目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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シリアスや誰かが辛いのは短めにしたいです。
原作キャラの口調が難しいよー。




追記:1月24日リメイク
表現、文章の変更・追加を行いました


3:感染型熱血漢

…………

……

 

「すみません。こんな時間にお忙しかったでしょう?」

深夜、子ども達が寝静まる時間、私こと孤児院の「マリエ」は施設を抜け、とある居酒屋で旧友と会っていた。

 

「いえいえ、マリエさんが相談したいことがあると前々から聞いていたのに時間が作れなくて申し訳ない。」

 

彼は木ノ葉の上忍「マイト・ガイ」、私みたいな女性や子どもと話すときは丁寧で紳士然とした喋りになるが、根っからの熱血漢だ。

 

「それで? わざわざ私に相談事なんて、マリエさんらしくもない。そもそも私自身、相談事を受けるキャラではないですからな、わっはっは。」

 

何度か手元のグラスの飲み物を口に運んでいるガイ君は、軽くお酒が入り機嫌が良さそうだ。

 

私もお酒を少しあおり、相談事の本題、施設にいるある男の子について話をし始めた。

 

「黙雷悟」 赤子の頃里の近辺で保護され、私の施設で預かることになった子について。悟ちゃんは3歳にしては大人びた、それでいてまだ未成熟なあべこべな雰囲気をまとっている。

 

彼は一歳になり、歩き始めたころから何かと施設に対して貢献をしようとしていた。初めのころは周りの子が片付けない玩具などをしまう程度だったが、次第に家事や掃除など本格的な「手伝い」へと発展していった。

 

私個人としては小さな子にはもっと元気に遊んでほしくて、一度手伝いを断ったことがある。その時、悟ちゃんはどうしても手伝いをしたいと大きな動揺を見せた。

 

悟ちゃんは多分、周りの人間、私を含めて誰も心から信用をしていないのだと思う。二歳の誕生日(施設に来た日を誕生日としている)に祭りの屋台で彼がねだった狐のお面が悟ちゃん最大限のわがままだった。

 

自分が生きていくために、施設が必要であることを理解している。だからこそ自分の存在価値を示し続けている。

 

妙に体を鍛えようとしているのも、将来私たちからの援助を受けずに一人立ちするためなのか……。

 

この半年、悟ちゃんのあとをこっそりついていった私は彼が女の子と遊んでいるのを目にした。その時の彼は元気に感情を表に出していた。遊んでいる最中は一人称も俺になり、遊びに負けたことに本気で悔しがっていた。

 

その様子を見て私はとても……とても悲しい気持ちで……やるせない気持ちでいっぱいになってしまった。

 

……私では彼の信用を得ることはできないのかなあ。

 

そうして一通りの相談事を話し終え、お酒を軽く飲む私。

 

「ふむ、マリエさん。わかりました。俺に任せてください!」

 

私の、愚痴と自分の気持ちの整理が入り混じった相談とも言えない独り言を聞きガイ君はそう答えた。

 

「任せてってガイ君、あなた明日も忍びの仕事があるんでしょう?」

 

「旧友の悩みを解決せず! では、男が廃るってものですよ! なあに問題ありません。男同士、拳を合わせれば分かり合えると信じています! 任務なんてもの、ちゃっちゃと終わらせて明日にはどうにかして見せましょうぞ!! ぶわっはっはっはっは!!」

 

「……ガイ君がお酒に弱かったの忘れてわ。3歳児と拳を合わせるなんて非常識、私が許しませんよ」

 

そろそろ潮時なのかな。

 

完全に酔いが回る前に私たちは解散した。お互い朝は早いし。あまりお酒に浸るのは良くないだろう。

 

「ここの支払いは俺に任せてください! アッハッハッハ!!」

 

多分彼は相談事を明日には忘れてしまうかも。けれど私は誰かに弱みをさらしたかっただけ。彼にも負担がかかるかもしれないからこれでいいの。

 

 

 

そして悟ちゃんが倒れてから、次の日。悟ちゃんは今まで通り、何事もなかったのように施設の手伝いを済ませて公開演習場へと向かっていった。

 

またいつも通りの日常に戻るのかあ。なんて思っていたら……

 

深夜になっても返ってこない悟ちゃん。私が心配して探しに行こうと玄関で身支度をしていたら玄関が開かれ悟ちゃんが姿を現す。

 

 

一瞬安心した私は、彼の様子に気がつき驚愕する。

 

 

ものすっごくボロボロになって目は赤くはれ大泣きしていたのがはっきりとわかる……。落ち込んだ様子の悟ちゃんの後ろには狐のお面を持ったガイ君がいた。

 

 

 

 

私の右手にチャクラが籠る……

 

 

~~~~~~

 

 

気が付いたら朝になっていた。昨日マリエさんの手伝いに行けずに俺は気絶してしまったようだ。このままでは施設を追い出されるかもしれない……そんな気持ちばかりが心にあふれかえる。

 

何とか朝の身支度を済ませた俺は軽く混乱する頭を制しながらいつものように、施設の手伝いをこなす。

 

そして休憩時間には公開演習場へと向かった。

マリエさんはいつもと変わらずに優しく俺に接してくれていた。けれどのその優しさに最近少し恐怖を感じている……。

 

 

そして動揺してて気にしてなかったが昨日はテンテンちゃんにひどい態度を取ってしまった。謝っても許してもらえないかもしれない……。

 

 

そんなことを考えながら俺が公開演習場につくと違和感に気がつく。

 

見渡してみる限り誰もいない? 公園的なこの場所で、午後の3時に誰もいないなんて普通はありえない……。

 

そんな違和感を気にしないよう、いつも通りトレーニングを始めようとしたとき

 

俺に背筋が凍るような感覚が走る。

 

「ダアアイナミッック・エントリー!!!」

 

大声が聞こえ、反射的にその場から俺が大きく飛びのくと、俺がさっきまでいた地面が粉々に砕け散っていた……。

 

男が一人砕けた地面から顔を出す。覆面で顔を隠しているがその特徴的なグリーン一色のタイツ姿と暑苦しい声で、初対面でも誰なのかわかる。

 

「マイト……ガイ!」

 

「ふむ、俺を知っているのか!! なら小細工無用!!」覆面を脱ぎ捨て暑苦しい顔が外部に晒される。

 

「急に何なんだ! こんな……危ない真似!」

 

俺がいだく当然の疑問を口にしたが、熱血漢は俺に蹴りを入れようとしていた。

 

「問答無用!!」

 

「あっぶな!!」

 

すんでのところで転がり避けた俺だが、追撃で裏拳が飛び込んできた。なんとか防ぐも吹き飛ばされる。

 

息が漏れるが、何とか意識を保ち俺は目の前のわけのわからない敵を視界にとらえる。

 

「俺がなにしたってんだ、こんちくしょうがああ!」

 

動揺した俺が反撃のために走る。

 

しかし俺の正論を混ぜた拳は、あっさりガイに止められ反撃が返ってくる。

 

「君は何もしていない。だからこそ俺が行動を促すために来たのだ!!」

 

そういうと彼は打撃に吹き飛んだ俺に追撃のかかと落としをくらわせようとした。

 

「ぽっとでのあんたが俺のなにを知ってんだよ!」

叫びながら俺はなんとか避ける、地面にめり込むかかと落としってなんだよ! 死ぬわ!!

 

「知っているさ! 俺は今朝任務を終わらせ、残りの時間を君の身辺調査に割いた。そこで分かったことはあああ!」

気合を入れたしゃべりをしながら、俺に攻撃を加えるガイは続ける。

 

「君は孤独になるため、周囲から逃げ!努力から逃げているってことだああ!」

 

蹴りを受け吹き飛ぶ俺は、何とか反論をする。

 

「ぐっ……努力から逃げる? 俺が? 身辺調査したならわかってるだろ!! 俺はずっとトレーニングしているし、施設にも貢献し「ちっがーーーう!!」

 

「君のそんな後ろ向きな努力は努力とは言わん! 自分を信じない奴に努力する価値などないぃ!!」

 

「……無茶苦茶だ。」

 

攻撃の手を止め、ガイが語り始める。もうすでに肩で息をする俺は立っているのがやっとだ……話を聞くしかない。

 

「君のしているという努力は全て自分のためだけにしていることだ。悪いとは言わんが、だが悪い!!」

 

何言ってんだ、マジで無茶苦茶……

 

「君は怖いんだろう? だからこそ逃げ続けている。周囲の『やさしさ』という繋がりから。努力しているふうに見せかけても無駄だ。」

 

急にトーンを落としたガイがまじめな顔をする。

 

「そして君はやさしさを返すことに躊躇していると見る。子どもはときおり、親が自分のことを愛していないと考えてしまう時期があるそうだが君はそれとは違う。優しさを裏切られ傷ついた者の目をしている。」

 

「な、なにを言って……」

 

まるで見透かすような……

 

「違うか?」

 

ガイの問いかけに俺は、自分の本心に触れる。

 

「女の子」をトラックから助けた代償。それが想像も絶する痛み。そして危険な世界への転生。

 

この理不尽に俺は……「女の子」を助けなければ良かったと心から思ってしまっていた。元の世界での『つながり』が切れたことを自覚したとき俺はとても辛かった。

 

だから……だから俺は

 

「繋がりが、心を通わせることが怖いか少年……?」

 

「……何でわかるんだ。俺の気持ちがあんたに……」

 

狐のお面のひもが切れ落ちる。ともに涙も地面に吸い込まれる。

 

 

「なあに、俺の周りにはネガティブな奴が多いからな。それに俺自身そういう経験がなかったとは言えん。努力することで努力から逃げる。矛盾しているようだがよくあることだ。」

ガイは笑顔を見せて俺の問いに答える。

 

「俺は……辛くなりたくないんだ……もう。繋がりが切れる痛みを、そのきっかけを後悔することも怖いんだ……」

 

「女の子」を助けたことを後悔することは、つまり見殺しにすれば良いと思っていると同義だ。俺は自分が最低なことを考えていることに気づいていてもその思考を止められなかった。

 

「そうか……」

ガイが相槌を入れ俺に近づき肩に手を置く。

 

俺は泣くのが止められない。泣きながらも俺はガイに問いかける。

 

「俺は……どうすれば、いいんだ?」

 

「周りを頼るんだ! 少年。君の痛みを完全に理解できる人間なんていないかもしれない! それでも痛みを分け合い分かち合うことで共に困難乗り越えることは、誰とだってきっとできるんだぁ!!」

 

大きく、しっかりとした口調でガイは続ける。

 

「過去に縛られるのではなく、糧として明日へと前向きな努力をすれば、きっと未来はよくなる。そのために未来を語るのだ少年。未来を思い描け!!」

 

俺は心の重りが熱血漢に砕かれていくことに気がついた。

 

……ああ、そうか。施設での手伝いもトレーニングも、過去の出来事を後悔して取り繕っているに過ぎなかった。

 

俺が本当にすべきこと……「女の子」を助けたことを後悔しないように、誇りに思うために。助けて良かったと心から思うために……

 

「……俺は、平穏に笑ってこの世界で生きていきたい……繋がりを大事にしていきたい……です」

 

俺の本心にガイは笑って答える

 

「そうか……ならやるべきこともわかったか?」

 

 

俺は

 

「うん、ありがとう……ございます。ガイさん。」

 

足に力を思いっきりこめ

 

「なら施設にともに帰ろう。マリエさんが心配しているがなあに、少しぼろぼrっ!! 痛ったあああああい!?」

 

ガイの股間を蹴り上げる。

 

「な、何をするんだ少年んんん、うぐぐ……っここは笑顔で施設にただいまと……言って帰るシーンに繋がるのでは」

 

「うっせえ! 正論言ってても3歳児をボコボコにしてる人間が恰好つけんなよ!! ああそうさ……俺は強くなる前向きに! だからあんたに負けっぱなしなのは悔しい。つまりいいいぃぃっ死ねええ!」

 

ガイの目に思いっきり砂を捻じ込む。

 

「痛ったあああああい くうぅ~~~やるなあ少年。だがこの木の葉の青い猛獣マイト・ガイの視界を潰したところで無駄ぁ! かかって来いいいい!」

 

こうして俺は、珍獣と夜まで死闘を繰り広げた……。

 

 

心が軽くなった気がする……

 

 

~~~~~~

 

 

ボロボロになった俺はガイさんと「ラーメン一楽」にきた。

 

時間で言えば夕飯時はとっくに過ぎている。

 

「こんなにおそくになってマリエさん心配してるかなあ……」

 

「なあに、心配いらんよ悟少年。彼女はもっと遅くまで遊んでいて欲しいといっていたからな! さあ遠慮せず何でも食べるがいい! 拳を交えた俺からのおごりだあ!」

 

ご機嫌なガイさんに一楽の店長のテウチさんが苦言を漏らす。

 

「旦那ぁ、もう少し静かにしてくれよ。近所迷惑ですぜぇ」

 

俺は苦言を聞きながら注文をする

 

「あはは、すみません珍獣がうるさくて。あっ俺、肉増し増しの全乗せラーメン大盛で。あっナルトのトッピングもお願いします。」

 

「えっちょと悟少年。……頼むのはいいけど食べきれる?」

 

「(珍獣呼びスルーか……)大丈夫です。誰かさんのおかげでボロボロのボロボロでお腹もとっっても空いているので!」

 

「まあいっか! なら大将!! 俺も同じやつでえぃ!!」

 

「あいよ!!」

 

 

 

ガイさんと談笑しながら食べたラーメンは格別に美味しかった。さすがは「ナルト」がはまるラーメン屋だ。まあ誰かと笑いながら食べる食事も……やっぱりいいものだ。

 

 

ふと俺は気になったことをガイさんに質問する。

 

「そういえば、公開演習場に人が居なかったのはどうしてです? あそこは公共施設でしょ?」

 

「俺が部下に頼んで人が入らないようしてもらっただけだ、なあに心配いらんよ。あと君ぃ、身辺調査のとき女の子が君のことを心配してたぞ?」

 

「絶対に問題ありますよねそれ……。女の子はテンテンちゃんのことかなあ、明日には謝らないとなあ」

 

「うんうん、青春だなあ」

 

何かを噛みしめるような表情をしながらうなるガイさんに引きつつも食事を終え帰路につく。

 

「ああ、悟少年、このお面だがすまなかったな。紐が切れているようだが……」

 

「まあ、あれだけ暴れれば屋台のお面なんて壊れますよ……あっ玄関の灯りついてる」

 

施設につく頃には深夜になろうとしていたが、玄関の明かりがついていて中からマリエさんの独り言が漏れ聞こえている。

 

「やっぱり心配かけちゃったか、マリエさんには悪いことしたなあ……」

と落ち込む俺

 

「大丈夫、大丈夫!ほら元気にただいまあと言って……」

 

機嫌のいいガイさんが扉を開けるとマリエさんと目が合う。

 

「あ……えっと……」

 

俺が照れてただいまという前にマリエさんは俺たちの様子を見た後、真顔になり

 

土遁・岩状手腕(どとん・がんじょうしゅわん)

 

多分高速で印を結んだんだろう、俺には捉えることができないその動きの後、腕が岩で覆われたマリエさんが

 

「何をやったんだこの大バカ者ぉ!!」

と叫びつつ

 

俺の後ろのガイさんの顔面を高速で殴りぬけた。

 

 

「ぶっひゃあっ!!!!」と声にならない声を出しながら吹っ飛ぶガイさんを流し見しながら俺は

 

「たっただいまぁ……」

 

気の抜けた声しか出すことができなかった……

 

 

 

 




ちょっと長くなりすぎたかも。
ガイさんはすごい人だ(コ〇ミ)
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