あと活動報告にオリキャラの元ネタ表載せてます。多分漏れはないはず。
元ネタがいないオリキャラは載せてません。
──最初に崩れたのは、ビッグマム海賊団の〝将星〟だった。
〝赤鬼〟のブロギーと戦っていたスナックが敗北し、そこを起点にリンリンの子供たちが倒れていく。
もちろん簡単にやられるような強さではないが、ビッグマム海賊団はそもそも全戦力を率いてこの場にいるわけではない。
カナタとニューゲートの決闘を知り、特急で準備を整えて海底監獄インペルダウンに侵攻し、その足でここまで来ている。そもそも連れてこられる分しかいないので巨兵海賊団とバギー率いるインペルダウンの囚人たちだけで抑え込めているのだ。
百獣海賊団も同様に全戦力ではない。
もし、百獣・ビッグマムの海賊同盟が全戦力を率いてこの場に現れていれば、いかに〝黄昏〟が全戦力を率いて、白ひげ海賊団を傘下に収め、巨兵海賊団と肩を並べ、囚人に反旗を翻させても勝ち目は極めて薄かっただろう。
海軍、百獣海賊団、ビッグマム海賊団の三正面作戦など正気ではない。
それを
「キヒヒヒヒ……ビッグマム海賊団が崩れ始めたか……!!」
蛇のように長い舌をチロチロと出しながら、戦況を眺めてニヤニヤする男──〝海賊教祖〟王直。
インペルダウン内でその弁舌を駆使して既に派閥を作り上げていた彼は、脱獄した今は他の階層にいた囚人たちをも巻き込んでさらに派閥を大きくしていた。
キングに表に出て戦えと急かされていたが、急かしていた当人はマルコと戦うのに忙しい。
王直は自分の価値を一番吊り上げられるタイミングを測り、今が
「リンリン!! 貸しひとつにしてやるよ!!!」
崩れかかったビッグマム海賊団に対し、王直派閥の囚人たちが一斉に動く。
バギー率いる囚人たちに襲い掛かり、畳み掛けていく。
王直の率いる囚人たちの方が数が多く、そもそも同じlevel6にいた囚人さえ味方につけている。現時点では王直に分があるといってよかった。
「こなクソーっ!! 今になって出てきやがった!!」
「どうしますかキャプテン・バギー!! このままじゃおれ達もやられます!!」
「どうもこうもあるかァ!! こんな海のど真ん中で退路なんざありゃしねェだろうが!!!」
今でこそカナタの能力によって氷の足場が出来ているが、そもそも決闘していた島もそれほど広いものではない。
百獣海賊団の用意した船に乗っていたので、離反した今となっては島を出るための船もないのだ。退路など、初めから存在しない。バギーは全力で頭を働かせ、生き残る道を探そうとする。
(カナタさんの味方すりゃあ、この場を切り抜けるのは難しくねェと思ったが……思った以上に旗色が悪いか?)
白ひげ海賊団、巨兵海賊団の助力を受けて三正面作戦をしている現状、どこかひとつでも崩されれば一気に戦況が悪化する。
かといって、カナタを裏切るようなマネだけは出来ない。
バギー個人的にはやや苦手なところもある相手だが、何よりも彼女は
食料や酒に医薬品を始めとして、〝ロード
ロジャーを尊敬し、ロジャー海賊団の見習いであったことを誇りに思うバギーにカナタを裏切ることは出来ない。
それはそれとして、戦況が悪くなっていくにつれてバギーの顔色も悪くなっていた。
「キャ、キャプテン・バギー!! た、助け──」
「ギャアアア!!」
「痛ェ! 助けてくれェ!!」
「ぐぬぬぬぬ……!!」
おだてられ、担ぎ上げられたとはいえ、バギーにとっては自分を慕う仲間である。
自身が弱いことは誰よりもよくわかっている。カナタだって知っているハズだ。ここで逃げても文句は言われないのではないか、と悪魔の囁きが聞こえる。
懸命に戦う彼らに背を向けたところで、彼らはそもそも会ってからそれほど時間が経っているわけでもない浅い関係だ。見捨てても心は痛むまい、と擁護するような考えさえよぎった。
だが、それでも。
バギーは、逃げることを選ばない。
「一回やると男が決めたからにゃあ!! 逃げるなんて恥晒す真似が出来るかド阿呆がァ!!!」
「キャ、キャプテン・バギー!?」
「ロジャー船長がそうだったんだ……!!」
あの背中に、味方を決して見捨てない鬼のような強さのロジャーにこそ、バギーは憧れたのだ。
彼なら、こんな状況で味方を見捨てて逃げるような真似は決してしない。
憧れた人に恥じないように生きるのだ。
ロジャーの後継者だと思っていたシャンクスとは、
他にその背中を知る者はいないのだ。ならば、自分がやらねばと思った。
「ついてこい、テメェら!! 目にもの見せてやれェ!!!」
「「「ウオオオオオオ!!!」」」
王直の率いる囚人の数は多い。level6の囚人も交じっている。
だが、それが諦める理由にはならない。
走り出し、仲間を助けようとして──バギーの足元の氷が下から突き上げられるようにして砕けた。
「──は!?」
「キャプテン・バギー!!?」
勢いよく空を舞うバギー。先頭を走る彼だけが綺麗に巻き込まれ、他の面々は巻き込まれていない。
氷の下から現れたのは、巨大な船だった。
パチンと船体を纏う泡が割れ、中から人影が現れる。
「長い船旅だったな。海中の景色も悪くはなかった」
「潜っていたのは短い時間だっただろう。それより、敵はどいつだ? 百獣・ビッグマムの海賊同盟が敵とは聞いているが、敵味方の区別がつくんだろうな?」
「インペルダウンの囚人たちもいるようだ。数が多いな」
「連絡のあった通りね。見分けがつけばいいけど」
巨大な船から現れたのはわずか4人──否、その後ろから同じ顔、同じ体格の男たちが何人も現れる。
彼らは海をまたぐ〝戦争屋〟。金さえ積めば国さえ滅ぼす科学戦闘部隊。
名を、〝ジェルマ66〟。
やや遅れて、金色の仮面をつけた男が現れる。
その手には電伝虫があり、千代から情報の提供を受けていた。
『お主らはビッグマム海賊団を相手にしてくれ。囚人もついでに倒してくれていいが、一部わしらの味方をしておる。なるべくそちらに被害は与えんようにな』
「難しい仕事だな。報酬は弾んでもらうぞ」
『金なら腐るほどあるわ! それとも、欲しいのは国の方か? ま、その辺はうちのボスと交渉してくれんか』
「良かろう。カナタからの要請により、これより我々は百獣・ビッグマムの海賊同盟を敵とし、これを殲滅する」
「「「「了解」」」」
「では──我々の戦争を始めよう」
ジェルマ王国国王、ヴィンスモーク・ジャッジを先頭に、各自がレイドスーツを着用する。
レイドスーツを着用したジェルマの強さは使い捨ての戦闘員など比にならない。
すぐ近くにいた囚人たちを最初の標的と位置づけ、一斉に襲い掛かった。
バギーは跳ね飛ばされて墜落したのち、頭にたんこぶを作ったままそれを見ていた。
「……な、なんだあいつら……?」
「キャプテン・バギー! あいつら、〝ジェルマ66〟ですよ!! ほら、世界経済新聞で有名な〝海の戦士ソラ〟の!!」
「知らねェ」
「〝
「じゃああいつら、味方なのか!?」
「〝魔女〟が金出してるなら、多分……」
ただ、みんな同じ囚人服なので区別がついていない。
バギーは急いで額にバツ印を書くと、それを真似するように仲間たちに言う。真似されるだろうが、一時的にでも区別がつけばそれでいい。
あとはこれを伝えるだけだ。一番難易度が高そうではあるが。
しかし、彼らは強かった。
インペルダウンの囚人とは、世界でも名の売れた犯罪者だ。当然それ相応の強さを誇る者たちばかりで、それゆえに数がそろえば四皇の海賊団でさえ手を焼く。
不意打ちとはいえ、そんな囚人たちを倒せるというだけで十分な戦力だ。
「おれ達もボーっと見てるわけにゃいかねェ!! 野郎ども!! おれ達も続くぞ!!」
まぁ囚人扱いで一緒くたに巻き込まれてはかなわないので、バギーたちは味方を助けたのちに囚人ではなくビッグマム海賊団の方を相手することにしたのだが。
☆
「ジャッジ~~~~!!? あの野郎、よくもおれの前に顔出せたなァ!?」
ジェルマの登場に驚いたのはバギーたちだけではない。
かつて同じ研究所で働く〝MADS〟の一員だったクイーンもまた、ジャッジ率いるジェルマの登場に驚いていた。
もっとも、彼らは仲良しというわけではなく分野の違う天才たちだった故にぶつかることも多く、仲は悪い。
事あるごとに自分の科学力の方が上だとマウントを取らねば気が済まないクイーンとしては、この場でジャッジを叩きのめして自分の方が上だと世界に知らしめてやりたくて仕方がなかった。
「よそ見とは余裕だな、クイーン!! 〝ブリリアント・パンク〟!!」
「グベーッ!!?」
人獣形態のクイーンに対し、高速でぶつかりに行くのは白ひげ海賊団3番隊隊長〝ダイヤモンド〟ジョズ。
キラキラの実の能力者であるジョズの肉体はダイヤに変化させることが出来、それゆえに単なる斬撃や打撃は極めて効果が薄い。
兵器を利用するとはいえ、純粋に身体能力を強化することが真髄である動物系の能力者にはやや相性が悪かった。
だが、クイーンはそんなことを気にするような男ではない。
「〝ダイヤモンド〟ジョズ~~!! テメェ、よくもやってくれたなァ!!」
片手は義手、尾骨から生える尻尾は改造され、更には頭部から伸びる髪までもがアームとなっており、そのアームからは黄猿のレーザーを発射する。
ベガパンクの作ったパシフィスタと同様の技術だが、どこからかこれを入手して自らの改造に利用したのだろう。
「くそ、やりづらい相手だ……!」
「ムハハハハ!! そんなにこのレーザーが嫌か!?」
まともに受ければジョズとてダメージを受ける。だが、口内含めて都合4つある発射口のすべてを把握して動くのは見聞色をもってしても難しく、何よりクイーンは普通に戦っても強い。
上空でキングと戦うマルコの援護は期待出来ず、ジャックはエースが足止めしている。
出来ることなら周りに被害が及ばないように離れたところで戦いたいが、クイーンはジョズの狙いを読んでか、動きを誘導しようとすれば味方にレーザーの発射口を向ける。
逃げれば味方を狙うぞ、と笑うのだ。
「守るものが多いと大変だなァおい!! 〝白ひげ〟がいなくなって、テメェら全員あの女にいいように使われてやがるってのに!! 健気なことだ!!」
「……おれ達の選んだことだ!」
「違うな! お前らは
「違う!!」
「違わねェだろうが!!」
嘲笑するクイーンの拳を受け止めるジョズ。
自分たちの愛する父親が目の前で殺され、その仇に使われて戦わされている。確かにクイーンの言う通り、誰かが強く反対していれば何か違ったのかもしれない。
だが、それでも選んだのは自分たちだ。
「オヤジが戦うことを選んだのも! おれ達が戦うことを選んだのも! 誰かに強要されてのことじゃねェ!!」
「ぐぬ……!」
頑強な肉体と覇気が合わさり、クイーンの攻撃を弾き返す。
ダイヤモンドの拳がクイーンの顔面を殴り飛ばし、続けて殴りつけようとしてクイーンの尻尾に阻まれる。
2本のアームが狙いを定めてジョズを狙い、ジョズはその射線をすり抜けるようにしてクイーンの胴体へと体当たりをぶちかました。
「〝ブリリアント・パンク〟!!」
「ゴフッ!!」
それでも倒れないクイーンは、鬱陶しそうに額に青筋を浮かべて大きく息を吐いた。
「クソが……!! 面倒くせェ野郎だな、ジョズ~~!!」
ジャッジの方に行ってどちらが上かわからせてやりたい気持ちもかなり強いが、目の前の男をここで潰してやらねばという感情がそれを上回る。
己の肉体を改造しつくし、ベガパンクさえ作れないと豪語する改造人間に成り果てたクイーン。
動物系古代種というタフネスさも合わさり、倒すのは難しいと言わざるを得ない。
もっとも、ジョズはそれでも全く構わなかった。
百獣海賊団は白ひげ海賊団と違い、全戦力ではない。インペルダウンの囚人の分だけ戦力は誤魔化されているが、総数では白ひげ海賊団の方が上だ。
時間が経てば自然と優勢になっていく。
……あまり当てにしたくはないが、〝黄昏〟もまだ戦力を隠しているようでもある。
「お互い様だ、クイーン……!!」
「テメェと一緒にするんじゃねェよ、石コロ野郎がァ!!!」
どちらも頑丈さには自信がある。
耐久勝負になりそうだ、とジョズは息を吐いた。
☆
──そして、戦場は苛烈に血を求めていく。
海賊、海兵がまたひとりと倒れていき、氷の大地が血で染まっていく。
おそらく聖地から見ているであろう存在を意識しつつも、カナタは目の前の2人を倒すために全力を注いでいた。
「……頑丈な奴らだ」
打撃も斬撃もそれなりに食らわせている。〝
体力も覇気も、ニューゲートとの決闘とカイドウとの乱戦で全力の6割程度まで削られていた。
そこからガープとゼファーの2人がかりだ。今では体力も覇気も相当削られているし、長引けば長引くほど不利になる。
それ以上にガープとゼファーは消耗しているが、この2人を倒せてもカナタが動けなくなれば戦況は変わらないままだ。
出来ることなら、この2人を倒したあとで大将の誰かひとりでも落としておきたいが──そこまでは流石に高望みだと考えていた。
どちらにせよ、決着は短期が好ましい。
「これ以上やれば死ぬだろうが、まだやるか?」
「当たり前じゃァ! ここで引けるわけなかろう!!」
「相打ち覚悟ででも、テメェはここで倒す!!」
「……結構なことだ。では、そろそろ決着としよう」
右手に構えた〝村正〟を天に掲げ、自身を起点として底冷えする冷気が漂う。
カナタの能力は冷気、氷の操作。水分の有無など関係なく、冷気そのもので人体を蝕む。
海上という開けた場であっても十分過ぎるほどに身を凍らせることが出来るが、強大な覇気を以てすればこれを跳ね除けることも可能だ。
だが、冷気を逃がさないドーム状のフィールドを生み出し絶え間なく極寒の冷気を浴びせ続けることで、覇気を纏おうと関係なく敵を蝕み弱らせることが出来る。
「──〝
──かつて〝金獅子〟のシキを打ち破った、絶対必中領域が展開される。
今年一年お付き合いいただきありがとうございました。
まだまだ終わる気配なくてどうしようって感じですが、来年も頑張りますのでよろしくお願いします。
よいお年を。