目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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48:お姉キャラは大体ヤベー奴

<黙雷悟>

 

 はい、どうも黙雷悟でーす。現在俺は、第2試験をしています。木ノ葉第44演習場通称「死の森」にて巻物争奪サバイバル演習中だ。

 

 第1試験では強キャラムーブをかまして、静かに目立ってたと思います、はい。

 

 ナルトが幻術を解術したのには驚いた……どうやったのかわからないがまあ、あいつが強くなってくれてるなら良いことだ。

 

「……」

 

 足元で気絶させたスリーマンセルから地の書を巻き上げる。ラッキーだこれで2つ(・・)揃った。

 

 バックパックに地の書を入れ立ち上がる。

 

「さてと、忙しくなりそうだ……」

 

 そう呟いた俺はすぐにその場を離れた。はあ、結構な覚悟がいるぞ、これは……。

 

 

~~~~~~

 

「フフ……あの九尾のガキが生きていt

 

「ダイナミックエントリーーーっ!」

 

 感知をした先、九尾のチャクラが漏れ出ているナルトを捕まえている「大蛇丸」に飛び蹴りをかます。

 

「っ! うふふ、君ね……第一試験での見世物、面白かったわ」

 

「お褒めにお預かり光栄だ。じゃあ、そのまま逝ねっ!」

 

 八門を第3生門まで開け、鉄棒で殴りかかる。

 

「「悟!!」」

 

 サクラとサスケは嬉しそうに俺の名を呼ぶ。ああ、覚悟はしてたけど大蛇丸の放つ殺気は並大抵のモノではない。殺気からまだ俺では勝てない実力差を感じる。

 

 俺の攻撃と共に、九尾のチャクラを滾らせたナルトも蹴りを繰り出す。

 

「ガあぁっ!!」

 

「……あなた達邪魔ねぇ……少しどいてなさいっ!」

 

 俺たちの攻撃を避けた大蛇丸は大きく息を吸う。ああ、早すぎて印を結ぶのも見えない。大蛇丸の不意打ちなのに特大級な「風遁・大突破」により数百メートルは吹き飛ばされる。

 

 途中、巨大な木の枝にぶつかり、ダメージが重なるが何とか受け身の取れないナルトを抱き庇い地面に激突する。

 

「……っづぅ!! ああ、やべぇ。今ので左腕折れたかも……」

 

 とりあえず今の一撃で気絶したナルトを茂みに隠して、雷遁チャクラモードで大蛇丸に最接近する。腕を治療している暇はない。

 

「サスケ君!!」

 

 サクラの声が聞こえたと同時に、サスケが先ほどまで消失していた戦意を滾らせ大蛇丸に突撃する光景を目にする。っクソ! 間に合え!

 

「私はサスケ君の実力が見たいのよ……ホント邪魔ね」

 

 サスケの手裏剣術を囮に再度雷遁チャクラを纏い鉄棒を振るうが……

 

「なっ……!?」

 

「どいてなさい」

 

 ヒュンと空気を裂く音がした。気づけば自分の胴体から大量の血が噴き出ているのが確認できる。

 

「カハッ……」

 

 大蛇丸の口から取り出した刀で袈裟切りされた俺はそのまま地面へと落ちる。雷遁チャクラを纏った鉄棒ごと俺を切り裂きやがった……なんつう刀だよ……っ!

 

 地面に激突した俺が立ち上がろうとするも、身体に違和感を覚え動けない。

 

(……刀に毒が……塗って……っ)

 

 この少しのやり取りで大蛇丸のヤバさは実感できた。木の上でサスケが大蛇丸と交戦する気配を感じるが早々にサスケの苦悶に満ちた声が響く。

 

(クソっ呪印を付けられたか……どうにかして防ぎたかったのに……)

 

 呼吸を整え無理くり立ち上がると背後に気配を感じる。振り向いた瞬間に首筋を大蛇丸に噛まれた、何時の間に後ろに……。

 

「づぅう! ナニ……しやがるっ!」

 

「あなたも、優秀そうだから唾を付けておこうかと思ってねぇ。サスケ君ほど特別な唾ではないけどね……」

 

「っ余計なお世話だ!!」

 

 右腕で火遁チャクラモードを発動させ、爆炎で薙ぎ払う。少しだけ大蛇丸の顔に掠ったが大きなダメージにはならないだろう。

 

「それじゃあね、金の卵たち……死ななければ私のための良い駒になること期待しているわ……」

 

 そう言い残した大蛇丸は地面へと同化して気配を消した。

 

 っ!? 視界が大きく歪み膝をつく。追加で毒を盛りやがったなぁ……大蛇丸めぇ……。

 

 そのまま倒れた俺は意識を失った……。

 

 

~~~~~~

 

「起きなさい! 悟!」

 

「っつあ? ……だれ……だ?」

 

 目を覚ませば明け方。夜は明け気絶してから一日近く立っていることに気がつく。

 

「私よ! あんた同期の子たちがピンチだったのに呑気に寝てて情けないわよ!」

 

「……テン……テンか? って今どうなって……!」

 

 テンテンに起こされた俺が体を起こすとサクラがイノに短くなった髪を整えてもらっている風景が目に入る……。

 

「……ああ、なるほど……」

 

「なるほどじゃないわよまったく。ネジは単独行動するし、リーは『サクラさんが!!』とか言って関係のない子助けようとして私まで戦闘に巻き込まれて大変だったわ」

 

「……お疲れ……俺も今やべえ状態だからそっとしておいてくれ……」

 

 左腕は折れたままだが、一応添え木などの応急措置はされていた。毒のせいか傷む頭を無視してチャクラ感知をすると、この場にいる人間の少なさに気づく。ナルトは地面でムスッとしていて、サスケは茫然と立ちすくんでいる。リーはこちらに手を振っているので適当に振り返しておく……俺の記憶が正しければあとチョウジとシカマルもいるはずだが……この場には見当たらない。

 

 俺はなんとか立ち上がり、サクラに近づく。

 

「……あっ悟起きたのね! 良かったわ!」

 

「ああ、この応急措置はサクラがやってくれたんだよな……。ありがとう」

 

「……っえへへそんな……私は出来ることをやっただけで……」

 

 ボロボロなサクラとイノに目を向ける。

 

「……あの後何があった?」

 

 そういう俺の問いにサクラは順を追って説明をしてくれた。

 

~~~~~~

<春野サクラ>

 

【時は大蛇丸との交戦後】

 

「ぐああああああああ……」

 

 サスケ君が……首筋を抑えたまま気絶……しちゃった……。

 

 鬱蒼とする森の中、不気味な環境音が耳をつんざく。

 

「うう……サスケ君っ! サスケ君っ! ……たすけてナルトォ!」

 

 班員2人の名前を呼んでも返事がない。折れそうな私の心に微かなうめき声が聞こえる。

 

 声をたどり私たちがいる木の枝の下に目を向けるとあの悟が、大量の血を流して倒れ伏していた。

 

「……っ!!」

 

 状況の凄惨さに目から涙が零れる。

 

「わ、私どうしたら……いいの……っグス……」

 

 あんまりな状況に思考を放棄しようとした私はふと気がつく。

 

「……そうだ……悟は、班でもない私たちのために駆けつけてくれて……ナルトはサスケ君のために頑張って……サスケ君も…………なのに私だけなにも……なにもしてない」

 

 自分の不甲斐なさ。それを悔いることだけを原動力に震える体を無理やり動かす。涙は止まらないがけど気にしてられない。

 

「私が……私がなんとかしないと……」

 

 サスケ君を抱え、地面に降り立つ。地面で気絶している悟は血を流して気絶している様だけど、薄く呼吸はしている。後は……。

 

「ナルトを連れてこないと……」

 

 多分風遁で吹き飛ばされた方角にいるはず……。

 

 

~~~~~~

 

「その後3人を看病しつつ朝を迎えて……」

 

「……壮絶だったんだな、悪いな気絶してて……」

 

 あの同期でもずば抜けている悟に謝られるとなんだかムズムズしてしまう。

 

「いや、その、いいのよ謝らなくてっ! だって悟の怪我だと、もしかしたら死んじゃうかもって思って怖かったから、生きててくれるだけで……ホント何で生きてるのその怪我で……?」

 

 純粋な疑問が口から出てしまう。気まずそうに悟は頭をかき苦笑いで誤魔化したけど……。

 

「まあ、それは置いといて……で、その後に襲撃があったと……」

 

「! そうなの。その後に音の忍びが3人襲ってきたんだけど、リーさんとテンテンさんが助けに来てくれて……その後にイノもついでに」

 

「ついでとはなによっ! 十分不意打ちで役に立ったでしょ!」

 

「うるさいイノ! っで後はサスケ君が何かすごい力で相手をぶっ飛ばして、相手は地の巻物を置いて逃げてったの」

 

 少し無理やり明るく振舞う。サスケ君のあの力……とても冷たくて怖かった……まるでサスケ君じゃないみたいな……。それでも私たちの声で正気に戻ってくれたから、大事にしないでおこうと思う。

 

「なるほど……でイノ、お前の班員のチョウジとシカマルは?」

 

「……ああ!! 忘れてた!! ネジとかいうヤバい奴に2人ともやられて、2人を引きずって逃げてるときにサクラたちが交戦しているのに巻き込まれたの、ちょっと連れてくるわ!」

 

 そういうとイノは茂みの中に入っていった。

 

「……あ~~~、テンテン?」

 

「え、私が悪いの!? ネジの奴は自分勝手に行動してるから何してるか知らないわよ!」

 

 テンテンさんと悟の距離感は傍から見ても近いように感じる。悟はヒナタと婚約しているのよね……まさか

 

「……浮気?」

 

「おい、聞こえてるぞサクラ! 変な誤解するな! あとそういう事にすぐに結びつけるなよ!」

 

「ご、ごめん」

 

「あはは~、悟とはそういうのじゃないのよ。まあ、私からしたら手のかかる弟みたいなやつよ」

 

「手がかかるのはどっちだよ……」

 

「聞こえてるわよ、悟~? せいっ!」

 

「痛だだだっ! 折れてる方の手を持つな!」

 

 何というか、気の抜ける仲っていうのかな? ちょっとそういう関係は羨ましく思う。

 

「さて、取りあえず全員ぼろぼろ見たいだし、俺が掌仙術である程度怪我は治してやるから並んで……」

 

 イノが班員を連れてきたタイミングでそう告げる悟。だけど……

 

「お前……俺たちに構っている余裕あるのか? 特別枠のお前の時間制限は今日までだろ?」

 

 サスケ君が口を開く。そう特別枠の悟はこのサバイバル演習の期限が私たちの5日間と違って2日しかないはず……。さらに巻物も特殊な「空」(・・・・・・)しか持たされていないはずだし……悠長に私たちの治療をしている暇なんて……。

 

「ああ、巻物ならもう揃えてあるよ」

 

 さらっと回答する悟にガクッと調子を崩される。そういうところあるわよね、悟。何でもないような感じですごいことをさらっと……

 

「……なら、お前がもつ『天』の巻物を俺たちに寄こせ……っ!」

 

 急にサスケ君がクナイを構える。ちょっと……!

 

「サスケ君!? 何言ってるの!! 悟は私たちのために……」

 

「……ふふ、良いよサクラ。それが忍びとして一応正しい考え方だ……よっぽど余裕が無いようだな? サスケ」

 

「ああ、お前と違ってな……どうだ勝負……受けるか……?」

 

 サスケ君と悟は両者立ち上がって睨み合う。そんな……そんなのって……

 

「まあ、まずは皆の治療が先だ。サスケ、お前は後っ!!」

 

 ビシッと右手でサスケ君を指さす悟。そんな調子にサスケ君も肩をずり落として拍子抜けしている。

 

「うっわ……チョウジ大丈夫か? 色んなとこの骨が折れてるぞ……」

 

 そうしてサスケ君に背をイノたちの治療を始める悟。すごいマイペースね……。

 

「……どうしてそこで俺に背を向ける!! 俺は眼中にはねえってのか!?」

 

 サスケ君が叫ぶ。ちょっと荒っぽいけどその怒る気持ちはわかるかも……。

 

「欲しければそもそも寄こせ、なんて勝負の宣言をせずに問答無用で『空』の巻物の方を奪えばいいだろう? 特別枠が『空』の巻物を奪われた状態なら天地を揃えても失格になると知っているはずだ。『空』は天と地どちらとしても扱える巻物だしな。あえて『天』を寄こせなんていうお前の方がなめてんじゃねーのか?」

 

 悟の指摘にグウっと音を鳴らすサスケ君……。確かにその通りね……。だけど

 

「……まあ、お前の気持ちもわかってるよ。そう焦ることない。まだお前たちには時間があるだろ? もう俺は今日中に死の森中央の塔まで巻物3つ揃えていかないとダメなんだ。だから治療後で……」

 

「……やっぱり……イイ……てめぇから巻物を取っても後味が悪い気がしてならねぇ……。さっきの話はなしだ……忘れてくれ……」

 

「へへ、そうかい。じゃあ、次はサスケお前の番だ。傷見せてみろ」

 

 そういって気まずそうに嫌がるサスケ君の治療を始める悟。ホント読めない男ねえ……。でも何となく、今はその仮面の下が笑顔なのはわかるかも……。

 

 その後悟は私たちの怪我の応急手当をしてくれた。

 

~~~~~~

<黙雷悟>

 

 サクラたちと別れた俺は、気配を消しながらゴール地点の塔まで移動している。

 

(チョウジの奴……男らしくなってて偉いなぁ……)

 

 話を聞けばネジに見つかったイノたちは、ネジから一方的に見えない攻撃(・・・・・・)を喰らっていた。その時にチョウジは前に立ちシカマルとイノの盾となったようだ。

 

(だがあの怪我……チョウジは暫く動けないだろうし、この後の本選予選……参加できるだろうか……)

 

 俺はそんな心配をしながら左腕を掌仙術で治療し続ける。……焼け石に水だけどしないよりはましだ。

 

 皆を不安にさせないように大物ぶっているが結局それも演技に過ぎない。

 

(あ~~、さっさと帰って、マリエさんの手料理を食べたいなぁ)

 

 弱音は心にしまい俺は移動を続けた。

 

 

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