<三人称>
「……おい仮面野郎……」
「……? 九尾か、なんのようだ?」
急にナルトの精神世界へと召集された黙雷悟は不思議そうな表情を浮かべる。
「すっ呆けやがって……てめぇ
「……ああそういう…………気になってわざわざ話しかけてくれるとは俺嬉しいよ、フフッ……なんてね」
悟の態度は柔らかく、精神世界において今の彼は余裕を持っていることが九尾には分かる。
「少し観察すれば、違和感はどこにでもある。普通じゃ有り得ねぇてめぇの演技は芝居がクサすぎんだよぉ!」
「そうか……俺的にはそこそこの道化を演じられてると思うんだが……芝居の腕鈍ってるか……? まあ、前世でも大学のサークルに参加してただけで演技の技術は鈍らだよな……」
「ボソボソと何を喋ってやがる? サークルぅ?」
「いや、何も? 九尾は探偵になれるかもなぁなんてね」
飄々とした悟の態度に九尾の苛立ちが積もる。
「……いい加減にワシの質問に……っ!!」
「悪いがネタバレはなしだ、やるからには俺はやり通すって決めている。いちいち他人に内容明かしていたら、日が暮れちゃうからな。……今は精神世界だけど」
手を前に出し、拒絶の意を示した悟に九尾は面白くないと唸る。
「……フンッ少しは骨の在るやつだと思ったんだがなぁ。いたずらに他者を心配させて何が楽しい?」
「それは買い被りずぎなだけだと思うぞ。……まあ実際俺に骨はないだろうが、あるように振舞うだけさ。あと心配かけて色々と行動してもらった点については後でフォローはするつもりだけど……滅茶苦茶怒られそうだなぁ……まあ俺が悪いし……。まっという訳で時間だ。それじゃあな
九喇嘛」
そういい精神世界から姿を消す悟。九尾は豆鉄砲を喰らった鳩のような顔になり、その後ほくそ笑む。人間とはどうして、測れない奴ばかりなのかと。
~~~~~~
ナルトを会場から出した悟が試合開始位置まで戻る。そこまでの動きにはぎこちなさがあり、白眼により悟の表情を捉えているネジは彼が毒によって苦しんでいる様を一瞥し面白いと表情を変える。
「どうした? 毒でも喰らったかの様な表情だな? 辛いなら棄権でも勧めるが……何っ!!??」
ネジは悟の行動に驚愕する。それは悟が取り出した
「まさか……全て……食っただと? ……クックック、貴様正真正銘のバカだな!!」
「一応多分将来の義妹と義義兄の手作りだ。全部喰らわせてもらったよ」
「っそこまで分かっていて、貴様何故……」
暗に毒を仕込んだ犯人はお前だと突きつけた悟の表情はいつの間にかケロッとしている。それに気づけるのはネジのみだが。
「……何を考えている……?」
「証明だよ」
「……証明……だと?」
「あの時に言っただろ? 知りたければ、教えてやるってな……愚図ども? 足手まとい? フフッ面白い……。俺が何で
2人の軽口を遮るように審判は声を上げる。
「……では一回戦、始め!!」
審判の合図を皮切りに、黙雷悟は雷を纏いネジに突進。ぶつかり合う腕はお互いにチャクラを纏い、膠着状態になる。
「俺を殺して……この世は力が全てだと証明するんだろ? やってみろよ……出来るものならなッ!」
悟はそう言い近接したネジの真上に跳躍、影分身で5人分に空中で増えお互いを蹴り合いネジを中心に包囲するように移動する。
「五遁・大連弾の術!!」
五属性による一斉攻撃がネジを襲う。
「っ八卦掌・回天!!」
それをチャクラを纏った旋回行動で受け流し、弾くネジは焦りを見せる。
(……これで毒を喰らっている状態だと……? デタラメな奴め!!)
場面の派手さは会場を盛り上げる。先ほど不満が出ていた分、その上がり幅は強烈なものになる。
「ちぃっ八卦……空掌!!」
周囲5方向へと瞬時に繰り出したネジの遠距離攻撃は悟全部を射抜く。本体だけは腕に纏った火炎を爆発させ、空掌を打ち払う。
「さてと……第三生門・開!」
生門を開いた悟は自身がいた地面が抉れるほどの加速で突撃する。移動するたび踏む抜く地面には穴が開き、その一歩の強さを表している。
「っ来たな、だが!!」
ネジは構えを取り、呼吸を落ち着かせる。周囲を超スピードで駆ける悟に対し焦らず、じっと待つ。そして
「ここだ!!」
悟の接近に合わせカウンターを仕掛ける。見事ネジの掌底は悟の顔面を捕らえ悟を吹き飛ばす。
~~~~~~
「あれってば、予選で俺が悟にやった……」
(正確にはワシの指示でやったカウンターだがな!)
会場観客席に移動したナルトはヒナタと席に着き、悟の試合を観戦する。ハナビはヒアシの元に向かった。
「ネジ兄さんは白眼の分ナルト君よりも、より正確なカウンターができる……悟くん……頑張って……っ!」
事情を知る彼らは、固唾を飲んで見守る。
~~~~~~
「八門遁甲……ガイの奴がリーやテンテンに教えていたもののようだが、所詮は付け焼き刃と言ったところ。己の高速移動のせいでカウンターに対処できないその体術は欠陥だらけだ」
そういう、ネジは吹き飛び壁に激突した悟に空掌を浴びせながら接近。
「これで終わりだ、お前は俺の八卦の領域内にいる。っ柔拳法八卦六十四掌!!」
壁から飛び出ようとした悟の勢いを利用するかのように、ネジは先起きした柔拳を当てる。
「八卦二掌!」
怯んだ悟にさらに追い打ちをかける。
「四掌!」
「八掌!!」
「十六掌!!
抵抗しようと手を伸ばす悟の手をはじき落とし、連撃は続く。
「三十二掌!!」
「六十四掌!!!」
最後の一撃を喰らい仰け反る悟の胸倉を掴んだネジは悟を会場中央に投げ飛ばす。
「全身64個の点穴を突いた、お前はもう終わりだ……黙雷悟っ!」
(……勝った……!!!)
完全に勝ちを確信したネジは悟に一歩ずつ近づく。
ネジが近づく前に悟は腰のバッグから千本を取り出すが、ネジの空掌が悟の腕を弾く。
「俺が何度も点穴を外させる訳がないだろう? 大人しく降参すれば……」
「命までは……取らないってか……? ククっ俺を殺すんじゃないのか……?」
フラフラと立ち上がる悟は誰の目で見てもダメージが重なり、立つのがやっとの様子なのに
ネジは攻めあぐねる。審判でさえも気づけぬネジだけが気づける違和感。
黙雷悟は
笑っている。
(この状況下で……こいつ……!)
点穴を突かれて、チャクラの流れは殆ど止まり切り札の八門も使えない。そんな状態の黙雷悟の不気味な様子にネジは、冷や汗を流す。
~~~~~~
「分家の者が宗家を越えるか……、ヒザシよ。お前は
「兄上、確かに俺は宗家を恨んできました。自分の呪われた運命を憎み……けれど、目を失う判断をしたときに気づいたのです。運命とは――――。」
「ふむ、そうか……。ネジにそれを伝えるのは、私たち大人の役目かそれとも……」
目と額を包帯で隠したヒザシとそれに語りかける、護衛に扮したヒアシ。彼らが見守る中戦闘の局面は終わりに近づく。
(悟さんどうして……)
傍らでハナビは悟を見つめる。彼の真意が分からない彼女はただ見守り戦いの行く末を案じる。
「ゴホッゴホッ……」
「っ大丈夫かヒナタ! まだお前、予選の時のダメージが……っ!」
せき込むヒナタを心配するナルト。
「だ、大丈夫。悟君がよく医療忍術をかけてくれてたから、随分と治りがいいの……っ。一緒に見届けよう、ナルト君」
「……分かったってばよ」
~~~~~~
「お前は何を考えている……っ黙雷悟」
「……宗家の人間であるヒナタに『この程度』って言っただろう?」
「……何?」
「仲間の為に不相応に足掻いたと、チョウジを無様だと言った……俺の仲間たちを愚図だとか足手まといとか言った……何だかんだで頭には来てたんだ……」
ゆらりと立ち上がる悟に、ネジは怯む。
「だけど、テンテンに言われて気づいた。お前は……全てを自分の力でどうにかできると思っている視野の狭いかつての俺と似ているってなぁ……」
「っ!」
「力というもんは1人じゃ成り立たないんだ……お前のその柔拳もっ! 結局は古から受け継がれた人の意思による産物だ」
「何が受け継がれただ……結局それは呪われた運命でしかない!」
ネジは額当てを外し、呪印を見せつける。
「お前ならわかるだろう黙雷悟っ! この呪印が示す意味が!! 運命に捕らわれた俺が叛逆の意を示して何が悪い!!」
「お前は駄々こねてるだけだって言ってんだよ!!」
「っ違う!! 口だけじゃなく俺は行動で示す! 俺は弱者を駆逐し……」
「矛盾してんだよっ! 周囲の人間を見下し認めず、自分だけは『強者』の側だと主張しているがその実、目に入る『弱者』と罵る存在に一番気を取られ感情を揺さぶられているのはお前だっ!」
「黙れぇっ!!!」
叫ぶネジの空掌が放たれ悟へと迫る。
それを悟は一瞬
「何っ!? 点穴を突かれた貴様が何故動ける!?」
「……ほんの少しの友達の力を借りただけだ」
不敵に笑う悟は八門を解放、全身に緑色の薄いオーラを纏わせる。
(点穴が外れているだと……!? 一瞬見えたあの朱い禍々しいチャクラは、あのナルトとか言う奴が予選で見せたものに似ていた……っ!)
「お前が『弱者』を毛嫌いする理由は……お前が一番自分のことを『弱者』だと思っているから……そうだろう? 強さを証明するのは勝利だけ? 違うね!! 結果だけしか見ていないお前の我儘もここまでだ!」
「っ!?」
「運命に叛逆の意を示す? 笑わせるな!! 弱者を駆逐? バカにするな!!! ネジ、お前が自分に繋がりがないと言い自分だけの力だけしか見えていないのなら、その力の内の毒だろうが術だろうが何だろうが全部受け止めてやる、そのうえではっきりとそのメンタマに見せつけてやるよ!! お前が一切の言い訳ができないようにな!!!」
繋がりが生む力の強さを
黙雷悟のオーラは形を変えて、まるで雷のように放電を始める。
ネジは変化に気づき咄嗟に空掌で牽制を入れるも、全て悟に弾かれる。
その悟の放つ緑色の放電は収縮、仮面の奥の『緑の目』に宿り仮面の目出し穴からは緑色の放電が流れる線のごとく漏れ出る。
会場でその光景の真髄を理解できるのごく一部の人間のみ。
(悟の奴……八門を解放したまま、性質変化を……!?)
そのうちの1人、はたけカカシは驚愕する。八門を開けばチャクラコントロールは乱れ性質変化など到底出来るものではないからだ。しかし悟は八門により増幅したチャクラを雷遁チャクラへと変換し、それを目に集中させている。
例え第一開門とてそのチャクラコントロールは困難をきす。悟の修行に付き合っていたテンテンのみが知るその形態は
「……言うならば、生門・雷眼チャクラモード……お前の節穴の目に焼き付けとけ」
今までの悟の取る体術は奇妙なものであった。八門の解放時は剛拳をそうでないときは柔拳を軸にしていた。
そして今の構えは半身は剛拳、もう半身は柔拳というより歪なモノである。
歪な構えを維持し悟は瞬時にネジとの間合いを詰める。
(先の動きよりは遅いっ! ……俺なら見切れる!)
接近する悟の攻撃パターンを白眼で見切り、カウンターを喰らわせようと最小限の動きで繰り出した掌底は
悟に腕を掴まれることで阻止される。
「っ!?」
その掴んだ腕を起点に体を回転させた悟の肘鉄をネジは間に手を滑らせガードを試みるが
狙いすましたかのように攻撃位置が変えられ、もろに喰らう。
「ガっ!!」
吹き飛ぶネジをゆっくり一歩ずつ追いかける悟。
起き上がり、臨戦態勢を取るネジだが瞬間、高速で動く悟は『後だし』のように攻撃の手段を直前で変え攻めを続ける。
(一体……何が……!?)
雷眼チャクラモードとは莫大な雷遁チャクラを扱い人体でもチャクラによる強化が鈍い視力を集中して強化するもの。体術面にまわせるチャクラは通常の八門解放状態よりも劣るが、高速移動に対応した視力・洞察眼は相手のカウンターを見切り対応を可能にする。その洞察力は同時に、柔拳と剛拳を混ぜる柔軟性をも生む。
何とか応戦をするも着実にダメージを負うネジに悟は攻めながら語りかける。
「ヒナタやハナビたちがいなければ、俺は会場には来られなかった。このモードは、テンテンが協力してくれなければ完成しなかった……ナルトがいなければ点穴も外せず……そもそもサクラたちがいなければ死の森で俺は死んでいたかもしれない。サスケがいたから俺は誰かのために血脈関係なく動きたいとも思えた。俺の忍びとしての覚悟は…………。他にも沢山の、多くの人に支えられて今の俺がいる!!!!!」
ネジの攻め手を半身で逸らし、空いた手でネジを突き飛ばす。
「グアッ!!」
それでも膝をつかずに後ずさるネジに悟は突進そして
頭突きをかます。
「……っあぁ……」
ネジの視界が暗む。そして悟る。自分が負けることを。
(これが奴のいう繋がりの力……か……俺が持ちえない……力)
「負けるなっ!!! ネジ!!!」
しかし不意にネジに聞こえた厳格な声が意識を呼び戻し、後ろに倒れる体を持ちこたえさせる。
「お前の力はそんなものではないだろうっ!! 日向の……お前の意地を見せてみろっ!!」
ネジの視界は声に導かれ明るくなる。ネジの思考はその復帰の理由を認識してはいない。
(……っどんなにカウンターを狙おうが、手を変え攻めをしようが今の黙雷悟の洞察力だけは少なくとも白眼に匹敵している……っ。身体能力の分で上を行かれる分手がない……ならばっ!!)
続く攻防の中ネジは自身のカウンターをさらにカウンターされるタイミングで全身からチャクラを放出し術を放つ。
「……っ回天!!」
密接状態からの回天による決死の反撃は、悟が後ろに飛び退き衝撃を緩和してしまう。
「っ駄目か……」
それでもネジの目に僅かばかりの光が戻る。ダメージにより白眼が切れたその目は、それでも幾分かの感情を揺らす。
「……黙雷悟……お前は一体何なんだ……クククっ……」
怒りに笑いと呆れ、諦めと言った様々な感情が入り乱れたネジが口からこぼす言葉に悟は答える。
「……お前と同じ、どこにでもいる天才の内の1人だ」
自分を天才と評する傲慢者に一瞥鼻で笑い、日向ネジは構える。
「……っふう……これで!! 最後だっ!!! 来い黙雷悟っ!!!!」
離れた位置の黙雷悟は目に集めていた緑雷光を片足に集中させる。
「ああ、覚悟しろよ日向ネジ」
悟の居た位置の地面は弾け飛び、姿を見失ったネジは目を瞑り構えを取る。
目ではもう黙雷悟を捉えられない。しかし、彼が目にしてきた過去の光景が彼に僅かな光明を与える。
(……タイミングさえつかめれば……)
その目を失いながらも、音と気配を頼りに組手を行う父の姿が。
悟が周囲を跳び回る音が響く中、ネジの後方、会場にそり立つ大きな壁が大きく蹴られ砕ける音が轟く。
それを合図にネジは渾身の力を振り絞る。
「八卦掌・回天っ!!!!」「八門・飛雷脚!!!」
雷のような飛び蹴りを回天で受け止めるネジ。
緑の雷光と青いチャクラのドームの衝突は一瞬の拮抗の後
雷光がドームを貫通する。
回天のチャクラが晴れた先では、ネジは地面に膝を着いていた。
蹴りの勢いで地面を削り滑る悟が勢いを完全に殺したのと同時にネジは倒れる。
「……勝者、黙雷悟」
審判は悟の勝利を告げる。2人の衝突の凄まじさに一瞬静まり返っていた会場が歓声で沸いた。
~~~~~~
試合が終わり選手の控室に戻った悟は1人ため息をつく。
(……上手くできただろうか、ネジに気持ちは伝わったのだろうか……)
1人勝ったことに歓喜するのではなく、不安に押しつぶされそうになっていた悟に話しかける人物が1人。
(……君も随分と不器用だね雷。この後木ノ葉崩しに対処するのは君の目標の1つだろう? それなのに随分と気落ちして……)
(黙か……久しぶり、一か月前にヒナタの試合の観戦の時に少し顔出しした時以来か? こっちが話しかけても無視する癖に……)
(僕が、こうやって表に出てくるのにもそれなりに力が必要なんだ。ヒナタさんのあれは……つい熱くなっちゃったから……)
表に出るのが大変なのに感情任せに出てきてたのかよ……、と呆れる雷。
(……君も似たようなものだろう? 毒に苦しむ芝居何てして……あれに意味あったのかい?)
(俺は
(日向ネジの改心か……僕たちの存在が随分と問題を拗れさせていたけど、本質は父親が苦しむ姿を見て運命に悲観していたってことだよね?)
(多分そうだろうな。原作とは違い、呪いが目に見える形だった……親が生きているがためにそうなるなんて、運命を変えた俺に対する当てつけか何かかって思ったね)
(憎しみに目が眩んだネジ君にも見えるよう……。あえて騒ぎが大きくなるように演技して、彼の作戦が君の周囲の人間の助力で打ち砕かれたと見せつけるために)
(まあ、丸薬噛んだ時点で毒だとは気づいたし、ハナビお手製のモノに仕込めるのなんて同じ日向くらいだ。それで誰が仕込んだのかなんてすぐにわかった。大蛇丸のみたいにガチでヤベー毒でもなかったようだし……いやそう簡単に大蛇丸なみの毒用意されても困るが……)
(多分比較的ヤベー毒だけど、僕たちにはそこまで効かなかっただけだと思うよ……君が残りの丸薬口に入れたときは流石にビックリしたけどね)
(一応、大蛇丸の時の反省も込めて解毒剤は用意しておいたから……)
(君のバックパックに入っているそれね。持っているのにわざわざ予備を自室までハナビちゃんに取らせに行くなんて、君性格悪いよ?)
(まあ、俺が毒にかかったと周知するためにな……ネジの前で毒にかかったふりしても後でピンピンしてたってバレたら恥ずかしいじゃん?)
(……でも丸薬全部飲み込む必要は絶対なかったよね?)
(……毒自体そこまで効かなかったし多分一個も何個も解毒剤飲めば俺なら問題ないと思ったし……ハナビのお手製のモノ無駄にしたくなかったから……)
(気持ち悪いね君)
(グうッ……否定はしないでおく……皆にバカバカ言われて、流石に駄目だったかと反省してるから……)
(皆に心配かけた分キッチリとフォローはしておいた方が良いよ。大がかりな演技にそれとは知らずにつき合わせたからね)
(本来なら俺一人の胸中に収める内容をこうもペラペラと話すなんて……)
(同じ黙雷悟同士、実質話していないのと同じだよ)
(そうかい……テンテンに宣言した通り、心はバキバキにしてやった……後は)
(生きている家族の問題だ、僕たちの出る幕じゃない。僕たちに出来ることは……)
(波の国でお前は言っていたな、木ノ葉崩しの時に会おうって。つまりどうにかするってことだろ? 黙、お前も何か事情があるにせよやりたいことは多分一緒だ)
(正確には僕はマリエさんさえ無事なら他はどうでもいい。後は君の領分だ。体を休めつつ作戦会議といこうか、黙雷悟)
心の中で語り合う2人。
次の決戦までの時は近い。
黙「君は随分と演技をするのが好きなようだね。今回の件と言い同期との演習の時と言い」
雷「前世では演劇サークルに入ってたし……。特撮が好きだったんだよ。飛雷脚もライダーキッk」
黙「別に理由は聞いていないよ。何だったら忍びをやめて役者にでもなったらどうだい?」
雷「……っそれもいいな……」
黙「……冗談だよ」