ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、略名ガーディアンズ。それは宇宙のならず者達で構成されたヒーローチーム。
地球人と
サノスの義娘にして最強の暗殺者、ガモーラ。
サノスと手を組んでいたロナンに家族を殺され、両者を恨むドラックス・ザ・デストロイヤー。
アライグマに改造された元賞金稼ぎ傭兵のロケット・ラクーン。
ロケットの親友にして相棒、
かつてエゴに育てられ、彼の従者になるも彼の目的を知って裏切り、ガーディアンズの仲間となった昆虫型の人型エイリアン、マンティス。
ザンダーの滅亡を目論んでいたクリー人のロナン、宇宙全体を飲み込もうとした宇宙の起源と同時に生まれたとされる謎の古代種族・セレスティアルのエゴ。
そのどちらも倒し、宇宙の危機を救った彼らは立派なヒーローチームとして活動しているのである。
「ね、ねぇ……貴方達のお友達っていつもあんな感じなの?」
「なにっ?」
ガーディアンズのメンバーとスターク達がサノスとの戦いに備えて相談していると、マンティスが困惑した様子で問い掛けてきた。
その言葉に気付いたスタークが目を向ければ、足を組んで宙に浮かぶストレンジの頭が凄まじい速度であちこちへと振り向いているではないか。
「お、おい!大丈夫か!?」
「はぁ……はぁ……タイム・ストーンで1400万651通りの未来を視てきた。我々とサノスとの戦いの結末を」
「……その内、僕達が勝ったのは?」
「我々が勝ったのは……
「……久し振りの故郷だ」
私はスペース・ストーンの力でワームホールを開き、故郷であるタイタンへと辿り着いた。地球にあるはずのタイム・ストーン……それがこの星から何故か感じられたからだ。
「あれは……」
僅かに文明が残り、荒廃したタイタンの地面を歩いていると破壊されたQシップを見つけた。あのQシップはマウとカルが使っているもの。それがあのような状態であるという事は……なるほど、大体の事情は掴めた。
優秀な部下を失ったのは惜しいが……今まで私に付き従い、共に戦ってくれた事に感謝している。
「ようやく来たか、サノス」
「お前は……」
赤いマントをなびかせながら地上へと降りてきた男に目を向ける。その瞬間、私の頭にこの男のこれまでの記憶、力、人間関係など様々な関係が流れ込んできた。おそらくはソウル・ストーンによるものだろう。
「スティーヴン・ストレンジ……タイム・ストーンを守る地球の魔術師か」
「一つ抜けているぞ。私は、地球最強の魔術師だ」
そう訂正するが、地球人という雑魚共が魔術師になった所で弱い事に変わりはない。その中で最強になっても、私の前では無意味だ。
「ならばその地球最強の魔術師にいい物を見せてやろう」
私はそう言い、リアリティ・ストーンの力を使った。周囲の光景をかつてのタイタンへと変え、高度な文明を築いていた頃の我が故郷を奴に見せたのだ。
「美しいだろう?私の故郷だ。だがこのタイタンは人口の増加により飢餓に見舞われた。だから私が滅びへの道を止めたのだ」
「……虐殺をしてか」
「そうするしか方法がなかった。しかし……タイタンは滅びた。故に他の星は救ってみせると私は決めたのだ」
インフィニティ・ストーンを全て集め、全宇宙の生命体を半分に減らす。そうする事で争いも飢餓も無くなり、この宇宙は滅亡の危機から救われるのだ。
実際、今まで救ってきた星に住む者達は裕福に暮らしている。私が思い描いた未来通りに。
「それを望んでいるのは貴様だけだ」
「そうだろう。誰もやろうとしない。だから私がやり遂げるのだ。狂人と呼ばれようとな」
「その後は?」
「ようやく休める。新たな宇宙の日の出を眺めながらな」
リアリティ・ストーンで生み出した光景を消し、私はガントレットを構える。対峙するあの男も両手にオレンジ色の魔法陣を生み出していた。
「……?」
そこで私は違和感を感じた。突然頭上が暗くなったのだ。すぐに上を向くと、空高くから巨大な物体が落ちてきているのだ。
それを誰が落としているのかはソウル・ストーンが教えてくれた。
アイアンマン──────トニー・スターク。私と同じく知識に呪われ、
私はパワー・ストーンを使ってその物体を破壊し、リアリティ・ストーンで蝙蝠へと変えて奴を襲わせる。
──────それが奴らとの戦いが始まる合図となったのだ。
ストレンジ、スターク。そして
六人で挑んでくるが、それでもインフィニティ・ストーンを持つ私にとっては誰もが雑魚だ。
ミサイルの雨を降らされようと────
魔術で生み出した剣で斬られようと────
粘着性のある糸で視界を塞がれようと────
背中に付けられた爆弾を爆発されようと────
二本の剣でいくら斬り付けられようと────
私には通じない。インフィニティ・ストーンの力で捩じ伏せ、向かってくる者共を叩き潰していく────が。
「っ!!?」
突然後ろから何かに突き飛ばされた。そのままその何かに引きずられるが、どうにか立ち上がるとそれが我が船の輸送機だと気付いた。その時点で操縦者が誰なのかは勘づいた。
「……ネビュラ」
思った通り、ボロボロになった輸送機から出てきたのは我が義娘であるネビュラだった。ガモーラからソウル・ストーンの場所を問いただす為に人質として捕えていたが、逃げ出したか。
「ガモーラは、どうしたの……!?」
「……お前が知る必要はない」
「答えなさい!!」
構えた電気ショックスタッフで私に襲いかかってくるが、私はそれを軽くいなしてネビュラを殴り飛ばした。
「…………」
ガモーラとネビュラがロナンの件やエゴの星での件で絆を深め、義理でありなからも本当の姉妹のようになった事は耳にしていた。
ガモーラが死んだ事は薄々分かっているだろう。ネビュラもガモーラより弱いとはいえ、私の娘だ。姉を失った怒りや悲しみを分かち合いたい気持ちはあるが、ガモーラを奪った私にそんな事は出来ない。
……ネビュラよ、分かってくれ。ガモーラを失わなければソウル・ストーンを手に入れる事は出来なかったのだ。
「ぬぐっ……!?」
ネビュラが加わった奴らと戦いを続けていると、ストレンジが伸ばしてきた鎖がガントレットに絡まり、手が無理矢理に開かれた。
さらにはクイルが地面に設置した機械に右手を引っ張られ、他の者達も私の体を押さえに掛かってきたのだ。
「貴様らっ……!」
『そいつを渡してもらうぞ……!』
スタークがガントレットに掴みかかり、私の左手から抜こうとする。私がそれに抵抗しようとした瞬間、あの虫女……マンティスが頭の上へと落ちてきた。
「あ、がっ……!?」
そして頭を掴まれた瞬間──────目の前の光景が一瞬にして変わったのだ。
「これは……っ!?」
荒廃したタイタンから変わったのは、昔のタイタンであったものの私がリアリティ・ストーンで見せた時のような美しさはない。
多くのタイタン人が死に、火が燃え盛り、多くの屍の上にたった一人の『
「うぅっ……ぐ……!?」
私がタイタン人を虐殺した光景からまた変わり、そしてまた変わっていく。
今まで私が救ってきた星。
マインド・ストーンを手に入れる為に滅ぼした種族。
パワー・ストーンの力で崩壊させたザンダー。
ノーウェアで殺したコレクター。
そして──────
『拐われた時、私はまだ子供だった』
『救ってやったんだ。母を失い、あそこで彷徨っていたお前を』
ガモーラをノーウェアで待ち伏せし、我が船に連れ戻した後。私はソウル・ストーンの在処を尋ねる前に、ガモーラに私の元に戻ってくるよう説得しようとした。私がしている事がどれだけ厳しく、どれだけこの宇宙にとって大事なのかを理解してもらって。
『……いいえ。私は故郷の星で幸せだった』
『腹を空かせ、ゴミを漁ってもか』
ガモーラの種族……緑色の肌と赤紫色の髪が特徴的なゼホベレイも他の星と同じく人口の増加で飢餓に見舞われた者達が大勢いた。ガモーラもその一人であり、過酷な生活を強いられていたのだ。
『崩壊寸前の故郷を私が救ってみせた。その後、どうなった?生まれた子供たちの腹は満たされ、澄んだ空しか知らない。楽園だ』
『半分を殺したからよ』
『小さな犠牲で大勢を救ったのだ』
そうでなければ人口が増え、飢餓や争いが起こる星を救えない。それが嫌なら他の星に移住するしかない。だが生命体が住める星は多くない。移住する為にもその星に住む者達を殺さなければいけなくなる。
『……正気じゃない』
分かっている。正気じゃなければこんな方法を行動に移すはずがない。狂人と言われている私が最も自分を狂人と思っている。
だが……やるしかないのだ。後悔をしようと罪悪感を何度も感じようと。それこそが私の使命であり、タイタンを救えなかった私の
だから──────
『すまない……ガモーラ』
『やめて!!』
私はヴォーミアで大切な娘であるガモーラを殺した。誰もが躊躇うはずの事を私は『宇宙を救う』という目的の為に感情を殺し、実行したのだ。
どれだけ悲しもうと。どれだけ傷つこうと。
狂人と言われようと。正気じゃないと言われようと。
大切な部下を失おうと。大切な娘を失おうと。
私がやらなければならない。この先の宇宙がどうなるか分かっている私だからこそやらなければいけないのだ。
「────……はどこだ!?」
……誰だ?私が今一度、決意を固めた時に声を掛けてくる輩は。
「────……ラをどこにやった!?」
そもそも私は今まで何をしていた。何故私は過去の光景を見ている。
「────……いつは、ガモーラと一緒にヴォーミアに行った。だけどそいつだけが戻り、ガモーラは戻ってこなかった。つまり……っ!!」
……そうだ。思い出した。私は戦っているのだ。タイム・ストーンを手に入れる為に。
「おいっ、言え!俺のガモーラはどこにいる!?」
ガモーラは私の娘だ。貴様のものなどではない……だが、失いつつある意識を目覚めさせる為にこいつを利用させてもらおう。
「ガモー……ラは、死んだ。私が……殺したのだ」
「っ……ふざけんな!嘘だと言えっ!この野郎!!」
顔を何度も強く殴られる。そこで気が付いた。ガントレットがスタークとクズ虫により抜かれようとしているのを。
「ふんっ!!」
「きゃあっ!?」
頭の上にいる邪魔な虫女を振り落とし、私を止めに掛かっている者達を全員殴り飛ばしていく。そしてガントレットを左手に嵌め直し、私は宇宙に浮かぶ月を見た。
「これでもくらうといいっ……!」
ガントレットを月に向け、パワー・ストーンで破壊する。そして巨大な破片へと変わった月をスペース・ストーンで上空へと転移させた。
そして────隕石となったその破片を奴らに向かって落としたのだ。
僅かに残っていたタイタンの文明は墜落する隕石により完全に破壊され、地形も変わっていった。大きな爆発音が響き渡り、瓦礫の山が次々と生まれていく。
「ふっ……はぁっ!」
そんな中、無事だったストレンジの魔法陣から稲妻の如く光線が放たれ、地形を破壊しながら私に向かってくる。私はそれを跳躍して避け、今ある全ストーンの力を込めた光線を放った。
その光線をストレンジが跳ね返し、私もスペース・ストーンの力で跳ね返し──────最後はストレンジがただの葉へと変えた事で終わりを告げた。
すると次の瞬間、ストレンジが何十人もの分身を生み出した。そして一斉に鎖を投げつけて私を拘束したが……ソウル・ストーン、そしてパワー・ストーンの力で奴の分身のみを破壊したのだ。
「タイム・ストーンは渡してもらうぞっ!」
「うおっ……!?」
リアリティ・ストーン、スペース・ストーンで奴を引き寄せ、首を掴んで締め付ける。そしてもがいている間に私はストーンがあると思われる首飾りを奪い、握り潰した。その中にタイム・ストーンは──────なかった。
「っ……ストーンをどこに隠した!」
小賢しい真似をしてくれたストレンジを私は放り投げた。壁にぶつかって転がっていく奴は起き上がらず、おそらく気絶したのだろう。ならばソウル・ストーンで目覚めさせればいいだけの話だ。
そう思いつつ、奴に近付こうとすると突然左手に何かが装着された。それはスタークが装着しているアーマーの手の部分である。手が開かれ、閉じられないようにしてある事に気付くと、スタークが目の前に降り立った。
……面白い。アーマーを纏っただけの地球人が私に一騎討ちを挑むか。
「来るがいい……トニー・スターク」
私の言葉を合図に奴は動き出した。ミサイルを撃ち、蹴りを放ち、ハンマーへと変化させた両腕で私を殴り飛ばす。間を見せず、反撃を許さない怒涛の攻撃に私は耐えていたが──────僅かだが、私の頬に小さな傷が作られた。
「ようやく、か」
『何?』
かつて地球にロキを仕向け、私はスペース・ストーンを手に入れようとした。だがスタークの行動により二つとも地球人の手に渡ってしまった。そして今回も奴は私の計画を邪魔する為に現れ、私に挑んできた。
あの頃はまだ小さな芽だった存在が、今では私を傷つけられる存在となった。
敵ながら惜しいがこの男は……今ここで潰しておくべきだろう。
『がっ……!?』
マスクを剥ぎ取り、スタークの素顔が現れる。奴に装着された手の部分もガントレットから外し、私はパワー・ストーンの力を発動してスタークの顔を狙った。
だが直前でマスクが再び現れ、致命傷を与えられないまま奴は吹き飛ばされていった。それでもマスクの半分以上が割れ、アーマーの一部も失われている。
「これで終わりか?」
「ぐっ……まだ、だ!!」
両手から光線を撃つ。私はそれをもろに受けながら進み、スタークの前に辿り着いた。腕の先端から剣を出現させ、挑み掛かってくるが私はそれを容易く受け止めてへし折り──────スタークの体に突き刺した。
「かはっ……」
「よくやったと褒めてやろう。トニー・スターク」
私はスタークの頭に手を置き、称賛する。私の計画を邪魔し、何年もの間警戒し続け、そして私の前に立ちはだかった男。だからこそ称賛するに値する。
「だがこれで終わりだ」
閉じたガントレットをスタークに向け、四つのストーンの力を発動する。致命傷を負って動けず、無防備な奴を今ならば確実に殺せるだろう。
「待て、サノス!」
「ぐっ……ドクター……」
いつの間に気付いたのか、ストレンジが私に声を掛けてくる。私はガントレットをスタークに向けつつ、顔だけを向けた。
「私と、取引をしないか?」
「取引だと?」
「……お前にタイム・ストーンを渡そう。その代わり、スタークを助けてくれ」
「っ……ドクター、それは……!!」
ふん……甘いな。仲間を助ける為に大事なストーンを手離すか。だが、それと同時に懸命な判断でもある。
「いいだろう。だが偽物を渡せばどうなるか分かっているだろうな?」
もしもタイム・ストーンが偽物だったならばスタークをすぐに殺す。もしも仕掛けが施されていたとしても、ストーンの力で身を守ればいい。
「ああ……分かっている」
ストレンジの手元に出現したタイム・ストーン。それを奴はゆっくりと浮かび上がらせ、私の元へと飛ばしてくる。私はそれを右手で掴み、本物かどうか確認した上でガントレットへと嵌め込んだ。
「ぐっ……はぁぁああ……!」
体の中に力が張り巡らされる。パワー、スペース、リアリティ、ソウル、タイム……そしてマインドが揃った時、私はこれ以上の圧倒的な力を手に入れるだろう。そしてその時こそが我が目的が達成される時……!
「ストーンは渡しただろう……早くスタークを助けてやってくれ」
「ああ、いいだろう」
私はリアリティ・ストーンの力を発動する。それによりスタークに突き刺さっている剣は塵となって消え、傷もなかったかのように消えていった。
「うぉぉおおおおっ!!」
「っ、クイル……!」
意識を目覚めさせる為に利用したクイル。奴がブラスターを撃ちながら迫ってくるが、私はスペース・ストーンで作り出したワームホールの中へと吸い込まれていく。
奴には感謝しないといけないだろう。ガモーラが死んだ事で煽ったとはいえ、奴のお陰で私はタイム・ストーンを手に入れられたと言っても過言ではない。
「礼を言うぞ、ピーター・クイル」
「このっ……逃がすかぁぁっ!」
ワームホールに飛び込もうとしてくるが、直前で入り口は閉じられた。おそらく私を逃がした事を悔しがっているだろう。
ともかくこれでストーンは五つ揃った。残るはマインド・ストーン、そしてそれがあるのは──────地球だ。
今回の話を書いてる時、サノスとブラック・オーダーをメインにした話を書きたいなーと考えてました。サノスとブラック・オーダーの出会いの話とか、ガモーラやネビュラとの絡みとか……いつか書きたいと思います。
ちなみに最初にストレンジが言っていた『二つ』の内、一つは普通に映画と同じ未来です。
エンドゲーム以降のお話について
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エンドゲーム以降も続ける(同作品にて)
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エンドゲーム以降も続ける(別作品にて)
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