目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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第2章:音の鳴らない雷
1:もしも忍びなら用意周到に


 雷の国。

 

 高山が立ち並ぶ山脈地帯の多いこの国の山と山の間に、少しだけ老朽化が進んでいる基地が1つあった。

 

 そこには木ノ葉の忍びが少数名滞在しており、雷の国のにある隠里、雲隠れの里の動きを木ノ葉へと伝える仕事を担っている。

 

 この場所はかつて、日向ヒナタを攫おうと雲隠れが画策した事件を元に三代目火影・猿飛ヒルゼンが監視の名目で雲と交渉を続け設けられたものである。

 

「暇っすよねぇ俺たちって……」

 

 若い中忍の忍びが基地内で書類を整理しながら、現状を愚痴にして呟く。

 

「仕方ないわよ……私たちが暇なら、雲も不穏な動きをしていないってことだし」

 

 眼鏡をかけた真面目そうなくノ一は書類を戸棚に仕舞いながらその愚痴に返事をする。

 

「そうかぁ? こんなあからさまな監視基地にバレるように、忍びの隠里が動くとは俺は思わないんだけどなぁ……」

 

「そうねぇ……けど表立って動けないという意味では、牽制としての価値があるから五代目様もここの維持を続けてるのよ?」

 

 くノ一と中忍の二人は雑談をしながら、ふと互いに壁に掛けられた時計に目をやる。

 

「っと……そろそろ時間すね。 まあ暇な仕事だけど楽しみがあるだけ、俺たちは恵まれてるってことで」

 

「夕飯時ね、いい匂いがさっきからしてたし私もコスケさんの料理が無かったらもう少し気が滅入ってたかも」

 

 二人は仕事を切り上げ、食堂……というほど広くはない部屋へと向かう。

 

 こじんまりとしたその部屋には、蒸気を上げた出来立ての料理が四人分机に並べられていた。

 

 その光景に若い中忍は

 

「はぁ~まじ、嬉しいっすわ~ホントこんな寂れた基地でこんな料理にありつけるなんて……」

 

 感激し手を合わせ料理に拝む仕草をする。

 

 その様子をくノ一は少し引き気味に見つつ、料理を作った下忍・まるほしコスケに声をかける。

 

「コスケさん、いつもありがとうございますね。 ……半年前にコスケさんが来てくれてからホント助かってます」

 

 深々と礼をされ、コスケは年老いて皺の刻まれた頬を指で掻きながら

 

「いえいえ……老骨のワシみたいな下忍でも役に立てているのなら幸いです」

 

 と照れながらそのくノ一の言葉に答える。

 

「下忍とかそんなの関係ないっすよ~コスケさん!! 俺たち三人じゃろくに家事出来る奴がいなくて……ホント……辛かった……グス」

 

「あなた……まあ、そうね。 隊長もガサツな人だし……私もサバイバルは不得手だから……コスケさんにはホントに助けられてます」

 

 若い忍びからの尊敬の眼差しに半年がたつも慣れないコスケは話を逸らしにかかる。

 

「ハハハっ……まあともかく食事にしましょうか……料理が冷めぬうちに」

 

 コスケの言葉を受け、二人は席に着き箸を手にする。

 

 ふと空いた一人分の席に目を向け若い忍びが疑問を口にする。

 

「隊長、見まわり遅いっすね~。 真面目なのはいいっすけどコスケさんの料理を冷ますのはギルティっすね~」

 

「……確かに今日は隊長、戻ってくるのが遅いですね。 隊長もコスケさんの料理を旨い旨いって楽しみにしてるのに」

 

「ふむ……最近近場の集落が抜け忍と思われる輩に襲われる事件が多発しているそうで、隊長殿はそれの調査に赴くとおっしゃっていましたが……はて」

 

 コスケは自身の作った料理の味を確かめながら、隊長の動向を気にする。

 

 そのコスケの言葉に若い中忍が反応を示す。

 

「抜け忍……すかぁ……そう言えばあの二年半前に()()()()()()と、その同時期に居なくなった()()()()()()()()()()忍び、行方は未だに掴めてないらしいっすね」

 

 抜け忍の話題になり、くノ一は暖かい料理に眼鏡を曇らせながらも

 

「うちはサスケはあの三忍の一人大蛇丸の元に行ったとか、詳しくは伏せられていますが正式に抜け忍としては扱っていないのは五代目の計らいでしょう」

 

 自身が持つ情報を口にする。 うちはサスケは抜け忍ではあるものの、その処遇は抹殺ではなく保護となっている。

 

「らしいっすね。 あのサスケと同じ班のうずまきナルトも三忍自来也様の元で里を出て修行してるそうですし……春野サクラって子も五代目様の所で修行してるんすよねぇ。 俺たちみたいな地味な奴らとは行く道が違うっすねぇ」

 

 二人の会話にコスケは食事を喉に通しながら、昔に会った彼らのことを案じる。

 

(ナルト君も、友達が二人も居なくなり落ち込んでいましたが……今も努力を重ね、あの頃よりも大きく精進しているのでしょうな)

 

 その時ふと、食堂の扉が開き大柄な木ノ葉の上忍が姿を現す。

 

「ふ~ただいまぁっと、いやぁ遅れちまったぜ」

 

 その上忍の姿を確認した各々は

 

「隊長遅いっすよ!」

 

「お帰りなさい隊長」

 

「隊長殿、見まわりお疲れ様です」

 

 労いの言葉を掛ける。

 

 上忍はおどけながらも明るく

 

「俺も腹が減ってかなわねぇ……たく調査が少し長引いっちまってなぁ」

 

 そういいながら席に着きさっそく食事に舌鼓を打つ。

 

「調査が……と言いますと隊長殿、何やら不穏な動きでもありましたかな?」

 

 一人手早く食事を終えたコスケは席を立ち、料理に使った器具を洗いながら上忍の言葉に反応を示す。

 

「ああ、近くの集落を襲っているという抜け忍……恐らく単独での犯行のようでな。 被害にあった集落で雲隠れの忍びとばったり会っちまったが奴らは『この件には手を出すな』と言ってやがった」

 

「つまり抜け忍は元雲の忍びってことっすか」

 

「なるほど……自里の抜け忍を他里の我々に手を出されるのはメンツに関わりますからね」

 

 眼鏡のくノ一は食事を終え手を合わせながら、上忍が伝えた雲の忍びの言葉の意味を推察する。

 

 上忍は少し冷めた料理をかきこむように食べながら会話を続ける。

 

「まあ、手を出すつもりはないが取りあえず調査は雲の忍びと一緒に行ってな。 被害にあった集落では『雷の落ちるような音』が響いた後、住人の脚を何かが貫通し負傷しているようだ」

 

「なにかって……目星は着かないんすか?」

 

 上忍の言葉に若い中忍が食事を終え食器をシンクへと置きながら疑問を口にする。

 

「……脚を負傷した住人の様子を見たが傷口は火傷のような跡が見られた。 恐らく貫通し穴が開いていたことも含め雷遁の類だろう……だが村人は襲撃してきた忍びの存在を確認できていない」

 

「というと?」

 

 話に興味を持っているくノ一は上忍の言葉に相槌を打つ。

 

「被害は『()()()()()()()()()()()()()』だそうだ。 姿も見せず物が盗まれたわけでもないとなると、抜け忍が行ったのは遠距離攻撃で住人を襲うのみ……」

 

「愉快犯……ということですな。 人々をいたぶることを楽しむとは何と歪んだことか」

 

 コスケは抜け忍たいして怒りを募らせる。 若い中忍もまた

 

「俺も理解に苦しむっすね、まあそんなやべぇ奴が居るなら俺たちも警戒を怠らないようにしないとっすね!」

 

 とお道化て「怖い怖い」とリアクションを取りながらも少しだけ警戒の色を表に出していた。

 

 すると上忍はお茶で喉を潤し、くノ一へと話かける。

 

「そう言えば、査察の話は進んでいるのか?」

 

「はい、()()()()()()は明日にでも此処に着くそうですね。 飽くまでその忍びの経験の為という題目なので滞在の日数は多くはないようですが」

 

 くノ一の報告に上忍は一言「そうか」と返事を返す。

 

 その話に興味を持ったのか若い中忍は茶を入れたコップを持ちながら壁に寄りかかり話へと加わる。

 

「ああ、あの女の子っすね……暗部みたいに仮面をつけてるみたいっすけど、既に上忍になってるらしいっすね。 あと歳も俺より若いのに……確か17かそこららしいっすね。 さらにさらに氷遁という――」

 

「急に早口に……あなたあの零班の忍びにお熱みたいね」

 

 若い中忍の早口にくノ一は呆れながら自分が使った食器を片付けている。

 

「だってだって、かっこいいじゃないっすか! 俺もああいう仮面着けようかな……」

 

「はっはっはっ!! お前さんには似合わねぇーよ、それに年下に追い抜かれて悔しくねぇのか?」

 

 上忍の言葉に若い中忍は

 

「別に俺は気にしてねーすよ。 この界隈、年齢が強さや偉さを決めるわけじゃないっすからねぇ……あっコスケさんのことは尊敬してますよ! それはマジっす!!」

 

 若い忍びの明るい調子に周囲の人間が朗らかな雰囲気になる。

 

 上忍も食事を終え、片付けがすむとふと上忍が呟く。

 

「そう言えば……集落の調査の時、不穏な忍びらしき人影を見たな」

 

「それマジっすか? 結構重要そうなことっすけど」

 

 反応を示した若い中忍に上忍は不思議そうに顔をしかめて唸る。

 

「見たは見たんだが……様子がどうもおかしくてな……長髪で穴の空いていない仮面を着けていて木ノ葉のベストを着ていた……俺がそいつに気がついても直ぐには姿を消さず、その場に数秒は佇んでいやがった……怪しいが特別敵意があるわけでもなさそうだったな」

 

 くノ一はその話の内容に

 

「木ノ葉のベストに、穴の空いていない仮面……少なくともそのような人物について里から報告は来ていないですね、それに木ノ葉の忍びであるなら我々に接触してこないのは不思議ですねぇ……」

 

 その人物について考察を巡れせる。

 

 ふと片づけを終えたコスケが、汚れを拭き終えた自前の中華鍋を手に持ち背に背負おうとしたとき

 

 ほんのわずかに窓から見える景色が照らされたのを確認した。

 

「……皆さm――!」

 

 コスケが何かに気がつき叫ぼうとした瞬間

 

 

 

 その声をかき消すように落雷のような音が鳴り響く。

 

 

 

 その直後若い中忍の叫び声が響く。

 

「っああああああああ!?!?」

 

 何かの衝撃で部屋の照明が落ち、窓から照らす月明りのみを頼りにしなければいけない状態になる。

 

 コスケは若い中忍が床に倒れ、脚を押さえているのを確認し、彼の立っていた背後の壁に紅く高熱に帯びた小さな穴が開いているの見つける。

 

(雷遁の……攻撃……!)

 

 コスケは素早く、中忍と壁との間に割って入り中華鍋を構える。

 

 直後、鋭い金属音を鳴り響く、と同時に雷のが落ちたかのような音が鳴り響く。

 

 手に伝わる振動から、コスケは敵からの攻撃を弾いたのを確認する。

 

「皆さま、相手はこちらの位置を感知しております! 私の背後に!!」

 

 その声を聞き、上忍、くノ一はコスケの背後へと回る。

 

 そこから数度に渡り、金属音と雷鳴が鳴り響く。

 

 敵の雷遁の攻撃の貫通を防ぐためチャクラを流しながら中華鍋を構えるコスケは汗を垂らす。

 

(……っかなりの威力……このままではっ)

 

 背後のくノ一は印を結び目を瞑る。

 

「……駄目ですっ……射角から大まかな方向は分かりますが、私の感知能力の範囲外にいるようで……かなり離れた位置からの攻撃です!」

 

 上忍は、負傷した若い中忍の手当てをしながら現状を整理する。

 

「敵の狙いは、恐らく俺たちへの攻撃そのもの……長距離でこの威力の忍術、俺たちの位置を遠距離から正確に把握する感知能力……相当な手練れだ」

 

 敵の雷遁が基地の壁を蜂の巣のようにする頃には、コスケの中華鍋に小さく亀裂が入る。

 

(クッ……もう耐えられそうにっ……)

 

 コスケが中華鍋の破損を覚悟した瞬間その手に伝わる衝撃が止まる。

 

 雷鳴は止まらずも、中華鍋が発する衝撃音が消えたことに一同は困惑する。

 

「何が……?」

 

 くノ一が困惑を露わにする中、コスケと上忍は素早い判断で脆くなった壁を突き破り外へと突き進む。

 

 外にて二人が目にしたモノは……

 

 

 

 

 月夜に輝く大きな氷で出来た鏡であった。

 

 

 

 

 その氷壁を手で支えている様子の忍びが二人に振り向く。

 

 細い目だし穴が開いた仮面をつけたその人物は、腰に木ノ葉の額当てを着け透き通るような声を出す。

 

「どうも、間に合って良かったです」

 

 コスケはその人物に思い当たる節があった。

 

「君は……木の葉崩しの時の……?!」

 

「……そんなこともあったような、なかったような。 まあ、とにかく敵の攻撃は僕が防ぎますので負傷者の手当てを」

 

 涼しい様子で攻撃を受け止めている様子の仮面の忍びに上忍は驚く。

 

(あの威力の忍術を……衝撃音がないことから、素直に受け止めているのではないのか……?)

 

 コスケは信用できる人物が来たことに安堵し、基地内の中忍の治療へと走る。

 

 上忍は窮地に駆けつけた仮面の忍びに声をかける。

 

「……君は?」

 

 雷鳴の中、小さく微笑むような声を出し仮面の忍びははその問いかけに答える。

 

 

「ふふ、()()()()()……白です。 ああ、ご安心を……敵は僕の()()が相手してくれますから」

 

 

 二年と半年の歳月がたち、背が伸び大人びた様子になった白は再度攻撃の来る方向へと目線を向ける。

 

 その白の言葉に上忍は疑問を口にする。

 

「連れというのは……? 確かここには零班の君一人が来ると聞いているのだが」

 

「詳しくは言えないので……今相手している敵に対応できる味方、とでも思って貰えれば現状十分ですよ、安心してください」

 

 そう言った白は悠々とその場で攻撃を防ぎ続けた。

 

 

~~~~~~

 

 

 基地から数キロ離れた山脈の崖の上。 そこで爆音を鳴らし構えた指先から雷を纏った千本を飛ばす忍びの姿があった。

 

 ふと苛立ちを顔に滲ませていたその忍びは、伏せた狙撃姿勢から目線を逸らさずに立ち上がる。

 

「……ってめぇ何もんだ」

 

 狙撃していた忍びの背後に位置する場所の木陰から、その言葉を受け目出し穴の開いていない仮面を着けた忍びが姿を現す。

 

「……随分とその眼で……好き勝手してくれている様だな」

 

 仮面の忍びの僅かに怒りを感じさせるその言葉を受け、狙撃していた忍びこと雲の抜け忍はそちらに振り返る。

 

 振り返った抜け忍の眼は白く、眼窩の周囲には血管が浮き出ていた。

 

 無穴の仮面の忍びは小さく鼻で笑い、少しづつ抜け忍へと歩み寄る。

 

「だが、その眼も万能ではない。 遠くを見れば見る程、己の近くが見えづらくなる……今までの襲撃では攻撃回数を抑えられたようだが、木ノ葉の忍びを狙ったのは間違いだったな。 ……現にこうして俺に接近を許してしまった」

 

 仮面の忍びを文字通り白い目・「白眼」で観察した抜け忍は、顔に歪んだ笑みを浮かべた。

 

「き……ひひひっああ、()()()か……っ! まさか火の国から離れて、雷の国で()()会えるとはなぁ?」

 

「ふっ……随分と落ちぶれたものだ、だがこうして貴様が抜け忍となってくれたおかげで、再度まみえる機会が出来るとはな……()()()()()()()、大人しくしていれば命までは取らん」

 

 仮面の忍びが柔拳の構えを取り発したその言葉に、抜け忍は笑みを浮かべたまま饒舌に喋り始める。

 

「……ひひひってめぇには感謝してるぜぇ? だがな折角の力を手に入れたのにも関わらず、数年前里は俺を認めなかった……今の俺の実力さえあれば、雷影の名は俺のものに……っ!」

 

「……くだらん。 ()()()()()で、そこまで活きられるとは愚かな……力を振りまくためにこうして里の周囲を襲う考えと言い、貴様は影としてふさわしくない」

 

「うるせぇ!! 他里の忍びにとやかく言われる筋合いはねぇーんだよ……まあ、いい……いつかてめぇにも()()()をしたかったんだ。 なあ

 

 

 

 

日向ヒアシ」

 

 

 

 

 抜け忍の言葉にヒアシは仮面を取り、その素顔を晒す。

 

「アンタの眼は俺の元にある……なのにその眼窩に収まる眼……同族の白眼でも奪ったか? ああ、惨いねぇ……アンタが条約に違反さえしなければそいつは目を奪われずに済んだのにぃ……」

 

 皮肉たっぷりに煽る抜け忍の言葉にヒアシは表情を変えずに答える。

 

「……確かにな。 だからこうして、その眼を取り返しにきたのだ」

 

 ヒアシのそのブレの無さに詰まらないと言った様子の抜け忍は手を鉄砲の形に構える。 人差し指と中指の間には千本が挟まれ黒い稲光を纏う。

 

「てめぇの死体を手土産に帰りやがれっ! 嵐遁・漆黒隷流頑(ブラック・レールガン)!!」

 

 抜け忍の手元が光った瞬間、ヒアシの僅かに逸らした顔面の横を黒い閃光が走り、背後の木々を貫通していく。

 

(嵐遁……雷の性質変化を含んだ血継限界か……)

 

 ヒアシが観察する抜け忍の指先は小さく煙を上げている。 抜け忍は再度指の間に射出するための千本を挟み術を放つ。

 

 その攻撃を最小限の動きで避けるヒアシ。

 

「てめぇら日向は柔拳の体術使い! 接近さえさせなければ俺は負けねぇ……あの夜もそうだっ! あの()()にさえ気を反らされなければ、てめぇが俺に近づくことなんて出来るわけがなかったのによォ!!」

 

 文句を口にしながら、抜け忍はヒアシから距離を離しながら術を放ち続ける。

 

 接近しようとヒアシが走るも、術を避けるための動作が入るため距離は離され続ける。

 

 ヒアシは小さく掌を腰で構える。

 

「八卦……空掌!!」

  

 ヒアシのチャクラを圧縮し掌の突きから繰り出される真空の砲弾は抜け忍へと迫るが

 

「遠距離攻撃もあんのか……だが見え見えだぜぇ?」

 

 抜け忍はそれを難なく避け、岩壁へと身を隠す。

 

「……っ!」

 

 瞬間岩壁から貫通して飛来する嵐遁がヒアシを襲う。

 

 掠りはするものの、ヒアシは超高速の攻撃をすんでのところで躱し続ける。

 

「互いに白眼を持つ以上、より強い遠距離攻撃を持つ者が勝つっ!! つまりはてめぇの負けだよ、日向ヒアシぃ!!」

 

 抜け忍の放つ術を躱しながらも、ヒアシは着実に前へと歩みを進める。

 

 傷を負いながらも近づいて来るヒアシの様子に抜け忍はその行動の意図を探る。

 

(俺が岩場に隠れているのにも関わらず、迂回する訳でもなく真っ直ぐ距離を詰めてくる……一体なんのつもり――)

 

 抜け忍が思考に意識が削がれ、攻撃の手が緩んだ瞬間。 ヒアシは腰を引き、両手を下げ深く構える。

 

「八卦……」

 

「っその術じゃあ俺まで攻撃は届かない……っ!」

 

 

 

「空壁掌っ!!!」

 

 

 

 ヒアシが繰り出した両手による掌底が、チャクラを高速で押し出す。 そのチャクラの規模、歪む空間の様を白眼で確認した抜け忍は顔を青ざめた。

 

「っ……でたらめ――

 

 抜け忍の言葉が言い終わる前に、ヒアシの正面に位置した岩場は空壁掌で吹き飛び辺りに岩石が飛び散る。

 

 パラパラと岩石の散る音を背にそのまま、残心を取るヒアシ。

 

「俺に……柔拳に遠距離の手段がないと決めつけるのは浅はかだったな。 ……かつては娘を人質に取られていた以上、使えなかったに過ぎん」

 

 岩場ごと吹き飛ばされた抜け忍は、重傷を負いながらもよろよろと立ち上がる。

 

 その様子を目にしたヒアシは構えを解かずに告げる。

 

「……大人しくしろ。 その眼さえ差し出せば命までは取らぬ」

 

 その余裕のある立ち振る舞いに抜け忍は歯ぎしりを響かせる。

 

「……ぅるせ……上から指図すんじゃあねぇぞ……っ!」

 

 顔に垂れる血を拭いながらも抜け忍は再度術を構える。

 

「嵐遁……っ!!」

 

「空掌!」

 

 その術を構える腕はヒアシの攻撃で叩き落とされる。

 

 二度のダメージを受け両腕をやられた抜け忍は、フラフラの状態で項垂れブツブツと何かを呟く。

 

 警戒を解かないヒアシはじりじりと距離を詰め、点穴を突き抜け忍の動きを止めようとしたその瞬間。

 

 

 抜け忍は雷を纏い、崖へと向かい走りだす。

 

 

「何を……っ!?」

 

 驚愕し同じく駆けだすヒアシに抜け忍は叫ぶ。

 

「てめぇだけにいい思いなんてさせてたまるかぁっ!! この眼ごと……死んでやるよォ!!」

 

 山脈連なるこの地域の崖からなけなしの身体活性で飛び降りた抜け忍。

 

 谷底へと消えた忍びの姿を目で追いヒアシは呟く。

 

「……愚かなっ」

 

 白眼を解いたヒアシが一人佇むその場に静かな夜風の音だけが鳴る。

 

 

 

 

 

 ふと唇を嚙みしめたヒアシが気がつく。

 

 谷底から聞こえる叫び声に。

 

「これは……っ!?」

 

 ヒアシが再度白眼を発動させたその瞬間

 

 崖下から、抜け忍を抱えた人影がヒアシの目の前に躍り出る。

 

 空中に留まるその人影は、暴れもがく抜け忍の首根っこの服を片手で掴み、空いた手でヒアシに向け中指と人差し指を立てたハンドサインをして声をかける。

 

「こんばんは♪ こんな時間にこんな場所で人に会うとは奇遇ですね!」

 

 わざとらしいほどに明るい声のその人物に対し、ヒアシは警戒を強める。

 

 なぜなら

 

(纏う外套の中を、()()()()()()()()()……結界忍術の類か、それに)

 

 その人物が身に纏っている外套は、黒地に

 

 

 ()()()赤い雲の模様が映えていたからである。

 

 

「貴様……何者だ、その模様の外套……暁と呼ばれる組織の一員か?」

 

 ヒアシの探るようなその言葉に、空中に留まる人物はその外套につけられたフードを脱ぎ、その顔を晒す。

 

 黒髪、月夜に映える白い肌と、薄い口紅。 左眼に着けた黒鉄色の片眼鏡(モノクル)が印象的に映るその人物は微笑みを浮かべて自身の名をヒアシへと告げる。

 

「私の名前は、天音小鳥……まあ()()()()ってところかな、今は。 色々と訳ありで()()()の眼が必要なんだ♪ じゃ、そう言う訳でっ!!」

 

 瞬間上空に向けて飛び始める天音。 ヒアシは咄嗟に空掌で天音を撃ち落そうとするも、天音はそれをうねる様に飛び避ける。

 

「ざーんねーん、外れぇ♪ それじゃあ、お疲れ様でした~」

 

 煽り言葉を残し、天音は上空、雲の上へと姿を眩ましたのであった。

 

 一人残されたヒアシは、深呼吸をしその様子を眼で追っていた。

 

 

 

 

 

 雲の上へと逃れた天音は、不意に抜け忍を掴むその手を離す。

 

 落下を覚悟した抜け忍だが、しかしその体はふわふわと宙に浮かんだまま落ちることはなかった。

 

「安心して♪ ()()()()()()()()で重力の影響力を少なくしてるから落ちはしないよ、でも……貴方の得意な嵐遁は雷の性質も併せ持ってるからもし使ったら相性の問題で術の効果が消えて地面へと真っ逆さま!!」

 

 手で、地面に落ちて何かが弾けるようなジェスチャーをする天音は「ぐしゃぁ」と効果音をお道化た感じで口に出す。

 

 顔を青ざめさせ大人しくなった抜け忍の様子に天音は満足そうに笑顔になる。

 

 雲に遮られない月の明かりが二人を照らし、天音は身動きの取れない抜け忍の眼へと手を伸ばす。

 

「貴方の事は嫌いだけど……情けでせめて痛くはないように優しくしてあげるから、大人しくしててね♪」

 

 そういい、静かな上空で肉を抉るような音と男の呻き声が響いた。

 

 

~~~~~~

 

 

 手に取った白眼を外套の下、腰のベルトに着けた緑色の液体の入ったガラスの筒に納める天音。

 

 カシュッと子気味の良い音で筒の蓋を閉めた天音は宙で項垂れ、完全に無抵抗になっている抜け忍の目元に手を当てる。

 

「貴方には生きててもらわないと、めんどくさいことになるからねぇ……一応治療だけはしてあげる」

 

 そういう天音は手元から緑色のチャクラを放つ。 医療忍術・掌仙術を行使し、眼球を失くした抜け忍の眼窩の出血は抑えられた。

 

「さて、それじゃあ雲隠れにでも届け……っ!」

 

 そう独り言を呟いた天音は何かに気がつき体を逸らせる。

 

 その瞬間天音の体を、白い光のような帯がかすめて伸びていく。

 

(これはまさか……っ!)

 

 瞬間そのレーザーとも見間違う帯に収束するように空気が爆ぜる。

 

「そんなでたらめなぁ!?」

 

 その拍子で吹き飛ばされた天音が態勢を立て直すと、その白い帯が通り穴の開いた雲目掛け抜け忍が落ちていくのが目に入る。

 

「しまった、術解けちゃったか……っ!」

 

 視界がなく、腕も怪我で動かせない抜け忍はただ自分が高所から落下する感覚だけを感じ、恐怖で喚き叫ぶ。

 

「全く……っ」

 

 呆れた感じにそう呟いた天音は印を結ぶ。

 

「土遁・軽重岩……最大!!」

 

 天音は自身に掛かる重力の影響を際限まで少なくし、全身からチャクラを放出することで高速で飛行し始める。

 

 落下する抜け忍目掛け、飛来する天音は地上で掌底を構えているヒアシを眼にして舌打ちをする。

 

 

 

 

 

 地上で構えを取ったヒアシは、小さく息を吐く。

 

「……八卦・破山撃……っ!」

 

 そして一瞬鋭く、集中して放たれた掌底は手先からチャクラの真空弾を放つ。

 

 もはや光線のように白く輝く高速弾が地上に向けて飛来している天音を貫かんとするが

 

 天音は掌に作った()()()()()()()()()()()()()()を盾にしてそれを受け流し、落下していた抜け忍に手を伸ばす。

 

(目的が何にせよ、暁に白眼を渡すわけには……っ!)

 

 抜け忍を掴み落下スピードを抑えた天音に向け、再度ヒアシは腰を落とし八卦空掌の構えを取る。

 

 しかし、天音は身体を回転させ勢いをつけてその手に掴んだ抜け忍をヒアシへ向け投げ飛ばす。

 

「何っ!?」

 

 急なその動きに躱しきれないことを悟ったヒアシは抜け忍との衝突による衝撃を覚悟する。

 

 がしかし、抜け忍の体はとても軽くヒアシは容易に受け止めた。 

 

 ヒアシは一連の天音の動きに疑問を感じながらも天音の術が解除され体が重くなった抜け忍を地面へと投げ、空中で旋回して逃げようとする天音に向け空掌を放つ。

 

「逃がさんっ!」

 

 放たれたチャクラの真空弾を天音は身体を向きなおして、掌の平からチャクラを流し払い、その空掌を打ち払う。

 

 互いに向き合う形になった時、天音は口を開く。

 

「……貴方の気持ちも分かるけど、落ち着いてよ……ねっ?」

 

「俺は落ち着いている。 貴様が手にした白眼を取り戻すためにな」

 

 構えを解かないヒアシに、天音はため息をつき首を振る。

 

「大丈夫大丈夫、ちゃんとそのうちに返しに行くからさ、それまで大人しく待っててくださいよ♪」

 

「信用する訳がないだろう」

 

 容赦のないヒアシは空掌を放ち、天音はそれを「ですよねー」と良いなが手で弾く。

 

 その様子に

 

(やはり破山撃でなければ……)

 

 とヒアシは溜を作る。

 

 天音はそれを見た瞬間、ヒアシの為の隙に印を結ぶ。

 

「多重影分身」

 

 瞬間数十人に分身した天音。

 

 その内数体がヒアシの放つ破山撃で貫かれ消え去るも、残った天音は高速で上空に向けてバラバラに飛翔する。

 

「っ……逃したか」

 

 これ以上の追撃が意味を成さないことを悟ったヒアシは、構えを解き遠くの雲の合間に消えていく数十人の天音の姿を見送る。

 

(あやつの雰囲気……どこかで……)

 

 少し考えこんだヒアシだが、足元で小さく唸る抜け忍の存在に気がつきため息をついてその体を抱え、遠く離れた麓に見える白の元へと移動を始めた。

 

 

 

~~~~~~

 

 

 ヒアシから逃れ、夜の上空を飛翔する天音。

 

「やっぱりクソ強いなぁ……ヒアシさんは、まともに相手してたら下手したら負けちゃうかも……」

 

 顔に疲労の色を浮かべながら、腰に下げた白眼を収めたガラスの筒に目をやる。

 

「……ま、目的は達したし……さてあと()()の流れに身を任せ……いや、違うかな」

 

 不敵な笑みを浮かべた天音は加速し、空を駆ける。

 

 

 

「私が流れを捻じ曲げる」

 

 

 

 

~~~~~~

 

 白は攻撃の手が止んだことを確認してから、基地内へと入り木ノ葉の忍び達と会話を行っていた。

 

「しかし、ホントにアンタの連れとか言う奴に任せて大丈夫なのか?」

 

 基地の上忍が少し不安そうに荒れた部屋を片付けながら白へと尋ねる。

 

 白は基地のくノ一から手渡された、基地内の資料に目を通しながらそれに答える。

 

「ええまあ……僕よりも強い人ですので問題はないかと。 ただ彼は極秘で来ているので、皆さんは彼について口外しないようにお願いします」

 

「そうは言われてもなぁ……なぁ?」

 

 上忍の納得いっていないという様子に、仮面の下で(どうしたものか)と思案をする白。 すると

 

「分かりましたっす!! 俺は何でもあなたのいう事を聞くっす、白さん!!」

 

 足を怪我した基地の中忍が、基地内にあった杖を突き敬礼しながら白へと声をかける。

 

 その元気な声に、一瞬目を見開く白だがその後小さく笑う。

 

「フフッ……ええ、そうしてもらえると助かります」

 

「任せてくださいっす!!」

 

 怪我をしたのにも関わらず、元気な様子の中忍に呆れ上忍が頭を抱えているとコスケが姿を現す。

 

「ふむ……ワシらの命を救ったのは事実。 ワシは黙ることもやぶさかでもないですぞ」

 

 コスケの言葉に上忍は納得いかないといった目を向けるも、くノ一もまた

 

「ええ、あの状況で白さんが来てくれなかったら下手したら全滅していましたから……救われた命の借りをただ黙っているだけで返せるのならお安いものです」

 

 中忍の意見に賛同を示す。 その3人の様子に上忍がため息をつく。

 

「……ああ、わかったわかった。 多数決を受け入れて俺も黙っとくよ……たく、こう見えて俺は報連相を大事にしてるんだがなぁ」

 

 折れた上忍に向け、白は手に持つ資料を示して口を開く。

 

「ええ、この報告書や活動記録を見ればよくわかりますよ。 綱手様にもいい報告が出来そうです」

 

 恐らくニコッとした白の傾けた頭の様子に、乾いた笑いを浮かべる上忍。 すると

 

「……戻った」

 

 無地で目だし穴を開けていない仮面をつけた男が、崩れた壁から男を肩に乗せ姿を現す。 そのビジュアルの強さに、白以外が警戒の色を強めるが

 

「お疲れ様です、その雰囲気……上手くいきませんでしたか?」

 

 白の調子の変わらない男への質問が、雰囲気を幾分か和らげる。

 

「……うむ、男は確保できたが……目的は達成できなかった」

 

 男はそういいながら抜け忍を床へと降ろす。 気を失っているその抜け忍の様子に、上忍は若干引きながらも

 

「アンタ、集落で見た忍びか……つまり今回の事件の犯人を捕まえることが……」

 

 と仮面の男に歩み寄る。 しかし白が少し威圧した気を放ち、口元に指を当て

 

「しー……」

 

 と呟く。

 

 冷たい氷のように張り詰めた空気に上忍が息を呑む。

 

「……俺は休ませてもらおう、案内を頼めるか?」

 

 そんな中仮面の男はそう言い

 

「わ、わかりました。 私が空き部屋に案内させていた、頂きマス!」

 

 その言葉を受けくノ一が眼鏡をずらしながら、わたわたと仮面の男を先導する。雰囲気に飲まれながらもそおまま仮面の男を部屋の外へと連れ出していった。

 

「……」

 

 冷たい雰囲気にの中、白が口を開く。

 

「その雲の抜け忍の扱いはそちらにお任せします。 ……確か手を出すな、と雲に言われているとか?」

 

「ああ……そこは襲撃に合ったので返り討ちにした、ということで問題だろう。 ここまで無抵抗にされていると、俺の幻術で記憶操作も問題なさそうだしな……ハハッ」

 

 上忍は乾いた笑いを浮かべながら気を失っている抜け忍を抱え別室へと移動していった。

 

 残った白とコスケ、中忍は軽く常日頃の業務について情報を交換しその日は就寝した。

 

 

~~~~~~

 

 

白と仮面の男・ヒアシは、深夜同室語り合っていた。

 

「こっちについて早々、ターゲットに接触できたのは幸か不幸か……まだ僕の任務が残っているんですよねぇ、ヒアシさん的には早く木ノ葉に戻りたいですよね?」

 

 白の申し訳なさそうな口調に

 

「構わない。 白眼は逃したが所在を見失ってはいない……それに」

 

「それに……?」

 

 仮面を外した白は、同じく仮面を外したヒアシの言葉の続きを促す。

 

「天音小鳥という……自称暁見習いとかいうくノ一が、『いずれ返す』……とも言っていた」

 

「ええ……その言葉、真に受けるんですか?」

 

「そうではないが……不思議と信用できるような気が……まあ、そうでなくともいずれ相まみえたときに今度は力尽くで取り返すまでだ」

 

 ヒアシの威厳のある冷静さに、白は小さく笑いながら呟く。

 

「天音小鳥……確か二年ほど前、悟君失踪時に付近にいたくノ一だとか……暁に与したとなれば、所在は以前より掴みやすいですね。 ……僕も個人的に彼女には悟君について問いただしたいところなんですが、今はここでの任務が優先ですね」

 

 その白の様子にヒアシは頼もしさを感じながらも、話題を切り替える。

 

「……しかし今回、奴の情報を掴み、雷の国に来るのにわざわざお主の手を煩わせてすまなかったな」

 

 その言葉を受け白はその綺麗な顔から繰り出される社交辞令的笑顔を浮かべて返事をする。

 

「いえいえ……ハナビちゃんのお父様の願いと成れば、協力するのも悪くはないです。 それに最終的に許可を出したのは綱手様ですし」

 

「ふむ……何かあっても五代目が悪いと? ……はっはっはっ中々に狡いな、白よ」

 

「それが火影というものでは? それに僕たちがこうして火の国を離れられるのも、残ってくれている()()()()()()()のおかげですからね」

 

「……ううむ」

 

 白の言葉にヒアシは顔をしかめる。

 

「心配ですか……?」

 

「いや……信頼をしてはいるが……俺の勝手に――」

 

「家族を巻き込んだのは忍びない……ですか?」

 

「……そうだ」

 

 ため息をつくヒアシの様子に(存外に人並みの感性は持っているんですね)と白は思いながらも、励ましの言葉を掛ける。

 

「家族というのは自分を頼って欲しいと、大抵思っているものですよ。 大丈夫、少しの間とは言え、貴方無しでもヒザシさんなら()()()()()()を務められるでしょう……それに」

 

 白は部屋の窓から見える、月を見上げその先の言葉を口に出す。

 

「僕の代わりを務めてくれている、可愛い()()()()()のことも信用してあげてください」

 

 白の少しにやけて言うその言葉に、ヒアシは苦虫を嚙み潰したように顔に皺を寄せ大きく唸りを上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒザシよりも、()()()()()が俺としては心配なのだが……ああ、直ぐにでも木ノ葉に帰りたくなってきた……っ」

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