アベンジャーズーホープ・オブ・レイー   作:白琳

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新作スパイダーマン、観てきました!とにかく面白くて楽しかったです!フェイズ3の区切りとしては納得の作品でした。


後編

「何でここに連れてきたんだ!?」

「落ち着けって、スターク」

 

詰め寄ってくるスタークを落ち着かせつつ、俺は部屋の真ん中を見た。そこには未だ気絶しているミアが椅子に座っている。目覚めた時に暴れられないようアウトエナジーの手錠、足枷を付けた状態でだ。もちろん武器は全て外してある。

 

「いいか、彼女が暴れたらどうする?この下には僕の部下達が大勢いるんだぞ!」

「食い止めればいいだろ?それにここにいるのはアベンジャーズのメンバー3人だぞ」

 

俺がミアを連れてきたのはスタークタワーの最上階の部屋。俺とスターク、それからバナーもいれば丸腰のミアを止める事は充分に出来ると考え、ここに決めたのだ。

 

「あー……僕が変身したらここも無事には済まないと思うんだけど」

「……まぁ、俺とスタークだけでもどうにか出来る。だからここに連れて来たんだ」

「だからって……!」

 

あの決戦以前のスタークならここまでミアを警戒する事はなかっただろう。だがあのワームホールの中で敵の大きさを知り、地球外からの脅威に酷く怯えるようになったスタークはすっかり変わってしまった。今では「アーマー依存症」なんて発症し、スーツを何十着も造り続けている始末だ。

 

「それよりどうするつもりなんだ、エイナム?君が言った通りなら、彼女は目覚めたらまた襲ってくるぞ」

「分かってる。でも何言っても取り合ってくれないんだ」

「なるほどな……スターク、君ならどうする?」

 

指を顎に当てて考えたバナーは、スタークに質問をぶつけた。おそらくプレイボーイ、または女の敵であるスタークなら何か解決策を持ってるかもしれないと踏んだのだろう。

 

「僕か?僕なら……そうだな、スウァーノ」

「何だ?」

「彼女はきっと、いき過ぎた愛情が君の記憶喪失を知った事で殺意へと変わったんだろう。だったらそれを本来あるべき感情に戻せばいい」

「俺にどうしろと?」

「ちょっと耳を貸せ」

 

スタークが俺に耳打ちをしてくる。その内容に俺はえっ?と思い、目を見開いてスタークを見た。親指を立てて完璧だと言いたげな感じであるが、やる身としては羞恥心しかない。しかも仲間の二人がいる前でだ。

 

「大丈夫だ、絶対にうまくいく」

「……本当にやらないといけないのか?」

「彼女はお前を愛しているんだろう?だったらそれが一番効果的だ」

 

経験豊富なスタークからのアドバイスとはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。だがそれ位の事をしなければミアは諦めてくれないだろう。

 

「う……ん?」

 

考えている間にミアが気が付いたようで、身動ぎすると共に声を漏らした。目を開き、辺りを確認している時に俺と合わすと襲いかかろうと動いた。しかし手錠も足枷がそれを阻み、手首と足首を痛めるだけに終わったのだった。

 

「おいっ、これを外せ!」

「そしたらまた俺を襲うか?」

「あんたを殺してあたしも死ぬ!そう言っただろ!」

 

まだ俺を殺すつもりでいる事を確認すると、スタークを見た。何を言わず、ただ頷くスタークに応えるように俺はミアに嵌めていた手錠と足枷を消失させた。

 

「……へぇ?急に素直になってどうしたんだよ?」

「俺を殺すんだろ?だったらやってみろよ」

「上等だっ!」

 

椅子から立ち上がると同時に俺に襲いかかり、馬乗りになって首を締めようと両手を向けてきた。その手を掴み、抵抗する俺をミアは力任せに突破しようとしてくる。

 

「っ……ミア!」

「何だよ!?」

 

ミアの視線が俺の顔に向けられた瞬間、力を振り絞って上半身を上げ、ミアの唇を自分の唇で塞いだ。

 

「っ!?」

 

突然の事に驚き、力が緩んだミアを押し退けて今度は俺が馬乗りになる。その間もキスを続けていると、今度は逆に抵抗していたミアの手が下ろされていく。

俺からのキスを受け入れたようで、その後も続けたが息が苦しくなった瞬間にゆっくりと顔を離した。

 

「はぁっ、はぁっ……もう、終わり、か?」

「まだ、したいのか?」

「好きな、相手からの、キスだぞ?したいに、決まってるだろ」

「でも俺はもう、ミアの好きだった俺じゃないんだろ?」

「……好きに、決まってんだろ。確かにお前はあたしの好きだったスウァーノとは、違う。でも好きなんだよ、あんたの事が」

 

ミアは目尻に涙を溜めつつ、言葉を紡いでいく。それを聞いた俺はスタークを見た。自身の言った通りにうまくいった事が嬉しかったのかガッツポーズをしている。

 

「スウァーノ、あたしを見ろ」

「えっ?あ、すま……」

 

スタークから視線を外し、ミアに向けると両腕を首に絡まされた直後に今度は彼女からキスをされた。まだまだ元気なようで、さっきまで辛そうだったのに今ではもうすっかり回復しているようだった。

 

「……それでいつまでやってるつもりだと思う?」

「さぁ。彼女が満足するまでじゃないかな」

「だろうな。あれは長いぞ」

 

スタークとバナーが話し合っているが、ミアには聞こえていないようだった。そもそもあの二人がいる事にすら気付いていないかもしれない。

スタークからのアイデアでやってみた事であるが……無事うまくいったようで良かった。

あとはミアが満足するまで付き合おう。スタークの言う通りならまだまだ続くみたいだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、本当に行くのか?」

「ああ。色々とやらないといけない事もあるし、何よりあたしをお前を殺そうとしたわけだしな。そんな奴と住めないだろ?」

 

ミアの襲撃から数日後、再び恋人となるまでには至らないものの、初めて出会った時と比べれば全然マシな関係に俺達はなった。ミアとしては恋人同士に戻りたいんだろうが、それはまだ無理だろう。だからまずは友達から、という事になった。

 

「今は違うだろ?だったら歓迎するぞ」

「……いや、だとしてもあたしは納得できないんだよ」

「そうか」

 

一緒にこのタワーで住む事を提案したが、それは却下された。しかし携帯番号も交換したし、アドレスも知ってる。何かあったり、会いたかったら連絡すればいいのだ。

 

「記憶……どうしても戻らなかったな」

 

ミアが知っている俺の過去は全部聞いた。曰く、「俺はミアと同じく傭兵だった」、「性格や喋り方は変わっていないが、戦いで甘さは一切見せなかった」らしい。その他に俺がミアとどのように付き合っていたか話してくれたが、それでも記憶が戻る事はなかった。

 

「いや、もっと昔の事が分かれば思い出せるかもしれないだろ?」

「……そうだな。あたしもお前の過去を徹底的に調べてやるよ」

 

そう言うと、ミアは俺に軽くキスをしてきた。そして頬を赤く染めると、「じゃあな!」と笑みを浮かべながら走り去っていった。

 

「ああ。じゃあな、ミア」

 

俺はそう呟き、ミアが見えなくなった事を確認してからタワーの中へ戻ったのである。




これでこの章は終わりです!次回からはまた、映画を元にしたストーリーが始まります!
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