白騎士1
◇ ◇ ◇
バランドール王国農地パーム村郊外の森の猟師小屋
(レティラ)
(さーて、そろそろ罠の確認にいこうかな)
小屋の中で粗末な昼食を終えた青髪のツインテールの少女が身支度を整えている
(レティラ)
(ナイフは…、ちゃんと手入れ出来ている、弓は…、どこもおかしいところはないし予備の弦も二つちゃんとある、矢は…、ちゃんと20本あるし、獲物を持ち帰るための棒と縄と布袋もある)
(レティラ)
「よし完璧」
レティラが猟師小屋から罠を仕掛けたポイントにつくまでの時間を使って紹介しておくことにしよう
猟師小屋に住むこの少女の名前はレティラで姓(せい)はない
猟師ほ生業にしているが罠以外で碌に獲物をとれたことがない
その理由は…
(レティラ)
「こほっ…、こほっ…」
慢性の喘息にかかっていて獲物に気づかずに矢を撃つことがなかなか出来ないためである
元は西方の田舎町で暮らしていたが彼女のかかっている病気が医者もお手上げレベルであっために他人に感染する可能性を嫌ってこの森に引っ越ししてきている
もうすぐ罠を仕掛けたポイントにつくあたりでレティラはある意味かなり怪しげなものを見つけた
それは何かを見渡してはうむうむと頷いている緋色の髪の少女だった
(レティラ)
(あの赤い髪の女の子すっっっごく可愛いな、それに何をやってるんだろ?)
レティラはその可愛さへの興味と好奇心をそそられてとてとてと近づいて声をかけることにした
(レティラ)
「あのー」
(赤い髪の女の子)
「ふむふむ…、あそこに山があって…」
(レティラ)
「もしもーし」
(赤い髪の女の子)
「あそこに川かあるとなると…」
(レティラ)
「ちょっとちょっと」
無視されてるのが面白くないのか女の子の肩をポンと叩こうとしたらスカッとすり抜けた
(レティラ)
「わたたた」
(赤い髪の女の子)
「ぬわっ、なな、なんじゃ?」
レティラは勢い余ってこけそうなところを両手をバタバタさせてなんとかバランスをとっている
赤い髪の女の子の方は急に自分の体に他人が
(赤い髪の女の子)
「
赤い髪の女の子は風を巧みに操ってレティラのバランスをとってやる
(赤い髪の女の子)
「まったく、
レティラは驚き慌てて勝手に声が出そうになるところを口を塞ぐことで耐えてから答える
(レティラ)
「それはこっちのセリフだよ、こんな森の中で女の子が一人できょろきょろしてるなんて絶対普通じゃないよ」
(レティラ)
「それに何かすかすかすり抜けるし、よく見たら半透明だし、どうなってるの?」
(赤い髪の女の子)
「妾は汝が思うほど幼くはないと思うのだが…、って汝は妾が見えておるのか?」
(レティラ)
「うん、あったりまえで…、こほ…、こほ…」
(赤い髪の女の子)
「どうした、何かあったのか?(普通は見えぬはずの妾が見えておるということはその手の素質持ちか)」
(レティラ)
「ちょっとばかり…、持病持ちってやつでね、ずっと喘息で
(赤い髪の女の子)
「ふむぅ…(これはチャンスか?、この時代で自由に動くには意識体のままでは不都合だしの)」
(赤い髪の女の子)
「妾ならその病を治せると思うぞ」
(レティラ)
「えっ、ほんとに?」
(赤い髪の女の子)
「その代り条件が二つ程あるぞ」
(レティラ)
「条件って?」
(赤い髪の女の子)
「一つは妾の汝に対する行動を承諾すること」
(レティラ)
「行動の承諾っていったい?」
(赤い髪の女の子)
「妾が肉体を持たぬ幽霊のようなものであることは理解しておろう」
(レティラ)
「と言うか幽霊じゃなかったの?」
(赤い髪の女の子)
「違うわ!」
………
(赤い髪の女の子)
「おほん、意識体である特性を生かして汝に対して三つの行動をとる」
(赤い髪の女の子)
「その行動がどのようなものであるかを知った上でその行動をとって良いかどうかを汝に決めて欲しいのだ」
(レティラ)
「何か回りくどいこと言ってるね」
(赤い髪の女の子)
「しかたあるまい、それだけ慎重を要する話しになるということだからの」
(赤い髪の女の子)
「実行してから取り返しのつく行動ではあるまいしの」
(レティラ)
「そうなのか」
(赤い髪の女の子)
「それで汝にたいする行動というのは
一つ目、妾の術で妾が汝の心を読むこと
二つ目、妾の術で汝が妾の心を読むこと」
(赤い髪の女の子)
「この二つ、特に二つ目の妾の心を読むと言うのは最低限の礼儀と思おておる」
(レティラ)
「汝の病を治すためには病の状態を知るために汝の体の隅々までも知らねばならぬし、心や感情の動きといったものまで知ることとなろう」
(赤い髪の女の子)
「それにそこまで調べてなおわからぬなどと言うことがあれば汝の過去まで見る必要が出るやも知れぬ」
(赤い髪の女の子)
「誰かて人に知られずに秘めておきたいことの一つや二つはあろうと思うし、それを見る可能性があるなら予め話しておくのが筋だと考えておる」
(レティラ)
(もしあたしの病気が
(レティラ)
「うん…、わかるよ、何となく」
(赤い髪の女の子)
「そうか…、それで三つ目の行動というのはな
妾が汝の肉体に入り込んで病を調べて治療することよ」
(レティラ)
「それはもう答えるまでもないね、あたしもこんな病気なんてとっととおさらばしたいもん」
(赤い髪の女の子)
(体の中に入ると言うとるのに気にしておらぬのか?)
(レティラ)
「それと一つ目と二つ目の行動だけど」
(レティラ)
「あたしの心の中全部見えちゃうんだよね」
(赤い髪の女の子)
「うむ、過去まで見ることになるかどうかはわからぬが、と先ほど言うたよな」
レティラは人差し指を突っつき合わせてもじもじしなかせに更に問う
(レティラ)
「きみの心も見えるんだよね?」
(赤い髪の女の子)
「そうでなくては不公平となるし、それに妾がここに至るまでのいきさつをただ話しただけではあまりにも
(レティラ)
「ただあたしの心を見るだけだったらきっと…、ううん、絶対にすっごく嫌だったと思うの」
(レティラ)
「でもね、自分の心も見せるって言ってるし、回りくどくなってもちゃんと話してくれるし、それに悪い人とは思えないもん」
(レティラ)
「だから全部承諾するよ」
(レティラ)
「だから、こほっ…、こほっ…、この病気ちゃんと治してね」
(赤い髪の女の子)
「うむ、任せよ」
(レティラ)
「それで二つ目の条件というのは?」
(レティラ)
「それについては一つ目の条件を完全に果たしてからと言うことにしようぞ(そうでなくては意味がないしの)」
(赤い髪の女の子)
「では早速心を見せあおうぞ」
(レティラ)
「う…うん」
(赤い髪の女の子)
「マナコンバート…、リードハート…、リードマインド…、トゥルービジョン…」
…
……
………
(レティラ)
「ふわぁ…、レティちゃんってすごい人なんだね」
(赤い髪の女の子→レティシア)
(
(レティシア)
(良いのか、こんなきれいも汚いもない戦いに巻き込んで?)
(レティラ)
「レティちゃんどうしたの」
(レティシア)
「う…うむ、ちょっと考え事をな」
(レティシア)
「ってそのレティちゃんと言うのはなんだ!?」
(レティラ)
「えー、駄目なの?、すっごく可愛いのに」
(レティシア)
「い…いや、駄目と言うわけでは…(い…いかん流されておる)」
(レティラ)
「じゃあレティちゃんで決まり」
満面の笑顔で断言する
(レティシア)
「ちょちょっと、決まりなのか?(もしかして妾はこの娘にものすごく弱いのでは?)」
(レティラ)
「うん、決まり」
(レティシア)
「…まあ良いか(どうしても勝てる気がせん)」
(レティシア)
「それで病の治療だが、これるすぐにとりかかるとしようぞ」
そう言うとレティシアは煙のようなものになってレティラの口から入り込んだ
(レティラ)
「え…あっ…いぃ、レティちゃん?」
(レティシア)
「驚かせてしまったかの、病の類は直接調べてみるのが一番でな」
(レティラ)
「ええー、頭の中でレティちゃんの声が聞こえる」
(レティシア)
「体の中から話しかけておるから当然と言えば当然だがのう」
その微笑ましさについつい笑いながら答えてしまうレティシアであった
(レティシア)
「ふうむ、なるほど」
(レティシア)
「トゥルース、セイヤ-、アナライシス」
(レティシア)
「ふむ、やっぱりだの」
(レティラ)
「やっぱりってもうわかったの?」
(レティシア)
「まあのう、こう言ってはなんだが汝の故郷の医者というのはごく狭い世界での知識しかなかったようだの」
(レティシア)
「これはただの慢性の喘息で誰かに
(レティラ)
「たんなるあたしの取り越し苦労ってこと?」
(レティシア)
「まあ、そうなるのう」
(レティラ)
「よかったぁ、
(レティシア)
「治る治る、まずはこのまま汝の体の中で霊脈や気脈といった
(レティシア)
「もっともこれだけでは時間がかかるのでは、自家製の漢方も処方しておくかの」
(レティラ)
「漢方に…、処方ってお薬なの?」
(レティシア)
「うむ、少々苦いが汝のような慢性の病には体質改善が出来る漢方が一番だからの」
(レティラ)
「ええー、苦いのやだやだ」
(レティシア)
「病を治したいのではなかったのか?」
レティシアは苦笑しながら少し意地悪を言ってみる
(レティラ)
「それはそうなんだけど、でも苦いのやだー」
(レティシア)
(涙目に泣き言を言うておるのが可愛い、だがあまり意地悪するのも問題かの)
(レティシア)
「わかったわかった、なるべく苦くしないようにするからの」
(レティシア)
「それでは罠のチェックと狩りをしながら戻ろうかの」
(レティシア)
「妾も魔法で手伝ってやるから今日は肉が食えるぞ」
(レティラ)
「わーい」
(レティシア)
「漢方に使う薬草はそのついでにとれるし一週間ほど治療ついでに漢方の処方箋と八極戦技の弓の戦技と神聖魔法と妾の術式を叩き込んでやるからの」
(レティラ)
「うひー、お手柔らかにお願いしまーす」
(作者)
「そろそろ毎度お馴染みかなと思ってる後書きの用語解説コーナーです」
(レティシア)
「今回説明するのは…」
(レティラ)
「あたしだよー」
(レティシア)
「いきなり出てくるでないわ!」
(作者)
「出てきたものは仕方がないよ、今回説明するのはオリ主の一人であるレティラのことだよ」
(レティシア)
「見た目が青い長髪のツインテールというのはどこかでみたような…」
(作者)
「ありがちというかスパロボの大地の力を持つ芸人娘によく似てるからなー」
(レティラ)
「えー、あたしじょんがら節なんて歌わないしお笑い娘じゃないよ」
(レティシア)
「それはそうなんだがの」
(レティラ)
「それはそうと、いつまでもあたしのことを話してるわけにはいかないんじゃないの?」
(作者)
「他にも説明しなきゃいけないことがあるしね」
(レティシア)
「レティラがこけないように支えた吹きつける風にお互いに記憶を見せ合った魔法にレティラの病状を知るためにかけた解析魔法のことよな」
(作者)
「詳細な説明はいらないと思うから省くけど原作がゲームだけにこうした非戦闘時の魔法や技がまったくといっていいほど存在してないんだよな(敵は都合よく転移して逃げるくせにね)」
(作者)
「それだけに戦闘以外で出てくる魔法や技それにアイテムにいたるまでほぼこの小説用のオリジナルだと思って間違いないと思うよ」
(レティシア)
「今回登場した魔法にしても妾が作ったものだしの」
(レティラ)
「魔法絡みのなんだかんだってもっと日常に溶け込んでいても良さそうなものなのにね」
(作者)
「確かにね、それがないってのは作り手(ゲームスタッフ)の都合なんだろうね」
(レティシア)
「それかたんに面倒くさいかだの」
(作者)
「こんな不毛なこと話しててもしょうがないし今回はここまで」
(作者)
「ということで次回またお会いしましょう」