目指すは忍ぶ忍者   作:pナッツ

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結構不定期更新ですみません、、、


9:右手に乗せるのは「決意・熱血・卑怯」な意思

夜のうちに日向の屋敷の付近まで移動して待機して様子を伺っていた。ちなみに今、俺の見た目は変化の術で転生前の22歳前後になっている。

 

黒髪天パな、身長170前後、細身な男性は屋敷の様子から人の出入りが少々多いこと以外、不審なことはまだ起きていないようだと思った。

 

まあ、事が起きるのは今日、平和条約が結ばれた後だろう。そもそも現在、日向の屋敷にはそこまで近づけていない。日向の人間が使う『白眼』は恐らく俺の姿を捉えると変化の術を看破してしまう。つまり怪しまれる。

 

なので俺は少し遠めの建物屋上から様子見している。ただの不審者。そんなこんなで時間は過ぎてゆく。

 

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深夜、待機場所からとりあえず様子見を続ける俺は緊張している。少なくとも雲隠れの忍び相手に時間稼ぎを行うのだ。少しでも時間を稼げば日向ネジの父親が相手の忍びを殺す可能性を下げられるはずだ。

 

里外に逃げられ、余裕がないから殺す。それの責任を取ってネジの父親が死ぬ。なら俺がすべきは雲隠れの忍びを里から逃げ出す前に足止めし、親父さんに任せる。

 

余裕さえあれば殺さずに、穏便に済ませてくれるはずだ・・・。

 

まあ、今日誘拐が起きるとは限らな・・・

 

少しの物音、屋敷から高速で飛び出る影。その影を追う影。

 

事が起きた。覚悟を決めろ!俺!影の飛び出た方向からして、木の葉の大門の方角に向かっているようだ。

 

大門以外には結界術で人の出入りを撃退するように出来ている。結果論だが木の葉に無理難題を吹っ掛ける気なのだ。自分たちの不利になるような結界術に触れることはないのだろう。

 

それを予想していた俺は、一度深呼吸をして息を整え、自身の術を解除する。

 

俺がボフンと煙を巻き上げると、その場には静寂だけが取り残された。

 

 

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こちら大門付近に潜伏している本体の黙雷悟です。ただいま影分身の術からの情報を受け取り、奴さんが予想通り大門に向かっているのを確認した。

 

俺のいる位置まで、誘拐犯と追跡者が来るまでもう猶予はない。もうなるようになるしかない。どんな手を使ってでも時間を稼ぐ!

 

印を結び、変化の術を発動する。その時誘拐犯がちょうど目の前まで気ており、俺の変化後の姿に動きを止める。この動きを止めている時点で俺の目的は達成し続けている。

 

俺は化けた相手の声色しゃべり方を思い出しながら演技を始める。「貴様、こんなところで何をしている!」

俺が変化した相手は「雷影エー」だ。この事件の首謀者に化け俺は演技を続ける。

 

「決行日は今日ではなかっt」言い終わる前に俺の脳天に手裏剣が刺さる。雷影への変化は解け、その下から転生前の俺の姿が姿を現す。マリエさんの仮面のおかげで二重に変化していたうちの表だけ解除されただけで済んだ。

 

「そんな稚拙な変化で俺をだませると思うな」と誘拐犯がヒナタを抱えている手とは逆方向でクナイを構え突進してくる。ほんの少しの会話では後方の日向の追手は追いつけないらしい。

 

自分の決意と、ガイさんからもらった熱意、そして忍びとして生きるための卑怯な手。今自分にできる最善を尽くすため、俺も相手に向かい駆ける。マリエさんには物理的接触はやめろと言われたが、仕方ない。

 

俺は口に含んだイタチさんにいただいたうちは特製の丸薬を噛み砕く。すぐに自分のチャクラの量と巡りが良くなるのを感じた。狙いは一瞬。もてる全てのチャクラを右手に籠め、思いっきり殴りかかる。

 

相手の忍びは俺の右手にクナイを突き立てる。相手からしたら、俺の未熟な動きはスローモーションに見えるだろう。そんな俺の全力の一撃を潰そうとしたその動きは空振りに終わる。

 

右手をすり抜けたクナイを俺は見送り、相手の顔面に文字通り3歳児の拳を叩きこむ。ちなみに仕組みは単純だ。右手だけ変化の術を使わず、『分身の術』で再現し、無駄にチャクラだけ纏わせ誤魔化しをかけたのだ。

 

狙いは成功、誤魔化しにチャクラを割きすぎたため、相手を気絶させたりするほどの威力は出ないが怯ませることができた。このまま追げk

 

急に体に力が入らなくなった。殴り抜けた姿勢で前傾に倒れる。倒れた衝撃で変化が解け3歳児の姿に戻る・・・?

 

「ぅあ・・?」胸が熱い。そこに視線を向けるとクナイが深々と俺の胸を刺し、赤い血を流している。敵は俺の右手を狙ったクナイを切り返して俺の攻撃にカウンターを仕掛けたようだ。

 

口からも血が漏れる。まだだ時間を稼がないと。。。。

 

「こんなちびガキが忍術を使っていたとは、ただ所詮ガキのおままごとだ。止めを刺してやる苦しいだろう?」

 

こんなところで・・・死ねない・・・ただいまって言わないと・・・

 

俺はもがくが体が言うことを聞かない。クナイに毒でも塗られていたのだろう。思考がかすみ、息ができなくなってきた。俺の真上で誘拐犯がクナイを構え振り下ろす。

 

「死ね」

 

金属がぶつかる音がする。

「させるか」

 

・・・?知らない男の声が頭上で聞こえる。男がクナイをはじき誘拐犯の態勢を崩すし、顔に横一線の斬撃を繰り出す。誘拐犯の目が血で染まる。

 

そのまま男は柔拳の構えを取り追撃を繰り返す。繰り出される連撃が誘拐犯をのけぞらせ、抱えていたヒナタを取りこぼす。ヒナタは柔拳を絶えず繰り出す男の片手に受け止められ、途中から連撃は片手で行われた。回転しながらの流れるような打撃は誘拐犯に目立った外傷を残さないほど繊細であった。

 

一通りの型のような動きが終わると誘拐犯は打撃の衝撃の少なさに関わらず、崩れ落ちる。

 

「日向の六十四の打撃は貴様のチャクラの流れを止める。観念するのだな。」

 

誘拐犯はもがいているようだが、どうにもならないようだ。

 

日向の男は口笛を吹き、応援を呼んだようだ。俺の意識ももう途切れかかっている。

日向の男は俺に近ずき、抱えて移動を始めたようだ。

 

そこで俺の意識は落ちた。

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「ヒザシ、すまない。」

「良いのです。兄上。これも定め。しかし私が選んだ運命でもあるのですから・・・」

 

 

 

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夢を見る。その夢の中では、日向の男性二人に男女の子どもが道場みたいな場所にいた。少しの悶着のあと、額に呪印の刻まれている男がもがきだす。

 

「これは日向の・・・」酷く悲しい運命に縛られた一族の光景を見たあと俺は気が付くと見晴らす限りの草原に立っていた。

 

「ここは転生したときの・・・草原?」ふと自分の体を見るとしっかりと体はある。3歳児の体だ。

 

以前も来たことのある草原は、一本の木が新しく生えている。その下には俺を転生させた神がいた。体は薄っすら反透明だが、こちらに気づくと手を上げ挨拶を交わす。

 

「おっすオラ宇宙人!またあったな!」相変わらずの謎テンションだ。「どうも・・・あの俺ってまた死んだんですか?」また死んだとか言うの割とパワーワードだな。

 

気になっていることを単刀直入に聞くと「いや、死にかけただけで問題はない」と厳格な口調で答えてくれた。少し安心するが現状が気になるところだ。

 

「なんでそんなテンションの浮き沈み激しんですか・・・」と俺があきれながら聞くと、あまり人と喋らないからと答えられた。難儀だ。

 

とりあえず死んでいないならここはいったいどこなんだ?と俺が疑問に思っていると、神様は「ここはお主の精神世界だ。故にお主の記憶や体験を掘り起こしてみることができる。・・・ほれ」と指をさす。

 

そこには『NARUTO』のアニメを見る俺がいた。場面はさっきの日向の道場の場面だ。だが俺自身この時の記憶は覚えていない。

 

「どうやらお主、こっちの世界の様子を知っているようだが、あまり正確には覚えていないようだな。現にほれ」と神様が手を上に扇ぐ。すると記憶の映像が切り替わり、俺が漫画を見ている様子に切り替わる。それは中忍試験。ネジの控室の場面だ。そこでは『日向ヒアシ』がネジに真実を語っていた。

 

漫画を読み進める俺を読み進めると、ある事実に気づく。「あれ、誘拐犯殺したのヒナタの方の父親じゃん!?」

俺の原作知識は間違っていたのだ。大まかにしか合っていない知識に不安を覚える。

神様はあきれた様子でこっちを見ている。そう言われると確かに、見た覚えがないけどこうデジャブを感じている俺がいる。

 

「お主の前世の記憶は、元々曖昧であったが、さらに今のお主の体の記憶ではない。それは夢にように儚いものだ。」つまり俺の原作知識は割と頼りにならないかもしれない。

 

「マジか~」と落ち込む俺は神様にもう一つ質問する「あの今の俺って!何か才能とか、転生の特典とかないんですか!?」割と切実だ。

 

「ほぼない」神様の回答は曖昧だった。いや、ほぼないって・・・「どれぐらいのほぼなんですか?」と聞くと

 

「ワシが何か特別なことをしているわけではないということだ。お主の魂をこちらの世界の体に定着させたこと以外な。つまり『転生者』という事実がお主が持つ唯一の特権だ。」

 

ほんのりとテンションが下がる。なら今貰えば!

 

「もうここのワシの存在は消える。ゆえに期待しても無駄だ。お主の様子を見るため残しておいたがそれもお主が精神世界に来て、ワシに接触したことで残りのチャクラも切れそうだ。」

 

チャクラ?この神様もチャクラを持つ存在なのか?言われてはいないが顔に見覚えがある気がする・・・

 

「そろそろお主の覚醒の時だ。ここまでの様子を見た限り何とかやっていけそうで安心している。では、達者でな。」

 

そういうと神様の半透明なチャクラは霧のように霧散し消えた。草原に残された俺は、現状の整理に入る。

 

つまり、元々のヒナタ誘拐事件ではヒナタの父「日向ヒアシ」が雲の忍びを殺害。そのことに対するいちゃもんにヒアシの双子の弟「日向ヒザシ」が身代わりに。宗家と分家の差で父が犠牲になったと勘違いして日向ネジがぐれる。

 

俺は改めて自分の記憶がおぼろげになっていることを自覚する。これからはあまり自分の知識に頼りきらず情報収集もしっかりしていかないとな。

 

しっかりと現状を確認した俺は、事件の「結果」がどう変化したのかに不安を覚える。俺の記憶では雲の忍びは殺害されずに済んだはずだが・・・とりあえず起きて状況を確認しないとな。

 

精神世界からの起き方なんてわからないので、転生したときの独特の感覚を気持ち再現してみる。どうやらビンゴのようだ。精神世界からの覚醒を感じる・・・

 

 

~~~~~~~~~~~

 

目を覚ますと白い天井が視界に移る。見たことも覚えもない天井だ。そういえばとクナイで刺された胸を確認しようと、今着ている病院服?のような服をめくると、傷跡がしっかりと残っていた。痛みはすでにないようだが少々痛々しい。

 

俺が苦々しい表情をしていると、俺が病院のベッドのわきに気配を感じ、横から地面に視線を移す。

 

緑の寝袋に入ったガイさんが、豪快にいびきをかきながら寝ている。アイマスク持参とは準備のいい・・・。どういう経緯でこうなっているがわからないが、あの夜、日向ヒアシに連れられ俺は病院へと連れてこられたようだ。

 

生きている実感を得ると少し、眠気を感じる。集中力も切れている。どれくらい自分が寝ていたかは不明だがもうひと眠りしよう・・・。なぜかいるガイさんも良く寝てるし。

 

そう思い、布団に潜り込もうとするとベッドを囲んでいたカーテンが開かれる。

 

暗い表情のマリエさんが花とフルーツを持って立っていた。

 

中途半端に布団に潜る体勢になっていた俺はマリエさんと目が合う。

 

沈黙・・・マリエさんは荷物を手から取りこぼした。

 

 

すると急に「うわああああああん!」とマリエさんが泣き叫びながらベッドに飛び込んできた。

 

ガシャン!と音がなり、押しつぶされる俺。泣きながら俺に抱き着くマリエさん。物音に反応して寝ぼけながら飛び起き「敵かあぁ!」と構えるガイさん。せめてアイマスクは外しなよ・・・。

 

静かな病院に舞い込んだカオスな騒がしい状況は職員の人がきて、大人二人を落ち着かせることで収束していった。

 

・・・やっぱりこの騒がしさは、心地がいい。

 

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