転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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第32話 開村祭を盛り上げよう

アツアツの唐揚げ第一弾が揚がったところで、村長さんが開村祭の開催を宣言する。

 

「皆の者!これより開村祭を開催する!今年は精霊様のご加護もある!全力で楽しむとしようぞ!」

 

「いや、精霊でもないし、ご加護も授けられませんけどね」

 

何度目かのやり取りかは不明だけど、俺様はもう精霊様らしい。

 

やってることはワイルドボアの丸焼きとアースバードの唐揚げしかやってませんけどね~

 

見れば村人たちは色とりどりの服を着ている。

 

「あれは今日のための一張羅を着ているのですよ。普段は畑仕事ばかりですからな」

 

楽しそうに村長が説明してくれる。

 

俺たちの用意した丸焼きと唐揚げの他にも、村で取れた野菜を使った野菜炒めをおばちゃん達が作っている。大きな鉄鍋で野菜をお玉でかき混ぜながら炒めているな。実に素朴な感じだがとってもおいしそうだ。

 

炒めた野菜を木皿に盛って行く。自由に取って食べるスタイルなんだな。

 

「こ、これは!何てうまさだ!」

「この村の野菜ですよね!」

「これは王都でも大人気になりますよ!」

 

やたら盛り上がってるな。よく見ると村人ではなさそうだ。

 

「ほっほ、ソレナリーニの町や遠くは王都からの商人たちにわが村の野菜が大評判でしてな。この前からヤーベ殿に水をやって頂いた畑で取れた野菜ですぞ。通常より大きく育ってたくさん実もつけて、何よりおいしいのです。「奇跡の野菜」として売り出そうと計画しております」

 

いやいや、商魂逞しいね。俺、ずっと畑にお水撒く作業はお約束しませんけどねっ!

まあ、俺のせいじゃなくて、奇跡の泉の水のせいなら、泉から汲んで来ればいいのかな?まあ、泉の畔で暮らしてる俺からすると、泉に毎日押しかけられるのはあまりうれしくないけどね。

 

おっと、子供たちがイリーナが揚げている唐揚げの元へ集まって来たぞ。

 

「子供たちよ、おいしいおいしい唐揚げだぞ~。あまり鍋の近くに寄ると油が跳ねて熱いからな~。ちゃんと並べ~、たくさんあるから大丈夫だぞ~」

 

「「「はーい!」」」

 

子供たちに声を掛けると、素直に返事をしてお行儀よく並ぶ。いい子たちばかりだな。

 

俺は唐揚げを串にさして子供たちに一本ずつ渡していく。

 

「熱いから気をつけて食べろよ~」

 

「「「はーい!!」」」

 

一斉にアースバードの唐揚げにかぶりつく子供たち。

 

「「「はふっはふっ、おいしー!」」」

 

アースバードの唐揚げは子供たちにも大人気のようだ。

 

「ヤーベ殿、次のアースバードを出してくれないか。どんどん揚げて行く事にするよ」

「わかった」

「それにしても子供たちはヤーベ殿の言うことをよく聞くのだな?」

 

イリーナが粉塗れにしたアースバードの肉を油に投入しながら感想を述べる。

 

「そりゃそうさ、何たってヤーベは神様何だからな!」

「うんうん!」

「かーちゃんを元気にしてくれたし!」

「みんなにも自慢したんだよー」

 

そばに来たのはカンタ、チコちゃんも一緒か。

この二人が仲間の子供たちにいろいろ自慢したんだな。

それにしても、ついに精霊様から神様にランクアップしましたね。何故に?

とりあえずせっかくだから、カンタとチコちゃんにも唐揚げを食べてもらおう。

 

「うまー!」

「おいしー!」

 

二人にも大好評だ。そうこうしているうちに子供たちがおいしそうに食べている唐揚げに興味を持った大人たちもやってくる。野菜炒めに感動していた商人の人たちもやって来た。とりあえず一人一個で様子見てね。

 

「うまいなー」

「おいしいわ!」

 

村人にも好評だったのだが、商人たちは想像以上に食いついた。

 

「こっ、これは何といううまさだ!」

「これは何という料理なのですか!? 唐揚げ?」

「アツアツのサクサクなのに中はジュワっと肉汁が溢れる!」

「アースバードの肉なのですか!? 調理法は!」

 

商人たちが群がってくる。はっはっは、大人気だね~・・・・・・あ!

俺、ティアドロップ型とは言え、スライムのまんまだったわ。

商人たちに姿をバッチリ見られちゃったけど、どーしよう? まずいかな?もうどーしようもないけど。

 

「ほっほっほ、ヤーベ殿のお姿は精霊様が顕現されているため、無礼を働くと精霊様のご不興を招くことになりかねませんぞ、とは伝えておりますのでどうぞご安心を」

 

え~、どう安心していいかはわかりませんけども!

 

そうしていると、中央広場に出来た催し舞台で出し物が始まる。

 

歌を歌うものが続いたかと思うと、子供たちの演劇があったりする。

おや、次はヒヨコ軍団じゃないか。

 

・・・ズラリと並んで、まさかのベリーダンス?翼を組んでぴよぴよ足を上げながら踊る。

め、めちゃくちゃ可愛い!いつの間にこんな練習を!

大体、俺に見てもらって感想を貰わないと出し物出せないって言ってたくせに~!

俺の気づかないうちにこっそり練習していたんだな~。

俺に見せたのはぴよぴよと歌う歌だけだったのに!

最もヒヨコたちは小さいので観客の皆さんもかなり前に集まって来ているけど。

 

見ると、風の精霊シルフィーと土の精霊ベルヒアがヒヨコたちを見守っていた。

 

「上手だよー!」

「がんばってね~」

 

あの二人の特訓なのか?

仲良くなるのはいい事だけどね。

 

ヒヨコ軍団の後は何故か狼牙軍団が部隊へ並んで移動して行く。

こちらもズラリと並んでお座りした。まさか狼牙族も出し物あるのか?

そして水の精霊ウィンティアが何故か指揮棒を持って出て行く。

そして、舞台中央で観客に向いて一礼。ローガ達もペコリとお辞儀。

スチャッと指揮棒を構えたウィンティアが一振りする。

 

「「「「わわわわ~ふ!」」」」

 

一糸乱れぬ声で歌いだす。ウィンティアの指揮棒がリズミカルに振られると、ローガ達狼牙族が見事な輪唱で歌い上げて行く。

 

「わわわわ~ふ」「わわわわ~ふ」「わわわわ~ふ」

 

おおっ!ローガ達がこれほどの団結力を見せるとは、素晴らしいの一言だ!

 

ヒヨコ軍団も狼牙軍団も大喝采を浴びていた。よかったよかった。

 

おっと、ワイルドボアもいい具合に焼けてきているようだ。

ずっと火の番とくるくる回しを担当していたヒヨコたちを労いながら、メインのワイルドボアを切り分ける準備を始めようか。

 

 





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