魔王少女から逃げられない英雄   作:カガト17

2 / 9
本編
再会。逃亡?許しません。


今日は公開授業である。

そう公開授業だ。

今日は親が見に来ているためかとても騒がしい。

唐突だが自己紹介をしよう。

     あまつきしおん

俺の名前は天月紫苑だ。

駒王学園高等部に通う3年生だ。

って俺、誰に自己紹介してるんだろ。

そんなことを思いながら学校の校門を潜ると

 

「紫苑せんぱーい!」

 

五月蝿いのが来たよ。

 

「よう、イッセー」

 

「はい。おはようございます!」

 

この無駄にテンションが高いのは兵藤一誠といい。

俺の後輩である。学園ではこいつと松田、元浜の三人は女子更衣室の覗きなどをして問題児とされている。

 

「お前。今日はなにもしてねぇだろうな?」

 

「そんな!いつも俺が何かやらかしてるみたいな事言わんで下さい。」

 

「前科が有りまくりだから言ってんだろ。」

 

「そんなー!」

 

膝から崩れ落ちたこいつをほっておき俺は校舎へ向かう。

そして、下足から上履きに履き替えいると

 

「あら、おはよう。」

 

「おはようございます。うふふ。」

 

この学園の二大お姉さまことリアス・グレモリーと姫島朱乃に出会った。

 

「ああ、おはよう。グレモリーに姫島」

 

「あらあら、そんな姫島だなんて他人行儀な呼び方じゃなくて朱乃とよんでくれていいんですよ。」

 

そんなふうに、姫島はニコニコしながら言った。

 

「わかったよ。姫島」

 

「あらあら、つれないわね。」

 

ちなみに言うと俺は姫島朱乃の事が苦手である。

いつもニコニコしていて何を考えているかわからない。

 

「朱乃の言うとおりよ。もう三年の付き合いになるのだし

そろそろ名前で呼んでくれてもいいんじゃないかしら」

 

「付き合いね。そんなことを言っているとお前の可愛い後輩が嫉妬するぞ~。」

 

「な、なんの事かしら」

 

「言っていいのか? お前が一誠の事をす「待って!待って!」」

 

グレモリーが慌てて頬を赤く染めながらストップをかけてきた。

グレモリーをいじるとこういう反応が返ってきて楽しいため

会話をしているとついやってしまう。

決して小学生特有の好きな子にちょっかいを出してしまうとかそういうのではない。絶対に。

そんなことを考えていると

 

「いいかしら。私が言っているのはそういうことでは無くてね。」

 

落ち着きを取り戻したのかグレモリーがそんなことを言い始めた。

 

「はいはい。分かってるよ。」

 

時間がわりと迫って来ているので適当に流す。

 

「そ、そう。わかっているならいいのよ。」

 

そんなことをいいながらグレモリー達は去っていった。

それにしてもみんな何処か落ち着きがないなー。公開授業のせいか。とそんなどうでも良いことを考えながら教室へ向かう。

ちなみに、グレモリーと姫島とは別のクラスである。

教室へ付き荷物をカバンから取り出し終え整理し終わったところでちょうど担任の先生が入ってくる。

 

「ホームルームはじめるぞー」

 

相変わらずやる気が感じられない先生である。

 

「以上でホームルームを終わりにするぞー」

 

ホームルームが終わり授業の準備をする。

準備が終わり周りを見渡すともう何人かの親が来ていた。

早いなー。と思いながら授業の始まりを待っていると

 

「おはようございます。紫苑くん」

 

と、隣の席から声がかかった。

 

「おはよう。蒼那」

 

声をかけてきたのはこの学校の生徒会長を務める支取蒼那だった。なぜ名前呼びかと言うと蒼那とは3年間同じクラスであり何回か隣の席になったり生徒会の手伝いや相談をされているうちに仲が良くなり自然と名前で呼ぶようになったためである。

 

「今日は公開授業とかで親が見に来るから生徒会は大変だろ」

 

「ええ、それなりには。でも、生徒会の皆がちゃんと仕事をしてくれるから大丈夫ですよ。」

 

「そうかい。まあ、倒れないように気を付けろよ。」

 

「ええ、お気遣いありがとうございます。」

 

そんな雑談をしていると

 

「授業はじめるぞ。」

 

いつの間にか授業の始まる時間になっていた。


 

授業が終わり休み時間になった。

なのでその辺をぶらぶらしていると

 

「魔女っ子の撮影会だとー!!」

「これは元写真部として余すことなく記録せねばー!!」

 

と体育館側から聞こえてきた。

 

「はー。これは蒼那も大変そうだな。」

 

そんなことを言いながら最悪俺も生徒会を手伝おうと思い体育館側へ向かう。

そして体育館へ着くと生徒会のメンツだけでなくグレモリー達もいた。

見た感じちゃんと収集はついたらしい。

生徒会の匙くんが魔法少女のコスプレをした人に何かを聞いていた。すると、蒼那も到着したらしく

 

「匙、何事ですか?」

 

と聞いていた。

そして、匙くんが答えようとすると

 

「いえ、この方が「ソーナちゃんみーつけた!。」」

 

それを遮るように蒼那の名前を呼んだ。

それを見た蒼那は固まった。

へー。あれ蒼那の知り合いなんだ。と思いながらその場を見ていた。

会話を聞くかぎり蒼那の姉らしい。

遠くから見てるからなんとも言えんけど何処かで見た事あるような。

そんなことを思っていると蒼那の姉と呼ばれた人物はどんどん喋る

そう相手を置いてきぼりにするくらい喋る。マシンガントークかよ。

蒼那の表情を見るにそろそろ限界っぽいからそろそろ助けるか。

 

「おーい。蒼那」

 

そんなふうに声をかけるとその場にいた全員がこっちを向く。

つーかグレモリーいたんなら助けてやれや。

 

「え…」

 

蒼那の姉が俺の方を見た瞬間そんな声を漏らした。

俺はそんなことを気にする様子もなく蒼那に声をかけようとすると

 

「シオン…」

 

蒼那の姉が俺の名前を呼ぶ。

え、なんで俺の名前しってんの?と思いよーく蒼那の姉の顔を見ると

 

「な!!セラフォルー…」

 

とそんなふうに驚愕の声を出してしまう。

なんでいるんだ。蒼那の姉だったのか。とかそんなことを頭の中で考えていると

 

「やっと見つけた!」

 

セラフォルーがそんな声を出した。

俺は思考を一旦中止し逃亡しようとするが

 

「逃がすか!!」

 

そんなことをいいながら突っ込んできたセラフォルーの体当たりに当たり転んでしまう。

流石に女性の体当たりといえど背後から無防備な状態で受けた俺を激痛が襲う。だが、転んだ体勢のまま痛みに耐え逃げようとすると

馬乗りに乗ってきたセラフォルーにより行動出来なくなる。

 

「やっと捕まった!!今度こそ絶対に逃がさないから!!」

 

と言いながら俺の背に乗っているセラフォルー。

そんなセリフを聞きながら俺は

 

「今日は厄日だこんちくしょーーーーーーーーーーーー!!」

 

と叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。