◇ ◇ ◇
魔力を全身に纏わせた二機の機械神が距離を詰めて近接距離までくるとリベル・クローが右のハイキックを繰り出してファングが剣の刃で受けようとするがリベル・クローは右足を刃に当たる直前で引っこめる
結果としてファングの刃はスルーされて地面を叩く
そこを狙ってリベル・クローは右足を引っこめた反動を利用して右手を掬い上げるに振り上げる
ファングは上体を逸らしてその一撃を避ける
右の連撃を避けられたリベル・クローは左手を地面に地面に着けて左足を蹴りあげるがファングは油断せずに避ける
左の蹴り上げで連撃が止まったことを感じ取ったファングは剣を右から打ち込み返す刃で左から打ち込みそのまま一回転して更に左から打ち込んだがリベル・クローは巧みに腕の装甲の爪で受け流して有効打にはならなかった
ファングの連撃はそれだけで終わらずに左から剣を打ち込んだ勢いでくるんと回りながら右後ろ回し蹴りを繰り出したがリベル・クローはバク転してかわした
(賢士)
「バク転なんぞしおって、遊んでおるのか」
(テリアス)
「きみの方だってくるくると回っているじゃないか」
(賢士)
「それはそうだが」
(テリアス)
「久しぶりに動かすからどれだけやれるか試したくなっちゃうね」
(賢士)
「むう…、そうことにしておくか」
(賢士)
「しかし、いつまでもこれではラチがあかぬではないか」
(テリアス)
「ならこれでどうだい」
(テリアス)
「空歩残身衝(マルチプル・インパクト)」
テリアスはリベル・クローの機動性に魔力を加えて空中に無数の分身を作り出した
リベル・クローの分身達は腕の爪から衝撃波を打ち出してファングを狙い撃つ
(賢士)
「なっ…!」
(レティシア)
「ちょちょ、これはやばいよ」
主の危機意識を感じ取ったのかファングは足の装甲を展開して位相干渉式シフトジャンプシステムを起動して上空へ逃れることが出来た
(賢士)
「ふぃー、性質の悪い攻撃をしてくれるのう」
(レティシア)
「とにかく分身を消さないとね」
ファングはシフトジャンプシステムで自在に空中を跳び回りつつ次々と剣から撃ちだす衝撃波でリベル・クローの分身を消していく
最初の内こそは四方八方から衝撃波で狙い撃ちにさるのを避けきれなくて何度か賢士がシールドを張って防いでいたがだんだんとファングの動きが良くなっていき死角からの攻撃も避けるようになってきた
(賢士)
(これは…、もう空中戦に慣れてきたというのか)
(賢士)
(それにこれは…、もう目で相手を見ているのではなく気配とか魔力とか殺気といったものを感じて対応しておるというのか?)
(テリアス)
「これはこれは…、レティシア、きみのパートナーは面白いね、僕はこんなに楽しいのは久しぶりだよ」
(テリアス)
「僕の存在が定着した世界では僕が全力を出せることなんてなかったからね、とてもつまらなかったんだ」
(テリアス)
「だから僕達は異世界を巡る旅に出たんだ、寿命なんてないからね、ありとあらゆる異世界を旅してきたよ」
(テリアス)
「でもね、今ほど楽しかったことはないよ、デウスマキナ同士で全力を出してぶつかり合えるなんてことは、きっと今この時だけだと思うから」
(テリアス)
「だからもっと楽しもうよ」
リベル・クローの分身があらかた消えたところでリベル・クローの本体がファングに爪を叩き込もうと飛んでやってきた
リベル・クローは右手の爪で攻撃してファングが剣で受け止めたところで左足を叩き込もうとしたがそれも右腕でブロックされる
右も左も防がれたリベル・クローは左手でファングの右腕を掴んだと思ったら素早く態勢を直して新体操の選手のようにファングの右腕を鉄棒に見立ててくるんと逆上がりのように回転しつつ手を放してファングと背中合わせの位置に着地する
(賢士)
「やるな」
(テリアス)
「こっからどうしようかなー」
(賢士)
「こうするのよ」
ファングは剣を逆手に持ち替えて後ろに突き出す
…がリベル・クローにはかすりもしなかった
(テリアス)
「わわっ…、何かずるいなー、同じタイミングで後ろを向いてどっちが早く攻撃出来るか、なーんて西部劇のようなこと考えてたのに」
(賢士)
「全力…でやるのであろう」
(テリアス)
「そりゃそうなんだけどね」
(賢士)
(この流れは逃さん)
ファングは両手剣を振り回し先ほどリベル・クローがやったように回転しつつ蹴りも交えてまるで無重力空間のような立ち回りで猛攻を仕掛ける
ファングが前に回転しながら唐竹割りにしようと仕掛けた
リベル・クローはその回転切りを受け止めようと腕の爪を交差させて構えた
カイィィィン
(テリアス)
(衝撃が軽い?、しまった)
ファングはリベル・クローに当てる時に剣を持つ手から力を抜いて剣か両手から抜けてもそのまま回転してリベル・クローの肩にかかと落としを叩き込んだ
(テリアス)
「うぐおぅ…、つつぅ」
(テリアス)
「すごいね、その動きだけじゃなくさっきからの空中戦の動きはレティシアのものとは思えないよ」
(賢士)
「もう妾は操縦の半分以上はレティラに任せてあるぞ」
(テリアス)
「レティラってパートナーの名前だよね、ほんとにすごい
(賢士)
「こやつとは一緒におるだけでも楽しいしパートナーとして最高よ」
(レティシア)
「えへへ、あたしもレティちゃんに会えてほんっとおおおおに良かったよ」
(テリアス)
「そうなんだ、僕とノエルはそんな関係にはなれなかったな」
(ノエル)
「申し訳ありませんマスター」
(テリアス)
「ノエルが誤ることじゃないんだけどね」
(テリアス)
「だけど…、いや…だからかな、僕は楽しい何かを求めて異世界巡りを続けているんだ」
(テリアス)
「だからこんな時を過ごせたのは本当に楽しい」
(テリアス)
「だけど体力も残ってないし次の一撃で決めよう」
(賢士)
「よかろう」
(賢士)
「光と炎を司る炎陽の魔人よ…」
ファンクの剣の切っ先に灼熱の魔力が集まる
(テリアス)
「全てが凍りつく極寒の奈落を統べる王よ…」
リベル・クローを中心に凍てつく魔力が集う
(レティシア)
「ちょっ…、ちょっと、これってぶつかったらどうなるの」
(賢士)
「少しでも押し負けた方が消し飛ぶであろうな」
(レティシア)
「消し飛ぶって、だめ、だめだよそんなの」
(賢士)
「もはや止められぬわ」
(テリアス)
(ちょっとやりすぎたかな、でももう止められないよね)
(レティシア)
(こっちの力は熱くてあっちの力は冷たい、それも極端な方へ極端な方へといってる、これってもしかして…)
(賢士・テリアス)
「我が力となりて・わが前に立ちはだかる全てに等しく滅びを与えんことを」
(賢士)
「炎陽焦熱(フレイロード・インフェルノ)」
(テリアス)
「氷陰奈落(アビソリュート・ゼロ)」
お互いに全ての力を切っ先に込めてぶつかり合った
その力は凄まじくぶつかり合ったポイントを中心にして壁が燃えて赤く染まるエリアと壁が凍りついて粉雪の舞うエリアの二つにわかれた
その力は拮抗しどちらが押しているのかわからないまま体感時間だけが過ぎていった
だか両者共に力尽きたかのようにぶつかり合ってる力はだんだんと萎んで消えていった
(賢士)
「これは…(ぜぃぜぃ)、どうなって…(ぜぃ)、おるのだ…(ぜぃ)」
(テリアス)
「これは…(ぜぃぜぃ)、まさか…(ぜぃ)、引き分け…(ぜぃ)」
(ノエル)
「マスター…、私の力が…、至らないばかりに…、申し訳ありません…」
(レティシア)
「どっちも…、残ってる…、よかったぁ…、上手くいった…」
(賢士)
「上手くいったって…、まさかこの結果は?」
(レティシア)
「熱い力と冷たい力だったからまったく同じ強さにしたら大丈夫かなって思って」
(テリアス)
「ばかな…、僅かでも力に差があれば確実に吹き飛ぶというのに完全にコントロールしたというのか」
(賢士)
「つ…、つくづく底が知れぬのう」
(賢士)
(これはもう敵に回さなくて良かったというレベルではないわ、存在自体が怖いわ、でも…)
(レティシア)
「よかったぁ、どっちも無事で、レティちゃんのことは大好きだしテリアスさんも悪い人って感じがしないしどっちかいなくなっちゃうなんてやだもん」
(賢士)
「ふぎゃ(顔真っ赤)(こ…こやつ恐ろしい程の力を持っとるくせに無邪気な笑顔でこのようなことを言いおってからに)」
(賢士)
(それでも良いと思えてしまうあたりこやつの手玉にとられておるのやもしれぬのう)
(賢士)
(…あー、もうこのことは考えぬようにせねばのう、良くも悪くも考えておっても意味がなかろう)
(テリアス)
「しかしまいったな、引き分けの時のことなんて考えてなかったよ」
(テリアス)
「でもまあいっか、イシュレニアと騎士のことについてお話しするよ」
(作者)
「毎度お馴染み用語解説のコーナーだよ」
(レティシア)
「今回は妾とテリアスとの戦いであったな」
(レティラ)
「原作ゲームにはないオリジナルの展開だよ」
(レティシア)
「久々にファングで全力を出すことが出来て楽しい時を過ごすことが出来たの」
(レティラ)
「だけどもうあんな無茶なことはしないでね」
(レティシア)
「わかっておる」
(レティラ)
「もうどっちかが死んじゃうような無茶なことはやめてよね(じとー)」
(レティシア)
「わかっておる、ほんとにわかっておるからそんな泣きそうな顔で見るでない」
(レティラ)
「ほんとに」
(レティシア)
「ほんとに」
(レティラ)
「約束する?」
(レティシア)
「約束するからほんとに勘弁してくれ」
(レティラ)
(一転してほにゃっとした笑顔になる)
(レティシア)
(思わずレティラの頭を撫でる)
(作者)
「いいかげん本題に入るよ」
(レティシア)
「おおぅ、まずはリベルクローの空歩残身衝だの」
(作者)
「これは週刊少年飛翔の木の葉忍者のマンガで空中で影分身を無数に出して手裏剣を投げるようなものだといえばイメージしやすいかな?」
(レティラ)
「かっこいい攻撃だね」
(作者)
「そして炎陽焦熱と氷陰奈落だけど」
(レティシア)
「これはオリジナルのデモンベインのレムリアインパクトやリベルクルスのハイパーボリアゼロドライブに当たるもので妾達の最大の威力を持つ必殺技だの」
(レティシア)
「本当は最強同士の激突で引き分けなどあり得ぬのだがの、つくづくそこが知れぬやつよ、こんなにかわいいのにの(なでなで)」
(レティラ)
「ふに~(撫でられてご機嫌)」
(作者)
「それじゃ、次回またお会いしましょう」