転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?   作:西園寺卓也

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第44話 この世界の事を勉強しよう

「それでは、気になっておられます奴隷制度の事を簡単に説明した後、この世界の事から説明することにいたしましょうか?」

 

にっこり笑って説明を始めるナイセー。

すいませんね!ラノベで育ったラノベ大魔王としては、ハーレムコースの確認をせずにはいられないのですよ!だいたいねーよ! ヘソまで反り返った俺様のピーーーーが! なにせスライムだからな! ・・・ええ、誇張しましたよ! 俺様のピーーーーなんてヘソまで反り返ってなかったですよ! 

だいぶ盛りましたけど何か?

後、魂の絶叫は二回目ですけど何か?

 

「奴隷制度ですが、まず購入者には厳格な人物証明が求められます。貴族は当主であれば問題ありません。商人であれば商人ギルドのギルドカード、冒険者であれば冒険者ギルドのギルドカードですね。一般市民であれば町クラスの市民証が必要です」

 

「市民証なんて誰でも持っているものでは?」

 

「実は市民証をちゃんと保持している者ばかりではないのですよ。市民証は一定の税を、それも比較的高いランクで支払い続けている者だけが発行されます。一般の市民の大半は市民証ではなく登録証という別の証明書を発行されています。こちらは銅貨五枚で誰でも発行されます。これがあれば町の出入りは税がかかりません」

 

「なるほど、登録証では奴隷が買えないのだな?」

 

「その通りです。登録証では奴隷を買うことは出来ません。ある程度財力がないと奴隷を維持することが難しいと考えられているからです」

 

「なるほど、そうすると奴隷の権利というものはある程度確立されているのだな」

 

「そうですね、権利と言っていいのかどうかわかりませんが、奴隷を買う側にはいくつか制約があります。買った奴隷がまともに生活できないと言ったことが無いように食事を与える義務や健康に留意する義務などです。また奴隷に対する安全配慮も義務が生じます」

 

「安全配慮?」

 

「明らかに死ぬと分かっているような業務に従事されるような事・・・などですね。あまり多くの事象はないでしょうが、極端に無理な事をさせない・・・という意味合いでしょうか。また、もちろん殺人などの人を害する犯罪を強要することも出来ません」

 

「なるほど」

 

「奴隷契約には<協定の契約(ミューチュアルコントラクト)>という魔法を使います。先の奴隷法を順守するという買い手側と主人を害さない、命令を遵守する、といった奴隷側の意思を確認した後、制約するものです。制約後は奴隷側に「奴隷紋」が浮かび上がります。これは必ず右手の甲に出ます。そのものが奴隷であるという証明をいつも確認できるようにするためです」

 

「そうなのか」

 

奴隷紋に関してはなかなか厳しい措置だな。奴隷を隠したい状況でも、右手の甲をずっと隠すのは難しいだろう。それこそずっとガントレットを付けたまま・・・などなかなかあり得ぬ状況だ。尤も奴隷の身分を隠さねばならないシチュエーションなどなかなかあり得ないだろうけどな。

 

「奴隷契約は同じ方法を用いますが、条件に<借金の完済>が付く場合があります。これは事情により借金をしたものが自分の買い取りを前提に奴隷落ちする場合です。この場合は奴隷を買っても一定の額を奴隷本人が稼いで借金が完済出来た時に奴隷契約が消滅します」

 

「借金の完済が条件の場合、奴隷を買っても権利が残らないのだな」

 

「そうです。ですがその場合、最初に奴隷の権利を買われる場合の金額は一生権利が付く場合に比べてかなり安くなります」

 

「なるほど」

 

特殊な従業員を雇うようなイメージか?

借金の完済が条件に付かない場合は一生その奴隷を面倒見るようなイメージだから、家族・・・か? まあ、奴隷はたぶん売却することも出来るんだろうけどな。俺はきっとそれをすることは出来ないだろう。そんな事が出来る相手なら、最初から金を出して買わないだろう。

 

「この町にも奴隷商人はいますが、この辺り一帯を治めるコルーナ辺境伯の住まれる城塞都市にかなり大きな奴隷商館があります。必要ならばそこへの紹介状も書きましょう」

 

「よろしく頼む」

 

間髪入れず返事をする俺。

ハーレムは少々横に置いておくとしても、やはり奴隷商館の見学など実に必要な事だ。異世界生活に慣れなければ、うんうん。

 

ぎゅうううっ!

 

イリーナさん?両手で握っている手が強くないですか?

痛みは感じませんけどもね、ええ、俺の右手が原型を留めにくいほど握りしめるのはどうかと思いますが?

 

「では、奴隷制度の話はこれくらいにしましょうか。詳細がお知りになりたい場合は実際にお買いになる時に奴隷商人から直接説明を受ける方がいいでしょう」

 

「うむ」

 

そうだね、奴隷商館に紹介状も書いてもらえることだし! その時に詳しく説明を聞こう・・・イリーナを置いて出かけねば。

 

ぎゅぎゅぎゅ!

 

ほわわっ!

 

イリーナさん、だから、形が変わるほど握りしめないでくれません?

 

「それでは世界情勢について説明しましょうか。この世界はレーヴァライン大陸と呼ばれる大きな陸地に大まかに分けて5つの国が栄えています。そのうちの一つがこのバルバロイ王国。建王ロルガメント・アーレル・バルバロイ一世が建国した王国です」

 

おおっ!苦節何か月か(笑) やっとこ判明する世界の大陸と国名! バルバロイ王国ってなかなか勇ましい感じするね。

 

「現在はワーレンハイド・アーレル・バルバロイ十五世が国王として統治しています」

 

ワーレンハイド・・・なんだかごっちゃになったような名前だけど、気にしないことにしよう。

 

「バルバロイ王国には三大公爵家があり、別に四大侯爵家もあります」

 

多いな!三大とか四大とかありがちだけど!

後、小説なんかだと公爵と侯爵の記載違いは分かるけど、喋ってるとどっちも「こうしゃく」なんだよな? トークニュアンスでわかるのかな? お貴族様たちは。

まあ、そんなトップクラスの家柄間違える奴は貴族社会で生きて行けねーか。

 

「その他、伯爵以下貴族たちがおります。ヤーベ殿がこの先バルバロイ王国内を旅するのであれば、その町を納める貴族の評判を十分留意するがよろしかろうと思いますよ。貴族には偏屈な人間や横暴な人間も残念ながら珍しくない」

 

やっぱりそうなのね、ザ・貴族!

この先はヒヨコたちの諜報活動が生命線だな!

 

「ちなみにこのソレナリーニの町は先も名前が出ましたが、フェンベルク・フォン・コルーナ辺境伯が納める地域になります。辺境伯様は立場的には侯爵と伯爵の中間の位置とされていますが、コルーナ辺境伯様は侯爵とほぼ同等の立場として扱われております。この西の辺境はカソの村の奥地に広がる森には強力な魔物が住み着いており、開拓が非常に困難になっております。その広大な未開地を時間をかけて開拓して町を増やしていったコルーナ家の長年の実績が辺境伯という爵位まで与えられる結果となり、また他の貴族様方に一目置かれる存在にもなったのです。今はその実力、財力共に王国内に広く知れ渡っています」

 

コルーナ辺境伯・・・なかなかの御仁のようだ。

会ってみたい気もするが、面倒を起こすのもどうかと思うしな・・・。まあ、なるようになるか。

 

「地理的にはこのソレナリーニの町から東に向かってコルーナ辺境伯が住む城塞都市フェルベーンがあります。さらに東にいくつかの町を経て、タルバリ伯爵の納める領があり、その東に王都バーロンがあります」

 

王都に向かうならば、コルーナ辺境伯領、タルバリ伯爵領を超えて王都バーロンまで向かわなくてはいけないということだ・・・。今のところ王都に向かう理由はないが。

 

「あまり私から貴族間の派閥情報など言わない方がよいでしょう。偏った情報になってしまうかもしれませんしね」

 

ナイセーは首を振りながら言う。

もともとそのあたりの情報は自分でもフィルターを掛けるつもりだった。それを事前に自分でストップさせるのも好感が持てるな。きっと俺が質問をすれば答えてはくれるんだろうけどな。

 

さてさて、<迷宮氾濫(スタンピード)>も落ち着いたことだし、これからの事を考えるとしようか。

 




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