アベンジャーズーホープ・オブ・レイー   作:白琳

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この話をもってして、この章は終わりになります!


親愛なる隣人(スパイダーマン)

「スウァーノ、なに調べてるんだよ?」

 

俺が基地内にある機器を使い、様々な人物を顔写真付きで調べていると通り掛かったミアから疑問の声を掛けられた。

 

「俺達以外のヒーローをリストにして調べてくれってスティーブから頼まれてる事は知ってるだろ?」

「そういえばそんな事……ああ、それがこれか」

「そういうこと」

 

3Dホログラムで表示されている顔写真は色々ある。以前出会ったスコット・ラングを始め、盲目の弁護士や女性探偵など様々だ。何人かはチームを組み、共に戦った事もあるみたいだが……こいつらはアベンジャーズみたいな表舞台より、裏で活動する方が性に合ってるんだろうな。

 

「……ん?なぁ、こいつって誰だ?」

「どれだ?……ああ、これか」

 

ミアが指差すのは壁にくっついたり、糸らしき物で街中を空中移動しているヒーローの映像だった。

 

「さてな、俺もまだ正体を掴めてない。この映像もネットに投稿されていたものだしな」

「へぇ……まぁ、頑張れ。コーヒーでも淹れてくるか?」

「ああ、頼む」

 

ミアが室内にある簡易的なキッチンへと消え、再びリスト作成をしようとしたが、ミアが気になっていたあの映像を一番前へと持ってきた。

 

「…………」

 

このヒーローが着ているスーツは手作りといった感じが強い。協力者の有無は分からないが、少なくとも正体は民間人の可能性が高い。

そしてやっている事は泥棒退治や道案内など大きくはないが、決して必要がないわけではない。ネットでの評判がいいのも民間人に近い位置で活動しているからだろう。

 

アベンジャーズへの勧誘は置いておくとして……どういった人物なのかは正直気になる。

 

「……調べてみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニューヨークの街中をブランコのように移動していくヒーローの姿が見えた。そいつは人が多く集まっている場所などを通り過ぎる時には必ず声を掛けている。

 

「ねぇっ!事件が起きたらすぐに知らせてよ!?急いで行くからさ!」

 

「今日はいい天気だね!ランニング頑張ってよ!」

 

「あっ、おばあさんこんにちは!今日は大丈夫?何も盗まれてない?」

 

「僕を撮ってくれるって?いいよ!どんなポーズがいい?こう、糸を出してるとことか?」

 

市民に声を掛け、良好な関係を築いているのはいい事だ。大きな事件を相手にしている俺達みたいなヒーローにはそんな事さえ出来ないからな。

 

「ねぇっ、その武器どこで買ったの?すっごくかっこいいよ!でも残念、それは僕が没収して君と一緒に警察に届けてあげるから。……えっ、不審者が何を言ってるんだって?僕は不審者なんかじゃない!スパイダーマンだ!」

 

……でも、敵にまでお喋りはしなくていいと思うが。

 

 

 

 

 

「はぁー……今日も疲れたなぁ」

 

ビルの屋上に着地したスパイダーマンは柵に座り、マスクを脱ぐ。後ろからしか見えない為、顔は見えないが男性である事に間違いはないだろう。

隠れている俺に気付く事もなく、彼は持っている袋からサンドイッチを取り出して携帯を弄りつつ食べ始めた。

 

……そろそろいいか。

 

「ちょっといいか、スパイダーマン?」

「ぶふっ!?」

 

サンドイッチを吹いた彼は突然声を掛けられた為に、動揺してマスクを被る事すら忘れてこちらを振り向いた。

まぁ、それが目的だったんたが……これでようやく顔を確認する事が出来た。

 

「それとも()()()()()()()()と呼んだ方がいいか?」

「……っ!?」

 

少年、もといパーカーの顔が驚きで埋め尽くされる。当然だろう、今まで誰にも正体を明かさず、活動をしてきたのだから。

だから俺も彼の正体を掴む為に色々な手を打った。最後は自分の目で顔を確認するまで確信はしていなかったが。

 

「何で僕の名前を……って、もしかしてアベンジャーズのスウァーノ・エイナム!?そうですよね!?」

「ん?ああ、そうだけど」

「マジかっ……本物に会えるなんて!あのっ、サイン貰ってもいいですか!?えっと……あ、このスーツでもいいんで!お願いします!!」

「あー……いや、今はペンを持っていなくてな」

「それなら僕のを……って、リュックサックが無いんだった!ああっ、もう僕のバカァ~ッ!」

 

なんていうか……自分の正体がバレた事よりも俺に会えた事に驚いてないか?

 

「なぁ、パーカー?ちょっと落ち着いて……」

「僕、アベンジャーズのファンなんです!こうやってスーツ着て、ヒーロー活動してるのも貴方達みたいになりたくて……あの、僕もアベンジャーズの一員になりたいんです!」

「……とりあえず落ち着け。そして俺の話を聞け」

 

正体を調べていた時は、まさかここまでお喋り好きとは思ってなかったなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アベンジャーズの追加メンバー候補?えっ、それに僕が!?」

「いや、君は違う。もっと下、つまり候補の候補だ」

 

理由としては色々あるが、一番の理由はパーカーがまだ学生だからだ。自警活動ならともかく、アベンジャーズに入ってしまえば学校生活にも支障が出てくる。

それに──────

 

「パーカー。君には家族がいるだろ?」

「えっと……はい、叔母がいます」

「アベンジャーズに入ってしまえばその人が巻き込まれる事だってある」

 

今は脱退しているが、スタークとクリントにも恋人や家族がいる。前者は実際に巻き込まれてるし、後者だって今後もないとも限らない。

それを考えると、パーカーの叔母も危険に巻き込まれる可能性がないわけではなくなってくる。

 

「叔母さんは君がスパイダーマンだって事は?」

「知らないです、話していませんし……でもそれなら叔母さんは僕が守って……」

「……悪い、まだこの話は早かったみたいだな」

 

ヒーローとして活動しているとはいえ、中身はただの学生だ。家族もいて、まだ一人で何かを決められない子供にこんな話を持ってきたのは完全なる間違いだった。

 

「ま、待ってください!僕はアベンジャーズに入りたいんです!」

「言っただろ、候補の候補だって。それにどうしても入りたいならまずは高校を卒業して進路をちゃんと決めてからだ」

 

……パーカーみたいに俺達アベンジャーズに憧れる人はたくさんいる。でもヒーローである事は決して誇れる事でも、自慢できる事でもない。

ヒーローになった事を後悔しているメンバーがいないわけじゃないからだ。それを代償に自分の人生が狂ってしまった奴らだっている。

 

「それまでよく考えとけ。自分がヒーローになった事にどんな意味があるのかを」

 

それが分かった時に、パーカーは自分で答えを出すはずだ。自分がアベンジャーズになるべきか、そうでないべきかが。




これでオリ主とアントマン、スパイダーマンとの顔合わせが出来ました!
これがシビル・ウォー編にどこまで影響を及ぼすかは秘密です。

次回は再びオリ主の章に入っていきます!
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