IS lamentation   作:夏陽

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 プロローグ

 世界は混乱を極めつつあった。

 躍起となって開発され続ける第三世代ISに、軍事力強化。

 ISを開発するために繰り広げられる、情報戦争。

 何事に対してもが戦力強化につぎ込まれていき、国民の生活など二の次三の次に追いやられ、満足な生活を送れるものなどごくわずかしかいない。

 人口爆発によって食料不足が起こり、エネルギーでさえも不足し始め、ますます享楽と貧困の差が広がる。

 結果、世界各地で頻発するテロ及び暴動。

 ソレを止めるために駆り出される量産型IS。

 全てを軍事強化につぎ込んだために生まれた奇跡の賜物というべきのソレ。オリジナルに劣るものの現行兵器に対する優位性は揺るぐことは無い。

 多くの都市が廃墟に変わり、死者が溢れる。

 破綻が加速するのにも関わらず、世界は、国家はISを開発することをやめようとはしなかった。

 全てはいつか起こる篠ノ之束との戦争に備えるために。

 

 全ては3年前の第三次世界大戦と呼ばれる戦争が原因だった。

 突如として世界に対し宣戦布告、侵略行動がなされた。

 篠ノ之束は圧倒的だった。現代人の数世代先を進む人物だった。

 自身が開発者であるのにも関わらずISをゴミ呼ばわりし、時代おくれと呼称する。

 篠ノ之束がISの代わりに使用したのはアーマードコアと呼ばれる人型機動兵器だった。全長10メートルもあろうかという機体を400キロ近い速度で動かし、空を飛ばせる。

 量産機ISでは致命傷を受けかねない威力を誇るライフル。ISですらダメージは免れない程の威力を誇るエネルギーキャノン砲。

 それらすべての消費電力を賄うジェネレーター。

 

 全てが高水準でまとまった兵器を大量に戦場に送り出された結果、世界は何もできず多大な犠牲を払って敗北を喫した。

 だが、篠ノ之束は戦争終結後行方をくらました。

 なんの条件も課さずに。

 どうやってアーマードコアを開発したのか、どうやって資材を調達したのか、どこにそれをしまっていたのか、全てが謎のままであり、何をしたかったのかすら謎のままだった。

 だが、一つだけ分かることがあったのだろう。

 近いうちに篠ノ之束が戦争を仕掛けてくるに違いないと。

 そのために全てを投げ出してまでも戦力強化に躍起になり、この世界がある。

 

 だが、世界は過ちを犯していた。

 篠ノ之束に勝とうなど不可能であるということに。

 それでも世界はやめようとはしなかった。

 そうでもないと自分を保てなかったのだから。

 

 

 そして今。

 世界のどこかにいる篠ノ之束の隣にはひとりの男がいる。

 その人物とは特別な関係というわけでもない。想いを寄せているというわけでもない。

 ただ、利害が一致している故に一緒にいるだけ。

 昔、近所のお姉さん、もしくは友達の姉。

 そんな程度の関係だった程度。

 

 その男は傭兵だった。

 

 いかなる戦場であろうと生還し、任務を遂行する。

 殺害依頼があれば、100%目標を抹殺する。

 完璧に仕事をこなし、絶対に死なず、確実に殺す。

 それゆえに付けられた二つ名があった。

 

 

 

 

 それは”死神”

 

 

 その男を知る者は皆口々に言う。

 戦場で敵としてであったら死を覚悟しろ、と。

 

 

 

 

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