オリ主のストーリーというより、エイジ・オブ・ウルトロンの前日談みたいな感じです。
「そういえばさ」
「何だ?」
「ソーのムジョルニアって何で出来てるんだ?」
ソーと一緒に犯罪者達を一掃した後、手元に戻ってきたムジョルニアを指差しながら俺は尋ねた。
スティーブが持つ盾以外ならどんな物でも破壊し、持ち主が念じる事でどこからでも飛んでくる。さらには心が高潔な者しか持ち上げる事が出来ない不思議な武器だ。
「ムジョルニアはウルという金属から出来てる。アスガルドの武器にも使われてる金属だ」
「へぇ……ウルか」
そんな金属は聞いた事ないな。たぶんアスガルドでしか生産していない金属なんだろう。
「じゃあ、ソーにしか持ち上げられないってのは?」
「それは俺が高潔な魂を持っているからだ!」
「いや、そうじゃなくてどうやってムジョルニアはそれを判別してるのかってこと」
もしも地球でもその機能を『持ち主にしか扱えない』というもので再現できたら、防犯予防とか他人に武器を奪われるリスクとかを減らす事が出来るんじゃないか?
「それは…………俺も知らん!」
……まぁ、ソーって基本、脳筋だからな。
「秘書には慣れたのか?」
「ええ、まぁ。今までS.H.I.E.L.D.の副長官として働いてきた甲斐もあって、すぐに慣れたわ」
マリア・ヒルはS.H.I.E.L.D.崩壊後、スターク社のCEOであるペッパーの秘書として働いている。まぁ、それはスタークの弁護士を使って、自分を投獄しようとしてくる奴らから身を守る為なんだが。
「フューリーと連絡は?」
「定期的にしてる。今はソコヴィアに向かってると言ってたわ」
ソコヴィア……確か東欧にある小国か。最近は政治的に不安定な情勢で紛争が絶えないって話だ。しかもその紛争に使われてる兵器のほとんどはスタークが作ったもの。軍需産業を撤退したとはいえ、兵器がまだまだ残っている事にスタークは心を痛めていたな。
「そこにヒドラが?」
「それは分からないわ。噂程度の情報を元に追っているんだもの」
S.H.I.E.L.D.が壊滅し、すぐに手に入っていた情報が今ではその程度しか手に入らないのが現状だ。だがたったのそれだけでヒドラを追い続けているフューリーは凄いと言えるだろうな。
「……アーマー?俺に?」
「ああ、そうだ。君専用のアーマーだよ」
スタークに呼ばれてラボを訪れた俺は、そこで見せられた3Dホログラムのアーマーを指差して尋ねた。
「エイナム、君はバリアを張って身を守ってるが……攻撃と同時には出来ないだろう」
「そうでもないぞ?両方同時にやるのは難しいだけで」
「だとしても突然襲われた時とかは便利だろ?」
まぁ、確かに。奇襲や予想できない攻撃などはバリアを張れずに受けてしまう時があるからな。
「だからこいつを君にやる。存分に使ってくれ」
「どんな機能をつけるんだ?」
「それは秘密だ、楽しみにしててくれ」
クリントの家族や家の所在地などはフューリーが害が及ばないようにとS.H.I.E.L.D.の記録には残らないよう処理されている。その為、S.H.I.E.L.D.の職員はおろかアベンジャーズの面々でさえその事を知らない。俺とナターシャ、フューリーを除いて。
S.H.I.E.L.D.崩壊後、ナターシャは偽のIDを入手して戦いとは無縁の生活を送っており、クリントも家族の元に戻って平和な日常を送っているらしい。
「そろそろ体が鈍ってきたんだろ?」
「……まぁな」
クリントの子ども達との遊びに疲れた俺は妻のローラが相手をしてくれてる間にその場を離れ、外で弓矢の特訓をしているクリントに声を掛けた。
「S.H.I.E.L.D.が崩壊してから俺はずっと家族と過ごしてるんだ。当たり前だな」
「なら招集されるまでに腕を磨いといてくれよ?」
「……新しいミッションか」
的から矢を引き抜くクリントに俺は書類を渡す。そこに書かれているのはS.H.I.E.L.D.に保管されていたとある武器の記録である。
「ロキの杖が盗まれていたんだ。犯人は最後に調べていた元S.H.I.E.L.D.の科学者、バロン・ストラッカー。ヒドラの残党を指揮している奴だ」
「なるほどな。それで奴の居場所が判明したら?」
「決まってるだろ?」
──────アベンジャーズの総攻撃だ。
次回からはエイジ・オブ・ウルトロン編に入ります!