次回からは後始末かなー
◇ ◇ ◇
アドベントカードが力場の中に存在する全ての命を吸い出しその力で力場が光に包まれる
その光が収まると力場の中にいたはずのギガース達の死体もレンもウィザード兵士二名も…、そしてレティシアの姿もなかった
その代わりなのかグラン・ギガースの名を持つライトグリーンを基調とした硬い皮膚に黒い文様の入った巨大な三つ首の魔獣の姿があった
レナード達はベルシタンの術中に嵌っているカーラを除き誰もがその姿を呆然と見ていた
(ユウリ)
「あ…、あ…ああ…、そん…な…」
(エルドア)
「まさか…」
鎮痛なその空気を読んでないのかそれとも読むつもりがないのか
今のユウリ達にとってひじょうに神経を逆撫でにする声が耳を突き刺す
(ベルシタン)
「はっはっはっはっはっ、どうですこれが我々の真の切り札合成魔獣グラン・ギガースですよ」
(ベルシタン)
「力場の中にある命の全てを魔力に変換して魔人達を融合したこいつは今まで戦っていた魔人達よりも遥かに強いですよ」
(エルドア)
「命の全てを変換だと」
(ユウリ)
「そんな、レティシアは、レティシアは」
(ベルシタン)
「ああ、あの小娘ですか、予定ではあの三人を生贄にするつもりでしたがあの中に飛び込むなんて生贄が増えただけですよ、まったくバカなことをしたものですね」
(ベルシタン)
「もっとも、その分グラン・ギガースは強くなったでしょうね」
(レナード)
「きさまー!!」
白騎士が一足飛びに間合いを詰めてベルシタンに剣を振り下ろす
派手に埃が舞ってベルシタン達が見えなくなるがしばらくすればその埃の煙幕も収まる
再びベルシタンの姿が見えた時には右目に眼帯をした青年がベルシタンを抱えて倒れていた
(眼帯の青年)
「安い挑発をするな、貴様死にたいのか」
どうやら眼帯の青年の働きで一命を拾った結果倒れていたようである
(レナード)
「守ると…誓ったのに…」
(レナード)
「レティシアも…、カーラの妹も…、みんな…守ると…ちかったのにぃ…」
(レナード)
「それなのに守れなかった、守るための力を手に入れたのに守ることも助けることも出来なかった!」
その叫びは痛みとなって仲間の心に突き刺さる
(ユウリ)
「レナード…」
ユウリはその悲痛な叫びにレナードの名前を呟き
(カーラ)
「あ…、ああ…」
カーラはその叫びでベルシタンの暗示は断ち切れたものの過酷な現実に心が責め苛まれている
(エルドア)
「確か命の全てを魔力に変換して融合召喚するとかいっていたな」
(エルドア)
「生贄を必要とするためにその召喚術は邪術として禁じられている、そしてその術は呼び出した存在を滅さない限り召喚した存在に縛られ死して安らぐことも出来ないという説がある」
(レナード)
「あれに…、あれにレティシアが」
(エルドア)
「まだ彼女達に出来ることがあるとすれば、あの召喚された魔獣を滅することでその魂を解放することくらいか」
(レナード)
「なら、なら叩き潰してやる」
(レナード)
「俺の命に代えても叩き潰してやる!」
レナードの叫びと共に白騎士を中心に魔力とも気ともつかない力が膨れ上がっていく
バシュバシュ…
白騎士の各所から何かが機能してるのを告げるような音がする
(エルドア)
(あれはブーストモードか、しかし契約者にかかる負担が大きすぎて命に関わることもあるため一万年前の戦争が終わった後に封印されたはず)
(エルドア)
(レナードが何も知らないまま感覚で封印を破ったとでもいうのか)
(エルドア)
(あまりにもデタラメすぎるな)
白騎士の体はレナードの心を映すかのように赤みを帯び左手の盾は右手の剣とよく似た剣に姿を変えた
白騎士が重心を前にかけ走り出したと思われたその時には白騎士の姿は消えていた
そして消えたと思ったらグラン・ギガースの目の前に現れてハの字型に剣を振り下ろしグラン・ギガースの左右の首を切り落としていた
(ベルシタン)
「ひいぃ、何ですかあれは」
(ベルシタン)
「モノシップ、急いで私達を回収しにきなさい」
その声に応えて近くに停泊していたモノシップのスクリューが動き出しこちらの方へと船首を向けた
(眼帯の青年)
「姫を回収するぞ」
(ベルシタン)
「あぁ、頼みますよシャブール」
シャブールとウィザード兵士達は白騎士と魔獣の戦いに巻き込まれないように大回りして未だに光に包まれているシズナ姫に近づいた
だがシズナ姫に触れる距離まで近づく前にカーラがシャブールに斬りかかる
(カーラ)
「シズナ姫の守りを任されているのでな、通すわけにはいかない」
(眼帯の青年)
「正気に戻ったのか、ベルシタンのやつめいい加減な仕事をしやがって」
(カーラ)
「どういうことだ?」
(眼帯の青年)
「いや、どうでもいいか、それより一人で守り切れると思ってるのか」
(カーラ)
「くう…」
確かに眼帯の青年の言う通りで青年を止めることは出来てもウィザードの人形兵を止めることまでは出来ない
エルドアとユウリが牽制しても絶対的に人手が足りない
だがシズナ姫に近づいたウィザードの人形兵は足元から浮かび上がった魔法陣に拘束され身動き一つとれなくなってしまう
(エルドア)
「これはレティシア殿の魔法陣か」
(エルドア)
(魔法陣が生きてるということはレティシア殿も生きているのか)
(ユウリ)
「形勢逆転ね」
眼帯の青年は形勢の不利を悟って素早く逃げ出す
そう魔法陣に捕まった兵士達を置いて
(カーラ)
「仲間を見捨てて逃げるのか」
(眼帯の青年)
「どうせ人形だ」
(眼帯の青年)
「失敗だ、退却するぞ」
(ベルシタン)
「こうも色々とあっては仕方ありませんね」
白騎士に左右の首を落とされた魔獣は悲鳴を上げるように吠えた
たがその声は悲鳴ではなく呪文だったようで魔獣の回りに無数の光球が生まれた
無数の光球は白騎士を狙って打たれたが白騎士はそれに臆さず、意にも介さずに当たるに任せて二本の剣で乱れ突き魔獣を滅多刺しにした
魔獣はその攻撃に耐えきれずにハチの巣になって倒れた
白騎士はそれを見届けると左手の剣は盾に戻り体の色も白に戻ってから消えた
それと共にシズナ姫を包む光も消えてシズナ姫は倒れた
(ベルシタン)
「それではみなさん、またお会いしましょーう」
この僅かな時間でベルシタンと眼帯の青年はモノシップから降ろされたハシゴに捕まって空高く上がっていた
(カーラ)
「逃げられたか、それにしてもレナードは大丈夫か?」
(エルドア)
「さあな、白騎士で無茶をしたからかなり負担がかかっているだろうしな」
既にユウリが何度も回復呪文を使っているが目を覚ましていない
(カーラ)
「それにシズナ姫も目を覚ましていないな」
(エルドア)
「白騎士の封印を解いた時もこうだったから大丈夫だと思うがな」
(カーラ)
「そうか」
(エルドア)
「ともかくアルバナに戻った方がいいだろう」
(カーラ)
「そうだな」
(エルドア)
「シズナ姫は私が運ぶからカーラとユウリでレナードを頼む」
(カーラ)
「わかった」
そしてエルドアはシズナ姫を背負って、カーラとユウリは左右からレナードに肩を貸して引きずるようにして歩き出した
そのまま歩いて遺跡の入り口の階段を下りたところでそれを見つけた
(エルドア)
「もしかしてとは思っていたが」
(カーラ)
「レン…」
(ユウリ)
「レティシア…」
三人の目の前に倒れたまま動かないレティシアとレンの姿があった
二人ともレナードのことも忘れて駆けつける
レナードはそのまま地に倒れるが砂漠なのでダメージはない
(カーラ)
「ああ…、生きてる、レンが生きてる」
(ユウリ)
「レティシアもちゃんと生きてるよ」
それぞれに脈をとって生きてることを確かめる
(エルドア)
「生きてるのはいいがこのままでは運べないな」
(ユウリ)
「それならマーシャさんのお店の人に迎えに来てもらったらどうかな」
(エルドア)
「なるほど、その手があったか」
戦いに巻き込まれないように放していたいたビグロを鳥笛で呼んでマーシャに迎えに来てもらうように頼む
二日後にマーシャの店のアルバナ支店の人達が迎えに来てなんとか全員無事にアルバナに帰ることが出来た
(作者)
「毎度お馴染み用語解説のコーナーだよ」
(作者)
「今回も二人はノックアウトなのでここにいるのは私だけです、ぐっすん」
(作者)
「さて今回は白騎士のブーストモードからだけど、これはドグマ戦記時代の公式マンガにそれらしい機能は出ていましたが消耗は激しいわ強くなっているという実感はないわといいとこなしの機能でした」
(作者)
「なので機体の熱を上げることで鎧を赤くして派手に演出してみることにしました」
(作者)
「そして白騎士の機能に連動してレアメタリカの楯の隠された力も発動して双剣形態になりました」
(作者)
「と言っても楯が出てきた時に「レア・メタリカが盾という形で出てきた以上、レナードを選んだ理由をすぐに目の当りにするのではないかのう」とか「ふむ、どうやらレナードは守る力を求めたようだの」と書いてさりげなく伏線を張っていましたけど気が付きませんよね(苦笑)」
(作者)
「最後に残ってるのはレティシア達が無事だった理由だけど、これは次回本人達から話してもらうことにしましょう」
(作者)
「それじゃ、また次回お会いしましょう」