「……さて、フカサク様……例の手紙の件についてですが」

 

 切り替えるように話を切り出すとフカサクが懐から一枚の紙を取り出す。

 

 カカシやシズネもその紙の存在を知らず、目線を向けるとフカサクがその紙に書かれた文字を部屋の者に見えるように向ける。

 

 その文字をサクラが読み上げた。

 

「ナルト、妙木山、間、敵、里襲来、警備セヨ……他には、孤立スルナ……近ヅクナって警告みたいな言葉の羅列ばかり……師匠これって……」

 

 サクラの問いかけに綱手が頷く。

 

「……フカサク様にはナルトのために妙木山で修行をつけていただく手筈になったのだがな……その話の後にフカサク様が私にその紙をお見せになった」

 

 綱手に続きフカサクが、口を開く。

 

「自来也ちゃんから暗号を受け取り、逆口寄せで戦場を離れる瞬間……何者かにそれを背に張り付けられての」

 

 そう言って手に持つ紙をシズネに手渡す。 そのまま綱手へと紙が渡ると、綱手はその紙をまじまじと見つめる。

 

「……その何者かについて、フカサク様はご存じないのですか?」

 

 カカシがそう尋ねると、フカサクは困ったように首を捻る。

 

「如何せん一瞬のことじゃったからの……一瞬目が合ったが、瞬間口寄せが発動したせいでほぼ姿を見ておらん……強いていうなら」

 

「強いていうなら……?」

 

 綱手の相槌の後にフカサクが思い当たる節を口にした。

 

「ペインらと同じような衣を羽織っておったようにも思えなくはない……しかし模様がひどく歪んで見えたからのぉ……」

 

 自分の見た物に自身がないのかフカサクは、酷く言い淀んでいた。 ……自身の年が原因で老眼だとか、付き添いのガマたちに言われたくはないのだろう。

 

 しかし、その言葉に心当たりがあるのかシズネ以外がハッとして顔を見合わせる。

 

「……え、どうしたんですか皆さん……!?」

 

 急な場の変化にシズネがあひーっといつもの焦りを見せると、綱手はキッと目線を鋭くしてシズネに命令を出す。

 

「シズネ、今すぐにシカマルを呼んできな……フカサク様も闘ったペインらの動きについてもう少し詳しくお聞きしてよろしいですか?」

 

 綱手の変わりようにシズネも迅速に動き、フカサクも小さく驚きながら了承を出す。

 

「……その紙の内容を信じるんですか?」

 

 カカシの確かめるような言葉に、綱手は小さく鼻で笑う。

 

「……()()()がその紙をわざわざ貼るためだけにその場に現れたとすればその行動自体が暁側からしても不自然だと考えて妥当だろう? それほどのリスクを冒してもたらされた情報だ、問題の出ない範囲で善処する価値はある」

 

 綱手の眼は勝負師の炎を灯していた。

 

(いいようにやられるだけが、木ノ葉じゃない……自来也、アンタの仇絶対に取って見せる……っ!!)

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

 一方、火影屋敷を後にしたナルトはフラフラと覚束ない足取りで行く当てもなく足を動かす。

 

 まるで世界が白黒に染まったかのような喪失感を抱きながらナルトは、自来也とのかつての思い出を振り返っていた。

 

 口寄せを教えてもらったこと、一緒に綱手を探しに行った旅の事、螺旋丸の修行やサスケを連れ戻すために強くなると誓った病院でのやり取り。

 

 力を求める自分をたしなめる様に、自分の子どもと接するように温かく接してくれた数年間の旅の思い出。

 

 それらがナルトの心を、酷く締め付けた。

 

 そんな自分の苦しみに息を忘れそうになり、呆然としながらもナルトは

 

(……俺でこんなに苦しいのに……バアちゃんは……ッ)

 

 綱手の胸中を推し量り、更に言葉に出来ないモヤモヤが心を曇らせる。

 

 ふとそんな時

 

 

「よっナルト!」

 

 

 懐かしい声がナルトへとかかる。

 

 ゆっくりとナルトが目線を上げると、そこにはうみのイルカが立っていた。

 

 イルカはナルトの様子がおかしいことに気がつきながらも、歩み寄り肩を叩く。

 

「最近、活躍してるって噂聞いてるぞ? 久しぶりに一楽でラーメン食いながら話でもしないか?」

 

 そんな励ますような明るいイルカの言葉にナルトは目線を合わせずに

 

「やめとく……」

 

 そう一言だけ返事をして、そのまま歩み去っていった。

 

 イルカは、そんなナルトの背を見つめることしかできず……ナルトはその日、当てもなく里を練り歩くことしかできなかった。 

 

 

 

~~~~~~

 

 

 日が沈み、ナルトは用意したカップラーメンやお茶に手を付ける気にもならず自室を後にする。

 

 当てもなく、押し寄せる感情の渦にがむしゃらになる気持ちもわかないナルトは夜の里を日中と同じくただ歩きまわる。

 

 ふと目に入った24時間営業の商店の中に、ナルトの目を引くものがあった。

 

 自来也との修行の日々の中で、ふと彼に分け渡された冷たい氷菓子。

 

 一つの氷菓子に二本の木の棒が差され、誰かと分け合うことが前提となったその商品をナルトはかつて自来也に中身を消費された過去を持つボロボロのがま口財布からお金を出して購入した。

 

 

 

 商店を後にして、ナルトは街灯が照らすベンチへと腰を掛ける。

 

 静かな夜の里で、音もなくナルトはそのアイスをただ剝き出しにして手に持ち思い出に浸る。

 

 アイスから滴る水滴と、ナルトの目から落ちた涙が地面に後を作った。

 

 そんなとき、不意にナルトに声がかかる。

 

「ナルト」

 

 日中と同じ、イルカの呼びかけにナルトは目線だけイルカへと無言で向けた。

 

 黒い普段着の装いのイルカはそのままナルトの隣へと座る。

 

「……自来也様のことは聞いたよ」

 

 イルカのその言葉にナルトは、眼がより熱くなる感覚を感じながらもつらつらと言葉を口にし始めた。

 

「……俺のこと、ずっと見てて欲しかった……俺が火影になるとこ見ててもらいたかったのに……エロ仙人には、かっこわりーとこばっかしか見せられなくて……」

 

 悔しさからか顔が歪み、ナルトの頬を伝う涙の線はその起伏が激しく波打っていた。

 

 そんなナルトにイルカは

 

「……自来也様はお前のことをいつも褒めてたよ」

 

 そう語りかけた。

 

「……いつのまに……?」

 

 イルカの言葉に疑問を感じたナルトだがイルカはそのまま口を開いた。

 

「お前がサスケを連れ戻せなくて、病院に居た時や……それから修行の旅に出るまで……そして帰ってきてからも、俺にお前の事を良く話しに来てくださってたんだ……最初は俺からお前の事を話すことも多かったんだが……次第に自来也様からお前を褒める話ばかりになってな」

 

 軽く困ったかのように笑って見せたイルカに、ナルトは鼻をすすりながらも照れるようにして「……へへ」と小さく笑顔を作る。

 

「自分の孫の成長を見守るように……いつも鼻高々に話していて……お前が自分の意志を継ぐ存在だと信じて疑わなかった。 ……必ず火影になって世の中を良くしてくれるってな」

 

 そう言いながらイルカはベンチから立ちあがりナルトの間に立ち、屈む。

 

「自来也様はお前をずっと見ているさ、これからも。 ……だからこそ、今まで通り……いや今まで以上にお前はお前らしくいればいいんだナルト」

 

 イルカはそっとナルトの手から氷菓子を手に取りそれを二つに割って見せた。

 

「なんせお前はあの自来也様が認めた優秀な弟子なんだからな」

 

 イルカは氷菓子の一つをナルトへと差し出し、ナルトは涙を拭きながらそれを受け取る。

 

「……ありがと、イルカ先生」

 

 涙に目を腫らしながらも、ナルトは歯を見せるようにはにかんで見せた。

 

 そのナルトの笑顔にイルカは満足したかのように立ち上がった。

 

「大丈夫だ、それになんたってお前は俺の生徒でもあるんだからな! ヨシ、それじゃあ早く寝ろよ! 寝る時は暖かくして──」

 

「だぁもう! 分かったってばよ、イルカ先生!」

 

 イルカのお節介にナルトが困り気味に制止をかけるとイルカは氷菓子を一口かじって、手を振りながら夜の里に姿を消していった。

 

 笑顔を見せながらいなくなったイルカの姿を見送るとナルトも、氷菓子を一気に頬張って自身の頬を叩いた。

 

 自来也が褒めてくれていた明るい自分を見失わないようにと。

 

「……ヨシっ!」

 

 そうナルトが気合を入れた瞬間

 

 

 

「ナルト君……?」

 

 

 

 

 不意に背後から声がかかり、ナルトが驚いて振り向くと

 

 

 日向ヒナタが立っていた。

 

 

「ひ、ヒナタか……急に声かけてくるからビビッたってばよぉ……」

 

 ナルトが胸をなでおろす仕草をしてヒナタに目線を向けると、白い薄着の寝巻の姿のヒナタに一瞬目を奪われる。

 

「ッ……」

 

「大丈夫? ナルト君……その」

 

 感情の角が取れようとも、それが直ぐに平気な状態になるわけでもなく、混乱してしどろもどろになるナルトにヒナタは心配そうに駆け寄る。

 

 しかしナルトは自身の中に渦巻く感情の中に芽生えそうな別の感情に気づかないように、ヒナタに制止するよう掌を向ける。

 

「ま、待ってくれってばよ……ヒナタは何でこんな時間に出歩いてんだ?」

 

 苦し紛れのナルトの質問にヒナタは

 

「ナルト君の様子がおかしいって、人伝に聞いて……もしかしたらって思って」

 

 素直にそう答えた。 自分を心配してくれることに感謝をしつつもナルトは

 

「あー……まあ、辛いことがあっただけでヒナタがそう心配することでも──」

 

 何とか穏便に済ませられないかとヒナタに心配はないと伝えようとする。

 

 しかし

 

 ふいにヒナタが近づき、ナルトを抱擁する。

 

 あまりにも流れるかのようなヒナタの動きにナルトが自身に抱き着かれていることを認識するのに一瞬時間がかかりその間にヒナタはナルトの頭を撫でる。

 

「……無茶はだめ。 辛いことがあったってわかるから……ちゃんと見てるから……ね」

 

 落ち着かせるようにゆっくりとそう語りかけるヒナタにナルトは

 

(ああ……あったけぇ……何だろう……今まで感じたことのない……この落ち着く感じ……)

 

 先ほどまで慌てていたことも忘れ、ただヒナタの抱擁を受け入れその心地よさに身を委ねていた。

 

 少しの間、ヒナタの腕に抱かれていたナルトがだ不意に

 

 

 ぎゅるぎゅる~~~~ッ

 

 

 とお腹の鳴る音が響き、我に返る。

 

「っ~~だぁー! ダメ、駄目だってばよ!」

 

 暴れるようにして抱擁から抜け出したナルトにヒナタが目を丸くする。

 

「だ、大丈夫ナルト君? そんなに慌てなくても……」

 

「ヒナタ、お前悟と婚約してること忘れてねぇか!? 俺、昔は婚約とか意味わかんなかったけど今はこういうのしちゃダメだってことぐらいわかるってばよォ!?」

 

 ワタワタとヒナタから距離をとるナルトに、ポカンとした様子のヒナタ。 そのままナルトは言葉を連ねる。

 

「悟が生きてるかどうか分からないってのは確かに辛ぇーかもしれねぇけど、そういう……自暴自棄ィ? みたいなことは良くないと俺は思うってばよ、うん!!」

 

 早口でそう語るナルトに、ヒナタは納得の行った表情を浮かべる。 そして

 

「ナルト君に、少し話したいことがあるの……ちょっとだけ(うち)に来てくれる?」

 

 そうナルトを誘った。

 

「へ?」

 

 

~~~~~~

 

 

「へ?」

 

 再度放たれたナルトのそのマヌケな言葉にお構いなく、ヒナタは日向の屋敷の自身の部屋である巻物を広げる。

 

 あまりの展開っぷりに正座のナルトが呆然としているとヒナタは巻物のに押されている血印の一つを指さして口を開く。

 

「これが、私と悟君の婚約の指印なんだけどね」

 

(俺ってば、何見せられてんだ……????)

 

 ヒナタの言葉に、ナルトは意味も分からず内心何故か泣きそうになりながら、言われるがままその血印を見る。 そこには2つの小さな親指で押された血印があり

 

(……本当にあの頃の……むかしのやつなんだな……)

 

 とナルトがそんなことをしみじみ思っていると

 

「この婚約の指印は契約者がどちらかでも死ぬと、破棄されるようになってるの」

 

 そうヒナタはナルトの目を見て話す。 その言葉が表すことはつまり

 

「えっと……じゃあ悟は生きてるってことか……!」

 

 驚きの展開ばかりだったナルトだか、それ故に驚きの事実を以外にもすんなり受け入れることが出来た。

 

「そう、だから……だから……?」

 

 するとここまでするすると話を進めていたヒナタの言葉に乱れが生じ始めた。 おおよそ自分のしでかしてきた行動言動の意味を落ち着いて把握し始めたのだろう。

 

「お、オウッ……だから……?」

 

「うん……だから……?」

 

「……?」

 

「……?」

 

 お互いに目を合わせて、お互いに顔を傾け疑問符を浮かべる2人。

 

 

 瞬間スパーンとヒナタの自室の襖が開く音が響いた。

 

「姉様!! ナルトさん!! 今日は取りあえず、夜食を食べてお開きにしましょう!!」

 

 不意にそう言いながら現れたのは日向ハナビであった。

 

「ハナビ!?」

 

「おお!?」

 

 突然の来訪者に体をビクつかせる2人だが、ずかずかと入り込んできたハナビに手を引かれナルトとヒナタは別室に連れられそこに用意された軽めの食事の前に座らされる。

 

「?」

 

「?」

 

「私お手製です! マリエさんの所に出入りしているので、味の方は保証しますよ。 それを食べたらナルトさんは帰ってくださいね!」

 

 展開の凄まじさに混乱しながらも、ナルトとヒナタは合わせて手を合わせる。

 

「「いただきます……?」」

 

 もはや通常の思考をしていない2人は、大人しくその出された食事を口に運ぶのであった。

 

 

 

 

 

「全く……あのベンチのあった所から屋敷まで、姉様ったら一緒に居た私の存在忘れて突っ走るんだから……世話が焼けるなぁ……フフフ」

 

 

 

 

 

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