転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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本年の投稿は本更新が最後となります。
皆様の応援で更新を続けてくることができました。
本当にありがとうございます。
結構気になることろで更新が止まってしまい大変恐縮です。
来年は元旦から怒涛の初!令和正月お祝い記念の一週間連続更新で盛り上げたいと思います。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。


第142話 敵を殲滅して王都を防衛しよう(ローガ編)

『お前達、抜かるなよ』

 

『『『『おうっ!』』』』

 

コルーナ辺境伯家の庭で屯していたローガたちに出撃命令が出た。

大通りを俺を含む61匹の狼牙達が疾走する。

 

「うわっ!」

「なんだっ!」

 

夜明け前、仕事の準備をするために早起きな住民が、大通りをものすごいスピードで疾走する狼牙を見て驚き、尻餅をついた。

 

突風の様に疾走するローガ達。

アッという間に南門に到着する。

南門は大きく開かれ、多くの兵士が城壁の外へ出て行くところだった。

 

「な、なんだっ!?」

「と、とまれっ!」

 

門番らしき兵士が両手を広げて静止を促すが、ローガ達は止まらない。消えるようなフェイントで兵士たちをすり抜けると、城壁の外へ出ていく。

 

ふと見ると、一匹の狼牙が隊長クラスの兵士の前で止まった。

 

止まったのは氷牙である。

目の前で停止した狼牙を見る騎士隊長。

 

「あ・・・君もしかして・・・」

 

『この前、<氷結棺桶(アイスコフィン)>を預けた隊長殿だな?』

 

「あ、ああ。この前は助かったよ」

 

騎士隊長は何となくだが、この狼牙が何を言っているのかわかる気がした。

 

『我らのボスより<迷宮氾濫(スタンピード)>の魔物を討伐せよとの指示を受けた。これより我らは出撃する。万一打ち漏らしがあり、王都に魔物が近づくようなら仕留めてもらえると助かる』

 

「あ、ああ・・・任せてくれ」

 

『ではな』

 

そう言って風の様に消える氷牙。

 

「た、隊長! 狼と会話できるんですか!?」

 

部下の騎士が目を丸くして聞いてくる。

 

「いや、会話なんてとてもできないんだが・・・何となく、あの狼牙の言いたいことがわかったような気がしたんだ」

 

「で、なんと?」

 

「どうも、彼らのボスから魔物を討伐するように指示を受けたらしい。万一打ち漏らして王都に魔物が近寄るようなら対応してくれ、くらいのイメージだと思う」

 

「じゃ、じゃあ・・・あの狼牙たちだけで、1万もの魔物に立ち向かうつもりですか!?」

 

「多分そうなんだろう・・・」

 

目を見合わせながら、それでも部隊を整えたら出撃すべく準備を急ぐことにするのであった。

 

ローガ達は城門を抜け、少し南下したところで止まる。

その地表に伝わる振動からも魔物の群れが近い事を感じ取るローガ。

 

ボスの話では万に迫る魔物の群れがこの王都に真っ直ぐ向かっているとのことだった。

以前ソレナリーニの町の北の迷宮が<迷宮氾濫(スタンピード)>を起こした時に対応したが、それと同じくらいの規模、魔物の種類らしい。

 

あの時、カソの村に約2000匹のゴブリンやオークが向かったため、そちらを対応する指令を受けた。そのため、約8000もの魔物の群れをボス一人で引き受けられたのだ。

たった一人で対応したボスに比べれば、我らは自分を含めて総勢61匹で対応できるのだ。

 

ローガはその場で敵を迎え撃つべく、部下を横に展開させる。

 

『ガァァァァオオオオオッッ!!』

 

咆哮一閃!

 

凄まじい衝撃波が魔物の群れの先頭を直撃する。

その威力は敵の数千を飲み込み、吹き飛ばす。

あまりの威力に<迷宮氾濫(スタンピード)>で暴走した魔物達も足が完全に止まる。

 

『ふむ<竜咆哮>(ドラゴニックロア)はやはり強力な技だな』

 

完全に魔物の勢いを止めたローガが満足そうに頷く。

 

『四天王よ、行けい!その力を存分に発揮し、敵を蹂躙せよ!』

 

『『『『了解!!』』』』

 

ローガの号令に四天王たちが突撃を開始する。

 

『雷牙!』

『風牙!』

 

風牙に名を呼ばれた雷牙はチラリと風牙を見て、その意思をくみ取る。

 

『行くぞ!<雷の雨>(サンダーレイン)

<風竜巻>(エアトルネード)

 

激しい雷が巻き起こり、突風が巻き上がる。

 

『『合成魔法<雷の嵐>(サンダーストーム)』』

 

ドガガガガ――――ン!!

 

凄まじい竜巻が雷を纏い、とてつもない嵐になる。

 

多くの魔物が巻き込まれ空中に巻き上げられ、雷に打たれ黒焦げになり吹き飛ばされていく。

 

『はっはっは!凄まじい魔法だ!だが、負けてはおれんぞ!』

 

四天王の一角、ガルボが敵陣へ突入する。ゴブリンやコボルドなど、小型の魔物は吹き飛ばされているため、オークやオーガが中心となった魔物の先頭へ体当たりをかますように攻撃して行く。凄まじく舞う血飛沫。

 

『エス・ピラル・ケッサ・ロウ!天空の星々に願い奉る!星に纏いし凍てつく嵐を吹き下ろせ!<星屑氷呪縛>(スターダスト・アイステンタクル)!!』

 

『うわわっ!』

『一旦離脱せよ!』

 

氷牙のあまりに広範囲な冷気放射の呪文に突入をいち早く開始した先鋒の狼牙達が慌てて一度離脱する。

 

圧倒的な冷気が舞い降り、万に近い魔物の群れを包んで行く。

 

「グギャギャギャ!」

「グガ――――!」

「シャギャ――――!」

 

小型の魔物は凍り付き砕けていく。

大型の魔獣も動きが鈍って行く。

 

そこへ高速斬撃で狼牙達が襲い掛かる。

あっという間に狼牙達の爪と牙に狩られていく。

未だに魔物は狼牙の布陣を一匹たりとも突破できていない。

 

『おいおい、俺の分も残してくれよ? せっかく万にも上ろうかと言う規模で魔物が発生したんだ。<竜咆哮>(ドラゴニックロア)一発ではあまりにも物足らんぞ』

 

そう言って疾風の如く駆け出すローガ。

狙うは後方の大物。

大型のトロールの群れが見える。

 

『燃え盛る火炎の王よ、その力を開放し我が敵に紅蓮の十字架を解き放て!<十字火炎撃(クロスファイア)>』

 

ドゴォォォォォォォ!!

 

紅蓮に燃え盛る十字の火炎がトロールの群れに直撃!爆発炎上する。

その圧倒的火力によりトロールがあっという間に炭化して燃え尽きる。

 

そして、ついに王都には一匹の魔物も辿り着くことは無かった。

 




本年は応援本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆様、よいお年を!
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