俺達が空港から立ち去り、身を隠した数日後……スティーブから連絡があった。
辿り着いたシベリアで追ってきたスタークと目的が一致し、ジモを追い詰めた、と。しかしウィンター・ソルジャー軍団は奴により全員殺され、とある映像を流された。
それはバーンズがウィンター・ソルジャーだった時代、スタークの両親であるハワード・スタークとマリア・スタークを襲撃して殺害した映像だったらしい。
怒り心頭なスタークとスティーブ、バーンズは戦い、互いに重傷を負いながらもどうにか勝利。自身の盾を捨て、バーンズと共にシベリアから脱出したとのこと。
つまりスティーブも、スタークとは関係を修復できないまま別れる結果になってしまった。
そこで話は一旦終わったが、他にも聞きたい事はあった。ジモはどうなったのか、今二人はどこにいるのか。それらは全て自分達と合流してから話す事にしようとスティーブから言われた。
そして────────
中央アフリカの小国、ワカンダ。そこは亡きティ・チャカに代わり、ティ・チャラが国王として治める農業国家────というのは表向きであり、実際はヴィブラニウムを研究し、地球上で最も発展した文明を持つ国家である。
そして、犯罪者として追われる俺達をティ・チャラの計らいで匿ってくれる唯一の隠れ家でもあるのだ。
「来てたのか、スティーブ」
「スウァーノか」
ワカンダにある施設の一つをある理由で訪れ、それが終わった後に偶然にもスティーブの姿を見つけ、声を掛けた。
「シュリにアウトエナジーの事を調べさせてほしいって頼まれてな……大変だった」
「なるほど、彼女が張り切ってるのはそのせいか」
「……バーンズの方はどうなんだ?気になってんだろ?」
ジモに洗脳され、事態をややこしくさせたバーンズは二度とそんな事が起こらないようにと、自らの意思で冷凍睡眠装置へと入った。その中で洗脳の解き方が見つかるまで眠る事を覚悟したのだ。
「ああ。……みんな頑張ってくれてるみたいだが、まだ時間がかかるらしい」
「かなり深くまで根付いてるんだな」
スティーブにとってはようやく昔のような関係に戻れた親友が、いつ起きるか分からない眠りについてしまったのだ。落ち込まないわけがない。
「だが……きっといつか、バッキーは目覚めるはずだ」
「そうだな、ワカンダの技術力はスターク以上だ。絶対にうまくいくって」
じゃなきゃスティーブがいくらなんでも哀れ過ぎる。ペギー・カーターが亡くなった今、スティーブの過去を……キャプテン・アメリカになる前のスティーブを知るのはバーンズ一人しかいないのだ。
「……それで?バーンズが起きるまでずっとワカンダで隠れてるつもりか?」
「いや、いつまでも匿ってもらうのもティ・チャラに悪い。いつかは出ていくつもりだ」
サムはともかく、ミアが隠れてるばかりで負けた感じがすると不満を言ってるからな。そろそろスティーブに動いてくれないと、不満が爆発しそうだから丁度良かった。
「そしたらどうする?また世界を救うのか?」
「ああ。スターク達とは別の方法でな」
地球よりも遥か遠い宇宙──────そこを飛ぶ『ステイツマン』と呼ばれる宇宙船は激しい攻撃を受けていた。
しかも搭載してる兵器の数も船の大きさも桁違いな宇宙船、そして宇宙全域で「出会えば終わり」と囁かれる『サンクチュアリⅡ』に、である。
「…………」
『サンクチュアリⅡ』の主は自身の部下を引き連れ、燃え盛る炎で包まれた『ステイツマン』の中を歩いていった。
黄金色の鎧を身に纏い、左手には同じく黄金色のガントレットを嵌めた宇宙最悪の存在。そのガントレットには、
「さぁ、スペース・ストーンを渡してもらおうか」
目の前に倒れているアスガルドの新王────そして最強の雷神とも言われるソーは満身創痍であった。この船に乗るアスガルドの民を守る為に挑んだ末、敗北したのだ。
"狂ったタイタン人"、"全宇宙の敵"とも言われる圧倒的強さを誇る存在──────サノスによって。
MCU作品って、全ての作品が繋がってるから見てない作品があると「これ誰?」って話になりますよね。今回、ソーが宇宙にいる理由を描いていないので、知らない方は「マイティ・ソー バトルロイヤル」を見て頂ければ分かります!一応、次回で簡単な説明はしますが……。
あと、原作と話の流れがそんなに変わらないという感想を貰いましたが、原作との大きな違いはエンドゲーム終盤を予定してます!
そして次回から遂にインフィニティ・ウォー編が始まります!