黒き翼と最弱の騎士   作:シュオウ・麗翅

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グッダグダになりそう(´・ω・`)

基本ノリと勢いだけで書いてますわ(´・ω・`)

あ、銀魂映画見てきました( ˘ω˘ )やはり銀魂、容赦ない(笑)

笑えるし感動するし、ギャグとシリアスがいい感じに入ってるからめっちゃ楽しいのよね。ノベライズ買ったからこれで安心( ˘ω˘ )紅桜のコミックも買ったお( ˘ω˘ )


セブンソードプロダクションその2( ˘ω˘ ) スヤァ…

明日斗とカラワーナ、そして今来た人達の空間だけ、時間が止まったように感じた。

それもそのはず。片やバイサー関係で色々言われたニンゲンに、上司がトラブルを起こした部下の堕天使という関係。しかもつんつん頭の男は上司であるレイナーレが殺した。

 

ーーーーなぜ生きているのか?その事も気になるが、今は目の前の魔王の妹である赤髪との戦いをどう避けるか?ということを考えていた。しかし、もう一個の思考が頭をよぎる。そして、それはカレーのシミのように消える事は無かった。決して考えないような。狂人でなければ思いつかないような考えを。

 

もしも、この身をきれいさっぱり滅ぼしてくれるのならば、私は楽になれるのだろうか?と……。

 

何処かで見たような言葉が脳内を駆け巡る。『死は、救いである』この言葉が。それがもし本当なら……死が私を救ってくれるのならば……

 

私はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「やはり、堕天使ね」

 

赤髪の女性、リアス・グレモリーが納得したような声音で発した。

3大勢力の一端である堕天使。格下が相手でも、相性的には向こうが有利。下級の放つ光の槍が直撃して上級悪魔がやられた……という事例もある。

更に、はぐれエクソシストを堕天使側の戦力として取り込んでいる……との情報もあった。

故に、油断出来ない。数の上では向こうが有利。質ではこちらが上でも、相性の問題はどうしようも無い。運が悪ければ即死……という事もありうる。

 

「ん?なんだ?修羅場か?」 「ケンカはいいけど修羅場は勘弁しちくり〜」

 

浮いている状態で胡座をかいて刺身を食べているのは、リーシャ・ルシア・リーヴァ。

セブンソードプロダクションには様々な種族が混同している。それは堕天使だったり、悪魔だったり、果てはスキュラ、ケンタウロス、死神、ハーピィetc。普段は認識阻害や魔力によって隠しているが、リーシャのように隠していないメンバーもいる。

 

だからこそ、態々『堕天使』と種族名で言うグレモリーが気になった。種族名で相手を呼ぶ人物が持つ理由は、大きく2つある。

 

1つ目は、単純に他種族を見下している場合。又はその種族に差別意識がある場合だ。だがその場合には声にめちゃくちゃ余裕や油断が感じられたり、いけ好かない感じがモロに出てくるため分かりやすい。が、グレモリーからはそれを感じられない。

 

となると、2つ目になる『最近、若しくは過去にその種族に対する抗議。若しくは報復』になるのか?

堕天使と聞いた瞬間、後ろの茶髪のつんつん頭が一瞬、反応したのを見逃さない。

グレモリーは家族や眷属に対する情愛が他の悪魔よりも数倍強いのは有名な話だ。もしつんつん頭が眷属で、そいつに何かをしたのならば、報復に来てもおかしくない。目には目を歯には歯を悪には悪を。という言葉がある通りに。

 

……にしても、追加分のすき焼きの材料が入ったビニール袋を両手に持っている状態でのそれは少々シュールではなかろうか?

 

……あっ、座ってすき焼きの具を入れ始めた。

 

「だったらなんだ?」

 

「なら、『レイナーレ』っていう堕天使を知っているかしら?」

 

「……」

 

内心、恐怖と苛立ちでいっぱいだった。

何故このタイミングで、この場所で、それを聞くのか?正に、今じゃなきゃダメ?明日でよくね?みたいな感覚。

 

カラワーナ自身、嘘をつくのは得意ではない。良くも悪くも真っ直ぐで、ゲームでも補助技や妨害技を使わずに『レベルを上げて物理で殴る』みたいなプレイングの持ち主だ。だからこそ、相手の使う搦手にも弱いし、自身も搦手所か嘘をつくとどうしても顔に出てしまう。

 

「……し……知らない……ですののことよ…?」

 

「……ちょっとはポーカーフェイスを貫きなよ……」

 

当然こうなる。目は泳ぎまくり、冷や汗は滝のようにダラダラと流れ、口調もどこか怪しいものがある。

あまりにもヘタクソすぎる誤魔化し方を見てジト目で見る明日斗。こんなんで役を演じられるのか?と疑問が浮かんだ役者一同。

 

その間にも、リアス達の入れたすき焼きはグツグツ煮込まれてある。

 

「……最初は町民Aとかの方が良かったのですか……?」

 

 

と、考え込む真水までいる始末。しかもミュージカル風の口調ではなく、素で言っているからして、相当真面目に考え込んでいるのがうかがえる。

居るだけで騒々しい人物の素を初めて見る面々の反応は様々だ。

 

「んんっ!!で、貴女とレイナーレの関係は?」

 

体勢を整えるためなのか、咳払いをして再度カラワーナに問うた。

オカルト部での明日斗もそうだったが、この場はそれ並み……若しくはそれ以上のカオス空間なのだ。いちいち気にしてはこっちの身が持たない。さっさと堕天使への用事を済ませようと急かすように言う。

ついでに言わせれば、こっちにはレイナーレに殺されたイッセーがいるのだから、さっさと質問に答えて欲しいと言わんばかりの眼光でカラワーナを睨んでいる。

 

……おいそこの女男。興味無さそうに自分の皿に追加の卵を入れるな。彼女の危機だぞ?おい。自分だけ食べ進めるな。卵をかき混ぜるなぁァァァァァァっ!???

 

「……レイナーレ様は、私の上司だ」

 

「やはりそうなのね。なら、貴女の上司が私の眷属にやった事も分かってるのよね?」

 

「……あぁ」

 

申し訳なさ1割、苛立ち4割、諦め5割でほぼ投げやりに返事をする。反論する気力もわかない。彼氏(仮)も助け舟を全然出さない。おい

 

「うわ何この肉。こんなん入れてすき焼きにしてるの?おたくらどんな味覚してる訳?」

 

「はぁ!?これは魔界で取れたコッカトリスの肉の1番いいところよ!?」

 

「はっ!!値段だけ見て中身見てないタイプのようだねキミは。いくら高くてもねぇ、その部位が料理に合うのかちゃんと確かめた?大方、その辺にある魔獣ってやつの肉をテキトーに取ってテキトーに処理したんでしょ?」

 

「あんた何言ってんの!?仮にもパーティーにそんなの出すわけ無いでしょ!?魔界でも、『コッカトリスに無駄はなし。肉は食用。骨は素材や加工品。羽は衣類。余ったものは肥料』って言われる程超万能な食材よ!!」

 

「やれやれ、コレだからシロウトは……いくら万能の食材でもねぇ、万能じゃない時もあるんだよ。石化だって『せきかをとく』を使わなきゃ石化は解けないんだよ。きずぐすりやばんのうやくじゃあ直せないの」

 

「……先輩、それはロ○○ガ1です。食材関係ないです」

 

「はぁボクが言いたいのはね?そこの赤髪が味音痴だってことさ」

 

「お前が言うなァァァァァァァっ!!!!」

 

明日斗のこの一言に思わず叫ぶ。冗談じゃない。デートの時のあの海鮮丼を忘れたとは言わせないぞ。

 

「まぁ部長が味音痴かどうかはさておき、レイナーレの部下の言い分を聞こうか?」

 

「祐斗!?私は味音痴じゃないから!!コイツ!この私のパチモンの言うこと信じないで!?」

 

「誰がパチモンだコラァァァァァ!!コイツとの関係なんてないから!姉弟関係とかないから!こんな姉嫌だから!」

 

「私だってあんたみたいな妹まっぴらよ!」

 

「ボクは男だ!女違う!!」

 

「話が進まないのでお二人とも?静かにして貰えますか?」

 

「「は……はい……」」

 

ニッコリと笑っているが、目は笑っていない姫島朱乃がドス黒いオーラを纏ってバズーカを構え、明日斗とリアスを強制的に黙らせた。

 

「さ、続けて貰えますか?」

 

ニコニコと笑っているものの、やはり威圧感は健在のようだ。しかも目元に若干稲津が走ったような気がする。

 

 

……ぶっちゃけて言えば、自分の上司についてマジで『うそ……なんなんほんまこいつ……』と思うようになっている。

 

ぐいーーーー!!ドンッ!!

 

……ヒック……

 

「だいたいあの堕天使はさぁ〜……買い物する時も寝る時もいつも痴女丸出しのボンテージ衣装だし、人の見る目は気にしないし、人のおかずは勝手に食べるし、理不尽な事で毎回怒るし、セーブデータは勝手に上書きするし、寝返り打つ時に肩パットが毎回毎回刺さるし……槍だってレイナーレ様のひん曲がっている精神に影響されてるんじゃね?ってくらいマジでぐにゃぐにゃだし。」

 

……糖分取らなきゃやってられないわ。顔も赤くなっていようが、どんどん上司に対する愚痴が出ようが、どんだけ悪魔にドン引かれていようが。兎に角吐き出さずには居られなかっオボロロロロロロローーーー

 

「いや、それ糖分じゃなくてアルコール。マジで酔って吐かないでね?処理が大変だから……」

 

だが、私の実力もヒエラルキーも1番下なのは事実。

ミッテルトは主に偵察が任務でいつも重要な情報を持ち帰っている。生活費を1番稼いでるのもミッテルトで、レイナーレ様も頭が上がらないようだ。

ドーナシークはレイナーレ様に次ぐ実力を持ち、戦闘センスも高いため、あんまり強く出ていない。

 

だが、私はなんなのだろうか?『美女』というよりは『イケメン』の部類に入る。実力は偵察役のミッテルトよりも低い。戦略センスも『レベルを上げて物理で殴る』タイプだ。ちなみにミッテルトは『敵の見た目や種族、行動で相手の戦闘タイプを読み、その上で補助魔法等を駆使して安定に攻略する』タイプ。ロ○グイマジで倒せねぇ……。グレウォのタイミングマジわかんねぇわ……。私を好いてくれるのは女ばかりで、男は全然よってこないしさぁ……。

 

「おい……途中からお前の愚痴になってるけど、こっちは1度殺されーーーー」

 

イッセーが酔ったカラワーナに何かを言いたげな目で見ていたが、それは直ぐに止まった。いや、止まらずを得ない光景を見てしまったのだ……

 

ニュルニュルニュルニュル……

 

「……え?何?」

 

「またお前か!いい加減にしろ毎回毎回!話が進まないんだよ分かる!?」

 

「ああね。ボクの事はいいから続けて続けて」

 

「うるせぇ味覚バカ!!じゃあそれはなんだ!?」

 

イッセーがビシッ!と指さしたのは、明日斗が握っているお椀にあった。

すき焼きをおかずに白米を頬張るその姿は見慣れている光景だが、白米に乗っているものが常識外れだった。見ているだけで胸焼けが起こりそうだ。

 

「何って……白米だよ。見てわかんない?」

 

「いや白米にかかってる白いのだよ!うわ!めっちゃ甘ったる!!」

 

「これだよコレ」

 

そう言って明日斗が持ったのは、空になった練乳の容器だ。まさか……と思ったリアスは思わず聞いてしまった。

 

「……まさか、丸々1本……」

 

「うん。使い切ったけど?」

 

「よくもそんな事して私の事味音痴とか言ったわね!!あんたの方がよっぽど味音痴じゃないの!!」

 

「しかもお前私とデートした時海鮮丼にわさび1リットル位入れてたよな!?今度は練乳!?なんなの一体!!」

 

「これがボクの1番美味しい食べ方だよ。それに、日が出てる内はこれ使ってるから」

 

そう言って取り出したのはデスソース。まさかこれをご飯にこれかけて食ってるのか……!?

あれ?どっかで『私の彼氏を殺す気!?』って声が聞こえたような気が……どこかで聞いたことある声だったぞ……?気のせいか……?

 

「全く……お兄ちゃん。それ、人前でやめてよね」

 

「いや、我が妹も人のこと言えないだろ……何そのとぐろ巻いてる赤いの。そっちこそやめなよ」

 

「いや、お前ら両方やめろよ……」 「全くだ」

 

イッセーとカラワーナが2人のおわんを指さした。方や練乳。方やケチャップと、不衛生極まりないし、匂いがやばい。

 

「キミたち分からないの?」 「……ケチャップは何にでも合う……」

 

「「限度があるわ!!」」

 

「息ぴったりだなお前ら……」

 

「そんな事より竜姫さん。めぼしい子を見つけたけど、この子なんてどう?」

 

「鬼の面を付けた少女ねぇ……ふむ。時代劇似合いそうねこの子……保留ね」

 

「……かわいい……」

 

カラワーナとイッセーのツッコミや話してる内容を無視してまさかの新人スカウトについて話しているようだ。

 

「……話戻そうか……」 「うん……」

 

2人は意気消沈。もはやツッコむ気力も失せた。もう2人で飲みあかそうか。そんな事を思いつく程に。

 

ぐいーーーー!!ドンッ!!

 

 

「……あのーー……こっちは1度殺されてるんですよ。貴女の上司のせいで。どうしてくれるんですか?」

 

「……ほんとごめん」

 

先程までの勢いはどうしたのか、何故かめちゃくちゃ気まずい雰囲気の2人。数秒間の沈黙の後、カラワーナがゆっくりと口を開く。

 

 

「……私はな……半端者なんだよ……。」

 

酔いが回っているのか、カラワーナはポツポツと語り始めた。

 

「……私は、誰の輪にも入れなかった。大した実力はない。大した頭も持っていない。私よりも上の階級の奴らから言われ続けたよ……。『お前、大したことないくせに見た目だけはいいよな』ってさ……。『総督の愛人ならワンチャンアルンジャネ?』とか……『大したことないくせに私より美しいとかなんなの?』とか。挙句の果てにはその場で純潔を奪われそうになったよ……」

 

そしてまたぐいーーーー!!っと一気飲みしてうつ伏せになる。もう飲んで忘れたい……二日酔いになろうと、トイレで嫌な思い出と一緒に吐き出したかった。吐き出さずにはいられなかった。

 

「そんな時、手を差し伸べてくださったのがレイナーレ様だ。確かに、私に対する対応はアレだが、仲間に入れてくださった時は……嬉しかったんだ……」

 

「……」

 

「本当に、あの時の事は鮮明に思い出せる……。レイナーレ様は私にとっての『ヒーロー』だったんだ……。私の身も心もお救いになったのは……レイナーレ様ただ1人だった……。他の者は見て見ぬふり。時には結託して私を嵌めた者までいた……」

 

ーーーー嗚呼、彼女が私を救ってくれた。鍛えてくれた。元々、レイナーレ様は下級上位並の実力があった。下級下位の私を下級中位にまで上げてくださったのは、他でもない。彼女だ。

 

「……『私達をバカにした者を見返す……』そのためなら、例え他人を踏み台にしようとも、他人の血肉を貪り食おうとも構わない。あんな思いは二度としたくないんだよ……」

 

ふらつく足でゆっくりと立ち上がる。

フラフラと窓に向かい、足を乗せた。

 

「……兵藤一誠。貴様はアーシア・アルジェントと親しかったな……」

 

「だったらなんだ……?」

 

「……明日の夜中、アーシアの神器を抜き取る儀式を行う」

 

なんですって!?と驚くリアスを無視し、イッセーと明日斗を睨みつけてさらに続けた。

 

「既に矢は放たれた!止めたくば止めてみろ!!レイナーレ様は……私達はもう止まらない!!例え翅をもがれ、地に落ちても燃やし続けるぞ!」

 

そう言って黒い翼を広げて飛び立っていった。

 

……練乳入り白米を食べながらその様子を静観していた明日斗は、ただただ悲しそうに落ちた一切れの翅をゆっくりと拾い上げて懐にしまい込む。

 

ーーーー決戦は明日らしい。その間に、彼女を止められるのだろうか?

 

なんたってボクは相方であり、カラワーナの彼氏(仮)なんだから。と……

 

「いやお椀は下ろして拾えよ……雰囲気台無しだぞ……」

 

バイサーが呟いた一言は、ひと吹きの風の音にかき消されたのだった。

 




あぁもうめちゃくちゃだよ!!どうしてくれんのこれ?収拾つかないじょのいこ……(´・ω・`)

カラワーナキャラ崩壊……

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