ヒエヒエの実を食べた少女の話   作:泰邦

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第二百三十九話:帰ろう

 

「な、なんでメリー号がここに!?」

 

 当然の疑問を口に出すウソップだが、その疑問に答えられるものはここにはいない。

 この状況で小さな船が一隻増えた程度だ。海軍にとっては砲撃で沈めれば済むだけの話で、海列車より遅い船など格好の的でしかない。

 しかし、海列車に並走するその小さな船を見て、カテリーナは運転室から客室にいる面々へ連絡を入れる。

 

『みんな! 怪我人連れて船の方に乗り移って!』

「何故だ? 海列車の方が速度は上だ。逃げられる確率ならこのままの方が余程高いハズだぞ!」

『海列車じゃ急激な旋回が出来ない! あの船なら舵を取って旋回すれば軍艦を避けるように移動出来る!!』

 

 ユイシーズの疑問にカテリーナが叫ぶように言い返す。

 ロビンの確保が最優先なので当てるつもりのない威嚇射撃に近いが、このまま逃げられるよりは仕留めると方針転換された場合にどうしようもなくなる。

 ウォーターセブンに続く線路を破壊して行く手を遮る軍艦は2隻。残りはジェルマや〝黄昏〟の船と戦闘中だ。

 海列車を囲もうと軍艦を動かしているのは見えるが、まだ包囲網が完成していない今なら迂回すれば軍艦から遠ざかるように移動出来る。

 海列車はその構造上、線路の上を走ることを想定しているので自力で急な旋回が出来ない。海の上で多少舵取りするくらいは出来るが、メリー号ほど小回りが利かないのだ。

 このまま海列車を走らせれば軍艦の横をすり抜けるように走り抜けることになる。軍艦で完全に前を塞がれて突っ込むことになる可能性を考えると、船に乗り移った方が逃げやすい。

 

「小回りが利かないのか……意外な弱点だな」

「そりゃ列車だからな。基本線路の上を走ればいいだけだから、舵よりも他に優先するべき機能があると思ってよ」

 

 海列車にそれほど詳しくないユイシーズは意外そうな顔をし、フランキーがそれに答える。

 だが、そう長々と話している暇はなかった。

 並走するメリー号に合わせて海列車は速度を落とし、ユイシーズとカイエが中心になって怪我人を優先して船へと運び込む。

 列車から船へ飛び乗るのはそれなりに度胸が必要だが、今更そんなことで足がすくむような者などいない。

 手早く移動を済ませると、カテリーナは子電伝虫で通話しだした。

 

『全員乗り移ったかい?』

「ええ、貴女も早く移動を」

『すぐに行くよ! トビ!』

『承知しました』

 

 急激に速度を落とす海列車の機関室から二つの影が飛び出した。カテリーナを抱えたトビである。

 なんとか気絶から復帰したトビをこき使うようだが、使えるものは何でも使わないとこの局面では生き残れない。

 

「海列車を置いて行くのか?」

「仕方ないよ。船ほど小回りが利かないんだ。あのまま行ってたら軍艦に体当たりしちゃう」

 

 それに、海列車は複数台ある。設計図も残っているし、必要なら新しく作ればいいのだ。

 思い入れが無いとは言わないが、命には代えられない。誰も乗っていない海列車なら海軍も攻撃せずに鹵獲に留めるかもしれないという思いも少しだけある。

 軍艦も乗り換えたことに気付いたのか、砲身が海列車ではなくメリー号の方を向く。

 イゾウと河松は変わらず砲撃を防いでくれているが、本心では小紫の事が気になるのか視線が時折そちらを向いていた。

 

「カイエ、ユイシーズ! 小紫を助けられないかい?」

「……難しいでしょうね」

「ああ。あいつの戦闘範囲に入るとこちらが巻き込まれる。自然(ロギア)系全般に言えることだが、影響の範囲が広いと共闘もままならないものだ」

 

 特に雷を操るゴロゴロの能力は繊細に扱わねば味方に感電しかねない。援護のつもりが足を引っ張るだけ、という状況にもなり得る以上、下手に手出しは出来なかった。

 それでもどうにかしなければ赤犬に追いつかれる──とカテリーナが困ったように呟くと、持ち歩いている子電伝虫に誰かからの連絡が入る。

 

『心配は無用です。こちらで何とかします!』

「……小紫!? 君、戦いながら電伝虫の電波に干渉してるのかい!? オクタヴィアなみに器用だね……」

「オクタヴィア? 誰だそれ」

「小紫の前にゴロゴロの実を食べてた人さ。もう亡くなってるよ」

 

 ルフィが純粋な疑問で尋ねると、横に居たカイエが一目でわかるほどに顔が険しくなる。

 あまり話したくないことなのだろうとルフィですら察したので、その話はそこまで。

 カテリーナはまだつながったままの子電伝虫に向け、口を開いた。

 恐らくこちらに声を届けるために子電伝虫を利用しているだけで、こちらからの声はいつも通り見聞色と雷の肉体を利用して聞いているだけだろうとはわかっていたが。

 

「こちらの心配無用とは言うけど、赤犬とサイファーポールは海の果てまで追ってくるつもりじゃないかい? 撃退する当てはあるのかな?」

『大丈夫です。Dr.エネルが例の装置を起動してくれていたようなので』

「例の装置……? あ、もしかして」

 

 カテリーナは弾かれたように空を見上げる。

 〝不夜島〟とも呼ばれるエニエスロビーは、常に太陽の沈まない明るい海域に存在する不思議な島だ。

 その空が今、一隻の船から広がる暗雲で覆いつくされている。

 日は翳り、立ち込める暗雲は絶えず渦巻いて時折稲光を発していた。

 

『耳を塞いでおくことをお勧めします。少々派手に行きますよ』

「みんな! 耳を塞いで! すぐ!!」

 

 カテリーナの焦った声に良く分からないまま耳を塞ぐ一同。怪我人は船内に運んだので、多少のことなら大丈夫だろう。

 小紫は数秒の後、空で赤犬、ゲルニカ、ステューシーから僅かに距離を取って空に立ち込める暗雲目掛け雷を放った。

 

『〝万雷(ママラガン)〟』

 

 直後、凄まじい轟音が辺り一帯に響き渡る。

 雨のように降り注ぐ雷が赤犬たちを3人纏めて巻き込み、それに留まらず軍艦を幾本もの雷が襲っていた。

 無差別に落ちているのか、海に落ちている雷もそれなりにあるが……大多数は狙ったように軍艦へと落雷が発生している。

 ナミの使う〝サンダーボルト=テンポ〟の超拡大版のような絵面だが、もたらす被害は段違いに大きい。何より雷そのものが生きているかのように軍艦へと誘導されているのが不思議な光景だった。

 

『総員、すぐに撤退を! 我々の目的は達しました、これ以上の犠牲は不要です!!』

 

 正直なところ、派手な雷鳴で耳鳴りが発生しているので小紫が〝黄昏〟全体へ出した指示はそれほど聞き取れているわけではなかった。

 だが、あまりにも派手な攻撃で軍艦を襲うので、これ幸いと全ての船が一斉に逃げ出していた。いつ自分の頭の上に雷が落ちて来るかと、船員たちは大わらわで逃げ出している。

 上機嫌なのは空の上でこの光景を見ているエネルだけである。

 そして──これほどの大規模攻撃を受けてなお諦めない一人の男と、小紫は空で最後の衝突をしていた。

 

「こがいな広範囲に、これほどの攻撃を……!! 少なくとも貴様だけは、絶対に逃がさん!!!」

「いいえ、幕はこれまで。この戦いは我々の勝利です──どうせ、近いうちに会うことになるでしょう」

 

 政府、海軍がカナタの七武海追放を完全に認めている。小紫にとってはあまり理解の出来ないことだが、彼らにとってカナタは許しておけない敵らしい。

 他の七武海を動員するなり、各地から海軍の戦力をかき集めるなりして、近いうちに〝黄昏〟と世界政府の全面戦争もあり得る。

 

「貴様ァ……!!」

 

 数の上では政府と海軍の方が上だろうが、それも表面上のこと。どこかに戦力を隠し持っていないとも限らない、と考えていた赤犬のことが正しかったと証明されたのだ。何としてもここで小紫、あるいは幹部の1人でも捕えておかねば後々甚大な被害を受ける。

 赤犬は言動に反して慎重な男だ。大言壮語を吐かず、自身の掲げる正義に則って行動する。

 彼がやると言ったからにはやれるのだ、と信頼する部下も多い。

 その彼が逃がさないと言った以上、逃がすことはない。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「〝冥狗(めいごう)〟!!」

「おさらばです──おでん二刀流〝桃源十挙〟」

 

 十字に切り裂く黒い閃光が瞬いた。

 赤犬の攻撃を相殺してなお威力を保つ斬撃は、空中で戦う赤犬を大きく吹き飛ばして軍艦へと叩きつける。

 ゲルニカとステューシーは既に雷の雨に呑まれて叩き落しており、どこかにいっている。探し出して始末しよう、などと考える小紫ではなかったので、そのまま距離を取って〝黄昏〟の船が逃げ出すのを待ち、殿を務める。

 彼女を抜かねば追えはしない。だが赤犬ですら手を焼く彼女を、中将以下の誰が通れようか。

 ──一人の女を巡る勢力同士の突発的な戦いは、ここに終局を迎えた。

 

 

        ☆

 

 

 軍艦の甲板に叩きつけられた赤犬は多少血を流してはいたものの、まだ気力を残していた。

 小紫が追うのを止めているなら己があれを叩き落す。そう意気込んでいた赤犬のところへ、急ぎの伝令兵がやってきて電伝虫を繋ぐ。

 仕事中の赤犬に待ったを掛けられる存在など、世界でもそれほど多くはない。

 相手は、まさにそのうちの1人だった。

 滾るマグマを抑え、赤犬は努めて冷静に受話器を取った。

 

「……もしもし」

『手酷くやられたようだな、赤犬』

「まだ終わっとりやせん。ここから奴らを追って始末し、ニコ・ロビンを取り返しゃァええでしょう」

『いや、()()()()

「……それは、どういう意味で」

 

 電話の相手──センゴクは、夜中に叩き起こされたことも含めて少し疲れた様子を見せながら言葉を紡ぐ。

 

『お前もわかっているハズだ。これ以上踏み込めば〝黄昏〟と全面戦争になる。こちらはまだ準備が出来ていないんだ、それは避けたい』

「…………」

 

 準備が出来ていないのは〝黄昏〟の方も同じだ。

 しかし、周辺から集めただけの兵力ですら〝バスターコール〟から逃げきった。エニエスロビーでの被害も含め、明らかに政府の方が損害は大きい。

 これで追撃をかけて取り返せるというのは、流石に侮りが過ぎるだろう。

 大将ひとりで殲滅できるような相手ではなく、再び〝バスターコール〟を発令しても今度は更に戦力を集中させた〝黄昏〟の部隊とやり合うことになる。

 甚大な被害を覚悟せねばならない以上、入念に準備を整えて置きたいというのがセンゴクの本音だった。

 

『奴にお前を止める程の隠し玉がいて、それをこちらの海に配置していたというのが運の尽きだった。裏を返せば奴の伏せ札を一枚暴いたともいえる。今回はそれで我慢しておけ』

「……わしが良くとも、政府の上の人たちが納得せんでしょォよ。それとも、何か当てが?」

『当て、というべきかは考えどころだが……少しな。政府はカナタの身辺、出生に関する情報をそれなりに昔から探っていた。どうにも〝五老星〟は心当たりがあったようだからな』

「奴の母親のことならわしも聞いちょりますが、そちらではなく?」

『カナタもオクタヴィアも、素顔を見れば随分と似通っていた。オクタヴィアの遺体を確認したのはガープだ、その辺りは信用出来る。では、それより遡った血筋にも似た顔がいて不思議は無いだろう』

 

 カナタが幼少期に住んでいた島は既に何十年も前にオクタヴィアの手で全滅して更地になっている。育った島も〝バスターコール〟で政府自身が吹き飛ばした。

 それ故に、彼女の足取りを追うことは困難を極めたが、政府の諜報員があちらこちらを探りに探ってようやく見つけたらしい。

 センゴクもつい先ほどそれを聞かされ、頭を抱えると同時に納得もし、これ以上手を出すなら準備をしなければならないと決心させた。

 もっとも、センゴク、ガープ、おつる、ゼファーなど、歴戦の海兵たちはカナタの父親については何となく察していたが……証拠付きでそれが証明されたとなれば、警戒するのも当然と言えた。

 

『奴の父親が分かった。証拠付きでな……準備を整え次第、政府は何が何でもカナタを消しにかかるぞ。せめて子供がいないことを祈っておこう』

 

 

        ☆

 

 

 プルプルプル。

 プルプルプル。

 ガチャ。

 

「はい、小紫です」

『私だ』

「カナタさん! 忙しいから手が離せないと聞いていましたが、もういいのですか?」

『ああ、先程済ませた……それより、随分と大変だったようだな』

「ええ、まァ」

 

 緊急の呼び出しに始まり、ついてみれば大将赤犬と一騎打ち。いい経験になったと言えるだけの強さが小紫にあったから良かったものの、下手をすれば大隊規模の戦闘員が全滅していた、などと言う事にもなりかねなかった。

 それだけ今回の作戦に政府も本気だったのだろうが、小紫がだいぶ暴れたので今後は小紫のこともマークされるだろう。

 カナタに報告したのはジョルジュだったようで、そのジョルジュにしてもカテリーナが好きにやって良いと許可を出したところまでで情報が止まっていたらしい。

 カテリーナに直接連絡を入れたがっていたが、今はペドロとゼポの本格的な治療のために〝黄昏〟の船にある医療室にこもっている。次点で地位の高い小紫のところに連絡が回って来たようだ。

 小紫は途中参戦で、元々どんな理由でロビンが攫われたのかもあまり聞いてはいなかったため詳しいことはまた後日ということになったが、簡単な報告は出来た。

 

『そうか、赤犬(サカズキ)が……奴はお前から見てどうだった?』

「とても強かったです。実力もそうですが、何より目的のために敵に食いつく執念が」

『だろうな。あいつはそういうところがある。頭に血が上って視野狭窄になったかと思えば、それは見せかけで根は常に冷静な男だ』

 

 小紫にとって、海軍大将との戦闘はいい経験になっただろうとカナタは笑う。

 笑い事ではない被害が出そうになったが、その場合はロビンを諦めて撤退することになっていただろう。

 ──もちろん、そうなったらインペルダウンにカナタが襲撃をかけることになっていたわけだが。

 

『〝麦わら〟は今、どうしている?』

「彼らが乗っていた船が限界を迎えて、このままではウォーターセブンまで持たないからと……船に火を点けて見送っています」

『船を? そうか……ふむ』

「彼らの冒険もしばらく足止めでしょうね。船が無いのでは海賊とは言えませんし」

 

 お金を持っていることは分かっているので、いい船を見繕って売っても良いのだが……その辺りは彼らの選択次第だ。

 小紫はそちらよりもカナタの方が気になっているらしく、前のめりに訊ねた。

 

「私としては、カナタさんの方が気になります。聞きましたよ、バレットさんと一騎打ちをやったって」

『ああ、そろそろ本格的にウチに所属する気はないかと聞いたんだが……あれも頑固な男だ。そう簡単には首を縦に振らなくてな』

「それじゃ、どうしたんですか? 結局うちには入らないんですか?」

『いや──』

 

 

        ☆

 

 

「──本気で戦い、私が勝てば少なくともカイドウとリンリンを倒すまでは〝黄昏〟に所属するということで合意させた」

 

 〝新世界〟──〝勝者(ウィナー)島〟。

 人の住まぬ自然豊かなこの島は、今は見るも無残な姿に変わっていた。

 覚醒した〝ガシャガシャの実〟の能力によって、ほぼ島一つを呑み込む大きさへと変わった超巨大バレットは下半身が完全に凍り付き、上半身は17の塊に切り裂かれている。

 尋常ではない覇気を込めた超巨大バレットの攻撃で島は半壊状態になっており、カナタの能力によって豊かな自然は氷漬けになっていた。

 およそ人の戦った痕跡とは思えない状況の中、カナタはジョルジュの持つ電伝虫で小紫と会話している。

 服は至る所が傷んでいるし、多少血も流れているが、大きな怪我と呼べるものはほとんどない。

 

『どうでした、バレットさん。カナタさんから見てもやっぱり相当な強さですか?』

「そうだな。かなりの強さだ。私もこれほど長引くとは思っていなかった」

 

 ほぼ一日を通して戦っていたのだ。タフネスさではカイドウにも劣らないと言えるだろう。

 そのバレットはと言えば、右腕が二の腕半ばから断ち切られる寸前まで切り裂かれ、ほぼ肉と皮だけでくっついているような状態であるし、胴体にはいくつもの斬撃の傷が残っていた。

 流した血が多いことと甚大なダメージで気絶していて、今はスクラが急ぎ手当てをしている。

 死んでは味方に引き入れる意味が無いので、なるべく体にダメージが残らないように加減をしたのだが……鍛え上げたバレットの尋常ではないタフネスのせいで、死ぬ一歩手前まで追い込まねば気絶すらしなかった。この辺りはカナタとしても誤算という他にないだろう。

 

「バレットの回復を待って次の行動に移りたいが、政府の動きが想像よりも早い。恐らくニューゲートの件を奴らが知ればそれに合わせて動いて来るハズだ」

『……〝白ひげ〟の一件に関しては箝口令を敷いているのでは? 政府が情報を得られるとは思えませんが』

「どこにでも耳のいい奴、口の軽い奴はいる。うちで箝口令を敷いてもニューゲートの方で情報を流されれば同じことだ」

『政府に情報を流して不利になるのは〝白ひげ〟の方も同じではないのですか?』

「ニューゲートのところはうちほど厳格に仕切っているわけではないからな」

 

 船員は息子であり娘だと公言してはばからない男だ。

 カナタは別にそれを否定する気はないが、規律の厳格さはどんな間柄であろうと必要だと考えている。たまに滅茶苦茶な解釈をしてやらかす奴が出るのだ。

 それはさておき。

 

「しばらくはウォーターセブンに留まっているように。センゴクは慎重な男だが時に大胆な策に出ることもある。お前の能力なら敵の間諜も見抜けるだろう。ロビンたちを守ってやってくれ」

『分かりました。怪しい奴は取り敢えず斬ってから考えます!』

「…………」

 

 何となく父親に似て来た小紫に、カナタはバレット戦の疲れもあってどっと疲れた顔をした。

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