目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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28:壊れた心で見繕った案山子

<黙雷悟>

 

 

(全然、寝れんかった……)

 

 

寝つきが悪く、朝の鳥のさえずりで目を覚ました俺は目が覚めてしまったので仕方なく起きることにした。

 

ふと隣に目線を移すとハナビとヒナタが一つの布団で仲睦まじい様子で寝ていた。

 

(ふふっ……布団二つ用意した意味ないかな……)

 

なんて思いながらも姉妹の中の良さに、昨日の荒れた俺の心が癒される。

 

……ずいぶんと朝早く起きてしまったなあ。班決めの説明会があるけど、その前にちょっとだけ修行するかな。

 

二人を起こさないよう、「先に起きて、修行に行く。アカデミーで会おう」といった主旨の書置きを残し、気配を消して部屋をでる。

 

最近は、黙って施設から抜け出す日々が続いてるなあ。まあ施設の連絡板にどこに行くかとかの書置きは残しているから問題ないけども。

 

そう思いながら、俺は演習場管理棟に向けて跳躍する。演習場を使用する際に申請をするところである。使用中の有無のパネルと、使用者のサインを書く場所で基本的にそこで申請してからでないと演習場は使えない。

 

 

 

朝日がまだ見えないくらいの明るさだが、静けさが心地よく感じる。

 

朝も早いので音を鳴らさないよう気を付けながら、屋根や電柱を足場にして跳躍して管理棟へと向かった。

 

 

 

~~~~~~

 

 

珍しく「第三演習場」が空いていたので、申請を出してからそこへ向かう。

 

確かナルト達やカカシさんの班が使ってた場所だと記憶している。

 

ナルト達の場合は未来の話か……。

 

そう思いながら到着すると朝日が丁度出てきてて、演習場を照らす。朝日の眩しさに目を細める。

 

小川に反射する朝日が綺麗だ。前世ではあまりこういう自然の風景を生で見ることがなかったから、ありがたみを感じてしまう。

 

さて、自然の観賞もそこそこに術の練習でもするか……。

 

そう思いながら、八門を解放し印を結ぶ。

 

八門状態での術の発動は、ぶっちゃけありえない。……じゃなくて難しく、困難である。

 

だからこそ、予め発動させておける影分身とかと現状組み合わせて使っているが限界もある。

 

そのため、どうにか術を発動できないかと四苦八苦している。

 

開門中は術が発動するかしないかも曖昧だ。出ても、ちょろっと火がでる程度だったり、別の属性の術が勝手に発動したり、口から大量の泥を吐き出し続けたりと安定性がない。

 

今も正に、土遁を使おうとして泥を吐き出し続ける状態が続いている。

 

「おろろrrrrrrrrr……やっと止まった……。……痛っ?!」

 

喉に痛みを感じ、せき込む。まるで魚の小骨が刺さったみたいな……。

 

どうにかして、違和感の正体を吐き出すと、血の付いた木の小枝が出てきた。

 

「う~わっ小枝で喉が傷ついて、血ぃ出てんじゃん……。時間も良い頃合いだし、テンションも下がったしそろそろ切り上げるかな」

 

そう独り言を呟きながら、辺りにバラまいた泥や、暴発した火遁で開けた地面の穴の処理などを行う。

 

その時、ふと何気なく周囲に気を配ると人の気配が俺の感知に引っかかる。

 

(おかしいな……申請はしっかり出していたはずだし、一般の人たちはこんなところに来ないはずだし……)

 

そう思い、気配の元へと静かに移動する。……さっきまで派手に術を暴発させたり、泥吐いてたりしてたから今更気配を消しても意味ないかもだけど。

 

そーと藪に隠れ、気配を辿ると人工の建造物が目に入る。

 

(これは……慰霊碑?)

 

慰霊碑のそばに立つはためく旗がばさばさと音を鳴らしている。

 

その慰霊碑の元に人影が一つ。

 

(……カカシさん?)

 

かつてうちはの件で俺を救ってくれた命の恩人が慰霊碑の前にたたずんでいた。

 

こんな早朝から、墓参りか……。そう思いながら違和感に気づく。

 

何時から居たのか知らないけど、さっきまでの俺が出していた騒音に気が付いてなかったのか?そもそも今、俺の気配に気が付いてないのか?

 

木ノ葉最強の上忍が?

 

……少し興味本位で影分身を一つだけ出す。

 

(怒られない範囲で、カカシさんを観察しててくれ)

 

そう影分身に命令をし、適当に丸太にでも変化させる。

 

そうして本体の俺はその場を後にし、演習場管理棟に向かった。

 

 

~~~~~~

 

 

その後施設に戻った俺は、朝食をすませる。

 

「……」

 

ケンカしてて、口を利いていなくても俺の分までマリエさんは朝食を用意してくれている。……ちょっと複雑。

 

ふと昨日の日向のことに思いをはせる。

 

(ヒナタの意思を確認していない婚約の話……でもヒアシさんなりに考えがあったとしたら?)

 

そう、ネジに言われた「自由意思の無い」云々……。あれはこの世界(・・・・)では、間違いではないのだろう……。

 

その中で、親であるヒアシさんが最善を尽くそうとしていたとしたら?

 

俺の価値観は前世のままだ。この忍界にはそぐわない。

 

 

 

 

 

考えにふけって朝食を採る手を止めていると、ふとマリエさんと目が合う。

 

……

 

数秒見つめあい、マリエさんが不貞腐れた表情から俺を心配する表情に変化させる。けれど、すぐまた不貞腐れた表情になり視線を切られる。

 

マリエさんは……どうして俺に優しくしてくれているんだ?

 

親心?ただの親切心?それとも……意識が深く沈んでいく

 

………………

 

…………

 

……

 

「さとるにいちゃん、おじかん、いいの~」

 

施設の子どもに声をかけられ、ハッと意識が覚醒する。

 

時計に目を向けるとアカデミーでの説明会まで五分を切っていた。

 

「~~~~~~っ!!!」

 

声をかけてくれた子の頭を笑顔で撫でてから、朝食を口にかきこみ、仮面をつけて玄関に向かう。

 

「いってきます!!」

 

大声で叫びながら、八門を解放して跳躍する。

 

「……これだから心配するのよ~」

 

その様子を見ていたマリエさんはボソッと呟いた。

 

~~~~~~

 

 

アカデミーの教室の窓から、中にそっと侵入する。

 

良かった……間に合った……。ヒナタだけ俺に気が付き苦笑いを浮かべている。あと少し悲しそう……?

 

そ~とっ席に着くと前の席のナルトがボロボロの状態で机に突っ伏していた。サスケもどうも気分が悪そうだ。

 

その二人の間にいる「春野サクラ」がかなり不機嫌な様子だ。

 

 

 

 

……原作知識を思い出して察した。……そっとしておこう。あとヒナタ、どんまい。

 

 

その後すぐに、イルカ先生が入ってきて説明会が始まる。

 

3人1組(スリーマンセル)の説明……担当上忍が付くこと……班はバランスが均等になる様決められたこと。

 

……バランス云々は噓だな、意図アリアリだろ。

 

そして班ごとにそれぞれ生徒の名前が呼ばれる。

 

3人1組(スリーマンセル)か……悟が居ればあとは足手まといでも問題ないか……)

 

(絶対!! サスケ君と!! 一緒になるわよ!!)

 

(う~ん、サクラちゃんと~、悟と~……あとは~ヒナタとか? サスケとだけはぜってえ嫌だってばよ!)

 

前の席三人の願望は俺にはわからないが、誰と組もうが俺は最善をつくすだけ。

 

そう思いながら、話を聞いていく。

 

~~~~~~

 

 

そして

 

「以上9班。これで班分けは終了したが……」

 

途中7班のナルトがサスケと同じ班であることに不満を言い場が荒れたがその後はスムーズに進んだ。

 

俺には何の引っかかりもなく……そう俺の名前が呼ばれることなく……。

 

 

「じゃあ、みんな。午後からは上忍の先生方を紹介するからそれまで解散!」

 

イルカ先生が解散の指示を出すと、皆それぞれ昼食を取りに動き出す。

 

……え?

 

サスケが一瞬不憫そうな目を向けてくるが、そのまま姿を消した。

 

……え?

 

ヒナタが俺の様子にどうすればいいのかわからず、おろおろとしながらキバとシノと部屋を出ていった。

 

……え?

 

教室から生徒たちがいなくなり、俺が一人席に残される。

 

思考が停止している、俺にイルカ先生が近づき声をかけてくる。

 

「あ~悟。何というかお前は少し特殊でな。この教室に向かってくれ」

 

そういってイルカ先生が、行き先が書かれた紙をこそっと渡してくる。

 

呆けている俺はそれを受け取る。

 

「その、火傷は大丈夫か?俺の方は動くのがやっとだが……」

 

 

「……あ~大丈夫です。もう普通に動かせます。包帯は一応巻いてますけど」

 

ハッと意識が正常化し、イルカ先生の質問に答える。イルカ先生は手裏剣、クナイとめった刺しだったから治りが遅くても仕方ない。

 

まあ俺が異常なだけだけど。

 

「そういえば悟。額あてはどうした?持ってきてないのか?」

 

「ああ、額あては仮面つけてると着けれないのでポーチに入れてます。どうにか身に着けようとはしてるんですけどね~」

 

昨日衣装屋を物色していたのもそのためなんだけど、日向の件があったしな。

 

少し雑談してから

 

「それじゃあ、この教室に向かってきます」

 

「おう。昼飯はどうする?いつも見たいに弁当持ってきてないようだし、この前の約束通り一楽奢ってやるぞ!」

 

ミズキの件の終わりに一楽を奢ってもらう約束したっけ。

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて。一楽で待っててください」

 

そういって俺は教室を後にした。

 

~~~~~

 

指定された教室の前につく。気配は中に1人分。

 

扉を引き開けると、椅子が二つ向かいあう様に置かれていた。片方の椅子には何処にでもいそうな老人が座っている。

 

……あからさまに変化の術を使った誰かだ。

 

少し警戒しながら「失礼します」といい中に入りながら扉を閉める。

 

 

「ふぉっふぉっふぉ。そう警戒せんでもいい」

 

ボフンと煙が上がって変化が解ける。

 

「黙雷悟、その席に座るがいい」

 

正体は……三代目火影……!?

 

 

予想以上な大物の存在に一瞬怯むが表に出さず、「……はい」といって席に座る。

 

すると目の前の火影は手に持つ資料をペラペラとめくりながら、ふむふむとうなずく。

 

「アカデミーの成績に、先日の忍者登録書の内容……ふむほとんどが噓っぱちじゃろ?」

 

ニコッとしながら俺に問いかけてくる。

 

ひえっ……なんでこんな面接みたいなことを?

 

「……どうしてそう……お思いになられたのですか?」

 

「どうしてか……か。日向やうちは、そして前日の放火事件。それらにお主が関わっていたこと。ここまで言えば十分じゃろう?」

 

…………流石に……ばれてるか。

 

どうする?何か疑われているか?他里のスパイ疑惑でもかかってるか?

 

最大限の警戒をし、席から立ち上がる。俺の感知能力では周囲に人がいないのはわかっているが……。

 

「そう警戒せんでもよい」

 

少し鬱陶しそうに火影は手で座る様に促す。

 

「……どういうつもりですか?」

 

「どう……というより、お主にある提案をするためにわざわざワシがここにおる。警戒せんでもお主が木ノ葉にあだなすことはないことはわかっておる」

 

「……」

 

一応座るが警戒は解かない。そんな俺の様子に火影はため息をつきながら説明する。

 

「全ての事件でお主は、大怪我を負いながらも何かを守るため動いていた……そうじゃな? ワシが見た(・・・)のは先日の件だけだが、見事な戦いっぷりよ。五大性質変化を操り、八門遁甲を扱った体術。アカデミー生でありながらこれほどの才能を示すのは稀有な存在じゃ。だからのぉ……」

 

火影は一息つく。俺も、あくまで敵としては認識されていないとわかり緊張の紐を緩める。

 

「お主を暗部に推薦しようという話があった(・・・・・・・)

 

 

 

……過去形?  いや、暗部は普通に嫌だが?

 

「ふとお主が、あの蒼鳥マリエ(・・・・・)の保護下にいると聞いてな。少し昔を思い出して、暗部推薦はワシが無理やりなしにした」

 

「……なぜそこでマリエさんの名前が?暗部とどういった関係が……」

 

「それは本人に確認を取れ。部外者がおいそれと言える内容ではないのでのう。もっとも彼女が言うとは思ってはおらんが」

 

……俺は少し不穏な感情を抱くが、火影が話を続ける。

 

「お主を欲しがってる暗部の者には悪いがお主には下忍として活躍してもらいたい。しかし、お主の才能は一つの班にとどめるものではないと思ってな。そこでだ……」

 

 

 

 

「黙雷悟、お主を火影の名をもって特別補助連携楔班『第零班』として任命する」

 

「はぁ!?……ぜろ……はん?何ですか、それは?」

 

「ワシが考えた、次世代のための班じゃ。お主のそのオールラウンドな能力をその他の各班の補助のために使って欲しい。そして各班を繋ぐ架け橋、繋がりとして各班の連携をスムーズにするのがお主に与えられた責務じゃ」

 

それってつまり

 

「どの班にも所属していないけど、必要に応じて3人1組(スリーマンセル)に加わる所謂助っ人……ということですか?」

 

「察しが良くて助かるのう。お主は基本小隊の4人の枠に入らずに支援する見えざる班、つまり零じゃ。そして各班を支援した経験を活かし、必要に応じて班ごとの連携を取る楔になる。零班はお主一人だが、班の要素はここだ、カッカッカッ!」

 

自分のネーミングを気に入っているのか説明しながら満足そうに笑う火影に俺は苦笑いしか返せない。……まあ、一応俺の役職が決まって良かった。

 

 

少しほっとする。

 

「ところでお主封印の書を見たじゃろ?」

 

「はい見まし……た……~~~~っ!!」

 

話の流れでポロっと喋ってはいけないことを喋らされて、仮面の上から口を押える。

 

「見事n、うおっほんっ!! ではなくあのような(・・・・・・)稚拙な陽動をすればその後にお主が何をするかぐらい見てなくても予想はできるのでな。まあ、深くは追及せんでおくがアレに書かれた内容は危険なモノじゃ。軽率に使うでないぞ?」

 

「しょ、承知しました……」

 

すけべジジイ火影の念押しをくらい、その後零班についての詳細を聞かされ教室から退室した。

 

担当上忍はつかないこと。既に各班の担当上忍には零班の存在は知らされていること。

 

そして、一先ずは第7班とともに、はたけカカシの指導を受けること。

 

 

それらを覚えながら、俺は気疲れを癒すためイルカ先生の待つ一楽へと向かった。

 

~~~~~~

 

滅茶苦茶ラーメン注文した。

 

~~~~~~

 

 

 

一楽で引くついたイルカ先生の顔を見納め、少し衣装屋を見てその後教室に戻ること数時間。

 

他の班の生徒は皆、上忍に引き連れられ教室を後にし残るはナルト、サスケ、サクラ、俺の4人になった。

 

「悟、おまえは結局どうなった?」

 

サスケが話題を振ってくる。

 

「零班……つまりどこかの班の助っ人要因だって。最初は第7班についていけばいいみたいだ」

 

零班については公言していいことになっている。暗部と違って裏とかそういうのを気にするものではないらしい。

 

「そうか」と鼻を鳴らしてサスケが話を切る。なんで若干嬉しそうなんだ?

 

そう思ってるとサクラも話しかけてくる。

 

「え~と悟くんっでいいんだよね? 私春野サクラっていうんだけど……あなたサスケ君と仲がいいの?」

 

「仲が良いというか何というか。まあ、修行仲間? みたいな」

 

「何か! サスケ君が好きなモノとかしらない? 食べ物とか!」

 

……実際に見るとサスケへのお熱っぷりがすごいなあサクラは。アカデミー生時代でもちょくちょく見かけてたけど、入学初期の小さいころに比べ少し活発になった印象を受ける。

 

昔は額を前髪で隠してて自信なさげだったのに。今じゃこのグイグイっぷり。

 

(確かサスケはトマトが好きだったか?)

 

そう思いながらも「知らないなあ」ととぼける。確かこの後自己紹介あったはずだし、その時にでも本人に聞きなさいな。

 

そうして、少し雑談をすることまた数時間。

 

 

「遅せーーーーーーんだってばよ!!!!」

 

ナルトが切れた。

 

俺も流石に遅いなあと思っていた。そういえば……

 

(今朝カカシさんの様子を影分身に監視させていたな……未だにフィードバックが来ないってことは消されてないのか?)

 

ふと思い出し、影分身を解除する。

 

 

そして影分身の記憶が俺に流れてくる。

 

 

~~~~~~

<黙雷悟の影分身>

 

丸太に変化してから数時間。多分本体がアカデミーの説明会を受けている頃。

 

カカシさんの様子に変化が全く感じられない。

 

かれこれ4時間近くはこうしてるが、この人……

 

少し不安に思い、カカシさんが呟いている独り言にも気を向ける。

 

まあ内容は聞き取れないが、オビトや野原リンさん。四代目火影波風ミナトの名前がちらっと聞こえるので自分を戒めてるんだろうけど。

 

あまりにも長すぎる。

 

だけどカカシさんの境遇的に仕方ないのかもとも考える。

 

親、親友、その親友に託された人、師匠。それらを亡くしてなぜカカシさんは忍びを続けられているのか?

 

心がタフだからと、漫画を読んでいた前世の俺は思っていたけどこの様子を見るとそんなことないと思うようになる。

 

既に心は壊れているんだ。それでも、無理やり使命感や忍びとしての責務と言ったものでバラバラになりそうな心を取り繕っている。

 

(友人の残した思いを、その小さな意思を消さないために)

 

数年前のうちはの件の直後。修行をお願いしたときはカカシさんはもう少し覇気があった。暗部と言う組織で、命を懸けて戦うことで生きる意味を無理やり見出していたんだろう。

 

だけど暗部をやめて数年。今やその時の見る影もなく。

 

すっかり忍びとしてのスキルも落ちている様だ。だって

 

 

 

 

 

俺が彼の背後でクナイを背中に当てがっていても気づいていないのだから

 

 

 

 

 

 

それでも、普段はこんな隙を晒しはしないのだろう。そこに彼のすごさを感じるが……。

 

(一日数時間こうして慰霊碑の前にいないと、精神が持たないのかも……な)

 

今の彼は文字通りただの案山子そのもの。そう思いため息をついてクナイをしまう。

 

するとカカシさんに変化が起きたので、音を立てずまた近くの藪に隠れる。

 

「……っ!おっともうこんな時間か。ナルトの部屋、思っていたよりも片付いていたなあ。さあてと、アカデミーに向かいますかね」

 

そう言ってカカシは跳躍してその場を後にした。終始俺には気づかなかったようだ。

 

さっきのナルト云々は原作でナルトの部屋の様子を見たときの感想のものかな?影分身に様子でも見に行かせてたのか……。

 

ナルトの家は本人に断って俺がたまに片づけとかしてるから、流石に原作のように賞味期限切れの牛乳とかはおいてないがな。

 

そう思いながら俺も移動を開始する。あとは本体が術を解除するだけなのでそれまでの間、俺は衣装屋に足を向ける。

 

ちぃとばかし、気に入った腰布があるんだよなあ。

 

そう思って衣装屋の前まで来て、お目当ての品がまだ売り切れてないことを確認した瞬間、俺の影分身の術が解除された。

 


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