⚠️今回はハイスクールDxDの舞台では無いです(´・ω・`)
「ジーナ」
「は〜い」
「今日は終わりにしよ〜」
「は〜い。お疲れ様でした〜」
私はジーナ。この仕立て屋の親方の元でお針子として奉公をして、もう3年になります。
最初は、この陰鬱な感じの『根っこの町』が嫌でたまらなかったのですが、もう慣れました。
私達の頭を押さえつけるように、町の上に聳え立つ『
なんの楽しみも無い町でこの屋根裏だけが、私の気を紛らわしてくれる場所です。
ここには大切な衣装がしまわられています。お城からの注文で、あるお方のために毎年新しい服を仕立てているのです。もう数十着にもなります。
先輩達は【お城の若様の衣装だ】と噂していました。その若様はもう何年も眠っていると言います。
私の胸の中にも、まだ見ぬ方の想いが膨らんでしました。明日にでも、目覚めればいいのにと……。
……その時の私は知らなかったのです。その方が、どんな運命を背負っているのかを……。
私はいつものように、屋根裏に行って若様の衣装がしまわれている棚を開きます。
勿論、お針子の噂でしかありません。しかし、私はこれを噂ではなく本当の事だと思っています。
この中からどれが若様の衣装に選ばれるのでしょうか? これを着て喜んでくれるのでしょうか? まだ見ぬ若様の笑顔を想像するだけで、仕事疲れから来る眠気なんて吹き飛んでしまいます。
……あれ? 針の城から光が……? まさかアレは、若様が目覚めたという合図でしょうか?
そう思うと、不思議と笑みが零れました。
──────ー
場所は移り代わって駒王学園オカルト研究部室にて。
「やっほぉぉぉぉぉぉい!! やっと完成したぜぇぇぇぇ!!」
肩で息をしながら、欲しがっていた玩具を買って貰った子供のように大喜びしているのは堕天使総督、アザゼル。金髪に黒のメッシュが入ったダンディズムなおっさんだ。
「子供はもうおねむの時間なのに……五月蝿い……ふあぁ〜……」
「アザゼル様。態々こんな時間に私たち二人を呼び出した理由はなんですか?」
眠そうに瞼を擦っているのは、ルージュ色のロングヘアをした女顔の男。竜胆明日斗。寝起きなのか、若干不機嫌気味のようだ。
そして隣にいる青髪の男装が似合いそうなイケメンな女性はカラワーナ。堕天使である。 こちらも顔には出さないが、纏っているオーラが「くだらない用ならどうしてくれようか?」という幻聴が聞こえるほど不機嫌気味のようだ。
2人の目の前には急いで被せたのだろう、大きな布を纏ったナニカが存在感を放っている。
「ふっ……そんなに慌てるな。聞いて驚くなよ? コイツはなんと!! 【次元転移装置】だ!!」
大袈裟で雑に。しかして装置を倒さないように配慮をして布を取る。すると、中から現れたのは、大きな円柱。
材質はガラスのようで、小型のポッドのような印象を感じさせる。その下には絡まったイヤホンのようにパイプが絡まっているようだ。
「はいかいさーん。カラワーナ。おねむの続きだよ……」
「待て待て待て待て待て!!」 「どうぞ」 「マテ茶じゃねぇ!!」
カラワーナと一緒に帰ろうとする明日斗。ちゃっかりとカラワーナの手を握り、倒れないようにしているようだ。モロ恋人同士じゃん……俺への当てつけかコノヤロウ……
「もういいよ。アザゼルも深夜テンションでおかしくなってるんだよ。栄養ドリンク何本飲んでるの一体……辺りにその形跡がたんまりあるんだけど? 後で掃除しないとリアス達から怒ら⚫◢◣◻️〜」
今にも鼻風船を出しそうな勢いで眠ろうとする明日斗。それをカラワーナが強く手を握って支えとなり、何とか倒れないようにこちらから手を握り支えている。
「はぁ……カラワーナだけでもいいから聞いてくれ……」
「いえ。私はこれから録画した【ハイスクールDxD】を視聴しなければならないのでこれにて」 「お前もか!!」
なんで竜胆の野郎の周りには我が道しか行かん見たいなやつしか居ないんだ……その後も帰ろうとする所を何とか引き止め、渋々聞いてくれるようだ。
「んんっ! コイツは俺の人工神器に次ぐ傑作中の傑作! コイツはまだ試作品の段階だが、名前の通り別の次元に行くことが出来るんだぜ!」
そこからは捻った蛇口のように言葉が出るわ出るわ。纏めると、悪魔の大規模の転移魔法陣を応用し、人工神器のノウハウを活かして作ったものと言った感じだろうか? もっと細かい感じもするが。
「とにかく! コイツがありゃあ転移魔法陣が設置されていない場所でもひとっ飛びって寸法さ! 冥界だろうが天界だろうが女風呂だろうが、好きな所に行きたい放題なんだぜ!! どうだ? すげぇだろ2人とも?」
もうめっちゃ興奮している。それはもう友達に新作ゲームを発売日に買ったことを自慢する小学生みたいに。例え話に自分の願望が入っていようがお構い無し。どれだけこの装置が凄いのか暑苦しい雰囲気でプレゼンを始めた。
「ああもううるさい!! 完全に目が覚めちゃったじゃんどうしてくれんのこれ!」「あの〜……ウチの相方がこうなんでもう帰っていいですか?」
カラワーナの一言でポカーンとなるアザゼル。まさか俺が丹精込めて作った開発物を目の前にないかのように振舞っている。それによって生まれる沈黙の数秒。
「ええい! とにかく入れ!」
話を打ち切るかのように先に動いたアザゼルは強引に2人を詰め込んだ。
プシュ! という音と共に閉じたガラス製の扉は2人を簡単に閉じ込めた。
「ちょっと何勝手なことしてんの!?」
文句を言う明日斗には目もくれず、急いで装置を起動させる。ドンドンドンドンドンといまにも壊しそうな音を立て、カラワーナに至っては両刀で斬ろうとしているようだ。
「無駄だぜ。コイツァセラフォルーと俺の魔力を丹精込めた超強化ガラスだ。魔王クラス2人分じゃねぇとビクともしねぇよ」
「なにその無駄な耐久性!? なに!? なんなの!? このまま帰れない場所に飛ばされるの確定!? ボクの睡眠時間返せゴラァァァァァァ!!!」
先の紹介から想像つくだろうが、この男アザゼル。武闘家というよりは研究者気質なところがある。それも、堕天使界1の研究者だ。そうでなければ人工神器なんて作れるはずもない。
だが、このアザゼル。実は頑固な一面を持っている。作った発明は役立つもので皆が感心するものばかり。しかし、戦闘用以外には何かしらの欠陥や使い所が微妙なものばかりだ。
そしてコレは、戦闘用の発明品ではない。つまり……
ビー! ビー! ビー!
デッデデッデンデッデデン! デーッデッデーン! デッデデン! デッデデン! デデッデデデッデデッデデッデーン!
「トラウマBGMやめろォぉぉぉぉっ!!」
けたたましい警告音と共に鳴り響く某トラウマBGM。しかも中は真っ赤に点滅しており、どのボタンを押してもうんともすんとも言わない。
稲妻のような電流がピリッと視認出来る。周りは真っ赤。もう爆発してもおかしくないくらいの異変だ。
「あっ! すまねぇ! 試作段階だから緊急脱出装置ついてねぇんだわ……」
参った参ったと頭をかいて笑いながら謝罪するアザゼルに、2人はキレた。
「「こんのくそオヤジぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
末代まで呪ってやる! と言わんばかりの大きな怒声。カラワーナもキャラなんて殴り捨てていっその事殴ってやろうかと両刀をガンガン突き刺していく。
……シュン!!
と、この世界から2人の姿は消えた。
「……アイツらに説明した方がいいかな?」
冷や汗を流しながら、アザゼルの言った声は闇への消えた。
──────ー
「そろそろ名乗ったらどう?」
おどろおどろしい玉座の間で目の前に鎮座する王らしき男に物申す緑髪の少女。
その言葉は、王が返事をするのではなく……
「魅惑の君!」
側近のひとりらしき緑髪の王子様風の男が答えた。
「無慈悲な王!」
「闇の支配者!」
「裁きの主!」
王の周りにいた侍女が答えた。
「バラの守護者!」
側近のひとりらしき金髪の騎士が答えた。
「美しき方!」
最後の側近らしき緑髪の黒騎士が答えた。
「この
「妖魔の君、オルロワー……」
4人目、最後の侍女がトリを飾ろうとしたその時。緑髪の少女と王の間が眩く光った。
目が眩み、どの様なものであろうとも数十秒は目が空けられないほどに。
「……ほう?」
だが王は眩まず、光の中心を興味深そうに眺めた。
──-また、余興がひとつ増えた。そう思い、口に笑みを浮かべたのだ。
さて、その光から現れた2人は……
「「ここどこぉぉぉぉぉぉっ!!???」」
……全く知らない場所に来ていたのだった。
アセルス編めちゃくちゃ好きですね。あの独特な雰囲気といい。ミステリアスなBGMといい。全部好きです。
RSではオルロワ、メサルティム、アセルス、金獅子はもうHP4桁ですわ。1番使ってるのはメサルティムで次点でオルロワージュだけど。……サガアセェ……(´;ω;`)