目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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24:燃える森で燃やせ闘魂

<黙雷悟>

 

ナルトと同時に啖呵を切った瞬間、ミズキに連なる忍びたちがそれぞれ術を使用し攻撃をしてくる。

 

頭数がいるだけあって、五遁をすべて含んだ術が俺たちに迫る。

 

「ちょっ!?やべえってば……」

 

「まかせろ!」

 

怯むナルトに変わり俺が影分身を使い5人(・・・)分の頭数をそろえ……

 

「五遁連弾の術!」

 

それぞれが火・水・風・土・雷の術を使用し、相性がこちらが有利になるように敵の術にぶつける。

 

相性が良い分、未熟な俺の術であろうと相手の術を押し返し、大爆発を起こす。若干土と雷だけ出力がでかいのは修行の成果だ、エッヘン。

 

爆発で生じた衝撃波が相手を怯ませているうちに、俺は用意しておいた煙球を全てふんだんに使い、周囲を煙まみれにする。……忍具はおこずかいで購入しているからあまり消耗品を使いたくはないが背に腹だ。

 

「あいつ一人で性質変化を……」 「煙で状況が……」

「このままじゃ逃げられてしまいます、ミズキさん!」

 

ミズキの仲間たちが狼狽え始めたが

 

「落ち着け!奴らは負傷者とガキを抱えている!直ぐには逃げられない。煙を囲んで外に逃げられないようにしろ!風遁が使える奴は煙を晴らす準備をしておけ!」

 

ミズキの的確に指示で冷静さを直ぐに取り戻し、煙を取り囲むように俺たちの逃げ場を塞ぐ。

 

無駄に優秀だなミズキ先生。

 

取りあえず時間を稼げた。この間に……。

 

「ナルト、これでイルカ先生の傷を手当てしてくれ」

 

そういって緊急用医療キットを腰のポーチから出してナルトに手渡す。

 

「わかったってばっ……おっとと!!」

 

近くにいても煙が充満しているせいで、手元が良く見えずナルトがキットを落としそうになる。

 

「それ高いんだから気を付けてくれよぉ!」

 

俺の切実な訴えにナルトが「ご、ごめん」と謝りながらイルカ先生の治療を始める。

 

イルカ先生はそんな俺の様子に

 

「わ、悪いなあ、悟。そんな高い物俺のために……」

 

と謝ってくるが

 

「イルカ先生、今気にすることそこじゃないです。命が助かるなら金何ていくらでも使いますよ。それにこの状況を打破することのが先決です」

 

そういって俺は怯えて地面に座り込んでいるハナビに目線を合わせるようしゃがむ。

 

「……どうしてこんなところにとかは今は聞かない。だけどみんなが無事に戻るためにも、戦わなくちゃいけないんだ。それはわかるな?」

 

なるべくハナビを落ち着かせるようにゆっくりと話す。ハナビも何とか俺の言葉を聞き入れてくれている。ハナビの首元についた傷の血を拭きながら俺は話を続ける。

 

「今、ハナビだけを逃がしてあげることはできない。ハナビが捕まれば人質になって今度こそ終わりだ。それにナルトやイルカ先生を置いていくことも出来ない。だから」

 

俺は鉄棒を背負うための帯を緩め、しゃがんだままハナビに背を向ける。

 

「俺がハナビを守る。俺を信じて背に乗ってくれ」

 

それはハナビを戦闘の渦中に巻き込む行為だ。けれど、現状俺の本体が彼女を守り戦うのが彼女にとってもっとも安全だと考える。

 

彼女は恐怖を感じている様子だが、流石は日向の一族だ。

 

「……わかった。絶対に負けないでね」そう呟いて俺の背に乗ってくれた。

 

彼女の覚悟を背負い、俺は背の彼女を鉄棒の帯で少しきつめに固定する。

 

ハナビが少し声を漏らすが「大丈夫だから」と強く俺の肩を掴み、命を預けてくれる。

 

「あと、これ。俺の髪をまとめる用のゴム紐だけど、ハナビの髪をまとめておいてくれ。掴まれると厄介だしな」

 

「わっわかった……」

 

そういって渡した簡素な黒いゴムひもでハナビが髪をまとめているうちにさらに声をかける。

 

「……ハナビ、今白眼を使えるか?」

 

俺の問いにハナビは「今は広い範囲は見れないと、思う。思う様に体が動かないし……」と答える。

 

メンタル面で術の効果はかなり違ってくる。今のハナビでは白眼の視野も広くないだろうが、でも問題ない。

 

「大丈夫だ。白眼を使って俺の仮面の下、俺の表情だけを見ていてくれ」

 

俺の要求にハナビが不思議そうに白眼を発動させると

 

「……ぷっあっははは!なっなんでこんな状況でそ、そんな変顔……くっふふふ!」

 

俺の仮面の下の変顔で笑ってくれたハナビが背中で震えている。……よし大丈夫そうだな。

 

「悟、イルカ先生は大丈夫そうだってばよ!」

 

ナルトからOKのサインが飛ぶ。

 

そろそろミズキたちが煙を晴らしてくるだろう。

 

簡易的だが俺は作戦をみんなに伝える。

 

「とにかく頭数を減らすことが重要だ。俺とハナビで少し離れた位置に敵を誘い込む。ミズキ先生とその他一部はナルトの影分身を前衛にして、イルカ先生の忍具による支援で時間を出来るだけ稼いで欲しい。俺の方が片付いたら、合流してミズキ先生をぶっ飛ばそう!」

 

「おう!了解だってばよ!」

 

「今はお前たちに頼るしかなさそうだ。不甲斐ない先生ですまない……」

 

「落ち込まないでください、イルカ先生。……よし来るぞ!」

 

 

覚悟を決め仮面の下で笑顔を作る。ハナビが見てくれている以上不安にさせるような表情はしない。

 

背の命を感じ俺の意志が強くなるのを感じる。

 

 

 

いつかのイタチさんも同じように思ってたのかな……。

 

 

 

「「「風遁・烈風掌」」」

 

ミズキの手下達の風遁が煙を晴らすべく行使される。

 

風遁が来ると分かっていればこっちのものだ。

 

「火遁・炎弾!」

 

風遁を放ってきた忍びたちに向け炎弾を飛ばす。風の影響で火力を増した炎弾が忍びたちを焼く。地道に数を減らしていこう。

 

術の影響で煙が晴れてしまったがしょうがない。俺は封印の書をミズキに向けぶん投げる。

 

「プレゼントforユー!!」

 

「なに!?」

 

一瞬ミズキが怯んだ瞬間、封印の書に変化していた俺の影分身がミズキに襲い掛かる。直ぐに返り討ちに会うがその隙に

 

 

「じゃあ!!俺たちは逃げるんで!!」と叫んで俺はハナビを背負いナルトとイルカ先生から距離を取る。

 

「ふざけた真似を!!おい、あいつらを追え!封印の書に化けてたのが悟の奴、仮面のガキだとすると持っているのもあいつの可能性が高い!」

 

「了解しました。」

 

ミズキの指示を受けた、恐らくミズキの次に実力のありそうな中忍が複数の忍びを引き連れ、俺たちを追う。

 

「イルカと化け狐!お前らはじわじわとなぶり殺しだあ!!」

 

「やってみやがれえ!」

 

「いくぞ、ミズキ覚悟しろ!」

 

遠くでミズキとナルト、イルカ先生の声が響くのを聞きながら俺はそのまま距離を取った。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

森は広範囲で燃えているようで結構距離を取ったにも関わらず景色は燃えた森林だ。

 

 

「ああ、流石に追いつかれたか!っと」

 

忍び達が投げるクナイや、手裏剣を両手の鉄棒で弾きながら

 

「八門遁甲・第二休門……開!」

 

休門を開放する。第三生門以上は背中のハナビが負担に耐えられそうにないので使えないが下忍ほどの実力の相手なら十分だ。

 

接近し、クナイで接近戦を仕掛けてくる相手に対して俺はただ鉄棒を振るう。実直安直な振りだが、休門状態の攻撃を捌ける下忍などそういない。

 

クナイでは俺の攻撃を受け止めきれず、下っ端たちの腕、手、足などをひたすら八門の力押しで砕いて戦闘不能に追い込む。

 

そんな俺の様子に怯んだ忍びたちは遠距離からの攻撃に切り替える。

 

正面から飛んでくる火遁に対して

 

「どっせい!!」と鉄棒を片方ぶん投げる。

 

鉄棒が回転しながら飛んでいくと、火遁をかき消し術者の頭を鈍い音で打ちぬく。八門の身体能力さまさまだな。

 

「よし、ストライク!」とガッツポーズを取ると

 

「不審者!上!」と背中のハナビが叫ぶ。

 

咄嗟に残った鉄棒を上にぶん投げると奇襲をしようとしていた忍びを打ち抜く。

 

「ちょっと!油断しないで!背中に私がいるんだから!」とハナビが語気を強めて言う。

 

「ごめん!あとナイス!!」

 

少し調子を取り戻し始めたハナビの様子に安堵すると、鉄棒を無くした瞬間を好機と捉えたのかまた正面から数人忍びが接近戦をしかけてくる。

 

「木の葉以外の忍びもちらほらいるな……。ミズキ先生カリスマどんだけよ……」

 

俺は呆れながらも柔拳のような構えを取り、攻撃を捌き、攻撃二段目を上に弾く。そのまま無防備な相手の腹を剛拳で打ち抜き、後列の忍びもろとも吹き飛ばす。

 

「やっぱり不審者って変な体術使うのね。柔拳のようで、そうでない気持ち悪い……」

 

「背中の人!悪口禁止!」

 

 

 

 

「軽口を叩きながらとは余裕だな!」

 

殺気を感じその場から飛びのくと、水で出来た龍が元居た位置の地面を大きくえぐる。中忍のお出ましか。

 

「その仮面のガキは体術が得意だ!背中のガキを守りながらで動きも鈍い。遠距離から削れ!」

 

中忍の指示で残った幾ばくかの下忍クラスが手裏剣や術で攻撃を仕掛けてくる。

 

逃げ場はない。こうなったら……

 

「ハナビ、しっかり捕まって口閉じてろ!舌噛むぞ!」

「えっちょっ……きゃあ!」

 

 

迫る火遁や水遁、手裏剣らに対して対抗するために俺はそのばでコマのように周る。

 

「八門八卦・剛天!」

 

言ってしまえば日向の八卦掌回天パクリのである。八門で増幅したチャクラを放出しながら、力技で回天を真似した体術は見事敵の攻撃を弾き打ち消す。

白眼がないので回転は荒い。

 

シュウッと音を鳴らし回転が止まると背中のハナビが目を回している。……ごめんよ。

 

残り僅かな下忍クラスの位置を捕捉すると、俺は構えを取る。ぶっちゃけて言うとカ〇ハ〇波の構えだ。

 

「八門八卦・剛掌波!」

 

両手で溜めたチャクラの塊を強化された身体能力で打ち出す。これも日向の八卦空掌のパクリだ。八門の身体強化で再現しているに過ぎないパチモンだが、威力は凄まじく下っ端たちを打ち抜き昏倒させていく。こちらも白眼がないので急所を射抜く正確性がないので力押しだ。

 

これより威力の高い昼虎はただの拳圧だと思うと、ガイさんの化け物加減が身に染みてよく分かる……。

 

「さてと……」

 

一人残された中忍と対峙して俺は八門を解除し相手を見据える。

 

「あとはあんた一人。定石通り、雑魚を散らして親玉と一騎打ちだ!」

 

「ふん、存外やるようだが無駄だなぜならそのガキを庇いなg」

 

相手が喋りはじめる前に遮るように俺がまくしたてる。

 

「いや、でもあんたも雑魚(・・・)の一人かぁ?そうだよなあ、何でもかんでもミズキ先生の言いなりでここまで来ているようだしぃ~い?」

 

「な……!?」

 

「親玉と言えばどちらかと言えばミズキ先生のほうだよな?俺みたいなアカデミー生に後れを取る中忍?ぶっはwwwザッコwwww」

 

 

俺の挑発に反応する中忍相手に罵詈雑言を繰り返していると目を回していたハナビが目を覚ます。

 

「う、う~ん……ハッ!不審者後ろ!」

 

その掛け声に振り返ると中忍の影分身であろう存在が俺にクナイを差し向け……。

 

俺の腹にクナイを突き刺す。

 

「油断したなガキぃ」

 

「グッ……くっ……そぉ

 

 

 

 

 

 

な~んちゃって」

 

中忍がハッとして俺の腹に突き立てたクナイを見ると、俺の岩状に変化した手で捕まれその動きは阻止されていた。

 

 

 

「何だと!?貴様が印を結ぶそぶりなど一切なかったはず……!」

 

中忍が驚いているうちに、今の俺にとっての後方にいる中忍の本体が叫ぶ。

 

「ぐああああッ!」

 

俺が振り向いて目線を向けると、首だけ地面から出した中忍がいた。中忍の影分身も消えたようだ。

 

 

「貴様どうやって……」

 

「ネタ晴らしをするわけないだろう?忍びだぞ?」そういって中忍の顔を岩状になった手で殴りつけ意識を吹き飛ばす。

 

「よし、ナルト無事でいてくれよ……!」

 

そのまま急いで俺はナルト達の元へと向かった。

 

「不審者、貴方結構えげつない……」

 

「忍びだからな…♪」

 

ハナビの評価をサラッと流した俺は八門を開放し走るスピードを上げた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ついでに先ほどの俺の行動のネタ晴らしはこうだ。

 

戦闘が始まる前に影分身を一人分、土遁で地中に配備。

 

八門中は術が上手く使えないので予め使っておいたのだ。

 

それで剛天の終わり際にひっそりと八門を一度解き『土遁・岩状手腕(がんじょうしゅわん)』の印を結び発動させておいた。

 

マリエさんの十八番忍術である岩状手腕は拳岩の術と違い、術の発動後好きなタイミングで身体から岩を排出しコントロールできる。

 

マリエさんが本気を出すときは全身を鎧のように岩を纏う、『土遁・岩状鎧武(がんじょうがいむ)』に発展させるらしい。ちなみにガイさん情報。

 

 

あとは岩状手腕で攻撃を防ぎ、中忍本体を俺の影分身が『土遁・心中斬首の術』で拘束したという流れだ。

 

 

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