アベンジャーズーホープ・オブ・レイー   作:白琳

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今回はサノス回です。戦闘がない分、今までより短いです。


失ったモノ

地球より遥か遠い惑星。そして今まで限られた者だけしかその存在を知らなかった未知の惑星──────ヴォーミア。

その惑星に隠され、ストーンを持つに相応しい者を待ち続ける最後にして最強のストーン……ソウル・ストーンがそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────私は今、ソウル・ストーンを手に入れたという達成感と共に酷い後悔をしていた。

 

 

惑星ザンダーを滅ぼし、手に入れたパワー・ストーン。

 

アスガルド人から奪い取ったスペース・ストーン。

 

抵抗するコレクターを殺し、奪い取ったリアリティ・ストーン。

 

 

これら三つのストーンを手にする為に多くの者達を殺した事には何の後悔もしていない。我が悲願を達成する為に必要な犠牲だったのだ。

 

だが……我が愛する娘、ガモーラを殺す事は果たして正しかっただろうか?

 

惑星ノーウェアで偶然にも現れたガモーラを仲間から引き離し、私は宇宙船へと戻った。そこで私の目的を再び聞かせたが共感は得られなかった。

だから私はソウル・ストーンを手に入れる為に、その場所を知るガモーラから何としてでも聞き出さなければならなかったのだ。

 

──────例え、捕らえた妹のネビュラを拷問してガモーラを悲しませる事になっても、だ。

 

そして辿り着いたヴォーミアでストーンの番人(ストーン・キーパー)である男から、『愛する者を犠牲にしなければならない』、と告げられた。

感情を消し、冷酷な性格となった私に愛する者などいない、とガモーラから言われた。確かに私には心から愛した者はいなかった──────娘以外には。

 

「…………」

 

いつの間にか立っていたヴォーミアの湖で、私は底から掬い上げたソウル・ストーンをガントレットへと嵌めた。凄まじい痛みが私を襲う。だがそれはガモーラを失った痛みと比べれば些細なものだった。

 

「……ガモーラ」

 

最初、ガモーラは私を恐れていた。だから私は彼女には戦いの術を教えなかった。代わりに私を父親として見るよう心優しく接したのだ。

そして娘には近しい年齢の者がいない事を不遇に思い、私は拐ってきたネビュラをガモーラの妹として育てる事にした。だがネビュラは反抗的で、私にもガモーラにも襲いかかってきた。故に私が力でねじ伏せ、立場を分からせたのだ。

それから二人は姉妹という関係には程遠かったが、ある程度の信頼関係を築き上げた。それからだ、ガモーラとネビュラが私の為に戦いを教わりたいと言ってきたのは。

 

私は嬉しかった。二人が私の事を思い、そう言ってきてくれたのだから。だから私は直々に二人に戦いを教えた。ガモーラには暗殺者、ネビュラには殺し屋としての術を叩き込んだ。

そして戦う力を付けさせた後、私は二人を戦わせた。結果はガモーラの圧倒的勝利だったが私はある事を思い付いたのだ。

 

敗北者には罰を与える事にすれば、二人は互いに勝つ事を望み、さらに強くなるのでは?と。

 

だから私は負けたネビュラに改造を施した。ガモーラにもネビュラにも止めるよう懇願されたが、ならば二人共してやる事を言えば黙り込んだ。

ガモーラは改造への恐怖から。ネビュラは姉だけでも助ける為に。

 

それからも私は二人は戦わせ、負けた方に改造をしていった。だが全てガモーラの勝利であり、改造はネビュラに集中。結果、あの娘は私が拾った頃とはまったく違った姿へと変わっていた。

反対に勝ち続けたガモーラは褒め、今後の成長に期待している事を告げた。

 

ガモーラは改造への恐怖、そして私からの期待に応える為にネビュラへの情を消して容赦なく戦い、ネビュラはそんな姉に殺意を抱く程の憎しみを持っていった。

この時点で義理の姉妹として互いに認めていたが、この戦いのせいで二人は愛情と憎悪が入り交じった感情を相手に向けていたのである。

 

だから二人が途中から……いや、初めから私を殺す為だけに戦いの術を教わりに来た事を知っていた。だが暗殺者、殺し屋として家族にさえも殺しにいく気持ちでなければならない。

 

愛情、殺意、憎悪──────それらが渦巻きあって私と姉妹の関係は続いてきた。しかし小さい頃から普通の家族でいられなかった私にとって、この新たな家族は運命であったと言えるだろう。

 

「だが……ここで止まるわけにはいかない。いや、もう誰にも止められないのだ」

 

宇宙を駆け巡り、数多くの命を散らし、さらには愛した娘を手にかけた時点でもう遅いが、再び宣言しよう。

 

インフィニティ・ストーンを全て集め、この宇宙の生命を半分に減らして絶滅の危機から救う。それが出来るのはただ一人、私だけなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なに?このままサノスのいる場所に向かうだと?」

「ああ、このまま地球に戻ったっていつかは来る。だったらこっちから奴を攻めてやるんだ」

 

エボニー・マウを浮遊マントの助けもあって宇宙空間へと放り出し、息の根を止めたスタークとピーター。二人と共に助け出されたストレンジは、これからどうするかを話し合っているのだ。

 

「危険過ぎる。タイム・ストーンを奪われるわけにはいかないんだぞ」

「バナーの話じゃあいつはまだストーンを二つしか手に入れてないと言ってた。なら、他のストーンを集められる前に倒すのがいいはずだろ」

「……いいだろう。だが、私は君達の命よりもタイム・ストーンの守護を優先するぞ」

「ああ、しっかり守ってくれよ?」

 

ストレンジとの相談を終えたスタークは話の外にいたピーターに声を掛け、これから始まる戦いの前に彼の覚悟を尋ねる事にした。

 

「パーカー、これから僕達はサノスと戦う。もしかしたら死ぬかもしれない。君にその覚悟はあるか?」

「……うん、あるよ。そいつを倒さなきゃ地球どころか宇宙が危ないんだもんね。僕がスタークさん達の助けになれるか分からないけど……」

「それなら君もアベンジャーズの一人だ。歓迎するよ、ピーター・パーカー」

「っ……は、はい!」

 

Qシップの自動操縦によりサノスが待つ場所へと向かうスターク達。戦いの結果がどうなるか分からないまま、三人はサノス打倒を心に決めるのであった。




エボニー・マウは映画と同じ倒され方をされたのでカットしました。

エンドゲーム以降のお話について

  • エンドゲーム以降も続ける(同作品にて)
  • エンドゲーム以降も続ける(別作品にて)
  • エンドゲーム以降は求めてない
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