|ω・)つ
|)彡 サッ
廃教会内部に入るための唯一の入口である扉。そこにははぐれエクソシストと呼ばれる存在がいた。
神父服の十字架を取り外したような漆黒の衣装に身を包み、ある者は槍を。ある者は剣を。またある者は銃火器を持っている。
そんな彼らは、目の前の光景に困惑していたのだ。
それは……
「全く!こんな体たらくで私に仕えるつもりなの!?ほら、もっとキビキビ動く!!」
「あ、いや……やっぱこの衣装やめませんか?」
「この衣装は至高たる私に仕える資格がある選ばれし者のみが着ることを許される物!その試作品を着れることを誇りに思いなさい!」
あーだこーだ。自分の主が見知らぬ男とあんなにぺちゃくちゃ喋っている様子。
レイナーレは幹部級の3人としか親しく話すことはない。人間でありながら幹部の地位に属しているフリードも例外では無い。むしろ邪魔者扱いしている節まであるのだ。
……なのに、見るからに変質者のような格好……レイナーレも似たようなもんか。まともな衣装はミッテルトとドーナシーク位だろう。
カラワーナは……ボディコンスーツかドレス姿かどっちが正規の衣装か分からないので保留。
「あ……あの、レイナーレ様?そちらの男性は?」
「期待の新人よ。珍しい神器持ちだからスカウトしたの」
「珍しい神器……?それは一体……どのような……?」
うーん……神器の効果かぁ……確か『赤龍帝の篭手』って言ってたよね?使用者の身体が耐えられる限り永遠に倍加出来るってやつ。
対魔○みたいな展開とか、トラ○ザム。ド○ゴンボールの重力室とか色々応用効きそうな予感はするよねぇ。
「神器の効果は『ありとあらゆる物を半減させる程度の能力』よ」
「どこの幻〇郷?」
「似たようなもんよ」
チート級の能力では無いか。レイナーレ様はこんな人材をスカウトしていたのか!!
ありとあらゆる物を半減できるということは、力から胸のサイズまで。何でも半分にする事ができるということ!!
(というか逆の能力教えてどうするんだ?)
(はぁ?アンタの神器の能力は既に知られてるのよ?組織なんだから情報が伝達されてもおかしくないのよ?特に魔王の妹にケンカ売ってるような奴よ?何を仕掛けられてもおかしくは無いわ!二誠!!)
(一誠だけど!?)
(んなこたぁどうだっていいのよ。正体がバレずに建物にさえ入ればスニーキングミッションが開始されるのよ。安心しなさい。メ〇ギアの称号で終始《CHICKEN》だった私に死角は無いわ!!)
(……なんだろ?一気に不安が増したぞコレ……やっぱり単独行動していいかなぁ?)
「どうぞお通りください」
割とすんなりと扉を開ける見張りの神父たち。
それを確認した後、堂々と真ん中を歩く2人はすれ違った神父たちに勘づかれる事無く、順調に歩を進めていく。
寧ろ仲間意識が生まれているような……
「そこの貴方?少し聞きたいのだけれど、例の計画をする儀式の場はどこだったかしら?ド忘れしちゃって」
……と思っていたら、あのバカがいつの間にかそこら辺にいたエクソシストに声をかけていた。
(……っておいいいい!!!そんなの聞いたら即バレるぞコレぇぇぇぇぇ!?)
計画を企てた本人が忘れる計画ってなんだよ!計画でもなんでもないよ!ただの行き当たりばったりの思いつきだよコレ!!
……あぁもうダメだ……本人そっくりとはいえ、あのバカを信じなければよかった……もう台無しだァ……!!
「は……はぁ……でしたら礼拝堂の祭壇の仕掛けを解いた後にパズルを解けば後はわかると思います」
「そう。ありがとう。仕事、頑張りなさいよ」
「は……はい!!」
何事も無かったかのように通じたァァァァァ!!ぇぇええええ!?エクソシストって何!?ガバの溜まり場!?ちょっとは違和感持てよ!!仕事しろよ!!敵侵入してるぞ!!
(ふふん!どうよ!コレでどこに向かえばいいのか分かったわ!!)
(割とガバガバな感じだったんだけど!?)
(お礼ついでに私のブロマイドをくれてやったわ!!コレで私の人気はうなぎ登りよ!!)
(それは無いから!!というかエクソシストの人気者になってどうするんだよ!!)
(何言ってるのよ!!私の変装元であるレイナーレはコアなファンがいっぱいいるのよ!!人気投票では上の下か中ぐらいだったんだから!!)
(リアルの話持ち込むなよ!!)
(ふっ……私の演技力の賜物ね……さぁ、私に跪きなさい!!そして感謝しなさい!!焼きそばパン買ってきなさい!!)
(誰がするかーーー!!)
眼力とオーラだけで会話出来るその姿はもはや人外の領域。特に一誠の顔芸の種類の数々は芸の才能を開花させていくようだ。
(そういや、レイナーレはヒーローだとも言ってたなぁ……アレかな?故郷滅ぼされたから酒に酔って地球に八つ当たりしたおじさんかな?わっかんねぇなぁ〜)
歩きながら顎に指を当てて思考を巡らせる。
悪堕ち。心酔。発狂。自暴自棄。やぶれかぶれ。その他諸々。カラワーナの証言のみだと動機の候補が幾らでも出てくる。
それはともかく、なんともまぁガバガバな計画なのだろうか?神器がどうのこうの言っていたが、アーシアという人物の神器は回復系と聞いている。
それを手に入れたところで、果たしてバカにしたヤツらとやらを見返す事が出来るのだろうか?
(……否だよねぇ。他人の力を奪った所で使いこなせる保証もなし。それどころか調子に乗って落とし穴に容易に引っかかるのが容易く想像出来るよ……)
はぁ……と溜息をついて頭をポリポリ掻く。それを見た一誠が「大丈夫か?」と聞いてきた。
「いいや。こう見えても荒事は嫌いだし、穏便に済ます方法は無いかなぁ〜って。ボクって平和主義者だし?」
「……相手の出方次第だな。アーシアを素直に解放してくれればそれでよし。もしもの事があったら……」
「ハイハイ。キミがレイナーレってやつを倒すんでしょ?別にいいけど、負けたらボクに譲ってよ。あとカラワーナはボクの獲物だから。手を出したら承知しないからね三誠クン?」
「……だから一誠だっつってんだろうが」
会話をしながらもどんどん先に進んでいく2人。礼拝堂の仕掛けは至極単純なものだった。
《一升分の水しか入らないオケの中に二升分の水を入れろ》
「わかるかァァァァァァ!!!!一升って書いてあるだろ!二升も入るわけが無いだろ!!」
「どうどう。見てるからね?恥ずかしいんだよこっちは。静かにしてくんない?」
「だからってこんな……こんな仕掛けって……」
目の前の祭壇にあるのは、一升分の水しか入らないオケが2つ。それから水道のみ。これらを使えということだろうが、全くわかんない。
ダメだこれ……部長や朱乃先輩がいれば……と思っている矢先
「ほいっと」
だばー!!っと片方のオケの中を満タンにし、もう片方を勢いよくひっくり返した。
「何やってんだァァァァァァ!!!??」
余りにもゴリ押しすぎるやり方。当然その方法では正解のはずもない。溢れた水は思いっきり一誠に降りかかる。
「(´^ω^`)ブッフォオオオオオwwwみ……水も滴る……(笑)」
「おーまーえーはーーーー!!!!!」
噴き出した後、指をさしてゲラゲラ笑う明日斗に向かって胸ぐらを掴んでグラグラと揺らす一誠。
……果たして2人はこの謎を解くことが出来るのか!?
そして地球の命運はどーでもいい!今、元カノと今カノトラブルを解決するために、2人は走り出すのであった!!
結構長くなりそうな予感。前作とどっちが好みなのかは気になるところ……
主人公の属性盛りに盛りまくってもう10段アイス並なんだよなぁ……