ガイさんがふっ飛ぶ轟音に施設や近所の人間が驚き、小さな騒ぎになったがマリエさんが頭をブンブンと下げてなんとか収めた。
そして改めて施設の応接室で俺と顔がはれ上がって冷やしているいるガイさん、マリエさんで話し合いが行われた。
ちなみに空気は割と死んでいる。こういう時にこそお面を被りたいが生憎紐が切れてつけれない・・・。
「確かに、確かに私は貴方に相談しました。ええしましたとも。けれど私はこんな・・・こんな事を頼んだ覚えはありません!したのは相談だけです!」
深夜なので声の音量は抑えているがぷりぷりと怒っているマリエさん。可愛らしく見えるがさっきの殴りの場面の真顔がフラッシュバックして素直に萌えられない・・・。
「いやあ、でも私ぃ拳を合わせるって~言いましたし~・・・。」
顔半分がはれ上がっていて声が少し変になっているガイさんは、言葉を選びながら慎重に語っている。こちらは可愛いというより可哀そうだ。あと大の大人が指つんつんしている絵面はきつい。
「あの時貴方酔いがひどかったじゃないですか!昔から酔うと記憶が抜けるのは知ってたから私は・・・」
「いえ、あのとき俺はウーロン茶飲んでたので酔っていません。」
きっぱりと己の真実を語るガイさんと「ふへ?」と気の抜けた相槌をするマリエさん。
「いやあだって、マリエさんからの相談事ですよ?俺としては聞くからには解決してあげたいと思いますし、それにほら任務も控えてたので、ぱっぱと任務を終えて行動するためにも素面じゃないとって・・・」
意外とまじめだなっとガイさんの評価を改めるが、つまり俺のことついてマリエさんは酒の力を借りて相談したかったはず。色々と語った相手が素面だったなんて恥ずかし・・・マリエさん、うつむいて震えてるよ・・・。
「・・・素面だったなら私が拳合わせるのはダメって言ったことも覚えていますよね・・・?」
「はっはっはっ大丈夫ですともお!。悟少年は思っていたより根性のある子で!」
少しテンションと口調が元気な時に戻りかけているガイさんと、多分怒りと恥ずかしさに震えているマリエさん。
俺なりに総括すると今回の出来事は男女の悩みに対してのアプローチの差が招いたことだと、他人事のように考える。
相談して気力を保ちたかっただけの女性枠マリエさんと、それを何とかしてあげたいとお節介をやいた男性枠ガイさん。
元の世界でもよくあるいざこざってやつだなあ、ははは。
あっ、俺の角度からだとマリエさんが机の下で印を結んでいるのが見える。
「!話し合いはここまででいいでしょう。俺は昨日の任務の後処理が・・・ふご!」
何かを察して逃げようとしたガイさんだがマリエさんが右手で口を塞ぎ、左手で頭をつかみ力を入れる。どちらの手腕も岩に覆われている。
「逃がすか、大バカ者」
あ、怖いマリエさんだ。
「ふぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」
口を塞がれ、よく見ると手と足が椅子に岩で固定されているガイさんが唸っている。涙目だ。
「おまえ、、、任務の後処理を後日するってどういうことだ?確か危険人物の調査と抹殺だったよな?一日やそこらで終わるわけがない、、、人の話を聞かないばかりか、任務まで適当に終わらせてきたな、、、?」
口調がすごんでいるマリエさんに涙目のガイさんが上目遣いで否定しようが多分無駄だろう。つまり、相談事をした相手は素面であるのに話も聞かず、仕事を心配して早めに解散したのにその仕事を疎かにして、するなといったことをする。
役満ってやつかな?
ていうか調査と抹殺って、昨日のうちにサーチアンドデストロイしたってことか?見かけによらずガイさんも怖いなあ。
「まあ、夜も遅いし、い・ち・お・う任務明けで徹夜してくれたようだし、、、」
マリエさんが声色をやわらげて語る。解放の兆しにガイさんの表情に希望が
「5分で許してあげる♪」
そういうとより一層左手に力を籠めるマリエさん。
まあ、なんだ。ガイさん頑張って!
~~~~~~~~~~~~
5分後解放されたガイさんはフラフラになりながら帰っていった。帰り際にしおれたサムズアップとともに「少年、がんばりたまえ」と言葉を残していった。
まあ、不器用なだけでいい人なんだろう。
多分そのことについてはマリエさんも知っているはずだ。
「さて、悟ちゃん?」
名前を呼ばれて固まる俺。応接室にはガイさんが抜けて静けさが漂っている。
何とか返事をする俺にマリエさんは
「何か言いたいことはある?」
と俺に発言を促す。マリエさんが言いたいことはなんとなくわかる。それに対しての答えを今、求められているんだ。
俺は口を開く
「お、俺、、じゃなくて、私は・・・強くなりたいです。今まで私は周りのことを・・・あまり気にしてない、というより気にすることが怖かったんです。マリエさんのやさしさにも裏側があるかもって勝手に怯えてて」
マリエさんが悲しそうな表情をする。
「本当はわかってたはずなのに、優しくされると、自分がより一層醜く感じて・・・いて、だから一人でどうにかしたい、生きていきたいと思って強さを求めていました。でもそれは間違ってたって今では思っています。」
マリエさんは静かに俺の目を見据えている。
「・・・世界は私を必要としていない・・・かもしれないけど。私は自分の行動を後悔したくないし、この世界で私にやさしくしてくれる人にも後悔してほしくないだから」
俺は
「私は、強くなりたいです。ハッピーは無理でもよりベターな結果のために。」
強く言い切った後、沈黙が流れる。
言葉は少し濁しているがこれは俺なりの決意表明だ。この世界は厳しい。俺ができることは少ない。けれど、トラックから女の子を助けたことを誇れるように。この世界での出会いを繋がりを大切にしたい。
そのためにも、俺は強くなりたい。結果自体が変わらなくても、より良い未来のために!!
・・・
沈黙の中、マリエさんは真剣な表情のまま目をつむり、何かを考えている。そしてその口を開いた。
「私が聞きたかっことはガイ君が他に何かやらかしてないかってことなんだけど・・・(照)」
・・・・は?
えっちょ何、qあwせdrftgyふじこlp
落ち着け俺、いややっぱ無理だわ
「死にます」
「ちょっとちょっと待って悟ちゃん大丈夫、大丈夫だからね?お姉さんそういう真剣な話をしてくれて嬉し・・・あ、ちょっと逃げないで」
マリエさんは逃げる俺を抱きしめ引き留める。
「大丈夫、大丈夫だから」
豊満なマリエさんに包まれて、俺のささくれ立っている感情の棘が抜かれる。
「・・・・・恥ずかしいんで離してください。」
「だーめ、絶対に逃げるでしょ?そうだこのまま一緒に寝ましょ!!もう夜も遅いし」
「はあ!?何言って・・・」
「3歳児なんだから甘えても良いのよ~?」
俺がリアクションを返すたびに嬉しそうな顔をするマリエさん。
そのままからかわれながら俺はマリエさんの部屋に連れ込まれ、布団に横にされる。
「ちょっともう・・・勘弁してえぇ・・・」
「最近はあまり悟ちゃんのお顔見れてなかったけど、恥ずかしそうにしてるのも相まって可愛いわ!結構中性的な顔立ちになってきているわね・・・声も割と女の子みたいだし、綺麗なグリーンの目も可愛いわ、うふふ。無理して私って一人称にしてるけど本当は俺って言いたいのね。可愛い可愛い♪」
猛烈に可愛い可愛いと連呼し、その後顔をこねくり回され、落ち着いたら頭を撫でられながら子守唄を聞かされた。
そんな子供みたいな扱いで寝るわけ
「スピー・・・・スピー・・・」
「お疲れ様。悟ちゃんがんばったね・・・貴方が安心できるよう私も頑張るから。」
ガイさんがお酒に弱いかどうかはちゃんと調べてないけど弱そう。場酔いしそう。