転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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投稿を初めて250回を迎えることが出来ました。(本編+閑話合計)

またまた記念に成長日記シリーズでお送りしたいと思います。


投稿250話達成記念 リーナの成長日記その② リーナ、初めてのおつかい

これはヤーベが王都の自身の館に引っ越してすぐのお話―――――

 

 

 

「リーナちゃん、これ、メーリングさんにちゃんと渡してね?」

 

 

 

「了解なのでしゅ!」

 

 

 

ご主人しゃまのお屋敷で一番偉いメイド長のリンダしゃんからご主人しゃまが焼いてくれた出来立てクッキーの入ったバスケットを受け取るでしゅ。

 

 

 

このご主人しゃまの焼いてくれたクッキーをコルーナ辺境伯家のメーリングメイド長に届けるのがリーナに課せられた使命でしゅ!

 

お世話になったメーリングおねーしゃんに美味しいクッキーを届けるでしゅ!

 

 

 

「行ってきましゅ!」

 

 

 

「気を付けてね~」

 

 

 

リンダしゃんが見送ってくれましゅ。本当はご主人しゃまに見送って欲しいでしゅが、帰って来たらご褒美にホットケーキ焼いてくれるって言ってくれたでしゅ。頑張って届けて、帰って来てからご主人しゃまに一杯褒めてもらうでしゅ。

 

 

 

 

 

おっきな玄関の扉を開けて外に出ましゅ。

 

まずはお屋敷の敷地を抜けて大通りに出ましゅ。

 

 

 

とて とて とて ドテッ

 

 

 

・・・いきなり転んでしまったでしゅ。

 

バスケットが転がってしまったでしゅ。

 

ケーキじゃ無くてよかったでしゅ。クッキーだからきっと大丈夫でしゅ。

 

 

 

「うんしょっ!」

 

 

 

起き上がって服をパンパンしましゅ。

 

バスケットを拾って、改めておつかいにレッツゴーでしゅ!

 

 

 

 

 

 

 

お屋敷の門を出て、右に曲がるでしゅ。

 

道路を歩くときは、真ん中を歩いちゃダメってご主人しゃまに教えて貰ったでしゅ。

 

真ん中はでっかい馬車が走るので引かれちゃうから危険でしゅ。

 

だから、道は端っこを歩くでしゅ。

 

 

 

道はリンダしゃんに教えて貰ったでしゅ。

 

お屋敷を出て、右に向かって、最初の大通りを左に向かうでしゅ。

 

五つ目の交差点を左に曲がって右手にある御屋敷が目的のコルーナ辺境伯家でしゅ。

 

 

 

大通りを左に曲がって歩いて行くでしゅ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どうしたでしゅか?大丈夫でしゅか?」

 

 

 

大通りを歩いて行くと、しゃがんで泣いている子供を見つけたでしゅ。

 

 

 

「え~ん、え~ん」

 

 

 

「迷子でしゅか?」

 

 

 

「え~ん、え~ん」

 

 

 

う~ん、まずは落ち着いて元気を出してもらうでしゅ!

 

 

 

バスケットの中のクッキーを一つ取り出すでしゅ。

 

 

 

「はい、これ食べるでしゅ!」

 

 

 

メーリングおねえしゃんに持って行くクッキーでしゅが、困っている子を助けるために少し分けてもらうでしゅ。

 

 

 

「一緒に食べるでしゅ。美味しいでしゅよ?」

 

 

 

リーナもクッキーを出して食べるでしゅ。

 

一緒にはむはむ食べていると、迷子の子の涙しゃんも止まって来たでしゅ。

 

 

 

「ちーちゃん!ちーちゃんどこー?」

 

 

 

ふみゅ?きっとおかーさんでしゅか?

 

 

 

「まあ~、こんなところに居たのね?よかった。あら、クッキーもらったの?よかったわね。ありがとうね、お嬢さん」

 

 

 

「どういたしましてなのでしゅ」

 

 

 

泣いていた子も元気になって帰っていったでしゅ。良かったでしゅ。

 

 

 

・・・でも、ちょっとバスケットのクッキーが減ってしまったでしゅ。

 

よくみたら二人で半分くらい食べてしまったでしゅ。

 

メーリングおねえしゃんに謝らないといけないでしゅ。

 

 

 

 

 

「バイバーイ」

 

「バイバーイ」

 

 

 

 

 

お母さんに手を引かれて帰って行く子に手を振って、早速おつかいを再開するでしゅ。

 

 

 

とてとてとて。

 

 

 

大通りを歩いて行くでしゅ。

 

次の交差点を左に曲がるとコルーナ辺境伯家があるはずでしゅ。

 

 

 

 

 

ヒヒヒーン!

 

 

 

 

 

急に目の前に馬車が止まったでしゅ。

 

 

 

バタン!

 

 

 

馬車からなんだか高そうな服を着た人が降りて来たでしゅ。

 

 

 

「おお、お嬢ちゃん! 一人歩きは危険じゃ! 馬車に乗せてやろう」

 

 

 

「目的地がすぐ近くなので大丈夫でしゅ。お気遣いありがとうなのでしゅ」

 

 

 

ぺこりとお辞儀をして歩き始めるでしゅ。

 

知らない人にはついて行っちゃいけないって言われているでしゅ。

 

いい人なのかもしれないでしゅが、ご主人しゃまの教えをちゃんと守らないといけないでしゅ。

 

 

 

「グフフフフ、生意気なガキだ! いいからこっちへ来い! 可愛がってやろうぞ!」

 

 

 

「お断りでしゅ!」

 

 

 

手を伸ばしてきたので、ひらりと躱して走り出しましゅ。

 

 

 

「逃がさんぞ!ワシを誰だと思っておる!お前達そいつを捕まえろ!」

 

 

 

「「へい!」」

 

 

 

ビシッ!ビシッ!ビシッ!

 

 

 

「ふみゅ?」

 

 

 

振り向くと、追いかけて来ようとしていた男たちも、高そうな服を着ていたおじいさんも倒れていたでしゅ。不思議ですが助かったでしゅ。

 

今のうちにコルーナ辺境伯家に向かうでしゅ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コルーナ辺境伯家の門番さんに挨拶するでしゅ。

 

 

 

「こんにちはでしゅ。スライム伯爵のお使いでメーリングメイド長しゃまにお届けものでしゅ」

 

 

 

シュタッと敬礼してご挨拶するでしゅ。

 

 

 

「はいこんにちは、ご苦労様です。入っていいですよ。玄関でノックしてくださいね」

 

 

 

「了解なのでしゅ!」

 

 

 

入る許可をもらったのでバスケットを抱えて玄関まで歩いて行くでしゅ。

 

 

 

玄関のドアノッカーをゴンゴンしたいでしゅが、ちょっと高い位置にあるでしゅ・・・。

 

 

 

バスケットを横に置いて、ぴょんぴょんと飛んでドアノッカーをゴンゴンするでしゅ。

 

 

 

「はーい」

 

 

 

玄関の扉を開けてくれたのはメーリングおねえしゃんでしゅ。

 

 

 

「こんにちはでしゅ! スライム伯爵からメーリングメイド長しゃまにクッキーのお届けものでしゅ!」

 

 

 

そう言ってバスケットを・・・あれ? バスケットはどこでしゅか?

 

 

 

「あ、ここでしゅ。これがお届け物でしゅ!」

 

 

 

そう言ってバスケットを拾って渡すでしゅ。

 

 

 

「まあ、ありがとう! 中身は何かしら?」

 

 

 

「ご主人しゃま特製のクッキーでしゅ! ・・・でも、量が少し減ってるでしゅ・・・」

 

 

 

せっかくのお届け物がちょっと減ってしまったでしゅ。

 

 

 

「クッキー、いっぱい入ってるわよ? ほら」

 

 

 

そう言ってメーリングおねえしゃんがバスケットの中を見せてくれるでしゅ。

 

 

 

「・・・ふえっ!?」

 

 

 

見れば、バスケットの中はクッキーでいっぱいだったでしゅ。

 

確かに迷子で泣いていた男の子とクッキーを半分くらい食べてしまったでしゅ。

 

でも、今見たらバスケットの中はクッキーでいっぱいでしゅ。

 

・・・不思議でしゅ。魔法のバスケットでしゅ。

 

 

 

「お届け物ご苦労様! このクッキーによく合う紅茶を入れるから、一緒に食べよう?」

 

 

 

メーリングおねえしゃんに誘われたので、お茶してから帰る事にするでしゅ!

 

 

 

おつかい大成功の後で飲む紅茶はカクベツなのでしゅ!

 

・・・でも、無事に帰るまでがおつかいだってご主人しゃまが言っていたのでしゅ。

 

メーリングおねえしゃんとお茶をした後も油断せず気を付けて帰るでしゅ!

 

 

 

無事に帰ってご主人しゃまにいーっぱい褒めてもらうでしゅ!

 

 




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