ヒエヒエの実を食べた少女の話   作:泰邦

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本日二話同時投稿しています。こちらは二話目になります。

四章のキャラまとめです。
例によって例の如く読まなくても特に問題はないです。
キャラ増えすぎてきたのでちょっと短めに纏めてます。


今章のキャラまとめ

 大海賊時代の幕開けまで、あと9年。

 

 所属 ジョルジュ一家改め魔女の一味

 

・カナタ

 本作の主人公。16歳。自然ロギア系ヒエヒエの実の氷結人間。

 〝竜殺しの魔女〟懸賞金12億ベリー。ONLY ALIVE(生け捕りのみ)

 船長兼航海士。

 黒髪赤目の美少女。ドラゴンとクロと協力することでなんとかセンゴクをKOした。一対一だとまだちょっと勝てない。

 

 記録指針(ログポース)を偉大なる航路前半と後半のものを予備含めて二つずつ所持している。

 また、永久指針(エターナルポース)は〝プロデンス王国〟〝ハチノス〟〝ドレスローザ〟〝ドラム王国〟のものを所持。

 メインの武器は海王類の牙を削って作った槍。

 覇気は覇王色、武装色、見聞色の全てを高いレベルで使用可能。

 覇気の練度が増しており、極度に集中させると青紫色に変色するようになった。

 

 偉大なる航路の踏破を目指して移動中だが、現在はスクラの医術の勉強のためにドラム王国とカマバッカ王国を往復していた。

 海軍に見つかったことでドラムから離れ、カマバッカ王国にて滞在中。

 ドラムとカマバッカを往復しているだけなのにタイガー、ドラゴン、イワンコフが仲間になった。

 

 海軍との決戦時にはセンゴクと戦った。

 能力と覇気を駆使し、少なくない手傷を負わせたが、フェイユンがやられたことでゼンも連鎖的にやられて瓦解寸前だった。

 タイガーとドラゴンの助けがあって持ち直し、クロとドラゴンと協力してセンゴクを倒す。

 ゼファーを撤退させた後でバッタリ倒れて寝込んだが、スクラに「食って寝れば治る」と言われて放置された。包帯でグルグル巻きにされていたが、本人の回復力が高いのか他の怪我人よりも治るのがずっと早かった。

 

 本名は「ノウェム」

 かつてとある王国に存在した一族の末裔。役目はいずれオクタヴィアから引き継がれることになるだろう。

 

 

・ジュンシー

 赤い髪に筋肉質な肉体が特徴的な男。29歳。

 〝六合大槍〟懸賞金3億ベリー。

 戦闘員。

 武装色、見聞色の覇気を扱える。

 

 ドラム島では特段やることもなく暇していたが、カマバッカ王国では肉体をより強く出来ると知って嬉々として鍛え上げていた。

 ニューカマー拳法の使い手と戦って技の研鑽をしていたらしい。

 

 ドラム島での戦いにおいてはゼファーと戦い、カナタが戻るまでの足止めに徹した。

 その後は本部大佐たちをなぎ倒していたが、途中で現れたベルクと最後まで戦い続けた。

 

 

・クロ

 黒髪黒目、全身に刺青の入った褐色肌の青年。23歳。

 自然(ロギア)系ヤミヤミの実の闇人間。

 (一応)(自称)戦闘員。

 

 オカマ相手でも全く物怖じせずに話していた。相変わらず本人は大して強くない。

 能力の特性か本人の資質か、痛みに強い。

 

 カマバッカ王国でオカマたちと仲良くなっていた。

 海軍との戦闘時にはその能力で多数の相手を飲み込んで無力化するなどしていた。最終的に切り札としてカナタ、ドラゴンと協力し、センゴクを倒すことに成功した。

 

 

・ジョルジュ

 黒髪黒目に二メートルほどの男。31歳。

 金庫番。

 戦闘力はそれなりで本部大佐くらいなら同格に戦える。ただし覇気は使えないので自然系相手だと不利。

 直接的な強さではカナタたちに及ぶべくもないが、頭を使って状況を整えたり形勢逆転の目を作ったりと、裏方として活躍した。

 

 スクラがくれはから医術を習う代わりに有り金全部渡すことになって卒倒しかけた。カナタがそれを簡単に承諾するものだから頭が痛くなったが、必要なことだと認めて最終的に有り金全てを差し出すことに。

 ついでのように自分も労力としてくれはの下にいたため、少しだけ医療のことがわかるようになった。

 専門的な病気やけがはともかくとして、簡易的な応急処置や薬の種類などはわかるようになったので船医の手伝いも出来るように。

 

 

・スコッチ

 金髪碧眼の小太り男。サングラスをかけている。31歳。

 航海士

 義理人情に厚いため、タイガーがゼファー相手に戦っているときに「客人にばっかり戦わせるんじゃねぇ」と一喝して自分も前に出た。

 女好きで雪国の美女を探そうと思っていたらオカマばっかりのカマバッカ王国に居つくことになって絶望した。この世の地獄である。

 

 オカマたちとはよく反発しているが、その強さは目を見張るものがあるのでしぶしぶ訓練相手として戦って貰っている。ストレスでやけ食いするのでまたちょっと太った。

 本部大佐とはそれなりに戦えるが、大将は流石に無理だった。

 

 カナタがセンゴクを倒して軍艦を追い返したあと、船倉から酒を持ってきて大騒ぎしながら勝利の美酒に酔っていたが、カナタが戦闘の疲れで動けない間は単独で航海士として動かなければならないのにやらなかったのでガッツリ怒られた。

 しばらく酒を飲めなくなった挙句、しばらくの間首から「私はルール違反をした間抜けです」とかかれた板を下げる羽目になっていた。

 

 

・フェイユン

 巨人族。薄紫の長い髪とアメジストのような紫色の瞳が特徴的な女性。39歳。

 超人系(パラミシア)デカデカの実の巨大化人間。最大全長173メートル。

 〝巨影〟懸賞金2億3000万ベリー。

 戦闘員。

 武装色と見聞色の覇気を扱える。生まれつき見聞色を扱えることもあり、相手の感情を読み取る力に長けている。

 

 ドラム王国では暇していたので船から降りてすぐ近くで大きな雪だるまを作ったりして遊んでいた。

 カマバッカ王国ではドリーとブロギーから習った技術を反復練習したり、覇気の修練をやっていた。その傍ら、オカマたちの母性本能をくすぐったのかよくお世話をされていた。

 本人は特に自覚はなくやっていたらしい。

 

 海軍との戦闘時にはサウロ、ロンズという巨人族の海軍中将を相手に戦っていた。

 地力の差と戦闘経験の差もあり、一度は敗北するもイワンコフの能力で一時的に復活して戦った。

 そのあとすぐに撤退したのでそれほど大きな怪我もなかったが、〝エンポリオ・テンションホルモン〟の影響でしばらく寝込むことに。

 相変わらずオカマたちに甲斐甲斐しく世話されていた。

 

 

・ゼン

 黒鹿毛の馬(?)のミンク族。38歳。

 〝赤鹿毛〟懸賞金3億3000万ベリー。

 戦闘員。

 本人の毛色は黒鹿毛だが、〝月の獅子(スーロン)〟化したときの毛色が赤く染まることから〝赤鹿毛〟の名がついた。

 

 エレクトロと本人の卓越した武勇からゼファーとまともに戦える数少ない船員。

 海軍との戦闘時もゼファーと戦っていたが、フェイユンが敗北したことに動揺してKOされ、カナタを窮地に追いやってしまう。

 その後なんとか復活して〝月の獅子(スーロン)〟を使うことでゼファーを追い詰める。

 

 ボロボロの体で〝月の獅子〟を使ったこともあってフェイユン同様しばらく寝込むことになったが、こちらはスクラに怒られながら看病されるはめになっていた。

 多少の無茶をしなければどうにかできる相手では無かったこともあったが、心配をかけたことは事実なので平謝りをしていた。

 

 カマバッカ王国でもう少し鍛えなければと考えている。 

 

 

・サミュエル

 身長三メートルほどの筋骨隆々な大男。坊主頭。28歳。

 動物(ゾォン)系ネコネコの実 モデル〝ジャガー〟の能力者。

 戦闘員。

 覇気は武装色のみ使える。とはいえ、まだ基礎的な段階でしか扱えていないので今後の修練次第。

 カナタの船の珍獣枠。

 

 スクラとジョルジュの護衛としてドラム王国に残った。

 くれはによく力仕事を頼まれるなど、顎で使われていた。本人は特に不満にも思っていなかったようだ。

 

 海軍との戦闘ではサウロ、ロンズの二人の中将を相手に戦っていた。

 能力を駆使してもサイズ差があるために決定打を持たず、ちまちまと傷をつけるくらいしか出来なかったので非常に悔しく思っているらしい。

 船の中では比較的怪我の少ない方だったので、海軍が撤退した後でカマバッカ王国に向かうときに操舵をしていた。

 スコッチがベロンベロンに酔っぱらった状態で指示を出すのでちょっと迷子になった。

 

 カマバッカ王国ではイワンコフを筆頭に大量のオカマたちがいたので面食らったが、〝攻めの料理〟などを食べながらしばらく鍛え上げたいと気合を入れていた。

 

 

・スクラ

 ぼさぼさの白い髪、二メートルほどの身長と線が細く目つきの悪いイケメン。25歳。

 船医。

 最近見聞色を診察に使えるのではないかと思い始めた。

 

 念願のドラム島で医術の勉強をすることが出来ることもあり、気合を入れてくれはの下へ弟子入りした。

 くれはには厄介がられていたが、その姿勢は認められていた。

 様々な病気や症例を叩き込まれ、短い期間ながらも実りある勉強が出来たとほくほくである。

 海軍が嗅ぎつけてきたので途中で終わらせる羽目になったが、それでも十分すぎる程色々教えてくれたくれはに感謝している。

 

 戦闘力はないに等しいため、海軍との戦闘時は船の中に隠れて負傷者の治療にあたっていた。

 

 カマバッカ王国では重傷者であるゼンとフェイユンの看病で忙しくしていた。カナタも動けなかったがこちらは食って寝れば治ると治療が終わったのち放置した。

 〝月の獅子〟という無茶な戦い方をしたゼンのことを怒りながら看病していたが、そうしなければ全滅の危機でもあったという事情もわかっている。

 それでも医者として「無茶をするな」というほかになかった。

 

 

・デイビット

 ツンツンと尖った髪型のウニ男。身長は180ほど。34歳。

 超人系(パラミシア)ボムボムの実の爆弾人間。

 〝爆撃〟懸賞金7000万。

 覇気は未だ扱えず。

 

 カマバッカ王国ではジュンシーに付き合ってもらいながら覇気の修練をしていたが、あまりうまくいっていなかった。

 それでも鍛え上げること自体は無駄ではなく、爆発の威力は少なからず向上している。

 ただしセンゴクには全く通じず、ワンパンでKOされた。

 

 その後ジョルジュにたたき起こされ、吐息が爆弾になるという特性から「大砲に吐息を込める」という特殊な方法で砲弾を形成。これを使って軍艦二隻を沈めることに成功した。

 通常の砲弾では対処されてしまうが、こちらは透明で見えないので対処が難しく、船に砲弾が容易く着弾するため。

 最終的に自分を砲弾に見立てて大砲で飛ばし、自爆することで大ダメージを与える技を思いつく。

 後のことを一切考えずに最大出力で自爆するため、周りを巻き込む危険性こそあるが自分はボムボムの実の特性で爆発そのものでは無傷。

 

 これによって巨人族の中将二人を吹き飛ばすことに成功。

 ただし倒すまではいかず、時間稼ぎに回ることになった。

 

 

・フィッシャー・タイガー

 原作キャラ。タイの魚人。五メートルを超える巨体を持つ。27歳。

 

 若くして冒険家として魚人島を出て色んな島を回っていたが、嵐で船がやられてカナタたちの船を偶然発見。ドラム島まで牽引してもらう。

 船は直すことが出来ず、魚人島まで泳いで帰るのも現実的ではないため途方に暮れていたところで再びカナタと出会い、船に乗せてもらうことに。

 すぐに帰る理由もないのでカナタたちと冒険しながら魚人島を目指すことにした。

 

 カナタたちがお尋ね者ということも知っており、海軍に狙われていても魚人差別の残る海ではあまり選択肢がないことも理解していた。

 ゼンやフェイユンなど、普通の人間ではない種族もいるので若干安心している。

 

 海軍との戦闘時には自身もこの船の一員であるとしてセンゴクに立ち向かった。

 その後は本部大佐相手に戦っていたが、ゼンがやられてカナタがピンチになったと知るや否や、ドラゴンと共に駆け出して救援に駆け付けた。

 大怪我こそしなかったが非常にキツイ戦いだったので「二度とやりたくはない」と言っている。

 

 

・ドラゴン

 原作キャラ。2メートルを超える体躯の男。22歳。

 見聞を広めるために各地を回っていたところでカナタと偶然出会い、いくつかの質問の後にカナタの船に乗ることになった。

 

 船医がいないこととドラムに滞在する仲間がいるという二点から、ドラム近海にいたカナタたちに「一時的に別の船医を乗せる」という選択肢を与えた。

 カマバッカ王国で船医としてイワンコフを勧誘。彼(彼女)を乗せて移動することで選択肢が大きく増えた。

 

 海軍との戦闘時にはイワンコフと共に戦っていたが、ゼンがやられたことでカナタが窮地に陥ったと判断してタイガーと共に救援に向かった。

 最終的にカナタ、クロの両名と協力することでセンゴクを倒すことに成功した。

 

 今でも時々ガープと連絡を取っているらしい。

 

 

・エンポリオ・イワンコフ

 原作キャラ。派手な化粧とタイガーに次ぐ体躯のニューカマー。20歳。

 カマバッカ王国の女王(永久欠番)

 超人系(パラミシア)ホルホルの実のホルモン自在人間。

 性別・体温・色素・成長・テンションなど、人体のホルモンを操る人体改造エンジニア。

  

 ドラゴンの紹介でカナタの船に船医として一時的に乗船。カナタの船の中では随一のテンションの高さを誇る。

 ニューカマー拳法を修めており、戦闘力も一級品。

 

 本部の大佐・中佐くらいならものともしないが、フェイユンの救援として巨人族の中将二人と戦った際には力及ばず打開策を見いだせなかった。

 デイビットの自爆特攻によって作った隙にフェイユンを復活させるなどのファインプレーも目立つ。

 

 個人的にカナタには化粧をちゃんとやって欲しいらしい。

 カナタに一度全力で化粧させたらカマバッカ王国のニューカマーたちの自信が圧し折られたとかなんとか。

 

 

 

 所属 海軍 

 

・ベルク

 銀髪碧眼に眼鏡をかけた偉丈夫。22歳。

 海軍本部大佐。ガープの弟子であり部下でもある。

 剣士としての実力は中将とさして変わらないらしく、大将相手でも退かなかったジュンシーを相手に互角以上の戦いを繰り広げた。

 武装色と見聞色の覇気を高いレベルで扱える。

 

 頭が切れるのと分析能力が高いため、カナタたちがドラムに時折現れることを看破した。

 

 地元に美人な恋人がいるらしいが、なんとなくカナタと声が似ているとか。

 

 

・ゼファー

 原作キャラ。紫の瞳と髪の大男。41歳。

 海軍本部大将。〝黒腕〟の異名を持つ。

 

 その名に恥じない覇気の持ち主で、魔女の一味と戦う際にはゼンの相手をした。

 フェイユンがやられた影響で隙が出来たゼンを一撃で沈め、一時はセンゴクと共にカナタを追い詰めるも救援が来て形勢が逆転。

 〝月の獅子〟状態のゼンと互角以上に戦い、少しずつ崩していたところでセンゴクがやられ、撤退を決意。

 

 両腕にひどい火傷を負ったせいで短期間の入院を余儀なくされ、妻子に心配されてバツが悪い。

 復帰してすぐ金獅子を相手にするため、軍艦を引き連れてウォーターセブンへ向かう予定。

 

 

・センゴク

 原作キャラ。アフロヘアーが特徴的な眼鏡をかけた男。46歳。

 海軍本部中将。〝仏〟のセンゴク。

 動物(ゾォン)系幻獣種ヒトヒトの実 モデル〝大仏〟の能力者。

 ガープやゼファーと同期。実力的にはガープたちとそう大きくは変わらない。

 

 カナタに護衛中の天竜人を殺されたり、捕らえようとして海に突き落とされたりと、カナタが関わるとあまりいいことがない人。

 ゼファーと共に必ず捕まえると意気込んでの戦闘だったが、カナタを完全に崩す前にドラゴンの救援やクロとの協力などが重なって敗北した。

 

 カナタの雰囲気や少数の海賊団ながら大将と戦える者が複数名いるという異質さに、ロックスを想起していた。

 

 

・ガープ

 原作キャラ。短く刈り込んだ髪と口周りに蓄えた髭が特徴的な男。45歳。

 海軍本部中将。〝ゲンコツ〟のガープ、あるいは〝海軍の英雄〟

 

 センゴクとゼファーの二人掛かりで捕まえることが出来ず、センゴクに至っては大怪我をして帰ってきたと聞いて珍しくびっくりした顔を見せた。

 魔女の一味として新しく手配される予定だった写真を確認していたところ、ドラゴンの顔を見つけてへんな顔をしているところでコング元帥に呼び出された。元帥の部屋で問い詰められ、隠す気もなく「おれの子供だ」と言ったところ、コング元帥は頭を抱えて手配書の作成を中止した。

 海軍の英雄としての影響が大きいガープの息子が、よりにもよって天竜人を殺した女の船にいるのは些か影響力が強すぎると判断したため。

 コング元帥に「子供の教育をしっかりやれ!」と怒られた。

 

 ドンキホーテ・ホーミング聖の護衛としてカナタを探すことになった。

 ついでにドラゴンに海賊になった理由を問い詰める予定。

 

 

 所属 元ロックス海賊団

 

・オクタヴィア

 艶のある黒い髪、翡翠色の瞳、金色の髑髏の仮面を常に被っている女性。

 自然(ロギア)系ゴロゴロの実の雷人間。

 〝残響〟のオクタヴィア。懸賞金35億ベリー。

 かつて海を荒らして回ったロックス海賊団において、唯一ロックスがその背中を預けた女。最高戦力である海軍大将二人を相手取ってこれを殺害するほどの実力を誇る。

 

 左利きだが、現在は大将との戦闘の後遺症で左腕が動かない。

 

 〝Dの一族〟に手を貸し、あるいは敵対しながら歴史の分岐点に度々現れていた。歴代の誰もが一筋縄ではいかない実力者であり、〝暗月〟の一族と呼ばれている。

 歴史を紡ぐものを守るための剣として存在し、その意志は母から娘へ、何代にもわたって受け継がれてきた。

 〝何か〟が蘇るその時を。

 世界の夜明けを──暁の時を待ち続けて。

 

 

 所属 なし

 

・院長

 名称不明。オクタヴィアの父親であり、カナタ(ノウェム)の祖父。

 超人系(パラミシア)ワラワラの実の藁人間。覚醒した能力者。

 体を藁に変化させる。他者の命をストックとして所有し、自身の身代わりにすることが出来るといった能力を持つ。

 覚醒しているため、能力の範囲が劇的に広がっており、自身以外の物も藁に変化させる、あるいは藁で覆うことで操ることが可能になるなどの能力を得た。

 

 〝引継ぎ〟のためにオクタヴィアが母親を殺したため、その復讐のために後の一生を使った。

 様々な手段を用意し、オクタヴィアから何度殺されようともすべての手段を試して殺すと意気込んでいたが、用意していた命のストック全てを一撃で葬られたため、為すすべなく敗北。

 降り注ぐ雷に焼かれ、絶命した。

 

 ──かつては妻と娘を愛し、慈愛に満ちた青年だった。

 妻はその一族の宿命であると娘を厳しく育て上げ、己が技術、体術、全てに至るまでを叩き込んだ。

 せめて親の愛を知って欲しいと優しい父になったが、唐突に訪れた〝引継ぎ〟の日に全てが瓦解。

 「私の時代ではなかった」と彼女は言った。

 「次の時代を待つしかない」と彼女は笑った。

 娘に全てを引き継がせ、その刃で貫かせた瞬間に、父親の愛は憎しみに変転した。

 

 次に会ってしまえば殺し合いになる、と考えていたことをカナタには「両親に怯えている」と判断された。

 


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