死んでも影激薄な僕が異世界に飛ばされたら最強チートアサシン…?   作:HAL

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旅立ちの日、街に向かう際に出会ったのは…?

 

 

 

「おい!起きろ!朝だぞ!シノブ!」

 

朝…?

 

起き上がる。グラッとして落ちる。

 

「!」

 

「危ない!」

 

レクがいつ下に降りたのかわからない。でも人間になってる。僕何もしてないのに。

 

「気をつけろ!木の所で寝てんの忘れてただろっ!!いくら俊敏性高くても、寝起きまでは猫でも無理だ!それくらいの自覚だけは持てよ!!」

 

怒られた。これは僕が悪い。謝るべきこと。

 

「ごめんなさい」

 

「全く感情こもってねぇけど、まあいい。謝ったことに意味があるからな!これで許す!けど、木で寝る時はちゃんと周りを見ろ。ここに来てばかりだとかは通用しねぇからな?今回は初めての経験だらけだから大目に見るけど、次はちゃんと周りを意識しろ。自分が今どこにいるのかとかな!わかったか?」

 

「わかった」

 

頷いて答えると頭を撫でられた。一方的に怒られることは沢山あった。でも今のはなんたが心が温かくなった。お兄ちゃんのおかげかも。

 

「お兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「ありがとう」

 

「!!」

 

僕はどんな顔して言ったのかわからない。でもお兄ちゃんの顔みたら、すごく綺麗な笑顔をされた。とっても嬉しそう。

 

そういう顔とかしたのかな…?

 

自分自身には自覚がない。表情筋を動かした記憶はないから。それでもお兄ちゃんが僕の顔を見て、表情で表してくれるからわかる。

 

便利…

 

「今なんか俺の存在意義を変に捉えなかったか?」

 

「??」

 

「……わからねぇなら、気にしないことにする」

 

何かに勘が鋭い。これも猫の性質でもある。物や人が動くのをずっと見る。興味がとかじゃないけど、気になって見ることがある。場合によっては、同生物の心も読むこともあるらしい。

 

その辺りは人間と一緒…

 

「さて、飯にしたいのは山々だけどな。持ってないから、とりあえず散策しながら街に向かうぞ」

 

「街?」

 

「ここから北の方に1番近くて大きな街があるんだ。名前はレリク。名前からしても俺の名前に似てんのは、俺が昔住んでた場所で昔名前をくれた街なんだ。主人の方はもう死んじまったけどな。だから、馴染みあるし何がどこにとかも把握できる。そこを拠点の方が俺としても助かるんだ。それにオススメできるとこもたくさんあるし♪あと、ギルドもある!金を稼ぐならそこが1番いいし、オススメの街だけど行くか?」

 

右も左も分からないなら、従う。頷いくと、お兄ちゃんは嬉しそうに歩き始めた。それについて行く。でも足が早い。追いつかない。

 

「って、悪い!!お前のペースに合わせる!!猫のペースと人間のペースが違いすぎて、自分でもビックリしてる…」

 

歩幅を一緒にしてくれたお兄ちゃん。優しい。

 

「あ、そうだ!ギルドに入るにしても討伐とかする時に必要な経験値のこと話すわ!街に着くまでの間には話せるだろうし。画面出してみ」

 

「うん」

 

言われた通り出す。それからお兄ちゃんが指をさした。指を指されてる所を触る。すると地図がポンと出てきた。少しビックリした。

 

「今現在の位置がこれな。赤い丸マークが俺達。で、少し先にほらっ!レリクの街だ!目的地には赤い猫マークが出る。猫マークは他のは色にも変わる。それは敵のレベルを表してる。今はこの辺にいないみたいだからなんもねぇけど、色が出たら教えてやるからな!それまではそのバトルの仕方を教えてやる!」

 

「うん」

 

その後も優しく教えてくれた。今は武器が無いから、『使えるものはなんでも使うといい』って言われた。小石でもいいみたい。それを『投擲(トウテキ)』って言うらしい。投げて敵に攻撃する仕方なんだって。

 

それもレベルMAXだから、命中率?が凄いって…,。そんなに高いのかな…??

 

お兄ちゃんはバトル系は専門外らしい。情報収集が得意って言ってた。人間の状態でも猫の状態でも同じだとか。余り変わらずみたい。

 

凄いのかイマイチ分からない…

 

あと、人間の状態でも猫と話ができるらしい。それから猫の中でも、お兄ちゃんは有名人らしい。名前を聞くだけで、恐れられてるとか。

 

真相は不明だけど、今は少しだけ信じる…

 

地図を見て街の距離を見ると、青色の猫マークが表示されてる。

 

「これは敵マークだな。敵マークの色は大きくわけて3つ。青はレベル1〜20、黄はレベル21〜40、紫はレベル41〜60だ。それ以上は黒だ。けと、ここら辺はだいたい青しかいない。だから滅多に紫以上の敵は出てこねぇな。黄はまあ、洞窟とか待ちよりも離れた位置とかにしか居ないから殺される心配入らねぇ。でも、油断してると足元掬われるから気をつけろ。とりあえずここの地点と街は繋がってるから、まずはレベルアップのために向かうぞ!少し走る!」

 

お兄ちゃんに言われた通り走る。まだ慣れてないので、人間の走り方になる。お兄ちゃんは忍者っぽい。さすがここに長く住んでる猫なだけある。

 

「けどまあ、猫の時と違って人間の走り方は慣れねぇな…。慣れたらそんなこともねぇんだろうけど…。ほら、着いたぜ!あそこだ!」

 

立ち止まり様子を見ると、襲われてるみたいだった。あれは盗賊みたいだった。

 

「盗賊も敵みたいなもんだからな。とりあえず人間がどうか判断する前に、蹴散らす!そこにある石を持て。それをあのデカい図体の男にめがけて投げろ。シノブの投げれる力でいいからよ」

 

言われた通りに投げる。体力はそこまである方じゃない。だから力もそんなにない。だけど、僕の出せる強い投げ方で投げる。すると石はお兄ちゃんの目からも、僕の目からも消えた。その瞬間、石はその図体の大きい人に当たって吹き飛ばした。その仲間の人達も、なんだなんだとキョロキョロしてる。僕は目を閉じてたけど、今度は開けて次の人をめがけて投げる。石はまた消えて、当たったと思ったらその石は曲がって仲間の人達に当てる。横へ上へ下へと自由自在に。恐れたのか人も物も置いて、そのままどこかに消えた。石を投げただけで終わったことに、お兄ちゃんは固まってた。僕はお兄ちゃんの手を揺らした。ハッとしたお兄ちゃんが僕を見て、とりあえず状況確認の前に、襲われてた人達の所に近寄る。それに気づいた人達が、僕らを見て怪しい顔をする。

 

「なんだいアンタらは?」

 

「この先のレリク街に向かう途中だったんだけど、襲われてるのを見て助けようと思いまして。けど、俺たちの服装からしても前線で戦うにしても、これじゃあ多勢に無勢ってもんだ。だから茂みに隠れて退治した、まあ戦い方は上手いってもんじゃないけどな。自分の身も守らねぇとだし。それに俺達まだ冒険者でもねぇから、英雄でもねぇしさ…」

 

お兄ちゃんがその人に話す。でもその人はまだ僕らを警戒してる。僕は何かに気づいた。僕が茂みの中をじっと見る。その間にお兄ちゃんはその人に説得する。

 

「あ、でも護衛はできるぜ!戦うのはこの子だけど、腕はそれなりに立つからさ!俺は情報収集が得意で戦闘は不向きなんだ。だけど、レリクで育ってるからそれなりにレリクでの商売の仕方は教えれるよ?見た所、商売人っぽいしさ?」

 

そう言うとその人は、『商売人』って言葉にピクッと反応した。僕は茂みの中をずっと見てたので、わからないけど、少なくともお兄ちゃんは口元を緩ませてた。僕は見えてないけど。

 

「本当に、儲かり方を知ってるんだろうな?」

 

「もちろん!ちゃんと教えてやるからさ!な?」

 

「よし!乗った!」

 

「よし!シノブ!行くぞ!……って、シノブ?」

 

僕はずっと茂みの中を見ていた。やっと気づいたお兄ちゃんは僕と同じように、茂みの中を見る。でも、何も無い。話してた人も首を傾げている。僕は少し大きめの石を掴む。そしてさっきの容量で、今度は少し鋭い刃物をイメージして飛ばす。その石は見えなくなり、代わりに大きな何かの遠吠えが聞こえた。お兄ちゃんもその人もビックリする。僕はゆっくり茂みの中に入り、そして『何か』を持ってくる。それを見た瞬間、お兄ちゃんもその人を目を丸くして僕を見た。

 

「奥に居た」

 

「いや、居たって…」

 

「ずっとこっち見てた」

 

「いや、見てたって…」

 

「もう死んでる」

 

「な、なんてこった…!」

 

その人もコレに触る。本当に死んでることを確認すると。

 

「商売情報と護衛、それから街まで連れて行ってやろう!それはギルドにでも持ってってお金にするといい。そのままだとアレだから、止血させてからの方がいいだろうな。それも教えよう」

 

そう言ってその人は『何か』の止血をし始めた。まだ僕はこれが何なのか、わかってない。止血してもらってる間、お兄ちゃんに聞いた。

 

「コレは何?」

 

「ん?何が?」

 

「この動物」

 

「これは熊の魔物だな。しかもコイツはどう見ても緑クラスのレベルモンスターだ。それをあの石で意図も簡単に倒すとは俺も驚きだぜ…」

 

「そっか」

 

お兄ちゃんが驚いてる。青よりも強いのを倒した。それに対して驚いてるみたいだ。それからその人、商売人さんは自分の荷台から袋みたいなのを取り出した。

 

「これは今日のお礼だ!持ち物とか運べるバックみたいな代物だ。この袋は特殊なバックらしいんだ。普通のとは違うらしい。俺もにわかに信じ難いが、その魔物もこの袋の中に入れられるらしいんだ。便利だろ?それに、自分の思うバックにできるから大きさも変えられる魔法のバックだ!多分さっき俺を襲った連中はこれを狙ってたのかもな。けど、あんな奴らに渡すよりアンタらに渡した方が宝の持ち腐れにならねぇで済むだろ!だから、貰ってくれ!まあ、その子が持つよりお兄さんが持った方が良いかもだけどな!」

 

それは身長の意味でかな…?

 

「わかった!有難く使わせてもらうぜ!よし、この熊をこのバックにしまおう!シノブ」

 

「わかった」

 

その袋を広げて熊をしまう。本当にしまえた。凄い。それから商売人さんは馬を引き、お兄ちゃんと僕は荷台の上に乗って、護衛をすることになった。その際にお兄ちゃんが、画面を開くように言ってきた。僕は従うように画面を開く。

 

「今プロフィール状態になってるよな?んで、お前の名前の下にシノブのレベルが表示されてるだろ?それを見てみろ………って…」

 

「レベル32…」

 

「マジかよ…。ここら辺のモンスターは相手にもならねぇな…、やっぱあの魔物倒したからだろうな…。そうじゃねぇとこんなにレベルも上がらねぇし。能力値はだいたいMAXだから何も変わらねぇ。サブの能力値やメイン能力値でレベル1の奴もそんなに上がってねぇからな。経験値だけはちょっと付いてるけど、それだけだしな。何か覚えたわけでも……おっ!覚えてる!」

 

何が覚えたのかな…?

 

ステータスの『技』を見ると、難しい漢字が並んでた。何て読むのかわからない。ハテナを浮かべていると、お兄ちゃんが教えてくれた。

 

「【神出鬼没】と【全音遮断】と【影縛り】と【広範囲察知】、これは主に補助的な技だな。攻撃的な技は【連続斬】と【裂空斬】と【拡散投擲】と【斬月】みたいだ。補助的な技はその名の通りだな。これを技にしていいのか疑問だが、表示されてるからそうなんだろうな。攻撃的な技の方から説明するぞ。まず『連続斬』だ。ざっくりと言うからな!

 

【連続斬】

使用武器:短剣

無数の斬撃を食らわすことが出来る。

単体攻撃に適した技。

 

【裂空斬】

使用武器:短剣

空気を分裂するほどの威力を持つ。

振り下ろしたその空気の層が刃となって攻撃する。

単体攻撃に適した技。

 

【拡散投擲】

使用武器:暗器・槍・石

1個の武器で敵の数が10体につき、10個に分身して増える。

集中力によって数が変わる。全体攻撃に適した技。

 

【斬月】

使用武器:短剣

月のような静かさで影のように攻撃する。

姿が見えない斬撃。単体攻撃に適した必殺技。

 

ってことだな。今の所この中で使えるのは【拡散投擲】だな。石も使えるって事だから。大きさによってはスゲー技だな!でもって攻撃力によっては力倍増だろ?最強かよ!」

 

お兄ちゃんが僕より興奮してる。すごいってことなんだと思う。僕はわからないけど、お兄ちゃんの感情で読み取る。とても楽しそうだ。

 

「補助的な技も申し分ない!【全音遮断】とか隠密行動に適した技だし、【神出鬼没】は居たはずの奴が居なかったり居ないはずの奴が居たりみたいな技だし、【影縛り】は人の影を縛って動けなくする技。けどこの中で1番役に立つ技は【広範囲察知】だな!今までは地図見て、敵の位置を知らなきゃいけなかったのにそれを省略してすぐ見つけては攻撃できる技だ!超有能すぎてこんな序盤から、覚えちまうなんて!シノブはスゲーな!本当によ!」

 

すごい褒められた。レベルで技が覚えれる、でもその基準は何かわからない。どのタイミングで覚えるのか、不思議。でも嬉しいかも。それから、お兄ちゃんは興奮するだけして次の説明に入った。さっき貰ったバックのことだった。

 

「次は俺のアイコンを触って、俺のプロフィールを見てくれ。そこに『カバン』が表示されてるから、それを俺の左下に空欄があるだろ?そこにその『カバン』を置く。すると俺に合わせて大きさが変わる」

 

従ってやると、お兄ちゃんが付けた『カバン』は中ぐらいの大きさになった。

 

僕の世界で言う『ハンドバック』みたいな…?

 

でも軽いらしい。まるで空のカバンみたいらしい。僕もちょっと持ったけど軽かった。

 

「そんでこれは『収納整理バック』って言うんだ。さっきのモンスターを入れることもできるし、重要な紙とか回復薬とかと区別して、自分の欲しいものを想像したり言葉にするとその出したい物が出せるバックだな。これは序盤から貰えるような代物じゃない!すごくレアなんだ!しかもこれ、自分の所有物になると見た目布なのに丈夫で切れない布になるらしい!あ、猫になってもそのバックの大きさもちゃんと変わるらしいから便利に作られてるみたいだな!情報収集を得意とする俺にとってはなくてはならない、レアアイテムだ!嬉しいぜ!」

 

また興奮してきた。説明してる時は冷静だけど、脱線すると興奮する。お兄ちゃんと知り合ってわかった癖、『脱線すると興奮する』。今は仕方ないけど、今後またこうなるなら考えといけない。話が進まない。また興奮したお兄ちゃんが、自力で落ち着いた所で、馬を引いてる商売人さんが明るい声で言う。

 

「おーい!見えてきたぞ!レリク街だ!」

 

目と鼻の先に街が見える。とっても大きな所。お城みたいな所もある。すごい場所。

 

ここにお兄ちゃんも住んでたのか…

 

お兄ちゃんを見ると、なんだか悲しい顔をしてた。嬉しい顔をすると思ったら、違った。

 

……何かあったのな…?

 

でも聞くのが怖くて、それ以上考えるのはやめた。話したくなるまで待つ。それがいい。そう思って僕とお兄ちゃんと商売人さんは、もうすぐ着くレリクの街に向かい、そして二度目の人生を歩むのだった。

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