白騎士物語 時をこえた物語   作:神無 龍希

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 エルドア登場


白騎士6

 

 

 

                ◇ ◇ ◇

 

 

 レティシア(賢士)の魔法で透明になってる三人は趣味が悪くない程度に調度品に彩られた城内を歩き回ってダンスホールになってる大広間に辿り着いた

 

 (レナード)

 「うわ、すごいなあ」

 

 (ユウリ)

 「浮かれて魔法がきれないにね」

 

 と言いつつユウリもきょろきょろしてる

 

 (賢士)

 (ここは…、地理的にも間違いないと思っておったが元々はアスヴァーン城で間違いなかろう)

 

 ダンスホールではコートやドレスで着飾った貴族達がダンスを踊ってくるくると回っていた

 

 三人の服装は片田舎丸出しだったので魔法で姿を隠していなかったら間違いなく浮いていたところだった

 

 貴族達のダンスが終わり左右に割れていくとそれに合わせるかのように二階からティアラをかぶった薄い栗色の髪の髪の美少女がメイドを伴って下りてきた

 

 貴族達のあちこちから美少女のその美しさに感嘆の声が上がる

 

 (レナード)

 「あれが…、お姫さま…」

 

 レナードはお姫様を見て12年前のことを思い出していた

 

 

                ◇ ◇ ◇

 

 

 12年前に育ての親のラパッチに連れられて城の庭園を歩いてる時に廊下を歩く綺麗な女の子を見かけた

 

 レナードがその女の子に見とれていると女の子はレナードがいることに気がついて嬉しそうな表情(かお)でレナードの方へ駆け寄ってきた

 

 そしてレナードの方へそっと手を伸ばしたけど途中で残念そうな表情で少し上の方を見た

 

 レナードもつられて女の子の見てる方を見た

 

 そこにはひらひらと飛んでいくちょうちょの姿があった

 

 レナードは女の子がただ単にちょうちょを捕まえたかっただけだとわかった

 

 でも女の子が手を伸ばしてきたときなぜだかとてもどきどきしたのは確かだった

 

 

                            ◇ ◇ ◇

 

 (レナード)

 (そうだ…、階段を下りてきてるお姫さまはあの時の女の子に違いない)

 

 レナードはあの時の女の子がとても綺麗になっていることに今までにないほどの胸の高鳴りと切なさを感じている

 

 (ユウリ)

 「どうしたのレナード?」

 

 (レナード)

 「ユウリ…、脅かすなよ」

 

 (ユウリ)

 「んー?、もしかしてお姫様に見とれてた?」

 

 もしかしなくても見とれてました

 

 (賢士)

 「レナードの姿隠しの魔法が切れておったから掛けなおしたぞ」

 

 (レナード)

 「そうなのか、すまない」

 

 (ユウリ)

 「あはは…、私のせいかな?、ごめんね」

 

 幸いにもお姫様に注目が集まっていたのでレナードは誰にも見つからなかったようだ

 

 お姫様が階段を下りて上座の国王に近くまでくると国王が挨拶を始めた

 

 (バランドール王)

 「諸君、今宵は我が娘のためによく集まってくれた、礼を言う」

 

 (バランドール王)

 「10年前に妻を亡くし、その忘れ形見の愛しきシズナも今日で18になる」

 

 (バランドール王)

 「この日を迎えることが出来たのも今日まで娘を慈しみしたってくれた皆のおかげと思っている」

 

 (バランドール王)

 「私は今日という日に感謝しよう」

 

 (バランドール王)

 「皆にも今宵の宴を存分に楽しんでいただきたい」

 

 (バランドール王)

 「バランドールに栄光あれ!」

 

 (貴族達)

 「バランドールに栄光あれ」

 

 国王の挨拶の締めに貴族達が唱和した声が大広間一帯に響き渡る

 

 その中でレナードはお姫様の陰りのある違和感に気がつく

 

 (レナード)

 「なんだろう、なんかお姫さまの表情が寂しそうに見える」

 

 (ユウリ)

 「そういや10年前のフォーリアとの戦争で城まで攻めてこられて王妃様を亡くして以来お姫様が喋らなくなったって聞いたことがあるけど」

 

 その情報源がどこなのかはユウリ曰(いわ)く秘密とのこと

 

 シズナ姫がダンスホールに登場した頃、城下町では

 

 (ボロボロのローブを羽織った男)

 (あの予言とこの20年で集めた情報を合わせて考えれば今夜ここですべてが始まるはず、その前に何か出来ることはないのか)

 

 (サーカス団団長)

 「そろそろか」

 

 対照的な意味で来るべく時に備える男たちがいた

 

 マーカス大道芸団は踊りながらバク転をしたり火のついたクラッカーを振り回したりしてどこをどう見ても一流どころのサーカス団にしか見えなかった

だがしかし…

 

 (サーカス団団長)

 「時間だな」

 

 (サーカス団団長)

 「時はきた、イッツ・ショータイム」

 

 その掛け声と共にピエロ衣装を脱ぎ捨て軍服に変わった団長の顔はピエロが似合いすぎる程に似合うその顔のままこ狡い悪党顔へと歪んでいった

 

 そして団長の掛け声に応えてサーカス団の山車(だし)の上半分が吹き飛んで中から二本の角が篝火(かがりび)になっている四足形合成獣のグレアデイモスが現れた

 

 どうでもいいことだかこんな如何にも熱そうなモンスターが中に入っていては即刻ばれそうなものだが仮封印でもして活動をとめることで隠しおおせていたのかもしれない

 

 更に山車の下半分から隠し戸が開いて完全武装の戦士達がぞろぞろと出てきて無差別殺戮を開始した

 

 芸達者なサーカス団員達はいつの間にか影も形も見えなくなっている

脱ぎ捨てられたサーカス団の衣装の一つもないことからサーカス団員も含めてほぼすべてが幻術による幻だったのかもしれない

 

 逃げ惑う民達に容赦なく刃を突き立てる完全武装の戦士達

一人の女性が逃げる途中で転んで戦士に斬られようとしていたが…

 

 ギィン!

ホロボロのローブを着た男が剣で防いで返す剣で戦士を切り捨てる

 

 (ボロボロのローブの男)

 「早く逃げろ」

 

 (女性)

 「あ…ありがとうございます」

 

 (ボロボロのローブの男)

 (やつらは…城の方へ向かっているのか、やつらも感づいているということか)

 

 そう考えると男はローブを脱ぎ捨てて城へと走り出す

その姿は紛れもなく20年前にこの世界へやってきたクライブ…、いやエルドアであった





 (作者)
 「毎度お馴染み用語解説コーナーだよ」

 (レティラ)
 「と言ってもエルドアが出てきただけで説明することはなにもないね」

 (レティシア)
 「姿隠しの魔法は見たまんまだしの」

 (レティラ)
 「だからもう説明することはないね」

 (作者)
 「次回またお会いしましょう」
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