目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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26:鎮火した森、燃える恋

<黙雷悟>

 

 

 

ミズキとの死闘を終えボロボロな俺たちはそれぞれ、帰宅することになったが……

 

「俺は詳しい事情を報告しないといけないからな。一楽に連れっててやるのはまた今度だ。あと悟、その腕……病院行けよ?」

 

イルカ先生は燃えている森の後始末やら、事情聴取やらで木ノ葉の忍びに拘束されてしまった

 

俺やハナビはただ居合わせただけの一般人扱いでちょっとした質問をされただけで解放された。

 

ナルトは……火影に直接呼び出されたらしい。まあ、怒られるわな……そりゃあ……ねえ?

 

ミズキも一応拘束されたらしい。あの様子じゃあ逃げることなんてできそうにないけども……。あとから知ったが彼には恋人もいたらしいのに……ちょっとだけ可哀そうだと思う、ちょっとだけ。まあ最終的には俺の知ったこっちゃない。

 

 

 

そうして俺が深夜、ハナビを屋敷まで送り届けることになった。

 

二人して、暗い夜道を無言で歩く。あの壮絶な状況から一転、夜の静けさが染みる……。あと物理的に右腕に夜風が染みる。

 

「あ~痛て~」と俺が呟くと、ハナビが心配そうに俺に問いかけてくる。

 

「あ、あの、その大丈夫ですか?やっぱり直ぐにでも病院に……」

 

そのちょっと遠慮する姿がヒナタに似ていると思いながら

 

「いやまあ、ハナビを屋敷に送り届ける方が大切だしな~。もう緊張する必要がないし、この静けさに浸ってたい……切実に」

 

そういって簡易的な処置が施されて包帯でグルグル巻きの右腕を持ち上げピースをしてみる。っ超いてえ!!

 

思わず出そうになる声を涙目になりながら抑え、なんとか日向の屋敷の前まで来た。

 

すると……

 

 

バナビざま゛~~~~!!!!!!!!

 

鼻水と涙を雪崩させながら白眼を発動させた日向ナツさんがその白い眼を血眼にし、屋敷の玄関を吹き飛ばして出てきた。……おいおい。

 

そのままハナビに抱きついて「ごぶじ、ごぶぎでなびぼりでずうううう」と

 

何言ってんのかわからない感じでむせび泣いていた。この人こんなキャラだったか?(汗)

 

 

「ちょっちょっとナツさん、くるしい……」ハナビがナツさんの涙に溺れそうになる姿を俺は苦笑いで見守る姿勢を貫く。

 

すると俺の目の前にヒアシさんが玄関から歩いてくる。

 

「事情は大まかにだが、木ノ葉の忍びから聞いた。……またも、君に娘を助けられるとはな」

 

「いや、まあ。前回(・・・)は俺はとくになにもしてないですし……」

 

俺の言葉を遮るようにヒアシさんが無言で頭を下げる。ちょっ!!

 

その様子にナツさんもハナビも驚いている。

 

 

「こんな往来でなにやってるんです?!せめてそういうのは屋敷の中でしてください!」

 

俺が慌ててそう言い、無理やりヒアシさんを片腕で押しとりあえず玄関先まで進む。日向のトップが簡単に頭を下げている光景など、そう人に見られていいはずがない。

 

 

そんな俺の様子に申し訳なさそうな、今まで見たことないような弱々しい表情をしたヒアシさんが呟く。

 

「……本当にすまなかったぁ……」

 

まあ、娘が心配だったのだろう。この人も人の子。感情がある。

 

そう思い、膝を崩して泣いている?ヒアシさんの肩を叩き(どうしよう……?)と思いながら慰める。

 

俺がナツさんとハナビに目線を向けるも「無理無理無理!」みたいなジェスチャーで返事を返される。

 

 

少しするとヒザシさんが出てきて「ほら、兄さん立ってください。悟君もすまなかったね。また後日正式な形で謝礼をするから……君は一先ず病院に向かいなさい」

 

そういって弱々しい背中のヒアシさんに肩を貸し、屋敷の中に戻っていった。

 

ハナビもナツさんに連れられ屋敷の中に……

 

 

 

 

「不審者!」

 

屋敷を後にしようとする俺にハナビが声をかける。

 

俺が振り返るとナツさんのスカートの裾を掴んで「……ありがと……」と言って顔を隠しているハナビがいた。

 

それに俺は「どういたしまして!」と笑顔で答える。まあ、白眼を発動していないハナビに今の俺の表情は見えないだろうけど。

 

そうして俺は日向の屋敷を……

 

「うごっ!!」

 

 

後にするために道に出たとたんに衝撃が走る。

 

何が起きたか、後ろから誰かが抱き着いてきてる。背丈からしてハナビしかいないが。

 

 

 

 

「黙雷さん。ありがとうございました……」

 

消え入りそうな震える声を響かせた表情が見えないハナビに俺はどうすることも出来ず

 

「君が無事でなによりさ。ほら、家族のみんなを安心させてきて」

 

と優しく諭す。

 

するとそのまま表情を見せずにハナビは玄関へと走って戻っていった。玄関にはヒナタも出てきており、遠くで俺に向かって頭を下げていた。

 

 

取りあえず、左腕を振り別れをすませ、今度こそ日向の敷地から出たとき

 

俺の体が抱えられ宙に浮く。

 

「おわっお!?なんだ!!」

 

俺は困惑の声を上げる。

 

 

俺をお姫様だっこで抱えたその人物は深夜の里を跳躍し駆ける。

 

「大馬鹿者!!!!」

 

俺を抱えている人物が俺を叱りつける。

 

 

 

相手は……マリエさんだ。表情は見えないが、声の感じからして怒ってるな。うん。

 

 

「お前と言う奴は!!こんな大怪我を負っておきながら!悠長にヘラヘラと!別れのあいさつなどして!!阿保か!!」

 

 

うん、怒ってる。

 

 

「いや、まあ。今回(・・・)は俺も意識をなくしてないですし、誰も死んでないし万々歳ってことで……「ふざけないで!!!!」」

 

 

 

おおう……。本気で怒られて、流石に俺も何も言えない。

 

その後はただすすり泣くマリエさんの嗚咽だけが夜の里に響いた。

 

ハナビのことを心配したヒアシさんのように

 

俺にも、嬉しいことに心配をしてくれる人がいる。

 

そんなことを再確認しながら俺は病院につくまでの少しの間、マリエさんの腕の中で眠りに落ちた。

 

 

 

うーん?そういえば「悠長」にってマリエさんはいってたけど

 

 

 

 

 

 

 

……どの場面(・・・)からマリエさんは俺のことを見ていたんだ?

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

その後病院に運ばれた俺は、医師たちからどたばたと処置を受ける。

 

疲れから薄れ行く意識の中

 

(マリエさんのご飯食いたいな~)

 

とか思いながら俺はその日は眠りについた。

 

緊張から解かれた反動で日常が恋しくなっていたんだな、うん。

 

 

なんやかんやマリエさんの存在に気が付いた時は安心したし。

 

 

 

 

そしてなんやかんや二日も入院すれば、俺にとって動き回るには十分回復する期間であり……。

 

「本当に……君の回復力には驚かさせられるよ……」

 

何時ぞやの日向の事件の時から、俺を何度か診ている男性の医師が眼鏡をクイっと調節しながらカルテを見て呆れた様子でいる。

 

「すみません、先生……何度も何度も……」

 

マリエさんが頭を下げ、俺も頭を下げお礼を言う。

 

その後病院から退院し施設に戻るまでの間、マリエさんは終始無言だった。

 

 

かなりのお怒りの様子。

 

そうして俺が施設に戻り自室で真面目に、安静にしていると来客が来た。

 

「やっほ~。悟元気~?」

 

ああ、テンテンか……。元気な声を聞きながら、玄関まで普段着を着て、仮面だけを着けた状態で応対する。

 

「あっやっぱりそこまで元気そうじゃないわね!聞いてたとおり、目が死んでる」

 

「そりゃあね……。怪我もだけど、マリエさんがずっと怒ってる様子なのが俺的には一番堪えてるよ……」

 

「ほら、元気出しなさいよ~?今日は甘味屋、私が奢ってあげるから!」

 

そういいテンテンは以前行った甘味屋へ行こうと提案をする。いつもあそこに行ってるけどな。

 

施設から出る時「行ってきま~す……」と恐る恐る言うと小声で

 

「行ってらっしゃい」

 

とマリエさんの冷たい声が響いた。自業自得だけど……つらい(泣)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

改めて里に出ると、事件の時に比べ里の雰囲気は普段通りに戻っていた。九尾の精神エネルギーも感じない。

 

「きょろきょろして、何かあった?」

 

「いや別に?事件があっても、日常は変わらないなあって思ってて」

 

「ああ、外れの森の放火についてね。確かにそこそこ大きい事件だったみたいだけど私は任務に出てたしね~」

 

「詳しくは知らない?」

 

「そうね、ただ一つだけわかるのは……」

 

テンテンが一拍おいて俺にささやく。

 

「悟がそれに関わってたってことかな……」

 

「……なんでそう思う?」

 

表に出さないが少し警戒して問う俺。そこまでの情報は出回ってないはずだが……。

 

前までの俺なら動揺していただろう不意な質問を投げかけるテンテンはクスクスと笑いながら俺の右腕を指さし

 

「悟ってば何か事件が起きるたびに大怪我してるし。それに今回は放火事件で右腕に大やけど。関連性があるに決まってるじゃないwww」

 

「……そりゃそうか……そう思うわなぁ……はあっ」

 

無駄なシリアス展開はテンテンの爆笑と俺の自嘲で幕を閉じ、甘味屋へと足を進める。

 

少し事件のあらましを聞かれ、日向とかナルトとかの固有名詞を使わずに大雑把に説明した。

 

……テンテンですらわかるって言い方は失礼だと思うが

 

火影や木ノ葉の一部の忍びが俺について何も把握していないなんてことはないんだろうな……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

甘味屋で、黙々と団子を頬張る俺とテンテン。

 

二人で出かける時は大抵ここで、腹ごなしをしてから別の場所に移動している。

 

「……で?」

いきなりテンテンが肘をテーブルに突きながら、気怠そうな顔で声をかけてくる。食べ終えた団子の串をくるくると回しながら。

 

「……?」

 

俺は何のことかわからず、首を傾げるジェスチャーをしながら左手だけで何とか仮面をずらしてお茶をすすっていた。

 

 

ちなみ俺は両利きなので、右腕を怪我していても多少は問題ない。

 

「ハナビちゃんって子に手を出したんでしょ?」

 

 

「!?ぐっふぁあっっっゲホっっゲっっほ、うぐぅ……ぐッホッ!」

 

いきなりであんまりな質問に俺が茶を吹き出す。仮面の穴から漏れ出る茶を拭くために布巾に手を伸ばそうとすると

 

ニコッとした、目が笑っていない甘味屋の店員さんと目が合い、バスタオルのような大きい布巾を即手渡された。

 

 

……二回目ですもんね、はい。ご迷惑をおかけします。

 

「っって!!何言ってんだ、お前ぇ!!」

 

先ほどの質問を頭で理解し、周囲のお客さんの迷惑にならないよう小声で怒鳴る。

 

テンテンはヘラヘラ笑いながら団子の串で、甘味屋の外の電柱を指し示し

 

「ほら、またいるじゃない?」

 

と言う。

 

俺がそこに目を向けると、いつかのごとくナツさんとハナビがいた。ナツさんはなぜか白眼を発動し続けている様だが。

 

「いやあ、今回は気づいてなかった……。気配消すの上手くなったか?いやでもいつも通りじゃん?何で手を出したことになるんだよ!」

 

「はあ……ハナビちゃんの表情見た?」

 

「は?表情?」

 

「私はさっき甘味屋に入る時に確認したけど……」

 

(あれは完全に羨望の眼差し……ホの字に近い状態ねぇ)

 

と思うテンテンは自身の内心を語らずに

 

「何かあったんでしょ?」

 

と質問を投げかけてくる。

 

「え……いやあ……?思い当たる節はないかも?」

 

と答える俺に

 

「この朴念仁」

 

とテンテンが冷たく吐き捨てる。

 

「確かに仮面被ってるから愛想がないとは言われるけど……うごっっ!」

 

テンテンからなぜかボディブローを受ける俺。理不尽……。

 

身もだえる俺を無視してテンテンが席から立ち上がる。何をするのかと思えば……外の二人を無理やり引っ張って来て甘味屋の席につかせた。まあ、強引。

 

「あっどうも二人とも数日ぶりで……。ハナビは体調とか大丈夫か?首元の怪我とか……」

 

「わぅ……わっ私は大丈夫です。ふし……黙雷さんこそ、大丈夫……ですか?」

 

 

俺の問いかけに少し慌てて答えるハナビ。確かに少し様子が変だな。

 

「まあ、見た目よりは大丈夫。包帯グルグル巻きで動かすなとは言われてるけど」

 

と返事をする。

 

それよりも気になることがあるのでそちらに話題を移す。

 

「ナツさん……流石にそんなに力籠めて白眼を発動し続けなくても……」

 

「いえっ!!私は大丈夫です!もう二度とあのようなことが起きないように、白眼を一度もたりとも解除しません!絶対に!!」

 

力強く返事をされ、「そっそうですか」としか言えない俺。

 

目線をテンテンに向けると少し満足そう……なんでだ。

 

「それでぇ?お二人は悟とどんな関係なんですか~?」

 

少しふざけた態度で、二人に質問をするテンテン。

 

その後の会話では、俺は蚊帳の外だったのでほとんど聞いてなかった。自身の甘味の追加の注文とついでにハナビとナツさんの分も注文を済ませておく。

 

何かピンク色の会話から意識を逸らしながら、茶をすすった。……店員さんが茶をすするたびに睨みつけてきてこわい……俺は目をそらし、身体も机からそらしてただじっとしていた。

 

 

ついでに言っておくが支払いは全部テンテンだ。奢るって言ってたし俺は今日財布を持ってきていないし。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

甘味屋を出て、テンテンが涙を流しながら財布を逆さにする光景をバックに日向の二人と別れる。

 

「ごちそうさまでした。悟様(・・・)これで私たちは失礼します!行きましょう、ハナビ様」

 

「えっと……じゃあその……バイバイ、黙雷さん」

 

「はい、ナツさんは張り切りすぎずに……倒れますよ?それとハナビも元気そうで良かった。それじゃあ」

 

手を振って二人と別れる。二人の後姿を眺めながら、俺が守れた平和を噛みしめた。

 

 

 

そう言えばと、ハナビの長髪が俺のあげた黒いゴム紐で纏められていることに気が付く。

 

「ハナビー!その髪型似合っているぞー!」と最後にお世辞を送っておく。

 

女の子の外見の変化はとりあえず褒めとけと、前世で誰かに言われてたしな。

 

するとハナビがダッシュでいなくなり、ナツさんもそれを追いかけ姿を消す。

 

ふと視線を感じ横を見るとテンテンが信じられないといった目線を俺に向けている。

 

 

「あんた……素でそんなことしてんの?」

 

「質問の意図がわからないけども……?」

 

呆れるテンテンに連れられ、その後演習場へと俺たちは向かった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

演習場につき俺たちは組手を行う。

 

俺は右腕を負傷していて動かせないが、体術に関してはテンテンより俺の方が幾分か先を行っているので問題ない。

 

「てい!そりゃあ!!」

 

テンテンの拳打を左手で払いながら、隙を見つけ上段蹴りを放つ。

 

「甘いわよ!」としゃがまれるが、もちろんこの蹴りはその勢いのまま派生する。

 

「はい木ノ葉旋風」二段目の回し蹴りに対応できずにテンテンはガードごと宙に浮いたまま後方に吹き飛ぶ。

 

「いったあ……。ねえ悟の体術ってガイ先生に教えてもらったんでしょ?」

 

地べたに座り込みながら、テンテンが問いかけてくる。とりあえず休憩か。

 

「まあ、一部はそうだなあ。だけども全部がガイさん仕込みってわけじゃあないぞ」

 

「それは組手してればわかるわよ。柔拳、日向の型でしょ?ハナビちゃんと仲がいいし、ヒナタちゃんとも面識があるみたいだし。悟って何か日向の弱みでも握ってるの?」

 

「人聞きの悪い……。ただ少し教えてもらえる機会があっただけだよ」

 

そういって左手でクイクイっとテンテンに立ち上がる様に催促する。

 

「あー体術メインの連中の体力凄すぎィ……」と愚痴を言いながら再度テンテンは俺に攻撃を仕掛ける。

 

組手を行いながら雑談を続ける。

 

「悟は日向ネジって知ってる?私の班員なんだけど。ハナビちゃんの従弟でしょ?確か」

 

「おっと!うん?一応知ってるけど、その人のお父さんとも知り合いだし」

 

「見た目は好みなんだけど、性格が最悪なのよね~。ハナビちゃんと今日話した感じ、性格悪いのは日向の特性とかじゃなくてあいつだけね」

 

「そんなにか?」

 

漫画のイメージとすり合わせながらテンテンの話に耳を傾ける。

 

「クズとか、ゴミとかのろまとか言ってて口が悪いし。任務でもギャングとかを容赦なく殺そうとするし。いつもガイ先生に止められてるんだけどね?リーとも滅茶苦茶仲悪くて、リーなんてムキになって組手をやろうとするから、最初の頃は骨折までしちゃってて……」

 

わあお。過激。

 

イメージよりも結構印象の悪いネジを思い、ため息をつく。そういえば、日向の屋敷に行くとたまに殺気を感じるんだよなあ。ハナビを送り届けたときも実は感じてた。多分ネジだろうなあ。

 

そのため息を隙と思いテンテンが攻めてくるが、背を屈めながらカウンターで足払いをする。宙に浮いたテンテンの腕を掴み、一周ぶん回して投げ飛ばす。

 

「きゃあ!ああ~もう。きっついわね……」

 

運命の歪みを感じる……。まあ、中忍試験でネジの相手をするのはナルトだし。どうにかなるだろ……。

 

俺の目的はその後の木ノ葉崩しだしなあ。言い方悪いな、木ノ葉崩しの被害軽減ね。

 

そういえばミズキの事件はかなり漫画の方とは違う展開になっていたけど……。

 

俺がこの世界にいるからそうなったのか?それにしては……まるで関係ない所での変化だし……。

 

 

そこで一つの仮定を立てる。

 

 

この世界は……

 

 

「ぶほお!」

 

「これは完全に隙ありでしょ!」

 

思考に集中しすぎたせいでテンテンの拳を逸らしきれず俺の鳩尾を射抜く。

 

「さすがに、ぼ~としすぎじゃない?」

 

「うっす……そう……っすね」

 

痛みに少し悶えながらもとりあえずの俺の見解を出しておく。

 

 

 

ここは平行世界の一つ、ということ。

 

大まかな流れが漫画と同じ。だが、どこか、何かが違うそんな世界だと。

 

 

 

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