転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

273 / 332
第234話 新たな抗争の勃発を暖かく見守ろう

ヤーベがアナスタシアを口説いてノーワロディの<火球(ファイアボール)>に吹っ飛ばされていた頃―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがヤーベの奴が住んでいる屋敷かえ?なかなかじゃの」

 

 

 

「あ―――――!ライバルでしゅ!ライバルが現れたでしゅ!」

 

 

 

リーナがアホ毛をピーンと立てて腕をブンブン振って指さす。

 

その先にはヤーベが「とりあえず客人」として屋敷に連れて来ていた<古代竜(エンシェントドラゴン)>ミーティアの姿があった。

 

 

 

「なんじゃ?このお子様は?」

 

 

 

「ふおおっ!ライバルでしゅ! ライバルなのでしゅ!」

 

 

 

両腕をぐるぐる回して暴れるリーナ。こんな反応のリーナは珍しかった。

 

 

 

「どうしたリーナ?何がライバルなんだ? 大体、この子供はとりあえず客人としてヤーベが連れてきたのだろう?」

 

 

 

「ライバルなのでしゅ!ご主人しゃまは渡さないのでしゅ!」

 

 

 

両腕をぐるぐるパンチの要領で振り回しミーティアに突撃しようとするリーナをとりあえず止めるフィレオンティーナ。

 

 

 

「何を言っとるか、この小娘は?」

 

 

 

「にゅ~~~! ライバルも小娘こむしゅめなのでしゅ!」

 

 

 

「はっはっは、ワシは<古代竜(エンシェントドラゴン)>じゃぞ? この姿は仮初の物。実際には千年以上生きておるわ」

 

 

 

からからと笑うミーティア。

 

 

 

「え~~~、そうなの?じゃあすごい素材が取れるって事だよね?よね?」

 

 

 

目を爛々と輝かせ見つめてきたのは錬金術師のサリーナであった。なぜかすでに黄金の錬金釜を手に持って撫でながらの登場であった。

 

 

 

「おわっ!何じゃこの娘っ子は!?」

 

 

 

「その娘はサリーナだ。私たちはみんなヤーベの妻になるのだが・・・、サリーナは一応第五奥様になるのか?」

 

 

 

「だから第五夫人だよ、イリーナちゃん」

 

 

 

イリーナの説明にルシーナが突っ込む。

 

 

 

「む・・・? もしかしてそちらも皆ヤーベの奥方になるのか・・・?」

 

 

 

「うむ、そうだ。私が第一奥様・・・じゃなかった、第一夫人・・・でもないな。カッシーナが来ると私は対外的に第二夫人と説明せねばならんのか」

 

 

 

「微妙に言葉尻にトゲがあるよ、イリーナちゃん」

 

 

 

ルシーナがイリーナを嗜める。カッシーナ自身は遠慮しているが、対外的にバルバロイ王国の第二王女を娶っておいて、第五夫人です、などと言えばとんでもないことになってしまう。大体来週末に予定されている結婚式もヤーベとカッシーナ王女が主役であり、イリーナたちは良くて後ろに並んでパレードに参加できるくらいだろう。

 

 

 

「むう・・・、ヤーベは番をたくさん連れておるのか・・・雄として優秀と言う事じゃな」

 

 

 

ミーティアが腕を組み、考える様に言う。

 

 

 

「ご主人しゃまは優秀でしゅが、ライバルには渡さないのでしゅ!」

 

 

 

今にもミーティアに襲い掛かりそうな勢いのリーナを後ろから羽交い絞め・・・というか抱っこするフィレオンティーナ。

 

フィレオンティーナはミーティアが幼女になる前の<古代竜(エンシェントドラゴン)>の姿を見ているため、まだあまりミーティアに突っ込む気にはなれなかった。

 

 

 

「リーナよ、ミーティアをライバルライバルと連呼しているが、何がライバルなのだ?」

 

 

 

イリーナが首を傾げる。

 

 

 

「うーん、そうだね~」

 

 

 

そう言ってルシーナがミーティアとリーナを並ばせる。

 

ほとんど同じ身長だが、僅かにミーティアの頭に生える短い角がリーナの身長を上回った。

 

 

 

「みゅ~~~~!」

 

「ぬうっふっふっふ。おこちゃまの身長を上回ったようじゃの!」

 

 

 

負けたリーナが目を(><)な感じにして悔しがる。

 

怪しい笑いで勝ち誇るミーティア。

 

 

 

「ご主人しゃまには身長よりおっぱいなのでしゅ!フィレオンティーナおねーしゃまを見る目がエッチだから間違いないのでしゅ!」

 

 

 

そう言って自分の胸?というか胸板を両手でワシワシする。

 

とりあえずツルペタな状態を少しでも大きくしようとしているのか。

 

そして何気にこの場にいないヤーベの性癖がリーナによって暴露されると言う悲劇も勃発した。

 

 

 

ジトッとした目でフィレオンティーナを見るイリーナ、ルシーナ、サリーナの三人。

 

フィレオンティーナはちょっと頬を赤く染めて恥じらうが、何故か顔の半分でドヤ感を出しているようにも見えた。

 

 

 

「ぬうっ!胸だって小娘よりはワシの方があるのじゃ!」

 

 

 

そう言ってミーティアも胸?というか胸板を両手でムギュムギュする。

 

リーナとミーティアが競って自分の胸?というか胸板を両手でムギュムギュしているのを見て、何となく微笑ましいものを感じてしまう一同。

 

だが、そちら系の御方がこの場に居れば泣いて喜ぶ垂涎の状況であろうことは間違いないであろう。ここにそちら系の御方は元より男性がいなかったのは僥倖であった。

 

 

 

「きっとその内にご主人しゃまのベッドに潜り込んでご主人しゃまと一緒に寝たり、抱きついてしゅりしゅりしたり、お布団の中でご主人しゃまの匂いをクンクンしたりするようになるでしゅ!」

 

 

 

左手を腰に当て、肩幅ほどに足を開き、右手をまっすぐ伸ばしドーンと人差し指でミーティアを指さす。

 

 

 

「な、なんじゃとう! そのようなハ、ハレンチなこと・・・!」

 

 

 

以外に純情な反応を見せる<古代竜(エンシェントドラゴン)>のミーティア。

 

そして何気に普段のリーナ自身の行動が自身で暴露される。

 

 

 

「な、なんだと・・・!?」

 

「リーナ、恐ろしい子・・・」

 

「リーナちゃん、ちょっと後でおねーさんと話そ?」

 

「リーナさん、旦那様のベッドに潜り込むタイミングについて一つご教授を・・・」

 

 

 

イリーナ、ルシーナ、サリーナ、フィレオンティーナがそれぞれリーナを見つめる。

 

 

 

「ふえっ!?」

 

 

 

リーナにとって今までイリーナたちは「おねーさん」であり、完全な味方の認識であった。そこへ自分と同じ体つきのミーティアが来たのでヤーベを狙うライバルが現れたと焦ったわけだが、実はそれほどヤーベとラブラブ出来ていないイリーナ達奥さんズの面々は、リーナがヤーベと寝ている事は知っていても、まさかギュウギュウ抱きついたりスリスリしていたりクンクンしていたりしているとは思っていなかったのだ。何なら自分たちよりもヤーベとラブラブしているのでは!?と気づいてしまったと言える。

 

 

 

ミーティアの登場により混沌とする奥さんズの面々であった。

 

 




今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!
よろしければしおりや評価よろしくお願い致します。
大変励みになります(^0^)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。