ヒエヒエの実を食べた少女の話   作:泰邦

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二章のキャラまとめです。
一章のまとめ同様、微妙に裏設定とかありますが本編には特に関係してこない(多分)ので読まなくても大丈夫です。


今章のキャラまとめ

 大海賊時代の幕開けまで、あと10年。

 

 所属 ジョルジュ一家

 

・カナタ

 本作の主人公。15歳。自然(ロギア)系ヒエヒエの実の氷結人間。

 〝竜殺しの魔女〟懸賞金3億8000万ベリー。

 黒髪赤目の美少女。五年間で成長して、出るところが出て引っ込むところは引っ込んでいる。

 五年間で無自覚に多くのロリコンを生み出した。

 素手でも強いが基本は槍を使う。

 

 マルクス島を拠点としていくつもの島をつなぐ定期航路を開拓した。既得権益を持つ商人たちに「自分たちの商売が脅かされている」として邪魔されたこともあったが、カナタがしおらしく挨拶に行くと大体鼻の下を伸ばして許してくれる。世渡りに慣れすぎてジョルジュからは恐れられた。

 ちょくちょく海賊の襲撃を受けてなお迎撃に成功していることもあって、荷物を安全かつ確実に運んでくれると評判の商人兼運び屋として有名になりつつあった。

 厄介事が爆弾持ってきて気付いた時には手遅れということが多い。

 五年間で血の気が多くなった。

 

 巨人族のフェイユンとミンク族のゼンを拾う。

 またもジョルジュの顔が百面相することになったが、素知らぬ顔で手を差し伸べている。

 見聞色、武装色、覇王色の覇気を自在に操ることが出来るようになり、ジュンシーと同等以上に戦えるようになっている。

 センゴク相手に決死の覚悟で戦いを挑み、生死の狭間で極限の集中力を発揮することで一瞬だけセンゴクの見聞色を上回り、海に叩き落して逃走に成功。

 偶然西の海に来ていたロジャー海賊団に拾われることで生き延びる。

 ついでのようにCP-0と戦闘した際に〝紙絵〟を除く六式を見ただけで習得した。悪魔の実の能力も本人の実力に比例して強くなっており、天候に干渉出来るまでになった。

 

 オルビアとは姉妹のように育ち(主にオルビアが一方的に可愛がり、カナタはそれを無抵抗で受け入れる形で)、家族よりも家族らしい間柄になった。

 最大の懸念は政府がカナタと関係が深いオハラに手を伸ばすことだったが、幸か不幸かマルクス島がバスターコールで焦土になるだけで済んだ。

 肉体的にも精神的にも常人と比べて「強すぎる」ため、一見すると人間味が薄いように見える。しかもこれからまだ強くなる。

 

 かつて育った孤児院の院長はカナタが賞金首として大々的に手配書が出回った際、「××××が賞金首に……?」と呟いたという。

 偽名を使っても一目でわかる両親の面影の残る姿に、院長は複雑そうな表情を覗かせたとか。

 

 

・ジュンシー

 赤い髪に筋肉質な肉体が特徴的な男。28歳。

 5年間カナタに修行を付けていたら自分と同格になるまで強くなっていてちょっと焦っている。

 安定した生活を送れているが退屈な現状に嫌気がさし、組織を離れるか考え始めていたところにフェイユンたちが現れ、あれよあれよという間に天竜人を殺害して追われる身になったので、笑いながら「カナタの下に居たほうが労せず戦う機会に恵まれる」と判断した。

 基本素手で戦うことが多いが、本人曰く槍を使った方が強い。

 

 見聞色と武装色を高いレベルで扱うことが出来、全身を武装硬化することも出来るがあまり好まない。

 どちらかといえば見聞色を得意としており、相手の動きを読むより自分の動きを読ませない特殊な見聞色を会得しつつある。

 

 ジョルジュ一家の中では護衛としての役割が半分、カナタとクロの保護者役が半分というところ。

 本人はそうでもないと思っているが、面倒見がいいので自然とそういうポジションになった。

 

 出身は花ノ国。

 元八宝水軍にしてドン・チンジャオの愛弟子。若くして八衝拳の奥義を使えるまでになったが、本人に人を纏める気質がなく、またチンジャオとも馬が合わなかったので出奔。

 順当に成長していればのちにチンジャオの孫であるサイの副官として八宝水軍の活躍に大きく貢献しただろうが、この世界線ではそうならなかった。

 懸賞金5億を誇るドン・チンジャオとまともに打ち合える程度には強いが、あと一歩足りない感覚を長く味わい続けている。

 

 

・クロ

 黒髪黒目、全身に刺青の入った褐色肌の青年。22歳。

 自然(ロギア)系ヤミヤミの実の闇人間。

 

 ジョルジュ一家では一応幹部に数えられているが、喧嘩はからっきしでジョルジュより弱い。

 ただしその特異な能力で能力者相手にはめっぽう強く、引き寄せるだけでジュンシーが倒してくれるので「蟻地獄みたいだな」とは本人の談。

 イシイシの実の能力者と戦った際には能力が大きく活躍した。本人が弱いので原作ティーチほどには能力者キラーになれていない。

 覇気は使えないまま。

 

 相変わらず好奇心の赴くままに動くので「ネコみたいなやつ」と思われがちだが、本人は至って真面目に「犬だろ犬、勢いで飼い主をガブっと食べちゃうからな」と言っている。

 それでもいろんな意味でお世話になってるカナタにはしっぽを振って付き従う。やっぱり犬だった。

 世間知らずなことと好奇心で行方不明になりやすいので、カナタは船に乗せるのを嫌がる。大体騒ぎになっている場所に行けばいる。

 ジョルジュの護衛として残されたが、基本的に弱いので役に立たない。それでも能力を使えば一般人は相手にならないので不要というほどでもない。

 

 マルクス島では刺青の入った体を惜しげもなく晒していたので、差別とまでいかずとも避けられていたのは間違いない。

 バスターコールで島が焦土に変わったと聞いても、特に思うことはなかった。

 

 

・ジョルジュ

 黒髪黒目に二メートルほどの大柄(巨人族が現れたのでもはや人族としてはそこそこ大きい程度)な男。30歳。

 相変わらず臆病者で苦労している。カナタが何かと問題を持ってくるので最近喫煙の本数が増えた。

 それでも商会としてはかなり成功している部類で、マルクス島では一番の金持ちになっている。増えていく資産を見ると頬が緩む。

 

 増えていく仕事に対して人手が足りないので、マルクス島の至る所で腐っていた昔の自分と同じようなゴロツキを集めて人夫として雇い、島の就職率と治安を向上させている。

 結果的に彼らが乗ったガレオン船がマルクス島に帰ってきたことで「関係あり」と判断され、大将ゼファーの手で(実際は世界政府の命令だったとしても)ゴールデン電伝虫を使用させた。

 新聞でマルクス島が焦土になったと報じられたとき、親兄弟や昔馴染み、行きつけの酒場の親父や最近見直したと言ってくれた幼馴染の女がみんな死んだことに実感を覚えていなかった。それでも時間が経つにつれて「もう会うことはできない」と決定的に理解し、一時はカナタを恨みもしたが、一蓮托生だと五年前に決めたことを今更蒸し返すのも女々しいと割り切った。

 

 割り切れない思いもないではないが、それをカナタに言うのは見当違いだと判断できる程度には理性が残っている。

 

 

・スコッチ

 金髪碧眼の小太り男。サングラスをかけている。30歳。

 航海士としてジョルジュ一家の中心的な存在になった。世話になった商船の親方に恩返しができると喜び、惚れた女が別の男と結婚すると聞いて失恋でやけ酒したりしていた。最近は行きつけのバーでキャシーちゃんと話すのが楽しいらしい。バスターコールで死んだのでまた泣いた。

 西の海は大体網羅したが、偉大なる航路(グランドライン)だけは入ったことがない。

 

 マルクス島が焦土になった際、号泣して落ち込んで三日三晩ほど引きこもったが、臆病者のジョルジュが立ち直っているのを見て「おれもやらなきゃ男じゃねぇ」と奮起した。

 新たな恋を探しているらしい。恋はいつでもハリケーンなのでそのうちいい出会いがあるだろう。多分。

 

 

・フェイユン

 巨人族。薄紫の長い髪とアメジストのような紫色の瞳が特徴的な少女。38歳。

 年齢は一番高いが、人間族に換算するとまだ10代。カナタとそんなに変わらないが、色々と良くしてくれている間に懐いた。

 超人系(パラミシア)デカデカの実の巨大化人間。最大全長170メートル。

 

 エルバフの村出身。ビッグマムことシャーロット・リンリンが羊の家にいたころを知っているが、あちらは覚えておらず、海賊となったのちにフェイユンの両親を殺害している。

 命からがら逃げだしたが、どうしようもないときにゼンと出会って食料や水を何とか手に入れ、間違って食べた悪魔の実の力を狙って金獅子傘下の海賊に襲われたりしていた。

 凪の帯を通って西の海に逃げ出し、ゼンと二人で放浪していたところで西の五大ファミリーの一つに拾われる。

 食料と水をくれる代わりに戦えと言われ、ゼンも渋ったが最終的には戦わざるを得なかった。水と食料がなければ巨人族といえども生きて行けない。

 

 イシイシの実の能力者と二度戦い、一度目は互いに初見と言うこともあって小手調べのような形だったが戦場は大荒れ。

 二つの組織の幹部が全滅して戦場が大混乱したところで互いに引いた。

 二度目の戦いにおいては覚悟を決めて自ら戦う決心をした。悪魔の実の能力もあり、怪獣大決戦のようになったが相手の方が一歩上手だったため、翻弄されて封じられる。

 正面からの力比べなら勝てはしなくても負けなかった。

 

 唯一の同性であり、色々と世話を焼いてくれるカナタに恩義を感じて船に乗せてくれるよう頼みこみ、あっさりと許可された。

 その後天竜人に奴隷にされるところだったが、CP-0もろともカナタが虐殺したのでまた恩義を感じている。カナタのことを母親のようだとさえ思っており、多少の無茶なら叶えようとする。

 陸の上ならまだしも船の上では能力が使えないので若干困っている。

 

 生まれつきで見聞色の覇気を扱える。

 他人の感情を強く感じ取ることが出来、これによって他人の悪意をより強く受け取って人間不信になりつつあった。

 カナタは特に何も考えずフェイユンに接していたので、逆に救われたらしい。

 

 

・ゼン

 黒鹿毛の馬(?)のミンク族。37歳。

 いわゆるケンタウロスのような姿だが、神話に描かれるそれと違うのは、上半身は人間でありながら人間の頭部があるべき場所に馬の頭部があるということ。

 四足二腕の奇形。ミンク族の共通として電気を操る〝エレクトロ〟と満月を見ることで成る〝月の獅子(スーロン)を扱える。

 

 槍の名手。見聞色、武装色を高いレベルで使いこなす。

 元々新世界の海を単独で渡り、様々な国を回って武者修行をしていた。背に乗せるのは己が認めた強者のみと決めており、及第点ではあるがカナタとジュンシーはお眼鏡に適った。

 かつてワノ国に流れ着いた折には光月スキヤキと知り合い、一時滞在していた。鎖国国家ワノ国において大大名である光月スキヤキが戦場に出ることはほぼなかったが、戦場に出た際には背に乗せて千里を駆けるとさえ謳われる瞬足で戦場を駆け抜けた。

 

 その後、また武者修行の旅に出た。

 旅の途中で金獅子海賊団の傘下の海賊団に襲われているフェイユンを見つけて助け、金獅子海賊団に目を付けられることとなる。

 消耗する戦いでこれ以上は限界だと判断し、凪の帯を越えて西の海に入った。

 

 西の五大ファミリーの一角にフェイユン共々拾われ、食料と水を渡す代わりに傭兵として戦えと強要された。

 フェイユンは戦わせずに自分だけが戦うと言ったが聞き入れてもらえず、フェイユンと二人で戦場に出た。

 結果として二つの組織が壊滅的被害を受け、イシイシの実の能力者が後に接触して「自分たちに協力すれば水と食料を渡す」と言われて渋々従っていた。

 だが、嫌気がさして船を強襲。逃走を図っていたところカナタたちと出会う。

 

 フェイユンのことを随分と可愛がっており、妻もいないのに気分は子育てである。

 CP-0に追われていると連絡が入った際には一も二もなく船を飛び出してフェイユンを守るために疾走し、エレクトロも使用してあっという間に迎撃した。

 その姿もあって迫害や奴隷にされそうになったことも多く、カナタが天竜人を殺した事の顛末を聞いてからは彼女に付き従うことを心に固めた。

 

 

 

 所属 ラーシュファミリー

 

・ドレヴァン

 小太り長身。短い黒髪に剃りこみを入れている男。35歳。

 西の五大ファミリーの一つであるラーシュファミリーを率いる。今回の章の被害者その一。

 

 木端海賊から悪魔の実を買いあげる予定(半信半疑ではあった)だったが、偶然カナタたちが襲撃されて反撃して奪ったのがその悪魔の実だった。

 さらに自分たちのシマを巨人(フェイユン)に荒らされ、壊滅した二つのファミリーからの引き抜きもうまくいかず、消耗するばかりで飲酒量が増えた。

 

 戦力的にはチンジャオ率いる八宝水軍と正面から戦える数はいるが、チンジャオ一人が強すぎるので無双ゲーで蹴散らされる。

 

 

 所属 八宝水軍

 

・チンジャオ

 別名〝錐〟のチンジャオ。頭部が長い。原作キャラ。44歳。

 懸賞金5億4200万ベリー。ガープとは度々勝負をしている仲。今回の章の被害者その二。

 

 天竜人が花ノ国を訪れるということで上層部から色々無理難題を投げられ、それでも国とつながるメリットを取って中間管理職に甘んじた。最近髪が薄くなっているのではと危惧している。

 元から少ないので誰も気づかない。

 

 様々な物資を集めることもそうだが、西の海で五大ファミリーが大きく動いて不安定なため、何とかするように(意訳)と言われて頭を抱えながら何とかしようとした結果、花ノ国の港一つが全壊して多額の金を用意する必要が出てきてカナタたちに何とか支払わせようとしたら悪魔の実の現物を渡された。

 オークションで三つ全部売り払い、一つはラーシュファミリーに。一つは好事家が購入して凪の帯を越えて北の海へ。一つは資産家のおっさんが買っていった。

 天竜人が来る前に悩みの種は全部取っ払うことが出来、これもカナタたちジョルジュ一家のおかげだなガハハと思っていたら最大級の爆弾を落とされた。

 

 ジュンシーとはまともにぶつかっても勝てるが、戦闘の最中にカナタに不意打ちをされて流石に対応しきれず意識を落とす。

 花ノ国の王に盛大に怒られ、しわくちゃの顔で「儂、悪くないのに……」と呟いていたとか。流石のガープも(バスターコールのついでに勝負しに来て)同情して勝負を挑まなかった。

 

 

 所属 なし

 

・ドンキホーテ・クリュサオル聖

 天竜人。金髪金目の男。ドフラミンゴとロシナンテの伯父。

 花ノ国に視察という名目で珍しいものを探しに来た好事家。天竜人の中ではまだしも普通に近い感性を持つが、あくまで珍品を探すために一般の感性に近いだけ。

 例に漏れず下々民は自分に全てを献上するべきだと思っているし、欲しいものは全て手に入れるのが当たり前だと思っている。

 

 噂を聞きつけてフェイユンを呼び寄せたのが運の尽き。珍しいという理由でフェイユンを奴隷にしようとし、カナタも美しいから奴隷にしてやろうと考えた。

 怒れるカナタに護衛を虐殺され、本人もカナタに殺害される。自業自得。

 天竜人は激怒し、権威を恐れぬカナタに恐怖を抱いて多額の賞金をかけた。センゴクから逃げきったのも相まって懸賞金が破格の高さなのはこれが原因。

 

 この事件が発生し、弟であるドンキホーテ・ホーミング聖も影響を受けたらしいが……。

 

 

 所属 ローウェル海賊団

 

・ローウェル

 ぼさぼさの長く黒い髪が特徴的で3メートルほどの巨体の男。42歳

 超人系(パラミシア)イシイシの実の岩石同化人間

 本編で名前が出なかった。厳密にはファミリーの用心棒のような立ち位置だったが、雇っていたファミリーが潰れたので乗っ取って海賊団を名乗り始めた。

 

 西の五大ファミリーが二つ壊滅した事件の原因の一人(もう一人はフェイユン)。

 元々自分の力こそが最強だと思っており、長い時間をかけて錬磨した力を以てして西の海の王になろうと考えた。

 手始めに五大ファミリーの一つを潰し、そこを足掛けとして平定していく予定だったが初手でつまづいた。

 

 長い時間錬磨しただけあって相応に強く、覇気が使えないことを除けば本当に西の海を平定してもおかしくない強さを誇る。

 途中で海軍の邪魔さえなければ、という前提はあるが。

 

 

・ココ

 超人系(パラミシア)スケスケの実の透明人間。

 透明になれるので初手では有利だが、見聞色が使えるカナタたち相手にはあんまり意味がなかった。見聞色以前に力技で見破られたのでもっと意味がなかった。

 素の戦闘能力はジョルジュと同じくらい。

 

 

 所属 ロジャー海賊団

 

・ロジャー

 精悍な顔つきをした男。麦わら帽子がトレードマーク。原作キャラ。43歳。

 副船長であるレイリーが流氷を壊そうとしたら少女を拾ってきて目を丸くした。

 自由を何より愛し、偉大なる航路(グランドライン)後半の海である〝新世界〟を主に活動している。西の海には暇を持て余して釣りをしに来ていた。

 

 現時点ではカナタよりも遥かに強く、カナタがセンゴクから逃げきったと知った際には大笑いして強さを認めた。

 カナタとは何となくまた会いそうな予感がすると言っている。

 




次回は本編を投稿します。

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