白騎士物語 時をこえた物語   作:神無 龍希

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第四章
黒騎士1


 

 

                    ◇ ◇ ◇

 

 

ミディアスに会うためにグリードからゴンドラでバランドールに戻ってきたレナード達は早速情報収集に駆けずり回り町の南西の青い屋根の家がミディアスの家であることを突きとめた

 

(ユウリ)

「青い屋根の家ってここくらいしかないね」

 

(レナード)

「となるとここがミディアスという人の家か」

 

(エルドア)

「そうなるな」

 

シーザーがコンコンとノックして呼び出してる

 

(シーザー)

「もしもーし、もしもーし、ミディアスさんいませんか?」

 

その声が聞こえたのか洗濯籠を持ったおばちゃんが口を挿んでくる

 

(おばちゃん)

「あら、ミディアスさんに何かご用?」

 

(レティシア)

「うんそうなの、グリードでミディアスさんのこと聞いてどーしても会いたくなったの」

 

(おばちゃん)

「あらそうなの、でも残念ね、去年悪質な流行病があってね、ミディアスさんもそれでぼっくり死んじゃったのよね」

 

(レティシア)

「そんなあ…」

 

(おばちゃん)

「あの人もいい人だったんだけどね、ほんとに残念だよ」

 

(シーザー)

「これで俺の出生の秘密もわからずじまいか…」

 

(おばちゃん)

「でもせっかくミディアスさんに会いに来たんだし、せめて息子のセティに会っていったらどうかしらね」

 

(ユウリ)

「息子がいるんですか」

 

(おばちゃん)

「ええ、今の時間なら滝の洞窟に石を取りに行ったんじゃないかしら」

 

(エルドア)

「滝の洞窟というとブラスタのやつか」

 

(おばちゃん)

「ええそうだよ」

 

(シーザー)

「洞窟ぅ~、めんどくせえな、どうせ居留守でも使ってんじゃねえのか?」

 

(エルドア)

「いや、それはなさそうだな、人の気配がしない」

 

(賢士)

「確かに家の中には人並みの生命波動も感じられぬし留守なのは間違いなかろう」

 

(シーザー)

「ちぇー」

 

(ユウリ)

「まあまあ、そんなことくらいで拗ねないの」

 

(おばちゃん)

「あよやだ私ったら、こんなことしてる場合じゃなかったわ」

 

そう言っておばちゃんは洗濯籠を抱えて行ってしまった

 

(レナード)

「それじゃブラスタ平原の洞窟へ行くか」

 

レナード達は道中のモンスターを蹴散らしながらブラスタ平原北東の洞窟へやってきた

 

(ユウリ)

「ここにセティさんがいるのね」

 

(賢士)

(確かに人の気配は感じるがそれだけではないのう)

 

(賢士)

(ほんの僅かだが次元の揺らぎのようなものを感じるのう)

 

(賢士)

(まあ、他に気がついたものがおらぬ程僅かなものであるし、何かが起こるとも思えんのう)

 

(レナード)

「洞窟の中へ行こう」

 

洞窟の内装は単純な造りになっており道なりに進むと大きな広場に出た

 

広場の奥には叩き潰された大蜘蛛の死骸とトロルキングとトロルが二体いた

 

トロルキングとトロルの一体は大蜘蛛の死骸をいじっておりもう一体のトロルは広場に繋がるもう一つの通路へ棍棒を突き入れ盛んに威嚇していた

 

(レナード)

「あれはもしかして」

 

(シーザー)

「まずいんじゃない?」

 

(レナード)

「ああ、いくぞ」

 

(レナード)

「我に力を…変身!」

 

変身した白騎士はそのまま剣と盾を構えて慎重に様子を見ている

 

そして龍騎士は派手に槍を振り回して威嚇してトロルの注意を引きつける

 

(エルドア)

「我々も援護するぞ」

 

(ユウリ)

「ええ」

 

レティシアも援護に加わろうとしたが肩を掴まれて止められた

 

(レティシア)

「カーラ?」

 

(カーラ)

「さすがに騎士二体ではきついんじゃないか、洞窟で龍騎士が全力を出せるかどうかわからないし」

 

(賢士)

「ならどうすると?」

 

(カーラ)

「私を向うの通路へ転送しろ」

 

(賢士)

「なるほどのう、リーブ・リトル・リーブ 小転移」

 

白騎士と龍騎士はトロル達と戦っているがさすがに二体でトロル族三体を相手にするのは厳しい

 

白騎士の盾の力もあってよく持ちこたえているがトロルキングは並のトロルよりかなり強く戦いが始まってすぐに無視出来ないダメージをいくつかもらってしまった

 

だがトロル達が白騎士と龍騎士にかまけてる間に広場の奥の通路の方から黒騎士が飛び出してレナード達が入ってきた通路の方へ行き手に乗せていた人間を下した

 

(ユウリ)

「なんで黒騎士が」

 

黒騎士はそのままトロル達の方へ向き直り剣ほ構えてソニックブレードを叩き込んだ

 

こうなると形勢は逆転する

 

黒騎士との距離が遠くて油断していたトロルはソニックブレードをまともに食らい広場の壁に叩きつけられた

 

その隙を狙って白騎士と龍騎士は立っているトロルの方に狙いをつけてコンビネーションで攻め立てる

 

いくらトロルキングが戦上手でも…、否、戦上手だからこそ傾きすぎた形勢を理解して逃げ出した

 

(シーザー)

「こいつ逃げるのか、待ちやがれ」

 

(レナード)

「待て、それよりこっちだ」

 

白騎士は黒騎士に対して剣を構えていた

 

(シーザー)

「そいつ味方じゃないのか?」

 

(レナード)

「そいつはウィザードの黒鎧の男ドレギアスのシンナイトだ」

 

(ユウリ)

「バランドールの王様を殺したのもこいつよ」

 

(シーザー)

「ふーん、つまり仇ってことか」

 

(シーザー)

(それにしては”見える”のはカーラなんだよな、わけわかんないぜ、もっとよく見て深く知らないとな)

 

黒騎士はしばらく様子見でもするようにじっとしていたが体の各所から黒い煙のようなものを吹き出して煙幕を張った

 

(カーラ)

[レティシア、今の内に私をお前の後ろへ飛ばしてくれ]

 

(賢士)

[わかった]

 

煙幕が晴れた時には既に黒騎士の姿はなかった

 

(ユウリ)

「大丈夫でしたか」

 

(黒騎士に救われた青年)

「ああ、この通りケガ一つしてないよ」

 

(レナード)

「あなたがセティさんですか」

 

(黒騎士に救われた青年→セティ)

「はい、私がセティですがそれが何か」

 

(カーラ)

(名前を聞いた時からそうではないかと思っていたがやはり兄さん、それに何か昔の兄さんみたいだ)

 

(エルドア)

「あなたの父のミディアスにシンナイトのことについて色々と聞きたかったのですが」

 

(セティ)

「そうですか…、ですが父は去年…」

 

(ユウリ)

「ええ、聞いています」

 

(ユウリ)

「そう言えばどうして黒騎士はセティさんを助けたんだろう」

 

(セティ)

「それは私にもわかりません、ですがあれは間違いなく漆黒の翼ディニヴァス」

 

(レナード)

「やはり知っているんですね」

 

(セティ)

「ええ、ですがこの話は家に戻ってからにしましょう」

 

(賢士)

「そう言えば汝はよくここに石を取りに来てるそうだが、どんな石を取りに来ておるのかの」

 

(セティ)

「この奥で取れるヒスイ苔の薬石ですよ、趣味が高じてこういった薬石などを採取して生活費にあてています」

 

(賢士)

「ならば妾は薬石をとってから戻るから汝はレナード達と一緒に町へ戻ってくれぬか」

 

(レナード)

「いいけど大丈夫なのか?」

 

(賢士)

「心配いらぬ、薬石を採取したら魔法で合流するからのう」

 

(賢士)

(それにこの奥の僅かな時空の揺らぎが気になるしの)

 

(セティ)

「わかりました、お願いします」

 

賢士はレナード達と分かれて広場の奥の通路を通って小部屋のような場所へたどり着いた

 

(賢士)

「さて薬石はと」

 

(???)

「探し物はこれかい」




(作者)
「毎度お馴染み用語解説のコーナーだよ」

(レティシア)
「今回説明するのは妾の小転移だけよな」

(作者)
「確かいくつも持っている転移術式のバリエーションの一つだったね」

(レティシア)
「うむ、効果範囲を視界内に限定する代わりに座標設定を確固たるイメージを持つ視界内の場所一つにすることで1工程のみで完成させて素早く術式を発動出来る利点があるの」

(作者)
「小転移なら他の転移術式とは違って何人かまとめて落下しているとかいった非常事態でも落下中に見かけた横穴に小転移で放り込むとかいった使い方が出来るということですか?」

(レティシア)
「実際そのために作った術式だしの、あんなトラブルはそう何度も味わいたくないわい」

(レティラ)
「レティちゃんもなんか色々とあったみたいだね」

(作者)
「さて、本文の最後に出てきた人物の正体は、それは次回明らかになります」

(作者)
「次回またお会いしましょう」
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