白騎士物語 時をこえた物語   作:神無 龍希

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まずは原作の一万年前から始まります


序章
時をこえた賢士1


                       序章1

 

                     時をこえる賢士 1

 

 

                      ◇ ◇ ◇

 

 

 アスヴァーン王国のとある城の一室

そこでは13才くらいにしか見えない緋色の目を持つ可愛らしい少女が書類の山と格闘していた

 

 (レティシア)

 「ふああ、なんで(わらわ)がこんなことをせねばならぬ、こんなのは城の中でふんぞり返っとる頭でっかちどもの仕事であろうが」

 

 (レティシア)

 「いや落ち着け、落ち着け、わかってる、城の連中も突然のことでやたらと忙しいことも、妾に任せられる書類があの戦いに関する表に出せないあれやこれやの書類であることも」

 

 顔をぶんぶんと度に背中まで伸びた緋色のふわっとした巻き毛が左右に揺れる

 

 子供が癇癪(かんしゃく)を起こしてるようにしか見えないがこの少女は剣術や槍術を始めとする八極戦技(はっきょくせんぎ)をすべて修め、莫大な魔力で魔法を使いこなし、それ故賢士の称号を贈られた人物である

 

 ひとしきり騒いだ後で癇癪の原因である50cmは積まれた書類を一睨(ひとにら)みしてため息をつく

 

 (レティシア)

 (あの戦いが終わって白騎士が戻ってきた時にはミューレアスのやつは息をしておらなんだからの)

 

 (レティシア)

 (あやつは本気でワイルドの願いを叶えるつもりだったのか、後継ぎはちゃんと決めておったから最悪の事態は免れておるが、戦後処理も済まぬ内にこのような事態になっておるからの、上も下もてんやわんやで大臣どもも首のすげ替えに忙しかろうのう)

 

 (レティシア)

 (その上に騎士(シンナイト)の問題もある)

 

 (レティシア)

 (月姫は契約者フラベルの親に返しておるし)

 

 (レティシア)

 (黒騎士はクーデター軍に襲われて行方不明としかわかっておらぬし)

 

 (レティシア)

 (龍騎士は空を舞い槍を自在に操ることから扱いは至極難しく、しかしながらその能力(ちから)は至極強力、人が管理するには大きすぎる力故にバンカーロードの主に管理を任せておるしの)

 

 (レティシア)

 (もっとも龍騎士だけは誰でも乗ることが出来ると言う危うい一面もあってのことだがの、扱えるかどうかは別として)

 

 (レティシア)

 (白騎士は次の契約者がワイルド程丈夫とし限らぬし、リミッターとして管理意識体のファントムを設置することで改造前の能力に戻し、いざという時にリミッターを解除出来るようにして城の宝物庫に封印されておるし)

 

 (レティシア)

 (太陽王は帝国のくそったれ皇帝と共に消滅…、したはずだったのだがのう)

 

 (レティシア)

 「ともかくこちらで押えてる騎士は一体だけか」

 

 コンコン

 

 その時部屋の扉がノックされ来客を告げた

 

 (レティシア)

 「なんじゃ、扉は開いておるから勝手に入ってこい」

 

 癇癪を起したばかりで当然と言えば当然だが、レティシアは今虫の居所が悪い

 

 「何か機嫌が悪そうですね」と言って入ってきたのは金髪の優男だった

 

 その優男はレティシアを見て目の前にあるものが理解の範疇をこえているのかそのまま固まってしまった

 

 (優男)

 「あ…、あなたが…その…賢士レティシア殿?」

 

 (レティシア)

 「この部屋に他に人はおらぬぞ、ミューレアスのやつも魔力云々(うんぬん)がなければただの小娘であっただろう」

 

 (レティシア)

 「いい加減見た目で測れぬこともあると心底理解した方が良いぞクライブ」

 

 (優男→クライブ)

 「あ…いやまったくその通りだな、返す言葉もない」

 

 (クライブ)

 「それでわざわざ元イシュレニア帝国の騎士である俺を呼び出してどんなご用件でしょうか」

 

 クライブが”元”騎士と言ってるように先日までアスヴァーン王国と戦争していたイシュレニア帝国は既に国としては滅んでいた

 

 イシュレニア帝国の皇帝であるマドラスが後継に関してはなんの指示も出していなかったのが最大の理由であるがマドラス亡き後の滅亡ぶのはそれはもう早かったと風の噂で聞いている

 

 (レティシア)

 「ふむ、それなんだがの、(なれ)はフォーチュンテラーの称号を持つ男を知っておるか」

 

 (クライブ)

 「ええ、何でも彼の星詠みで示した未来は外れたことがないと評判ですよ」

 

 (レティシア)

 「その星詠みのシーカーが汝もよく知るあの戦いに関して碌でもない予言をしておってのう」

 

 (レティシア)

 「それであの戦いに関わっておった者たちを集めようと思ったのだがのう…」

 

 (レティシア)

 「結果としては汝しか集まらなかったということよ」

 

 (クライブ)

 「なるほど、それでその肝心の予言というのは?」

 

 (レティシア)

 「それは要点を抜き出して()うこととしようぞ」

 

 (レティシア)

 「シーカーの予言は長いのが欠点だからのう」

 

 (レティシア)

 「まずはイシュレニア帝国の皇帝マドラスだか汝が知らぬわけがないのう」

 

 (クライブ)

 「愚問だな」

 

 (レティシア)

 「そやつが一万年後に帝国を(おこ)すようでな」

 

 (レティシア)

 「そのマドラスと雌雄(しゆう)を決するためにミューレアスと騎士の生まれ変わり達がマドラスと戦うと出ておる」

 

 (クライブ)

 「はあ?、なんの冗談ですかレティシア殿」

 

 クライブはマドラスが太陽王と共に白騎士によって消滅していることを知っているのでこの反応も仕方ない ことではある

 

 (レティシア)

 「いや…、まあ、そう言いたくなる気持ちはわかるがの」

 

 (レティシア)

 「妾と最初聞いた時は何の冗談かと思おたくらいだしの」

 

 (レティシア)

 「だがシーカーは予言で冗談や(うそ)をつくようなやつではないしの」

 

 (クライブ)

 「ってことは何か、あいつが倒したはずの陛下が生きていて、しかも一万年後に生まれ変わってまで戦うというのか」

 

 (レティシア)

 「決して外れぬ星詠みの予言かせそう言うとると言うことは、そういうことであろうのう」

 

 (レティシア)

 「まあ予言通りになるとしてね一万年後ことであることだし今を生きる妾達に関係ないと言えば関係ないことではあるがの(さて汝はどう答えるかの)」

 

 (クライブ)

 (ワイルド…、陛下…)

 

 (クライブ)

 「私の…、私の答えは決まっている、陛下に全力をもって仕えていたのも、あの戦いでワイルドと戦ったのもそれが帝国のためになると思ってのこと」

 

 (クライブ)

 「文武共に優れた陛下であれば間違いはないと信じればこそ」

 

 (レティシア)

 「そうか、なら汝はマドラスにつくと言うのか?」

 

 (クライブ)

 「いや、違う!」

 

 (クライブ)

 「私は知ってしまった、陛下はあの戦いで己のためだけに、不老不死を得るためだけに動いていたことを」

 

 (クライブ)

 「帝国の錬金術の粋を集め、尽し、作られた太陽王もそのための乗り物とされワイルド達に止められたことを」

 

 (クライブ)

 「陛下が一万年後に興す帝国とやらも己の野望のために使うつもりではなかろうか?」

 

 (レティシア)

 「うむぅ、星詠みの予言ではマドラスに転生とか生まれ変わりと言った言葉は使われておらぬのう」

 

 (レティシア)

 「ミューレアス達には使われておるし言い忘れとも思えぬが、人は一万年も生きておれるようには出来ておらぬし、どういうことかの?」

 

 (クライブ)

 「だとしたら一体どういう事だ?」

 

 (レティシア)

 「一万年後のマドラスは人間をやめておるのではないのか?」

 

 (レティシア)

 「そして欲望のために人間をやめた者が国で暮らす人々のことを、民のことを考えるとは思えぬのう」

 

 (クライブ)

 (くっ…、陛下が不老不死を求めたあの時のことを思えば十分にあり得ることだな)

 

 (クライブ)

 「陛下が人の道を外れるならば力ずくでも止めなくては、それが陛下に仕えていた者として出来るせめてものことだ」

 

 (クライブ)

 「それにワイルドには会わせる顔もない、だからせめてワイルドの生まれ変わりを支えてやりたい」

 

 (レティシア)

 「汝はそれを本気で言うておるのか?」

 

 (クライブ)

 「ああ勿論だとも、一万年後だろうがどこだろうが関係ない」

 

 (クライブ)

 「今度こそ間違えたくない、今度こそ力の振るい所を間違えたくないんだ」

 

 (レティシア)

 「それだけの決意ならばこの城に伝わるあの禁書を使えるかもな」

 

 そう言ってレティシアが部屋の一角で呪文を唱えると本棚が一つ消えてそこに隠された通路が姿を現した

どうやら特定の場所で特定の呪文を唱えることにより一時的に解除される高度な幻術で隠されていたようだ

 

 (レティシア)

 「禁書の類が軽々しく外へ出せるものであってはならぬからのう」

 

 (レティシア)

 「ちと待っておれ」

 

 レティシアが隠し通路に入って数分してから一冊の本を持って出てきた

 

 (レティシア)

 「これは四次元魔導書・移動術式という名の呪文書の一つよ」

 

 (レティシア)

 「この魔導書に載っておる魔法の一つは魔法の力を持ちて時の流れを動き過去にも未来にも行けるものでな、ある意味リバース以上の禁呪よ」

 

 (レティシア)

 「世界の(ことわり)や時の流れかせ逸脱する魔法である以上使用すればどのような副作用が出るかわからぬぞ」

 

 (レティシア)

 「それにじっくりと考えれば他に時をこえる方法が見つかるやもしれぬぞ、それでも今という時を惜しみこの書の禁呪を使うか?」

 

 (クライブ)

 「お気遣いありがとうございます、しかしながらこの想いを抱えたまま行動を起さずにいることが今の私にとっては何よりも辛いことになるのです、だからこそ今すぐにでもミューレアス女王とワイルドの生まれ変わりほ探したいのです」

 

 (レティシア)

 「…ふう、わかった、隠し部屋の禁書室で魔法陣を使えるようにしておくから汝はこの書のここまから…、ここまでに載っておるクロノ・ドライブという名の術式をしかと覚えてまいれ」

 

 (レティシア)

 「それと言うまでもないことだか、帰ってこれる保障がないのでな、親しい者には今のうちにきちんと別れの挨拶くらいはしてくるがよかろう」

 

 (クライブ)

 「そう…、ですね」

 

 (レティシア)

 「準備が出来ればこれを持って城までくるがよかろう」

 

 そう言って直筆の紹介状をクライブに手渡す

 

 (クライブ)

 「ありがとうございます、一週間後には来るつもりですので」

 

 (レティシア)

 「うむ、達者でな」




 (レティシア)
 「およ、ここはどこだ?」

 (作者)
 「後書きコーナーへようこそ」

 (レティシア)
 「色々疑問に思うところもあるがどうやら全て横に置かねばならぬようだの」

 (作者)
 「よくわかってらっしゃる、だが読者のために説明しよう、ここは雑談形式でこの作品の造語や原作の用語を説明するコーナーだ」

 (レティシア)
 「よそ様の作品でちょくちょくやっていることを自分もやってみたくなったのだな」

 (作者)
 「うん、実はそう」

 (レティシア)
 「しゃあないのう、つきおうてやるわい」

 (レティシア)
 「まずは妾のことかの」

 (作者)
 「それはもう一人のオリ主が出てくるまで」

 (レティシア)
 「それはしゃあないの、妾達は二人で一つのセットだからの」

 (作者)
 「なので次は捏造称号の賢士についてですね」

 (レティシア)
 「うむ、これは武器による近接戦闘も遠距離の魔法戦でも敵なしの万能ぶりを発揮しておったことで自然と囁かれるになってミューレアスのやつがそれに乗って正式な称号として定めたものよ」

 (作者)
 「意味としては剣士でもあり賢者でもありと言った所ですね」

 (レティシア)
 「何しろ騎士道華やかりし中世ヨーロッパがベースの王道なファンタジー世界だからのう、剣=武=強さという考え方なのであろう」

 (作者)
 「確かに剣と魔法の世界と聞いてぱっと思い浮かぶのはそれですからね」

 (作者)
 「そして次は四次元魔導書・移動術式ですが」

 (レティシア)
 「これは読んで字の如く空間魔法系統の魔導書で高次元に干渉して世界の枠をこえるようなチートなスペックを持っておるので禁書指定された代物よ」

 (作者)
 「きちんと修めればどこぞの運命の物語の第二魔法のように平行世界にも行けるということですね、そりゃ禁書にもなるわ」

 (作者)
 「そして最後にリバースですがこれは公式設定に存在する禁呪で蘇生呪文です」

 (レティシア)
 「ただし術者が死ぬ欠陥呪文だがの、公式ではこの魔法の悪影響については結構曖昧で使ってすぐ死ぬというわけではなくての」

 (作者)
 「なので独自解釈として不完全な術式で存在が術式に完全に馴染んで術が完成すれば術者が死ぬということにしました」

 (レティシア)
 「と今回はこのくらいかの」

 (作者)
 「それでは次回またお会いしましょう」
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