白騎士物語 時をこえた物語   作:神無 龍希

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これで序章が終わって本格的に物語の始まりとなります


時をこえた賢士2

                    ◇ ◇ ◇

 

 

 あれから丁度一週間後にクライブはアスヴァーンの城にやってきた

 

 (レティシア)

 「きっちり一週間で来るとは何時も律儀(りちぎ)なものよ」

 

 (レティシア)

 「しかと習得出来ておれば一週間も待たずともよかろうに」

 

 (クライブ)

 「いえいえ、この術式の重要性がわかればわかるほどに無意識レベルで行使出来るほどまでに習熟せねばならぬと思えたのでこれでもまだ足りないかと思えるほどです」

 

 (レティシア)

 「ほう…、そこまで理解出来ておるならば今更注意せねばならぬことは何もありはせぬのう」

 

 (レティシア)

 「ではついてまいれ」

 

 隠し通路を通った先にある禁書室には一揃えのデスクセットと壁一面に並ぶ禁書の本棚だけではなく、部屋の中央に外延部分に隙間なく術式を書き込まれた魔法陣が用意されていた

 

 (レティシア)

 「では始めるぞ」

 

 魔法陣の中央で座禅を組んでいるクライブはこくりと頷いた

 

 (レティシア)

 「来たれ…、集え、大気に満ちるマナよ、コールサモン…、コールサークル…、コールマナ…」

 

 視認(しにん)出来ない形無き魔法のエネルギーであるマナがレティシアの呼びかけに応じて集まりだす

 

 (レティシア・クライブ)

 「マナストリーム…、マナスパイラル…、マナコーティング…、マナコントロール…」

 

 視認出来るのではないかと思えるほど濃密なマナが魔法陣の中央に集まったところで二人揃って新たな術式を組立てマナをコントロールしてその支配権をクライブに集中する

 

 (レティシア)

 「マナクロノス…、フューチャーリーブ…、クロノリーブ…、リバーポイント…、クロノリーブ…」

 

 そしてクライブをマナでコーティングして超濃密(ちょうのうみつ)に纏わりついてるマナごと三次元と四次元の間にある時の河へと放り出す

 

 (レティシア)

 「ふう…、後は汝次第ぞ、クライブ」

 

 時の河に放り出されたクライブはというと

 

 (クライブ)

 (むぅ…、ぬぐう、これは、まるでマナの(かたまり)濁流(だくりゅう)となって時の彼方へ押し流そうとしているかのようだ)

 

 (クライブ)

 (このままではまずい、コーティングされてるマナが剥がれない内に術式を組み立てなくては)

 

 (クライブ)

 「マナコーティング…、マナコントロール…、マナスパイラル…」

 

 (クライブ)

 「マナモーメント…、マナブースト…、ストリームサーフィン…」

 

 (クライブ)

 (これで時の河の上方向に出れたな、下流方向が未来なのは間違いないが)

 

 (クライブ)

 (クロノ・ドライブの探査術式を使うか)

 

 (クライブ)

 「デジョンアイ…、パラドクスアイ…」

 

 (クライブ)

 「クロノアイ」

 

 (クライブ)

 (…うむ、2000年ほど流されていたか、確認出来なければ危ういところであったな)

 

 (クライブ)

 (時の流れが見える程度に流れに乗ることにしよう)

 

 クライブはコーティングされているマナを螺旋状(らせんじょう)に回転させて推進力に変えることで元いた時代より一万年後の未来へと降り立った

 

 だが降り立った時代が予言された時代20年前の時代であることも、クライブの金色の色素が漆黒に変わり黒目黒髪になっていることも

 色素が変わった事で「時をこえた人間が変わらずに存在することは許されぬのか」と思いクライブの名を捨てエルドアと改名するのも

 

 すべては後の話しである

 

 

                    ◇ ◇ ◇

 

 

 クロノ・ドライブが発動してから二年後

 

 (レティシア)

 (やれやれ、ミューレアスのやつも跡継ぎを選ぶのは失敗したみたいよのう)

 

 (レティシア)

 (まさかたったの二年で復興の兆しが見えるどころか更に傾くとは思わなんだのう)

 

 (レティシア)

 (それに権力に群がる屑虫どもはこのままでは権力を掴むどころか国そのものが滅ぶということに気づいておらぬしの)

 

 (レティシア)

 (これでは沈没寸前の船ではないか)

 

 (レティシア)

 (まあ、あれから副作用なしに時をこえる方法を見つけるのに半年、そして術の発動中に起きうるあらゆる事態を乗り切れるように亜空間結界エリアを準備するのに一年半、ようやっと妾も一万年後の世界へ行く準備が出来たのう)

 

 (レティシア)

 (もうこの国の行く末は見えておるしこの時代に妾が未練を持つ者もおらぬ、すぐにでも行くとするかのう)

 

 (レティシア)

 (クライブのやつだけを禁術で送り出しといて妾だけ知らんぷりするわけにもいくまいしの)

 

 (レティシア)

 (それにマドラスのやつは妾も嫌いよ)

 

 レティシアが亜空間結界へのアクセスコードを唱えると目の前に亜空間結界へ繋がる黒い穴のようなものが開いた

 

 レティシアが穴に入ってしばらくすると亜空間結界への穴は自動的に閉じた

 

 レティシアが一年半かけて作った結界はひょうたんのような形をしておりそれぞれの部屋に魔法陣がセットされている

 

 (レティシア)

 (まずは幽体離脱せねばな)

 

 大きい方の結界部屋の魔法陣の中央に呪文を唱えるとレティシアの体から意識体が抜け出してレティシアという存在は生霊になった

 

 (レティシア)

 (うむ、この多機能魔法陣は上手くいっておるの)

 

 レティシアを生霊にした魔法陣には(たましい)の抜出しの他にも肉体を仮死状態で保持する生体保護の効果と転移魔法の目標地点として機能するマーカーとしての効果も持ち合わせている

 

 レティシアは生霊のまま隣の部屋に行き魔法陣の中央に座り込んだ

 

 (レティシア)

 (さて、意識体になれば意思の力のみで時をこえることも出来るがそりやり方だと地図もなしに砂漠に入るようなものだからのう)

 

 (レティシア)

 (ちゃんと一万年後に行けるようにナビゲート用の魔法陣を使わなくてはのう)

 

 レティシアが一度呪文を唱えて二度呪文を唱えるとナビゲート用の魔法陣からは気配の全てが消える

 気配の消えたナビゲート用の魔法陣は亜空間結界から切り離されて消滅する

 

 結界を維持するためには魔力を使い続ける必要があるために少しでもコストを減らすために使い道のなくなった部屋は切り離す必要があったのだ

 

 レティシアがナビゲートに沿って時の流れから降りた先は森の中だった

 

 (レティシア)

 (結界を一部切り離すことでコストを減らしたのは良いがそれでも全開の半分程度の魔力しか使えなくなっておるのう)

 

 (レティシア)

 (まあそれでも竜種が群れてこぬ限りはどうとでもなろうぞ)

 

 (レティシア)

 (それよりもここがどこなのかを知らねばならぬのう)




 (レティシア)
 「これでようやっと妾も本編の部隊である一万年後の世界にこれたと言うわけよな」

 (作者)
 「そうなるね、そしてここからが本当の始まりとなるわけだ」

 (レティシア)
 「うむ、次回に備えてしかと鍛錬しておかねばな」

 (作者)
 「あれ、意識体って鍛錬って出来たっけ?」

 (レティシア)
 「それはともかくとして用語解説ゆくぞ」

 (作者)
 (話しを逸らしたな、まあいいか)

 (作者)
 「ドグマ戦記の黒騎士の契約者であるクライブについてだね」

 (レティシア)
 「白騎士の契約者であるワイルドとはいいライバル関係であったがワイルドがミューレアスと約束したことで色々とおかしなことになったついてないやつのことよな」

 (作者)
 「公式のドグマ戦記のコミックでは最後でアスヴァーンの軍師のエルダスとクライブの二人が時をこえたことが明らかになってるけどその後どうしたのかは明記されてないんだよね」

 (レティシア)
 「エルダス=エルドアとクライブ=レダム司祭が定説となっておるがな」

 (作者)
 「それをこの小説ではあえてクライブ=エルドアにしてみました」

 (レティシア)
 「それではレダム司祭はいったい誰だという話しが出てきそうだがの」

 (作者)
 「アンケートの結果で続編を書くことになったらはっきりすることなんだけどね」

 (レティシア)
 「なんだ、そのアンケートと言うのは?」

 (作者)
 「クライマックスの第五章から完結するまでに続編を読みたいかどうかのアンケートをとって読みたい人が多ければ書くつもりだよ」

 (レティシア)
 「続編希望が納得いくほどこなければ?」

 (作者)
 「読者のいない小説に意味なんてあるのかな…」

 (レティシア)
 「悪かった、悪かったからそんな遠い目をするでない」

 (作者)
 「それと無言で評価をつけることは出来ないようにしてるから評価をつける時は何か一言頂戴ね」

 (レティシア)
 「意味もなく罵詈雑言を並べ立てるようなクレーマーは勘弁してほしいがな」

 (作者)
 「さすがにそんな人はいないだろう」

 (作者)
 「それでは、また次回お会いしましょう」
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