転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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第210話 責任?を取ってギルドの指導員になろう

「で、お前さん何してんだよっ!」

 

冒険者ギルドの倉庫でオークの死体を五十体分亜空間圧縮収納から取り出して納品していた俺にゾリアが文句を言ってくる。

 

「何してるって・・・とりあえずオークの納品だな」

 

改まって聞かれると、それしか回答のしようがないが。

 

「ちげーよ! 何でお前あんなド素人のFランクの駆け出したちとパーティ組んだんだ! お前はSランクって言っただろうが!」

 

青筋立ててゾリアが怒鳴り散らす。

 

「そう言われても、冒険者仲間にって話だけだったんだが、あのサーシャって子が、勘違いしてパーティメンバーで登録しちゃったんだよ」

 

「お前、本気なのか!?」

 

「本気ってどう行う事だよ?」

 

「お前さんはこのバルバロイ王国の伯爵でもあるだろうが! 毎日お気楽に冒険者として活動できるわけじゃないだろう?」

 

「そりゃそうだ。だから冒険に行ける時はって伝えてはいるけどな」

 

「そんな事をあの娘たちが認識しているとでも思っているのか?」

 

「どういうことだ?」

 

わけがわからん。やれる時だけ冒険者パーティに参加する事に何か問題でもあるのか?

 

「今回の特別依頼達成でギルド貢献ポイントが大幅に加算される。オーク肉が無くて困ってるところに大量に納品したんだからな。それはいい、だが、これでお前たちは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。お前はともかく、あの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って事だよ!」

 

「?」

 

「常にお前が面倒を見るならそれもいいさ。だが違うんだろ? お前はたまに趣味程度に冒険者活動をすればいいのかもしれんが、あの娘たちは違うだろう。生活のためにお前がいなくてもギルドの依頼を受けるはずだ。それも、()()()()()()()()()()()()()()な!」

 

「あ・・・」

 

しまった――――――!!

そうか、そういうことか!

ラノベのお約束だなんて、俺TUEEEEしたかったから、あの三人娘に薬草を出させたが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んだ!

ポンコツ三人娘に俺TUEEEEさせても意味無いじゃん!

というか、完全にサーシャやミミは勘違いして平気でEランクやその上のランクの依頼を受けそうだ。コーヴィルだけでは抑えられないだろう。

 

今はまだローガ達が魔獣を狩り尽くした影響で討伐依頼がないが、その内魔獣たちが増えれば討伐依頼が復活するだろう。

その時、Fランクの薬草採取もままならないあの三人娘が無茶をしない、何てありえない。勘違いして無謀な依頼を受ければ待ち受けるのは「死」だ。

 

「う・・・」

 

「明らかに今回の状況はあの三人娘にはオーバーキャパだ。一応モーヴィンと相談して判断するが、パーティ功績があるのにポイント昇格しないのも具合が悪いと言えば悪いんだ」

 

明らかに俺のミスだな。勝手にパーティ登録されたとはいえ、面倒を見れないのに一時的にでも過剰な手助けをしてしまったわけだからな・・・。

 

「そこで、だ」

 

ゾリアが右手の人差し指を俺に突き付ける。

 

「なんだ?」

 

「お前、ギルドの指導員になれ」

 

「・・・はい?」

 

ギルドの指導員? 何ソレ?

 

「ギルドの指導員だよ! シ・ド・ウ・イ・ン!」

 

「だから、何だよ、その指導員って?」

 

「基本的には冒険者たちを教える立場のヤツを意味している。先輩とか、そういう意味ではなくて、ちゃんとしたギルドの登録員だ。教官みてーなもんかな?」

 

「なんで俺がその指導員とやらにならなくちゃならねーんだよ?」

 

「今回のお前が無茶したオークの功績も、指導員込みなら貢献ポイントを抑えられるし、何より指導員がいる場合のみ上位クエスト受理可、とか条件が付けられる。大体お前はSランクになるって言ったろうが。このままではFランク登録のデータをSランクに書き換えるんだぞ? あの三人娘からも何言われるかわからんぞ? とりあえず今のFランク冒険者タグをEランク指導員へ変更して、指導員同行の場合のみEランク対応、というようにあの三人娘に条件を付けさせろ。そうすればお前がいない時は無茶できない」

 

「なるほど・・・」

 

確かに、俺がいない時はFランクとかの危険が少ないクエストしか受けられないのであれば、無茶は出来ない。俺がいない状態でも大丈夫なように実地訓練をしてもらうしかないだろう。

 

「で、お前は指導員としてパーティ登録されるんだから、責任もってあの三人娘が一端になるまで面倒見ろよな」

 

右手をピラピラと振って俺にそんなことを言うゾリア。

 

「なんでだよ!」

 

「お前が楽させちまったからじゃねーかよ。下手すりゃあの三人娘は薬草採取に失敗して冒険者資格を剥奪されて、違う人生を模索しなきゃいけなかったかもしれないんだぞ?」

 

「そうだよ、可愛そうじゃねーか。寝る場所も確保できないくらい貧乏なんだろ? これで腰据えて頑張れば・・・」

 

「英雄サマにしちゃ随分なまっちょろい事をいうじゃねーか」

 

剣呑な雰囲気を出すゾリア。

 

「腰据えて頑張ればなんとかなる? そう言うやつはFランクの採取依頼でも泥水啜ってでもクリアしてくるもんなんだよ。ラッキーなお前さんのアシストで浮足立って喜んでいる連中が本当にほったらかしで一人前に育つと思ってんのか?」

 

「ぐっ・・・」

 

どう考えても調子に乗ってバカやる姿しか想像できない。特にサーシャ。

 

「だから、責任取って鍛えろって言ってんだよ、指導員サマ?」

 

ニヤニヤしながら俺の肩をポンポンと叩くゾリア。

クソー! 俺が俺TUEEEEしたいなんて思わなければ!

 

大体鍛えるって、マジでまずいぞ!?

俺は亜空間圧縮収納に放り込めば鑑定も出来るから、薬草の形なんて覚えてない。だから、薬草採取を教えられないのだ。

 

・・・コレ、マジで真面目に一から勉強するのか?俺が?

鑑定が大賢者モードでも発動して説明してくれるようになれば別だが、他人に教えると言う事は、自分が違いを分かっていないと教えられないからな。とんでもないことになった。

戦闘だってそうだ。俺のスライム戦闘術は俺のボディがあってこそだ。

今でこそノーチートな俺でも努力を積み重ねた結晶が花開いてある程度俺TUEEEE出来るけど、コレを相手に教えろと言っても無理だ。ということは、一般的な教養は元より、戦闘術も学んだうえで対応しないと何にも教えられないぞ!?

 

ヤベー!ヤベちゃんヤッベー!

最近ヤベーことばっかりな気がする。

天才は教えられないって全面的にお断りしてー! 天才じゃねーけどなっ!!

 

「じゃ、お前さんはギルドのEランク指導員で、あの三人娘は指導員付き添いの場合のみEランク処理ね、ヨロシク!」

 

そう言って手を振って出ていくゾリア。

チクショー! 厄介な仕事がまた一つ増えたぞ!

 

 

 

俺が倉庫から戻って来ると、カウンター横で俺を待っていたのか、三人娘が駆け寄って来る。

 

「見て見て! こんなに報酬もらっちゃったよ!」

「これはパーティの仕事にゃ! だから報酬はみんなで割り勘にゃ!」

「いいのでしょうか・・・? ヤーベさんが持っていたオーク納品しただけですよね・・・?」

 

コーヴィルの真面な意見は他の二人に完全にスルーされている。

サーシャとミミは俺に飛びついて喜んでいる。

 

「いいよね! いいよね! 私たちパーティだもんね!」

「パーティの功績は分かち合うにゃ!」

 

もはや揉みくちゃにされているレベルで纏わりついて来るサーシャとミミ。

どうあがいても転がり込んできた大金を山分けしろと言うつもりのようだ。

まあ、良いんだけど。

 

俺はべたべたと纏わりつくサーシャとミミを見ながら、オロオロしているコーヴィルがとても真面目で頼りになる影のリーダーになってくれ!と心の底から願った。

 




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