◇ ◇ ◇
レティシアがレティラの病の治療を始めて一か月
(レティラ)
「レティちゃん、今日はなんの練習をするの」
(レティシア)
「そろそろハチミツが食べたくなってきたからのう、ハチの巣でも探すかの」
(レティラ)
「うんうん、ハチミツ美味しいもんね、それじゃレッツゴー」
手頃なハチの巣を見つけてまずは撃ち落とす
そして臨戦態勢で出てきたハチを瞬時に魔力で実体化させた矢で矢継ぎ早に撃ち落とす
最初は普通に矢を撃っていたが20本一セットではすぐに矢が尽きるため魔力での矢の生成を早い内に教え込んでいた
(レティラ)
「ふうー、これでしばらくはハチミツに事欠かなくてすむね」
(レティシア)
(この一週間色々と教えてきたが飲み込みが良いのう)
(レティシア)
(もっとも魔法に関しては術を使う際に妾がこやつの心に術式を刻み込みながら使っておるから大幅に手間が省けておるがの)
(レティシア)
「うむうむ、1刺しももらわずに全滅出来たとなれば弓で妾が教えることはもうないのう」
(レティシア)
「それに薬草と漢方の調合に魔法にと必要なことは大体教え終ったの」
(レティラ)
「じゃあそろそろ?」
(レティシア)
「うむ」
(レティラ)
「汝の病に関しては打てる手はすべて打ったことだし、二つ目の条件を言うとするかの」
(レティラ)
「心を見せ合った時から二つ目の条件はわかっていたけど、こーゆーのはやっぱりレティちゃんの方から言わないとね」
(レティラ)
「だからずっと待ってたんだよ」
(レティシア)
「う…うむ、そうか確かに心を見せたからにはわかっていて当然だったのう」
(レティシア)
(って、わかっていて何も言わなかったということは…)
(レティシア)
「汝、もしやその条件を呑むつもりか?」
(レティラ)
「うん」
(レティシア)
「条件を呑むと言うことがどういうことかわからぬわけではなかろう」
(レティシア)
「なのに…、なぜ汝はそれほど微笑んでいられるのだ!」
(レティラ)
(わかってるよ、一万年前の戦いは戦争だもんね)
(レティシア)
「これは遊びではないのだぞ、一万年前の続きなのだぞ、踏み込んでしまえば辛いからといって避けることも逃げることも出来はしないぞ」
(レティシア)
(第一戦いの日々に心が乾いてこやつの顔から笑顔が失われでもしたら…、想像もしたくないわ)
(レティシア)
「それに汝はまだ妾の戦いに関係あるわけではないのだぞ」
(レティラ)
(一万年前の戦いの続き…、戦争の続き…、避けることも逃げることも出来ない…、そして今はまだ関係ないか…)
(レティラ)
(やっぱりレティちゃんは優しいな、色んな意味できつくて辛くて悲しいから巻き込みたくないんだ)
(レティラ)
(でもね、だからこそレティちゃんをほっとけないよ)
(レティラ)
「あたしね、レティちゃんに会うまでは一人だったんだよ」
(レティラ)
「レティちゃんと一緒になって一人じゃない楽しさを知っちゃったんだよ」
(レティシア)
「う…、うう…(これはやばいぞ)」
(レティラ)
「今一人になっちゃったらあたし寂しくて死んじゃうよ」
(レティシア)
「いや…、だから…、そのな…(こんな無邪気な顔でそんなこと言うなんてずるいではないか)」
(レティシア)
「それなら町に行ったらどうかの、病のことは心配なくなったことだし汝なら簡単に友達が出来るであろう」
(レティラ)
「いや、レティちゃんがいいの」
実体があれば間違いなく赤面していたであろうくらいに心にザックリと突き刺さる言葉である
(レティシア)
「いや、その、あのだな、妾の戦いに付き合うと言うことは組織を相手にすると言うことになるぞ、人を殺すことになるのだぞ」
(レティラ)
(このままだだをこねてもいいけどそれじゃレティちゃんは納得しないよね…)
(レティラ)
(だからレティちゃんが納得するしかない強烈な理由を押し付けようっと)
(レティラ)
「それにレティちゃん、もしかして病気を治してくれた恩返しのために一緒に行くつもりだと思ってるの?」
(レティシア)
「ち…違うのか?(こやつとの関わりはこの一週間だけのはず、他に理由など…)」
(レティラ)
「レティちゃんがやっつけたいのはマドラスって言う一万年前の皇帝だよね?」
(レティシア)
「うむ、そうだが、それが何か?」
(レティラ)
「あたしもそのマドラスってやつやっつけたいもん」
(レティシア)
「ええ!?」
(レティラ)
(これもレティちゃんと一緒に行きたい強烈な理由に違いはないもん)
(レティラ)
「だってそうでしょう、一万年前の戦いでミューレアスさんを乗っ取ってミューレアスさんの能力でワイルドさんを殺した人でしょう」
(レティラ)
(いくら戦争だからって、殺し合いだからってあれだけは許しちゃいけないよ)
(レティシア)
「あ…、あーあー(そうか、妾の心を読ませた時にそこまでわかっておったと言うことか)」
(レティシア)
(ということは…、この言葉で逃げ道を塞ぐずるさは妾が心を読ませたせいと言うことか)
(レティシア)
(妾のせいでこやつの純粋さが損なわれてしまったということか?)
(レティラ)
「連れてってくれなきゃあたし一人でもマドラスってやつやっつけにいっちゃうよ」
これで止めと確信しているのか満面の笑顔でそんなことを言う
(レティシア)
「わかったわかった、一緒に行こうぞ(なにをどうしたってこやつに勝てる気がせんわ)」
(レティラ)
「わーい、ってあれっ、どうしたの?、何かズーンと落ち込んじゃってるけど」
(レティシア)
「い…いや、何でもない、すぐに準備をすませるから汝も気にせず旅の用意をするがよい」
(レティシア)
(このままでよいのか、こやつの純粋さを穢してゆくようなことになってもよいのか?)
(レティシア)
(いや、無駄であろうな、止めることなど出来るはずもない)
そしてしばしの時が経って
(レティラ)
「これで準備よしと、レティちゃんの方は準備出来た?」
(レティシア)
「よお考えれば妾は意識体だから準備も何も汝に宿ればそれで良しであったわ」
(レティ)
「なーんだ、じゃあ準備なんていらないじゃない」
(レティシア)
「う、うるさい」
こうして一人の少女と少女に宿る意識体の旅は始まった
(作者)
「毎度お馴染み用語解説コーナーでござい」
(レティラ)
「毎回毎回よく続くね」
(レティシア)
「今回は妾のことよな」
(作者)
「レティシアのモデルはデ〇ン〇インのメインヒロインの一人でどこぞのお嬢様に古本娘と呼ばれてる魔本の精霊だったりします」
(レティシア)
「妾の見た目はその古本娘を幼くして12才か13才くらいにしたものよな」
(作者)
「レティシアに関してはモデルにちなんだ設定が色々とありますが」
(レティシア)
「それは後のお楽しみとしておこうぞ」
(作者)
「それもそうだね」
(レティラ)
「そーいやレティちゃんが教えてくれた八極戦技ってなんなの?」
(レティシア)
「原作のゲームではレベルが上がるとSPが増えてそのSPを使って8系統のスキルツリーからスキルを選んでいくようになっておったがそれを辻褄合わせの独自解釈で盛り込んだのが八極戦技と言うての」
(作者)
「当時の戦闘の技術はこの八極戦技で全てとされていたんだ」
(レティシア)
「だから異世界のスキルを使いまくる妾は知られれば異端扱いされておったな」
(作者)
「そのこともあって当時は表には出ずに裏でいそいそと動いていたんだ」
(レティラ)
「そーだったんだ」
(作者)
「それではまた次回お会いしましょう」