転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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ものすごくいいところで一日更新が飛んでしまいましたね(笑)
気になっていた方にはお待たせいたしました。
グランスィード帝国絶体絶命の大ピンチ、どうなりますか、物語をお楽しみください。


第244話 絶体絶命の窮地を華麗に救ってみよう

「大元帥!魔物は帝城すぐそこまで来ております!」

 

 

 

部下の報告にゴルゴダ・ヤーン大元帥は舌打ちする。

 

 

 

「もう時間が無い!ノーワロディ様に脱出頂くように説得してくる!帝城へ魔物が直撃するのをわずかでも防ぐために俺とともに魔物に突撃する決死隊を三百募れ!それ以外は帝都住民の避難を優先させろ!」

 

 

 

そう指示を出すゴルゴダ・ヤーン大元帥だったが、正直、とても間に合わないと感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

ノーワロディの下へ急ぐゴルゴダ・ヤーン大元帥と廊下で遭遇したのは宰相の地位にいるジークであった。

 

 

 

「ゴルゴダ・ヤーン大元帥・・・この度は・・・」

 

 

 

暗い表情で俯くジーク。

 

その肩をバンッと叩く。

 

 

 

「何を落ち込んでおるか!今はそんなヒマすらないわ!しっかりせいっ!おぬしら若者がこの帝国を支えてゆくのだろうが!」

 

 

 

叱咤激励を入れるゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

ジーンはレジスタンス上がりであったが、旧帝国時代から名を馳せていたゴルゴダ・ヤーンら軍部の上層部には敬意を払っている男だった。

 

それだけに今の状況はノーワロディの失策と一部レジスタンス上がりの大臣の勝手な行動で圧倒的窮地に陥ってしまったことへの負い目がジークを押し潰さんとしていた。

 

それを一目で見抜いたゴルゴダ・ヤーン大元帥はジークにカツを入れたのであった。

 

 

 

「は、はいっ!」

 

 

 

「お主は文官たちを城から退避させよ! ワシはノーワロディ様の脱出を見届けたら一分一秒でもあの魔物どもを食い止める!」

 

 

 

「そっ!それでは・・・!」

 

 

 

「行けいっ!時間がないっ!」

 

 

 

バシンと背中を叩く。

 

 

 

「は、はいっ!」

 

 

 

ダッシュで走っていくジーク。

 

 

 

「ふっ・・・、この国は若いモンに任せるとしようかのう」

 

 

 

走りだしながらゴルゴダ・ヤーン大元帥は何となく楽しくなってにやりと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノーワロディ様!すぐに母上殿と脱出を!」

 

 

 

バルコニーに到着したゴルゴダ・ヤーン大元帥は、いまだ両膝をついて泣いているノーワロディに声を掛けた。

 

 

 

「ノーワロディ様!いつまで呆けているのです!魔物はもうすぐ目の前まで接近しますぞ!早く母上殿と城から脱出ください!」

 

 

 

肩をゆすって声を掛けるゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

 

 

「もう・・・終わりよ・・・間に合わないわ・・・」

 

 

 

涙を流しながらそうつぶやくノーワロディ。

 

 

 

「何をおっしゃるか! ワシは今から決死隊を率いてあの魔物の群れに突撃致す!ノーワロディ様と母上殿が少しでも遠くへ逃げられるよう一分一秒でも稼ぎます!だから早く城から脱出なされよ!」

 

 

 

今度は片膝を着き、目線を同じ高さに合わせたうえで両肩をつかみ、ゆすりながら声を掛けるゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

 

 

「そ、そんな・・・あんな魔物の群れに突撃したら間違いなく死ぬわ!」

 

 

 

「ここにいても同じです!ならば、自分の主君を生かすため、その命を懸けるのは武人にとって本懐ともいうべきもの。望むところです!ですから、早く脱出してください!」

 

 

 

真剣なゴルゴダ・ヤーン大元帥の説得に心揺れるノーワロディ。

 

そんな時、この緊迫した場面に似合わぬ声が聞こえてきた。

 

 

 

「そうよ~ロディちゃん。もうダメ~、なんて、あきらめちゃだめよ? もうダメ~なんて、使っていいのは殿方と床を一緒にする時だけですよ?」

 

 

 

ガクリとくるノーワロディ。

 

あっけにとられるゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

バルコニーに現れたのは少々薄手のドレスに着飾った母親、アナスタシアであった。

 

 

 

「は、母上殿も早く脱出ください!今にこの城に魔物が殺到致しますぞ!」

 

「お、お母さんだけでも逃げて!」

 

 

 

ノーワロディは、なんでそんなおしゃれなカッコしてるの?という疑問をとりあえず横に置いておいた。

 

だが、二人の必死な形相を見ながらも優しく微笑んだままのアナスタシア。

 

 

 

「そうねぇ・・・ちょっと大変な感じねぇ」

 

 

 

「ちょ・・・ちょっと!?」

 

 

 

ゴルゴダ・ヤーン大元帥は開いた口がふさがらなくなった。

 

この数万にも及ぶ魔物の群れが押し寄せてくるこの状況を、何をどうしたら、()()()()()()、で済むというのか。

 

 

 

「さあ祈りましょう、あの方へ。きっと・・・きっと約束をたがえるような人ではないと信じていますので」

 

 

 

そう言ってバルコニーの先端まで行くと、バサリとドレスの裾を広げ、片膝を着いて両手を組み、祈り始めた。

 

 

 

「い・・・祈る・・・?」

 

 

 

ゴルゴダ・ヤーン大元帥は全く理解できなかった。

 

この期に及んで、()()()()ことで何か解決できるというのか。神の奇跡が起きるとでもいうのか。

 

 

 

「お・・・お母さんまさか・・・」

 

 

 

ノーワロディは母親が何に祈っているのか・・・いや、()()祈っているのか想像がついた。

 

 

 

「ヤーベ様・・・今帝国は魔物の群れの襲撃を受けております・・・。このままでは私も魔物に食べられちゃいそうです・・・、できるなら魔物じゃなくてヤーベさんに食べられたいなぁ・・・なんて、エヘ♡」

 

 

 

「何の祈り!?」

 

 

 

ノーワロディは自分の母親の祈りの言葉に頭が痛くなった。

 

 

 

「このままだと、私だけじゃなくてロディちゃんも、ヤーンさんも、帝都に住む多くの住民にもたくさんの被害が出てしまいそうです。それはとても悲しいことです。どうぞ私たちをお助け下さい・・・」

 

 

 

本気か!?本気なのか!? 

 

ノーワロディは雲霞の如く押し寄せる魔物の群れに一切怯えることなく、凛とした佇まいで祈りをささげる自身の母親を信じられないものを見るような目で見つめた。

 

・・・祈りの言葉も信じられないと思ったことは横に置いておく。

 

 

 

「いや、母上殿。祈るよりも先に脱出を・・・」

 

 

 

祈りをささげるアナスタシアに声を掛けるゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

だが、

 

 

 

ドガガガガガガガ―――――ン!!!!

 

 

 

 

 

凄まじい轟音が鳴り響く。

 

 

 

その光景に目を伺うノーワロディとゴルゴダ・ヤーン大元帥。

 

 

 

その一瞬で巨大な炎が、雷が、竜巻が、氷の吹雪が数万の魔物の群れに襲い掛かった。

 

途轍もない爆音や衝撃が辺りを襲う。

 

魔物の第一波が完全に噴きとばされ、焼かれ、粉々に砕け散る。

 

 

 

「こ・・・これはっ!?」

 

 

 

ゴルゴダ・ヤーン大元帥が声を上げるが、ノーワロディはあまりの情景に一言も発せずにいた。

 

 

 

「ほら・・・やっぱり助けに来てくれました」

 

 

 

嬉しそうに立ち上がるアナスタシア。

 

 

 

「え・・・まさか・・・?」

 

 

 

母親の後ろ姿を見つめながら言葉を紡ぐノーワロディ。

 

 

 

その瞬間、空に途轍もない衝撃が走る。

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間―――――

 

 

 

 

 

 

 

「は―――――っはっは! アナスタシア!お前を助けに来たぞ!」

 

 

 

見つめる空の先には、体長二十メートルはあろうかという巨大な<古代竜(エンシェントドラゴン)>に跨ったヤーベの姿が浮かんでいた。

 

 




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