『風の末裔シリーズ』という長いお話を書いています。
ホームページで第七シーズンまで、PDF形式で公開しています。
(作者名をクリックした作者情報欄にURLあり、スマホ不可)
『緋い羽根のおはなし』は、第四・五シーズンの一部分を抜き出し、独立した一つの話として再構成した物です。
短い中で設定をきちんと説明し、初見の方にも分かるよう心がけましたが、至らない点が多々あったかもしれません。お付き合い下さった読者様には本当に感謝です。
ホムペの作品とは、登場人物やエピソードを大幅改変しましたので、ぜんぜん別のおはなしになりました。気に入って楽しんで頂けたなら、至上の幸いです。
【画集】
浜辺(カラー)
飛翔(カラー)
海に降る雪
受け取ったモノ
かたぐるま
あげたいモノ
黄色い実
風露の谷
口琴
形見
奏(かなで)
三峰の少年
ふたり
四人
月光の下
愛おし
命名(未掲載)
木霊(未掲載)
草笛(未掲載)
現し身(未掲載)
四コマ(未掲載)
金鈴花(花の絵)
ふうろ(花の絵)
【おまけの小品】
~二重奏~
尖塔の谷、風露の里に、二胡の音が流れる。
珍しく霧のない澄んだ夜で、青い月の空間に音色が染み込むようだ。
「僕の父が初めて母に聴かせたのが、この曲だったらしいです。老師殿に合格点を貰って、その足で山に飛んだとか」
蒼の妖精は群青色の長い髪を揺らして、弓弦(ゆづる)を降ろした。
「そう、お母上、嬉しかったでしょうね」
風露の娘は正面で柔らかく微笑んだ。
「それで、曲を弾き終えた父は、母に言ったんです」
「……はい?」
「貴女は、この青い月のように、どこに居ても、その明るい光で僕を照らして下さいますか?」
「…………」
「貴女は、貴女の生きる場所で、僕と肩を並べて人生を歩んで下さい」
とおに交代に来ていた番人の若者が、外の窓の下で溜め息と共に呟く。
「遠回し過ぎる」
狭い谷間の帯状の空に糠星(ぬかぼし)が煌めき、まるで星の川のようだ。
外の椅子で天河を眺めていたラゥ老師の耳に、毎週の上達を楽しみにしている二胡奏が聞こえて来た。
「良き奏(かなで)じゃ」
二胡の音色はいつしか重なり、塔の間を寄り添うように流れる。
音は心を繋ぎ、未来(さき)の星空にも届く。
~ fin ~
ここまでお付き合い下さった、すべての皆様に感謝です。
ありがとうございました。