魔王少女から逃げられない英雄   作:カガト17

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戦闘描写って難しいですね。
後、シンプルにイチャイチャが書きたい。



言質はとられるな。

前回を簡単に  ロキが主人公の逆鱗に触れたよ。

 

 

 

「お前…俺の前で何してくれての」

 

ロキは俺の方を見たまま固まっていて答えない。

 

「俺ってさ。自分の目の前で誰かを傷つけられるのって本当に嫌いなんだよね。

でさ、それを踏まえた上で聞くよ。

お前何をした。」

 

それでもロキは答えない。否、答えられない。

今の俺は本気でキレている。

そのため普段なら押さえているであろう力が完全に漏れているのだ。

その力は神すらも圧倒する。

 

「答えなしか。もういいよお前。」

 

俺はそう言った瞬間動き出す。

空中に浮いているロキだが俺はそんなのお構いなしに近づき殴る。

ロキは反応しようとするが

 

「遅い。」

 

今の俺には追い付けない。

そのまま俺の拳はロキを捉え後方へ吹き飛ばす。

 

「貴様!! このロキ相手に!!」

 

ロキがその場から動き俺に攻撃を仕掛けてくる。

 

「魔法しか能がない糞神の攻撃が俺に当たるかよ。」

 

俺はそう言いロキの攻撃を避ける。

 

「貴様!! まだ我を愚弄するか!!」

 

「本当の事だろ。そんなことより少しは周りを気にした方がいいぜ。」

 

ロキはそう言われ周りを見渡した瞬間

様々な魔方陣が展開されておりロキ目掛けて一斉に攻撃を開始した。

 

「クソーー!!」

 

ロキはそう叫ぶが様々な魔法がロキを襲い魔法の放つ光でロキの姿が見えなくなる。

 

そして、光が止むとそこにはボロボロのロキがいた。

 

「はは!! 所詮は人間の攻撃!! 神を殺すなど不可能なのだ!!」

 

「お前何を勘違いしてるか知らないけどお前を殺せないんじゃない。殺さないんだ。

お前は俺の大切な者を傷つけた。

だから、お前にその罪の重さを実感させるためにな。

痛め付けてるんだがそんなに消滅したいならいいだろう。

跡形もなく消し去ってやる。」

 

俺はそう言うと魔力を集め始める。

ロキは俺の集めた魔力の量に恐怖し動けなくなる。

 

「終わりだ。ロキ」

 

そうして、俺が魔法を放とうとすると

 

突如緑の光がロキを包む。

そして、光が止むとロキはその場にいなかった。

 

「どういうつもりだ。ベルゼブブ」

 

俺はロキに何かしたであろう人物を睨み付ける。

 

「その魔法をここで使わせる訳にはいかないからね。

ロキは私の魔法で異空間に閉じ込めたんだよ。」

 

「っち。分かったよ。」

 

「了承感謝する。」

 

すると、

 

「う、うーん」

 

セラフォルーの意識が戻る。

 

「あれ。私…ロキの攻撃を受けてそれで…」

 

俺はセラフォルーのもとへ向かい

 

「あれ。シオン。え! ええ!! どうしたの!!」

 

セラフォルーを抱きしめ頭を撫でる。

 

「よかった…」

 

そう言うとセラフォルーは赤くなり黙ってしまった。

 

そして、しばらくそのままでいると

 

「もう、話してもいいだろうか。」

 

サーゼクスがそう言ってきた。

俺は周りに人(悪魔)が居たことを思いだし周りを見渡すとその場にいたほとんどが俺たちの方を見ていた。

そして、俺は自分の顔が急速に熱くなっていくのを感じる。

 

やっちまったー!!!

絶対これ俺の顔赤くなってるって!!

冥界にもう二度とこれないよ。

 

「お、おう」

 

そう返事しながらセラフォルーから離れようとするが

 

「えっと、セラフォルーさん離していただけませんかね?」

 

セラフォルーが俺の背中に手を回したまま離れなかった。

 

「もう少しこのままで…」

 

「分かった。」

 

最初にくっついたのが俺のため強引に離すわけにもいかなかった。

 

「悪い。サーゼクス。このまま話を聞くわ」

 

「ああ。仕方ない。

ロキに関してだがこの後ロキを倒すため異空間に数名を送る事が決定した。なので、君に行くかを尋ねたい。」

 

うーん。どうしよう。正直言ってさっきのセラフォルーとのやり取りで完全に怒りはなくなったんだよね。

 

「そのロキ討伐隊にどうせお前達の妹達が参加するんだろ。

じゃあ、俺はそのお目付け役をやりますかね。」

 

「そうか。すまない。」

 

サーゼクスは申し訳なさそうな顔をして言った。

 

「そんな顔すんなって。俺が自分で言ったことだ」

 

「感謝する。ありがとう。」

 

サーゼクスは笑顔になり会議があるからといって去っていく。

 

「セラフォルー。もうそろそろ離れろ。」

 

「やだ。」

 

「また今度くっついていいからさ。な」

 

「分かった。約束ね。」

 

なんかこいつ幼児化してね。なんで!! ねぇ?!

まあ、いいか。

 

「じゃあ、行くぞ。」

 

「うん!!」

 

はー。

ずっとこうしてれば可愛いのにね。

 

 

 


 

 

 

ロキを討伐をするメンバーは

シトリー眷属からソーナと副会長と匙君。

グレモリー眷属はアーシアさんとギャスパー君がいないかな。

北欧からロスバイセさん。

天界から紫藤イリナさんが参加した

全員が揃ったところで転移をした。

 

そこにはロキとフェンリルとフェンリルに似た狼が2匹そして、龍王の一角ミドガルズオルムの模造品

 

「ベルゼブブめ」

 

「お前はむしろ感謝した方が良いけどな」

 

「貴様は!!」

 

「安心しろよ。俺は今回フェンリルとその子供の相手をするから。お前の相手は俺の後輩がやってくれるよ。」

 

「我など眼中にないと言いたいのか!!」

 

「まあ、お前の戯れ言聞きながら戦うくらいならフェンリルの相手をした方が楽しいのは事実だな。

じゃあ、皆後は頑張れよ。」

 

紫苑はそう言いフェンリル達ごと結界をつくる。

フェンリルには以前の見下すような眼はしておらず敵としてこちらを見ていた。

 

「さあ、始めようか。神殺しども。」

 

紫苑はそう言い神器を使う。

 

「《減速》しろ」

 

紫苑がそう言うとフェンリル達のスピードが落ちる。

そして、紅桜を呼び出し斬りかかる。

刃はフェンリルを捉えるが回避行動を行っていたフェンリルの足を傷つけるだけに止まった。

 

流石神殺しの狼って所か。

 

「いやー。減速させた状態で回避されたのは始めてだよ。

これは、楽しめそうだ。」

 

つい笑みがこぼれてしまう。

ただその笑みはいつものとは違い戦闘狂の笑みだった。

フェンリル達は本能的に危険だと感じたのか距離をとる。

 

「楽しませてくれよ。狼ども!!」

 

紫苑はまた斬りかかる。

フェンリルは右へ避けようとするが俺は咄嗟に斬撃を右に飛ばす。その結果フェンリルはもろに攻撃を受け右側の背中に傷ができそこから血を流す。

紫苑は無理に体勢を変えたため勢いのまま岩にぶつかる。

そして、岩にぶつかった俺目掛けてフェンリルの子供達が襲いかかってくる。

紫苑はすぐに立ち上がり一匹は蹴り飛ばしもう一匹は紅桜で牙を防ぐ。

すると、フェンリルが爪で俺を引き裂こうと飛びかかってくる。

紫苑はそれに対しフェンリルの子供をぶつけ後方へ下がらせる。

フェンリルには神器の効果で体の動く速度を遅くしているがそれに慣れてきたのか平然と動くようになってきた。

 

「っち。《加速》しろ」

 

紫苑がそう唱えると紫苑の動く速度が速くなった。

そのスピードをいかし様々な所から攻撃を仕掛ける。

途中フェンリルの子供達が攻撃を仕掛けてくるがフェンリル程の攻撃力もスピードも無いため回避かガードをする。

神の時計の《加速》は所有者の思考速度と体の動く速度を約2倍にして、《減速》は視界に映ったものを対象としその者のスピードを約半分にする。

結果今のフェンリルには紫苑の動く速度は約4倍に見えている筈だがフェンリルの攻撃は着実に紫苑を捉え始める。

 

「はは。流石は伝説の魔物だ!!」

 

そして、紫苑の攻撃をフェンリルが回避したところで紫苑はフェンリルに問う。

 

「お前。なんでそこまで力があるのにロキに従う。

親だからか? それとも、他の理由か?」

 

その問に対しフェンリルは答える。

 

『我が子のためだ。』

 

「我が子?」

 

紫苑はフェンリルの後ろにいる2匹に目を向ける。

 

『確かに我はあの者に生み出された。

だが、我が従う理由はあの者によって我が子がかけられた呪いがあるからだ。』

 

「ふーん。じゃあ、自分の意思で従っているわけではないと。」

 

『そうだ。我が子はあの者に心を奪われた。

その結果、あの者の命令に従うだけの人形になってしまった。だからこそ、我は守らねばならぬ!!

我と(つがい)との間に産まれた子を!!

それが(つがい)と最後に交わした約束なのだから。』

 

「心を失ったね…」

 

すると、紫苑はフェンリルをいきなり殴り飛ばす。

フェンリルはいきなりの攻撃に対応できずもろに受けてしまう。

フェンリルは、口から血を吐きながら叫ぶ。

 

『貴様!!』

 

すると、紫苑は何食わぬ顔で言う。

 

「心を失っただって?馬鹿言うな。

お前の子供達を見てみろよ。」

 

すると、そこにはフェンリルを守るために紫苑の前に立つ2匹がいた。

 

「お前の子供達は今もお前を守るために敵わないと分かっていながら俺の前に立ち塞がってるぞ。

自分の親を守るために自分達の命をかけてな。

いいか。心なんてのは簡単に誰かに消せる物じゃないんだよ。

例えそれが神であってもな。

ほら、話しかけてやんな。親だろ。」

 

すると、フェンリルは子供達に話しかけた。

 

まあ、話しかけても俺には分からないんだけどね。

人間だから。

 

フェンリルの鳴き声に対し子供達も鳴き声で返す。

すると、フェンリルは俺の方を向く。

 

『人間よ。感謝する。そなたのおかげでまた我が子と話すことが出来た。』

 

「それはいいけどさ。お前らこれからどうすんの?

ロキに従い続けるかそれとも従わないか?」

 

『我はあの様な者に従い続けるつもりはない!!

だが、あの者に従わなければ我らに居場所がないのも事実。』

 

「じゃあ、俺の所に来るか?」

 

『何? 貴様はそれがどう言うことか分かっているのか?』

 

「俺の所に来れば少なくとも他の誰かがお前らに手を出すって事はないと思うぜ。テロリストはあれだが。」

 

『しかし…』

 

「お前な。今大切なのはなんだ?

お前が屈辱を味わいながらもあいつに従ってきた理由はなんだ?

何を守るためにお前は戦ってきたそれをよく考えろ。」

 

『…分かった。我われはそなたの庇護かに入ろう。

よろしく頼む。我が主よ。お前達もそれでいいな。』

 

フェンリルは子供達に向けそう語りかける。

子供達それに同意するように頷いた。

 

あ、普通に通じるのね

 

「おう。まかせな。」

 

紫苑が笑いかけるとフェンリルも笑ったような気がした。

 

「さて、じゃあ外も終わったかな。」

 

そう言い結界を解除する。

すると、ちょうど一誠がニョルニルを使ってロキを封印していた。

 

「お、丁度いい感じかな?」

 

紫苑がそう言うと全員がこっちを向き固まった。

 

あ、そう言えばこいつらの事言ってない。

 

「せ、先輩!! 後ろのフェンリルはいったい?!」

 

「まあ、落ち着けイッセー。こいつらは訳あって俺が保護することにしたから大丈夫さ。」

 

「ほ、ほんとですか?」

 

「ああ。」

 

この発言には周りの奴ら全員がビックリなようだ。

このあとは、冥界に戻りサーゼクスにフェンリル達の事を説明してとりあえず終わり。だったのだが

 

俺の過去の発言

 

『また今度くっついていいからさ。な』

 

言質をとったセラフォルーが暴走。

セラフォルーの暴走を止めようと頑張った結果。

俺はセラフォルーと同じ部屋で寝ることとなった。

 

なぜこうなった…

 

フェンリルに助けを求めると

 

(つがい)はいた方が良いぞ。主よ。』

 

だとさ。

 

余計なお世話じゃーーーー!!

お前のせいで余計に意識しちまうじゃねーかーーーー!!

 

結局はセラフォルーがくっついたまま寝たため紫苑は次の日は寝不足となった。

オーディンはそんな紫苑を見てニヤニヤしていたとさ。

 

これからの発言には気を付けよう…

 

そう決めた紫苑であった。

 

 


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