◇ ◇ ◇
サーカス団が正体を表した時と同じ頃
王国兵が息を切らせてダンスホールへ駈け込んできた
(バランドール王)
「どうした、宴の最中であるぞ」
(王国兵)
「た…た…た…、大変です」
(王国兵)
「街に…、街に巨大モンスターが現れました」
(バランドール王)
「なんだと」
その言葉のすぐ後に城の正門をぶち壊しながらグレアデイモスが入ってくる
ちなみに作者個人としては10年前に戦争で攻め込まれた城にしてはお粗末な代物としか言いようがない
ダンスホールを確保する必要があったとはいえ城に攻め込まれてすぐに国王に手が届くような位置取りは戦争経験国としてありえないとしか言えない
それはともかくとしてグレアデイモスに続いて完全武装の戦士たちが雪崩れ込んでくる
(レナード)
「なっ…、なんだ」
(ユウリ)
「あ…あれ、モンスター…?」
(騎士団長サイラス)
「一歩も引くでないぞ、ここで食い止めるのだ」
サイラスを始めとする王国兵達が迎え撃つ
戦士としての質は王国兵の方が上だが武装戦士達は二人で一人を叩くように徹底しており王国兵にも犠牲者が続出している
(サイラス)
「はっ!、くうぅ、むう、はあ!」
サイラスは舞うかのような見事な剣技で一人気を吐いていた
(シズナ姫お付きのメイド)
「シズナ様、陛下早くこちらへ」
(バランドール王)
「うむ」
バランドール王がシズナ姫とお付きのメイドと共に階段を上って逃げようとしていると黒く
その人物はなんの躊躇いもなくメイドの胸を突き刺した
メイドは悲鳴を上げることも出来ずに血を吐いて倒れた
(レナード)
「ぬああああああああーー!」
もう姿を隠すことなんて気にしていられる余裕もなく
シズナ姫の元へ全速力で駆けつけるレナード達
だけどまだ届かない
(バランドール王)
「お前は…?」
メイドを刺し殺した黒騎士は逃げ道を塞がれ背を向けることも出来ないバランドール王の問いを無視して無造作に剣を王に突き刺す
剣を引き抜かれ力なく倒れるバランドール王にシズナ姫は周りの状況も忘れて必死に
(シズナ)
「いゃ…、いやいやー!、父上、父上ー!」
その必死の想いは10年前のトラウマを塗り潰すものだったのかこの10年で食事以外で開かれることのなかった口が開く
(バランドール王)
「おおぅシズナ、やっとお前の声が聞けたな」
(バランドール王)
「これほど…ごふ…、嬉しいことは…ない…」
(バランドール王)
「さあ…、はやく…にげ…る…のだ…」
(シズナ)
「父上、父上しっかりして!」
(シズナ)
「いや、こんなのいや、一人ぼっちになっちゃうよ」
黒騎士はどうしたものかと試案するように剣を構えなおす
見ようによっては時間を持て余してるように見えなくもない
(レナード)
「ぬおおおおおおお!」
その時レナードが全力で剣を黒騎士に叩き込んで黒騎士の体勢を崩す
(ユウリ)
「お姫様こっちへ」
(シズナ姫)
「でも父上か…」
(レナード)
「このままじゃ君も殺されてしまうぞ」
(賢士)
(ほんとにそうかの、殺そうと思えば十分に殺せたはずではないのか?)
(賢士)
(あれはもったいぶってたと言うよりは…、時間を持て余してたようにも見えるの)
賢士が考え込んでる間にも4人は階段を駆け下りていたが声聞たりで指揮をとってる人物を見て驚く
それは国王を殺した黒騎士と同じ鎧を着ていた
(レナード)
「なんだあいつは、あれは幹部クラスの制服なのか?」
(ユウリ)
「そんなのわからないよ」
(レティシア)
「とにかく手薄な方へ逃げようよ」
王国騎士団が頑張って食い止めているため手薄な方向となると自然とダンスホールの奥になる
襲撃者達から逃れるために走ってる途中でシズナ姫が走り疲れて膝をつく
(シズナ)
「はあはあ…、あなた達はいったい?」
(レナード)
「俺はレナード」
(ユウリ)
「私はユウリ」
(レティシア)
「あたしはレティシアだよ」
(シズナ)
「どうして私を?」
(レナード)
「それは貴方が大切な人だから」
(レナード)
「あっいや…その、この国にとって大切な人だから」
いつの間にかユウリが幾分か怖い顔をしていたり
(ユウリ)
(しっかり聞いたからね、非常時に…こんな状況で…どさくさに紛れてお姫様に大切な人なんて、私にそんなこと言ったことなんて一度もないじゃない)
(ユウリ)
(何が何でも絶対についていくんだからねレナード)
その時駆け下りたと反対側の階段の影あたりから声が聞こえた
(エルドア)
「お前達こっちだ、地下へ逃げるぞ」
エルドアの顔を見て思うところがあるのかレティシアの眼が緋色になって賢士が表に出てくる
(賢士)
(この生命波動は、だがこの顔、この色は?)
(賢士)
「その顔、じっくりと話したいところだが、それも逃げ切ってからよの」
(エルドア)
「その言葉遣いは…わかりました、必ずや」
(ユウリ)
「何、レティシアの知り合いなの?」
(賢士)
「すべては逃げ切ってからの話しとしようぞ」
しばらく走ってアスヴァーン城であった頃の賢士の部屋のあたりまできた時
(賢士)
(ふむ…、このあたりに妾の部屋があったはずだが)
(賢士)
「少しばかりやぼ用が出来てのう、しばし別行動をとらせてもらうぞ」
(ユウリ)
「ちょっとレティシア、こんな時に何言ってんのよ」
(賢士)
「そう目くじらを立てるでない、用が済んだら合流転移魔法で合流するしの」
(エルドア)
「移動中の我々と転移魔法で合流することが出来るのですか?」
(賢士)
「なあに、シズナ姫の生命波動を目印にしてそれ用の魔法を使えば容易い」
(賢士)
「シズナ姫の生命波動ならこの
(エルドア)
「この
(エルドア)
(時代は違えど姫は姫であったか)
(賢士)
「それとレナードの生命波動は白騎士とよう似ておる、可能性は低くなかろう」
(エルドア)
「なら目指すべき場所は…」
(賢士)
「うむ、宝物庫よ」
(ユウリ)
「ちょっとちょっと、どういうこと」
(レナード)
「わかるように説明してくれよ」
蚊帳の外に置かれていた三人の内二人から非難の声が上がる
(エルドア)
「なら結論だけ言おう」
(エルドア)
「まずはレティシア殿が別行動をとっても合流する手立てがあるのでなんの心配も不安もいらぬと言うことだ」
(エルドア)
「そして我々は地下の宝物庫へ行って
(エルドア)
(おそらくはそれが、白騎士の復活が予言が示す始まりとなるのだろうな)
(作者)
「毎度お馴染み用語解説コーナーだよ」
(レティラ)
「怒涛の急展開になってるねー」
(レティシア)
「怒涛なのは展開だけでなく突っ込み処もだ」
(作者)
「本編でも言ったけどまず城の構造がありえないよね」
(レティラ)
「お城の壁は役に立ってないの?」
(レティシア)
「城は王が住む国の最重要拠点故に城壁は頑丈にするのは当たり前であろうし、重要区域は奥に設置し、一気呵成に攻め切られることがないようある程度は複雑な造りにするもの…のはずよな」
(作者)
「だけど原作ゲームであんなにあっさりと攻め込まれてることからパーティーを開く都合上正面玄関がダンスホールになってる貴族の屋敷と同じようにしか見えなかったね」
(レティシア)
「そして更なる突っ込み処が幹部クラスの黒鎧がどう見ても二人いる件よな」
(作者)
「公式の設定ではこの黒鎧は組織のシンボルとして祭り上げるために剣の達者なもの口が賢しいものなど役割に応じて中の人が変わるという設定だったはずなんだけど…」
(レティラ)
「組織のシンボルが同じ格好で二人いるってのは何かおかしいよね」
(作者)
「なので独自解釈としてただ単に幹部クラスの人物が正体を隠すために被ってるという雑な扱いに(笑)」
(レティシア)
「後はユウリが可愛く嫉妬したり原作ゲームでは演出されておらぬがありそうなことを織り交ぜつつ原作ゲームでの突っ込みのデパートことバランドール城地下編へとなるのう」
(作者)
「そんなわけで今回はここまで、また次回お会いしましょう」