ヒエヒエの実を食べた少女の話   作:泰邦

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第百九十一話:宴の夜

 

『……そうか、能力者だったか』

「はい。海楼石で現在縛っていますが……意識が戻り次第、尋問で何か情報を吐かせてみようと思っています」

『やるだけやってみるといい』

 

 そう会話するのは、小紫とカナタだった。

 ルフィたちが倒したマーティン5人のうち、4人は既に雲海に沈んだ。視界の悪い雲海に沈んだのでは回収することも不可能だろう。

 残った一人は小紫が預かって厳重に監視しつつ海楼石の錠に繋いでいるが、こちらは未だ意識が戻らない。

 姿は褐色、黒翼、白髪と言う姿から普通の人間に変わっており、それに伴って体躯も通常の人間と変わらないほどに縮んでいる。

 1人がそうなら残りもそうだったのだろうが、原則として同じ能力者は生まれ得ない。

 何かカラクリがある。

 

『シーザーが作っていた〝smile〟と言う果実……人工的に作った悪魔の実の能力者は同じ能力が何人かいるらしい。恐らくはその類だろう。もっとも、ルナーリア族の血統因子などどこで手に入れたのかは不明だがな』

「血統因子……私と戦ったマラプトノカもそのようなことを言っていました」

『マラプトノカか。私も奴については詳しいことはわかっていないが……少なくとも、お前の話を聞く限りでは普通とは言い難い存在だな』

「いくつもの悪魔の実を再現した能力を使っていました。そんなことが可能なのでしょうか?」

『実際に見たのなら不可能ではないのだろう。生まれが特殊なのか、それとも後天的に弄られたのか……関わっていそうな科学者には心当たりがある。後で締め上げて吐かせておこう』

 

 カナタは溜息でも吐きそうな雰囲気でそう告げた。

 多分……と言うか、ほぼ確実に関わっているであろう科学者、ベガパンクにはどのみち用事があるのだから、そのついでだと。

 残りの〝MADS〟の面々も、ある程度は接触出来る。こちらも関わっているなら吐かせるつもりであった。

 

『しかし、ルナーリア族の悪魔の実か。ルナーリア族の血統因子があるならクローンを作った方が安上がりだっただろうに、何故こんな回りくどいことを……別の目的で作ったクローンを再利用するためか?』

「……私にはその辺の話はちょっと……」

『そうだな。後で科学者連中を集めて調べさせよう。生体サンプルが手に入ったのなら話は早い』

 

 検体があるのと無いのでは大違いだ。得られる情報が段違いなのだし、情報を得ることを期待してもいいだろう。

 

「カナタさんは今どちらに?」

『〝ドレスローザ〟だ。〝smile〟を育てている工場があるらしいからな。帰りの寄り道がてら見に行く』

 

 海軍が差し押さえたはいいが、工場は海楼石で出来ているので困っているらしい。壊せそうな面々は軒並み中まで壊しそうだし、海楼石はダイヤのように硬いので破壊するのも容易ではない。加えて悪魔の実の能力が通用しないので、物理的に破壊するのは極めて困難だった。

 中に薬品や果実など、出来るだけ被害を与えずに回収したいものがある以上は取れる手段も限られる。

 リコリスが連れ帰っているギャルディーノはこれを開ける事も出来る能力者だが、カナタはマリージョアから帰る寄り道ついでに壊していくと言う。

 

『海軍もいつまでも駐留させておくわけにもいかないだろうしな。センゴクへの貸しにするつもりだ』

「クロコダイルの件で海が不安定になっているから、と言う事ですか……しかし、これまでだって()()()()()()()()6()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

『……6()()()()()()()()()、か』

「? どうしました?」

『いや……何でもない』

 

 何か、とてつもない違和感があったような気がする。

 カナタは言い知れない気持ち悪さを覚え、しかしそれを言葉にすることが出来ない。

 漠然とした感覚に黙っていると、小紫は何か下手なことを言ったのかとやや緊張した声色になる。

 

「あの、何かおかしなことを言いましたか?」

『……いや、気にするな。こちらの問題だ。マラプトノカの件は後ほどまた聞こう。アッパーヤードの件はガン・フォールに始末させておけばいい。それ以外に聞くことはないな?』

「は、はい!」

 

 スカイピアは〝黄昏〟の領地であり、療養地として使っているためにカナタの直轄する場所でもある。代官としてガン・フォールはつつがなく治めて来たし、今回もそうするだろう。必要なものがあれば相談して頭を下げられる柔軟さもある。

 小紫はそれから二、三言話すとカナタとの通話を切った。

 ひとまずの報告はこれでいい。後で詳細な報告書を上げる必要はあるが、数日の猶予はある。

 あとはルフィたちの件だ。

 小紫は自室から出てもう一度アッパーヤードに向かおうとしていると、道中で呼び止められた。

 

「あ、いた! 小紫ちゃん!」

「おや、どうされました?」

 

 迎賓館に滞在している客人である。

 彼女は小紫を探していたらしく、後ろには共に走り回っていたであろうエネルの姿もあった。

 

「向こうの島で麦わら帽子の子たちが戦っていたんでしょう? 無事だった?」

「ええ、彼らは無事でしたが……何故貴女がそれを?」

「監視してた映像電伝虫で見てたの。それで、ちょっと気になって……私も出来れば彼らのところへ連れて行ってもらいたいんだけど、いいかしら?」

「私の方を見るな。私は止めていた方だぞ」

 

 エネルの方をチラッと見ると、そんな言い訳がましい言葉が返ってきた。

 小紫としても、ルフィたちは特に危険なようにも思えないし、シャンディアなども今はそれどころではない。仮に襲撃者が居ても、この島に小紫以上に強い者などいないのだ。

 護衛として付いて来た手前、彼女の要望はある程度通してもいいと考えていた。

 

「……いいでしょう。ただし、私の指示には従ってくださいね?」

「! ありがとう!」

 

 客人の女性は小紫に抱き着いて礼を言うと、何か準備があると言って部屋に戻ってしまった。

 嵐のような挙動に目をぱちくりさせていると、それを見ていたエネルが疲れたようにため息を吐く。

 なんだかんだと付いて来るつもりらしく、小紫の傍を離れる様子は無い。

 そうして3人で船を用意していると、どこから聞きつけたのかガン・フォールまで現れて連れていくことになった。

 

 

        ☆

 

 

「宴だ~~!!!」

 

 小紫たちがルフィたちのいる場所に辿り着いた時には既に日は暮れており、大人しくしているだろうと思っていた彼らはキャンプファイヤーを囲って宴をしていた。

 他所の土地でよくもまぁこれだけ騒げるものだと逆に感心するほどである。

 

「いや、はっはっは。元気な若者たちのようであるな」

「笑い事ではあるまい、ガン・フォール。だが、どういう訳かシャンディアの連中もいるな」

「何故こんなことに……?」

 

 笑うガン・フォールに首をひねるエネル。そして困惑する小紫。

 残る1人──客人の女性はと言えば、きょろきょろと誰かを探す素振りをしていたかと思えば、目的の人物を見つけたのか一直線に走り寄る。

 

「見つけた!! サンジ!!!」

「ん? うおっ!?」

 

 鍋一杯のシチューを皿に注いでいたところに飛びついたものだから、サンジは慌てつつも皿を落とすまいと女性を抱きとめつつ回転して皿とシチューを守る。

 女性に抱き着かれたと感触だけで分かったために顔はややだらしないことになっていたが、その顔を見るや否や、咥えていたタバコを落として目を見開いた。

 見覚えのある顔だ。

 知っている、しかし()()()()()の人物。

 

「久しぶりね、サンジ!! 元気なようで何よりよ!!」

「なんだサンジ、知り合いがいたのか?」

「誰だあれ?」

 

 ウソップとルフィが騒ぎながら食事を取るという器用なことをしている中、目ざとくサンジの様子に気付く。

 それに気付いた麦わらの一味の面々は一斉に視線を向け、サンジはそれに気付かず相手の事を口にする。

 

「はは、うえ……?」

「は?」

「え?」

「母上? ってことは、サンジの母ちゃん!?」

「え~~~~っ!!?」

 

 ──ヴィンスモーク・ソラ。

 サンジの母親であり、かつて劇毒を口にしたことで歩くことさえ出来なくなっていた女が、これ以上無いほど元気な姿で現れた。

 サンジにとっては混乱するより他にない。

 驚くルフィたちに気付いたソラは、サンジから離れると今度はそちらに近寄っていく。

 

「貴方達がサンジの仲間ね? サンジがお世話になってます!」

「ああこれはご丁寧に」

「サンジにはいつも美味いメシ作ってもらってます」

 

 ソラにつられてルフィとウソップがペコリと頭を下げる。ナミはまだ驚きが抜けきらないようだが、ゾロは割とどうでも良さそうにしており、チョッパーは驚きつつも食事をする手が止まっていない。

 ロビンはソラの後ろから来る小紫たちに気付くと、「貴女が連れて来たの?」と尋ねた。

 

「ええ。彼女の要望で……先日言ったロビンさんに会わせたい人と言うのが彼女でもありましたし」

「私に? どうして?」

「オルビアさんのママ友だそうで、一度会いたいと仰っていましたから」

 

 思ったより簡単な繋がりにロビンも思わず苦笑する。

 友人の娘なら会ってみたいと思うのも仕方ないか、と言わんばかりの表情である。

 一方、それよりも気になることがあるエネルは顎に手をやりながら尋ね返した。

 

「シャンディアがここにいるのは何故だ?」

「マラプトノカに村を焼かれて、帰る場所が無いんですって。当てもなく彷徨っていたところで戦士たちと合流して、何とかここに辿り着いたって」

「……なるほど。それで戦士だけでなく女子供に老人もいるのだな」

「あ、耳たぶのおっさん! おめーもこっち来たのか!」

「誰が耳たぶのおっさんだ。敬意をこめてDr.エネルと呼べ」

「そうだおっさん! おっさん船の専門家なんだろ? メリー号がちょっと燃やされちまってよ……修理とか出来ねェか?」

「私は船の専門家だが、私がやるのは理論の開発が専門だ。実際に船を作ったり修理するのは私の仕事ではない」

「そっかー……おっさんでもダメなのか」

「あちらの島には理論を実践するために船大工が何人かいる。応急処置くらいなら請け負ってくれるだろう。頼んでみるがいい」

「ホントか!? ありがとな、耳たぶのおっさん!!」

「個人的な意見を言わせてもらうなら、あの型遅れの遊覧船は乗り捨ててもう少し頑丈な船にするべきだと思うがな。ここから先の航海はキツイぞ」

「何だと!? メリーは大事な仲間だ!! 乗り捨ててなんか行かねェ!!」

「……まァ貴様たちが良いのなら何も言うまい」

 

 騒がしくなったことにシャンディアの酋長も気付いたのか、戦士を伴って近付いて来る。

 戦士──カマキリとワイパーも傷だらけで、視線こそ人を殺せそうなほど強いが武器は持っていない。

 

「ガン・フォール。そちらは無事だったか」

「うむ。吾輩は戦士を引退して久しいが、頼りになる戦士がいるのでな」

「羨ましい限りだ……我々の戦士は無鉄砲でな」

「酋長! ガン・フォールと話すことなど無いハズだ!! さっさと追い返すべきだぞ!!」

「落ち着け、ワイパー。お前もその傷で戦おうなどと考えるな。さっきまで死にかけだったのだぞ」

 

 マラプトノカに腹を撃たれ、生死の境を彷徨っていたのだ。チョッパーの治療を受けて何とか一命を取り留めたが、立ち歩いていいような状態ではない。

 それでも立ってガン・フォールを睨みつけるのは、この場所が大事な聖地で、先祖代々守るべき場所であると考えているが故か。

 ともあれ、立ち話も何だと、キャンプファイヤーを囲って座る一同。

 混乱するサンジもようやく立ち直ったのか、ひとまず全員分の食事を用意して下がる。

 サンジの料理を口にして嬉しそうに舌鼓を打つソラを尻目に、ガン・フォールは酋長へ視線を向けた。

 

「今回の被害は大きかろう。村を焼かれたと聞いた。戦士たちも傷だらけのようだ」

「ああ……貯えも全て燃やされた。正直なところ、途方に暮れているのが現実だ」

 

 村にあった家、家財道具、作物の蓄え、思い出の品……あらゆるものが灰燼と化した。残っているものは何もない。

 死者が出なかったのがせめてもの救いだが、食べるものも無いのでは遠からず餓死者が出るだろう。森の恵みは多いが、肝心の森も大火事で焼かれたところが多い。

 これから先の事を考えれば、陰鬱な雰囲気になるのも仕方がないだろう。

 酋長の話を一通り聞き、ガン・フォールは手に持ったシチューの入った皿を見る。

 この先、シャンディアはこの一杯のシチューを食べる事さえ難しくなる。幼子も、働けない老人もいる。総員で食料を探しても、実りが続くとは限らないのだ。

 

「……酋長。これは提案だが」

「おれ達はお前らの施しなど受けない! 聞く必要は無い!」

「ワイパー!」

「何か一つ譲歩すれば、こいつらはつけ上がって全てを要求してくる!! 過去、こいつらにおれ達の先祖は土地を追われた……今更信用出来るハズがねェ!!」

 

 立ち上がって怒りのままにガン・フォールを罵るワイパー。

 過去、シャンディアが受けて来た仕打ちを考えればワイパーの言葉も安易に否定することは出来ない。

 しかし、それでもガン・フォールは引き下がることは出来なかった。

 何よりシャンディアの者たちのために。

 

「ではどうするつもりだ。家もなく、田畑もなく、森の恵みは減った。緩やかに部族が滅ぶのを指をくわえて見ている気か?」

「おれ達の事はおれ達で何とかする。テメェらの手助けなど受けねェ!」

「現実を見ろ、ワイパー!! 貴様の言っていることは理想論だ!! 貴様は良くとも、それで真っ先に死んでいくのは老人や子供たちだぞ!!!」

 

 老いて使い物にならない老人は真っ先に切り捨てられるだろう。

 子を守ろうと母親は食料を渡して死んでいくだろう。

 それでも飢えに耐えられない子供は死んでいくだろう。

 最終的に残るのは、自ら獲物を取って食い扶持を稼げる戦士だけだ。

 

「何もお主たちを奴隷にしようと言うのではない。頭を冷やせ、ワイパー。話を聞いてから考えても遅くはないハズだ」

「…………!」

 

 ジッと見つめるガン・フォールと睨みつけるワイパー。

 ワイパーは視線をラキやアイサ、ゲンボウにブラハム──守るべき部族の同胞たちに向ける。

 これまで散々搾取し続けて来た者への信頼などあるはずもない。しかし、それでは部族を守ることが出来ない。

 ワイパーはガン・フォールを睨みつけたまま、腰を下ろして口をつぐむ。

 余計なことを口走れば殺すと言わんばかりの視線ではあるが、ひとまず話を聞く気にはなったらしい。

 

 

        ☆

 

 

「あっちは大変そうだなァ」

「まァ大変だろうな。シャンディアと空の者たちの軋轢は400年にも及ぶ。一朝一夕でどうにかなるものではない」

「400年!? それはまた……」

「耳たぶのおっさんはあっちの会話に交ざらなくていいのか?」

「私は政治に関与しないと決めている。興味も無いしな」

 

 ガン・フォールと酋長の話し合いから少し離れたところで、エネルとソラはルフィたちと食事を取っていた。

 小紫はガン・フォールの護衛代わりに残っており、ワイパーが短慮を起こしたとしても対処出来るようにしている。

 政治に興味の無い2人はそそくさと抜けて来たと言うワケだ。

 エネルは相変わらず上半身裸の上に白衣を着たままで、シチューをパクパクと食べている。

 その横でウソップはソラの方に視線を向けた。

 

「おれはサンジの母ちゃんとここで会ったことに驚いてるよ」

「私も驚いているわ。まさかここで会えるなんて思っていなかったもの!」

「いや近ェよ!」

 

 ちょっとずつ寄っていったかと思えばサンジの真横に座っていたソラ。

 ウソップはそれにツッコミを入れるが、肝心のサンジはシチューをスプーンでつつくばかりで食べていない。どうしても気になるのか、俯いていた視線がソラへと向いた。

 

「……なァ母上、なんで生きてるんだ?」

「いやおかしいだろその質問。お前の母ちゃん、死にかけたことがあったのか?」

「……おれがあそこから逃げる時、もうベッドから起き上がれないくらい衰弱してた。世界最高の医者でも治せねェって匙を投げたハズだ。あれから……もう10年以上経つ。冷静に考えりゃあ生きているハズがねェ」

 

 最後に会ったのは11年前……ソラはもうベッドから体を起こすことさえ出来ない状態で、それでもサンジの事を想ってジェルマから逃がすようレイジュに頼んだ。

 料理人になりたいというサンジの夢が叶うことを願いながら。

 その想いは確かに受け取ったのだ。だから、どれだけ大変でも自分の夢を諦めるようなことは無かったし、今だって〝オールブルー〟を目指してルフィと旅をしている。

 だからこそ、目の前にいる母親に疑問が浮かぶ。

 目の前にいるのだから治ったのだろう。だが、あのベッドの上で儚げに笑う母親と目の前で快活に笑う母親が一致しない。

 

「そりゃお前、医療の進歩で治ったんだろ」

「んな簡単な話じゃねェだろ」

「う~~ん……その辺を詳しく話すと長くなるし、難しい話なのよね……」

「おれは気になるぞ! どういう病気で、どうやって治したんだ?」

「あら可愛い! あなたがサンジの船の船医なの?」

「おう!」

 

 気になると言われても、ソラは詳しいことを話すのをかなりためらっていた。

 どういう理由で話しにくいのかはサンジ達には分かりかねるが、サンジだけはまともな手段でないことを想像出来た。なにしろジャッジを知っている。

 

「そうだ! どうしても気になるなら、私を船に乗せて? 連れて行って欲しい島があるの!」

「えェ!? いいぞ」

「いいのかよ!?」

「決まりね! どうしても聞きたいのなら、そこで話すわ!」

 

 あれよあれよと言う間にソラがメリー号に乗ることが決まり、決定の速さに隣で聞いていたエネルもあんぐりと口を開けていた。

 ソラの担当する研究は終わっているのが幸いと言えば幸いか。

 後は日の目を見るばかりの研究結果だが、ソラはそれよりもサンジの方を優先した。

 

「あ、でもすぐには船を出さねェぞ?」

「あら、どうして?」

「黄金を探してんだ。ここに黄金郷があるんだって、ひし形のおっさんやサルたちに教えてやりてェし」

「黄金? 確かにこっちの島はほとんど未開拓だけど、そんなものあったかしら……」

 

 少なくとも外から見て分かるような場所には無い。そんなところにあれば過去に発見され回収されているだろう。

 だが、シャンディアは誰も黄金の事を知らなかった。

 どこかに隠されているか……あるいは、どこにも無いかのどちらかだろう。

 

「ああ、それならあらかた見当は付いているわよ?」

 

 ルフィたちが話していると、さも当然のような顔でロビンが黄金郷の場所を突き止めていた。

 ルフィたちは揃って目玉が飛び出る程驚いていた。

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