「レッカーズ、戦闘開始だ」
ヴェルの声と共にレッカーズの面々は外壁に設けられた門から飛び出し、レッカーズの面々が外壁の外へ出ると門は閉じられる。
「「「「アデプタイズ!」」」」
「「「「リンケージ!」」」」
「オプティマスコンボイ―」
「グリムレックス―」
「スカイグライド―」
「スロッグブラスト―」
「ゴルドファイヤー―」
「メディカラート―」
「スナールウィザード―」
「スラッグバスター―」
「「「「「「「「トランスフォーム!」」」」」」」」
レッカーズの面々はトランステクターと一体化した後、ロボットモードとなって次々と魔物の軍勢を蹂躙していく。
オプティマスコンボイはジャッジメントソードで切り裂いてはベクターシールドやバックパックのブラスターからの銃撃で魔物を撃ち抜いていき、グリムレックスはサムライマスターソードで切り裂いていき、更にビーストモードとなって魔物を噛み砕いていく。
スカイグライドは空からの爆撃で次々と魔物を葬っていき、スロッグブラストは腕をハンマーアームにして魔物を殴っては肩の砲門からの砲撃で風穴を開けていく。
ゴルドファイヤーはその機動力で魔物を翻弄しつつ
「錬成!」
魔物の足元を錬成して動きを封じた後、ガンブレードランスで一突きし、零距離でエネルギー弾を放って魔物を着実に次々と葬っていく。
メディカラートはフリースタイルガンを筆頭にガトリングやバイオレンスラムで魔物を次々と蜂の巣にしていく。
ティオは皆から少し離れた場所でキラービークに跨がりながら魔物達の相手をしている。
「吹き荒べ頂きの風 燃え盛れ紅蓮の奔流 "嵐焔風塵"」
少しでも魔力消費を抑えるため、敢えて詠唱し集中力を高め、そうして解き放たれた火炎の竜巻は魔物達を呑み込んでいく。
それを何度も行い、魔力を大量に消費した後は魔力タンク―魔晶石の指輪にストックされた魔力を取り出してまた同じ様に魔物を葬っていく。
スラッグバスターはインパクトナックルで殴っては打ち出しによって魔物を貫き、更に接近してくる魔物にはビーストモードとなっての突進を喰らわせ、その角でも貫く。
スナールウィザードは魔力弾で魔物達を牽制しつつ、強力な一撃を打ち出す時間稼ぎをしている。
ミッドチルダ等の次元世界の魔導師やアデプトマスター等が習得している複数の思考行動・魔法処理を並列で行う"マルチタスク処理"をユエもヴェルからの教授で習得し、合間をぬってトレーニングをしていたのだ。
強力な一撃を放つ準備を終えたスナールウィザードは右手を掲げると魔法名を唱えた。
「"壊劫"」
重力操作を獲得したことによってユエが生み出したこの魔法は魔力の集束・練り上げとイメージの固定に長いタメを必要とし即時発動は困難な魔法である…魔法に関しては天性の才能を持つ吸血姫であったとしても、だ。
詠唱と同時に迫る魔物の頭上に渦巻く闇色の球体が出現した後、それは薄く薄く引き伸ばされ、四方が750メートルの正四角形を形作られると魔物達目掛けて一気に落下、大地を陥没させて深さ10メートルのクレーターを作り上げたのだ。
二千体以上の魔物が一瞬で圧殺され、術の境界線上にいた魔物達は体を寸断されていき、後続の魔物達は次々と巨大な穴の中へと落ちていく。
穴に落ちた魔物はスナールウィザードが再び術を発動したことによって圧殺されていく。
魔力タンクを兼ねたビースト時の背鰭によってスナールウィザードは大量に魔力を消費する魔法も何発か連発させる事が可能である…正にユエに適したトランステクターである。
その光景が映し出されたモニターを前に人々は現実離れした圧倒的な力と蹂躙劇に湧き上がり、町の至るところからと歓声が上がる。
愛子や親衛隊の面々や護衛騎士達は目の当たりにしたレッカーズの"力"に対し呆然としていた。
彼らの前では自分達は敵ではない…そんな事を見せつけられ、彼らと敵対すれば命はない…それを理解させられたのだ。
そして、親衛隊の面々はこうとも思っていた。
"檜山はとんでもない相手を怒らせ、彼と天之河はそんな連中を敵に回した"、と。
「何だよ、これは……何なんだよ、これは!」
この件の黒幕たる黒ローブの男もとい清水幸利は目の前の惨状に体を震わせながら即席の塹壕を堀り、出来る限りの結界を張って必死に身を縮めていた。
清水はとある男との偶然の末に交わした契約により、ウルの町を愛子達ごと壊滅させることになったのだが、容易に捻り潰せると思っていた町や人は、全く予想しなかった凄絶な迎撃により未だ無傷であるどころか現在進行形で清水にとっての地獄絵図が生み出されていた。
そう、レッカーズの蹂躙劇である。
「見ぃ~つけたっ!」
清水は声がした方を振り向く。そこにいたのは自身の武装の一つ…セグメントライフルの銃口を清水の顔へ向けているゼルフィだった。
やがて魔物の数が目に見えて減って密集した大群で隠れていた北の地平が見え始めた頃
「むぅ、妾はここまでのようじゃ…もう、火球一つ出せん…すまぬ」
ティオは渡された魔晶石の魔力も使い切り、魔力枯渇で動けなくなり、跨がっていたキラービークにもたれ掛かった。
「いや、充分に頑張った。ご苦労様、後はゆっくり休んでいろ」
「承知したのじゃ」
ティオはキラービークに運ばれて外壁の中へ運ばれていった。
「残りは2000~3000くらいか」
『ヴェル、黒ローブの男を確保したよ』
「分かった。そいつを動けないように手足を縛り、外壁の中へ戻れ」
『うん、分かったよ』
とオプティマスコンボイの指示にゼルフィは従い、黒ローブの男―清水と共に外壁の中へ戻る。
レッカーズの面々は引き続き魔物達を次々と葬っていくのだった。
その頃、ある場所では…
「ほう、なかなかやるじゃないか」
と創造神を名乗る欺瞞者はこの戦いの様子を見物していた。
「ならば、こいつはどうかな?」
と欺瞞者はある存在を地上―ウルの町へと送るのだった。
そして再びウルの町。
「これでも喰らえ!」
ゴルドファイヤーはゴリラ型の魔物の頭を突き刺す。魔物達も残り僅かという状況である。
「ゼルフィが件の黒ローブの男を確保した!後は魔物を始末するだけだ!」
オプティマスコンボイの言葉に皆が了解、と返した時だった。
「ヴェル!空から未確認のエネルギー反応を感知!ただの魔物じゃないわ!」
「了解。総員、警戒せよ!」
スカイグライドの報告から数秒後、それは陸上へと着地し
「クゥワッキャ、クゥワッキャ、キシャァァァァァァァァァァァァ!」
とそう聞こえる咆哮を上げる。
突然乱入してきた魔物にスカイグライドとスロッグブラストは殺気を出し、オプティマスコンボイとグリムレックスは信じられない物を見たと言わんばかりの心境になりながらもすぐに冷静さを取り戻し、オプティマスコンボイとグリムレックスはこう口にした。
「何で"ジーオス"がこの世界に…!」
「いや、何かが違う…奴のエネルギー反応は確かにジーオスに似ているが…色が正反対だ」
オプティマスコンボイが言うように、ジーオスは本来黒い外殻に赤い発光体を有しているのに対し、目の前にいるジーオスらしき魔物は白銀の外殻に赤い発光体を有していたのだ。
「ヴェル、奴は私達に殺らせて」
「奴は私の両親の仇だから」
そんな中、スカイグライドとスロッグブラストは静かに怒りを見せながらそう発言する。
オプティマスコンボイは考えた後
「危なくなったら私も加わる」
と答え、スカイグライドとスロッグブラストは頷く。
「家族の仇を!―」
「―取ってやる!」
2人の叫びにジーオスらしき魔物―魔物ジーオスは答える―若しくは獲物を仕留めんとばかりに咆哮し、手始めにエネルギー弾を連発する。スカイグライドはそれを右へ左へと回避し、スロッグブラストは両肩の砲門で相殺しつつビーストモードに変形して魔物ジーオスに突進し、体当たりした後にロボットモードとなって
「ハンマーアーム!チェストォォォ!」
腕をハンマーアームにして魔物ジーオスを数発殴る。
一方の魔物ジーオスは負けじとスロッグブラストを殴りつつエネルギー弾で上空にいるスカイグライドを攻撃。
スカイグライドは避けつつ避けきれなかった分はガンブレードランスからの砲撃で相殺。そして急降下してその刃を魔物ジーオスの右肩に突き刺し、スロッグブラストがバックステップで離れると同時にスカイグライドはガンブレードランスを振り上げて魔物ジーオスの右腕を切断する。
しかし魔物ジーオスは切り落とされた右腕を再生させるとスカイグライドを掴んで投げ飛ばす。
投げ飛ばされたスカイグライドはビーストモードとなって体勢を立て直し、フリースタイルガンで魔物ジーオスの動きを牽制しつつ、スロッグブラストはスパイクハンマーとなったバイオレンスラムで魔物ジーオスを叩くとバイオレンスラムのスパイク部分がピストン運動の如く伸縮を繰り返して魔物ジーオスの外殻に罅を入れる。
魔物ジーオスはエネルギー弾の連発とその両腕でスロッグブラストを引き離すが、スカイグライドは破城槌―バタリングラムとなったバイオレンスラムを魔物ジーオスの背中に突き刺し、更にその槍を打ち出す。
魔物ジーオスの外殻は砕け、他の発光箇所より一際青く輝いているコアが露出する。
コアが露出した事により魔物ジーオスの抵抗が一層激しくなる。
「このっ!これでトドメよ!」
スカイグライドはガンブレードランスをコアに突き刺すと魔力弾を連射、何発もの魔力弾を撃ち込まれたコアは砕け、魔物ジーオスは活動を停止してその場に崩れ落ちるのだった。
「仇は取ったわ…」
「みんな、やったよ…」
とスカイグライドとスロッグブラストは静かにそう呟いた。
ほぼ同時にレッカーズの他のメンバーも魔物を殲滅し、町の人々は歓声を上げるのだった。
清水幸利は真性のオタクであるが、ハジメに対するクラスメイトの言動を間近で見て、自身がオタクである事を徹底的に隠した。
そんな彼に取って異世界召喚されて活躍する事は夢だったのだが、現実は甘くなかった。
チートなスペックを持っていたとしてもそれは他のクラスメートも同じで、更に勇者は自分ではなく天之河である為、女が寄って行くのは光輝ばかりで、あのハジメに関してはオタクでありながら香織という相思相愛の人物がいるし、勇者よりチートな戦女神もついており、自分はその他大勢の一人に過ぎなかった。
そんな状況で清水の不満が溜まるのも当然の事だった。
そして戦女神たるヴェルがハジメと香織を引き連れて離反した後、彼は自分の天職たる闇術師に関する技能・魔法に関する本を読んで過ごすことになったが、ふとあることを思いついたのだ。
バッドステータスを付加する魔法として知られる闇系統魔法は、極めれば対象を洗脳支配できるのではないか、自分の考えが正しければ誰でも好きなように出来るのではないか、と。
王都近郊での実験を終えた清水はどうせ支配下に置くなら強い魔物がいいと考えた時、愛子の護衛隊―つまり愛ちゃん先生親衛隊の話を耳にしたのだ。
勇者と同行する気はないし、親衛隊に付いて行って遠出をすれば、ちょうどいい魔物とも遭遇出来るだろうと考えた清水は愛子達とウルの町に来ることになり、北の山脈地帯というちょうどいい魔物達がいる場所で配下の魔物を集めるため姿を眩ませたのだ。
とある存在の助力と、偶然支配できたティオの存在によって効率的で四つ目の山脈の魔物まで従えることが出来たと同時に、そのとある存在との契約と日々増強していく魔物の軍勢に清水の心のタガは完全に外れてしまった。
そして遂に、やはり自分は特別だったと悦に浸りながら、満を持して大群を町に差し向けたのだが、結果はヴェル率いるレッカーズに魔物の軍勢は全滅させられ、自身はヴェル達に尋問されるというものだった。
戦闘終了後、町の外れにてヴェル達の姿があった。
そんな中でヴェルは殺気だちながらも冷静になってこの事件の黒幕―清水の胸倉を掴み、尋問しようとしていた。
「おい、何故あれが此処にいる…!?」
「あれって何だよ…!?」
「空から降ってきた白銀の魔物だ!何故あれが…我々アデプトテレイターの天敵、ジーオスがこの世界にいる!?」
ジーオス…第46太陽系の地球の人類が200年に渡り戦い続けた怪物。ヴェル達アデプトテレイターにとっては天敵たる存在である。
「し、知らない!本当だ!あんな魔物、俺だって見たことない!俺が従えた魔物の中にあんな奴はいない!」
清水の言い分を聞いたヴェルはそうか、と呟いた後、愛子に清水と話をするよう促した。
「清水君、落ち着いて下さい。誰もあなたに危害を加えるつもりはありません…先生は、清水君とお話がしたいのです。どうして、こんなことをしたのか…どんな事でも構いません。先生に、清水君の気持ちを聞かせてくれませんか?」
愛子は膝立ちで清水に視線を合わせる。
清水は視線を逸らして顔を俯かせるとボソボソと聞き取りにくい声で話し始めた。
「どいつもこいつも馬鹿にしやがって…勇者、勇者うるさいんだよ。俺の事を…気付きもしないで、モブ扱いしやがって…ホント、馬鹿ばっかりだ…だから俺の価値を示してやろうと思っただけだろうが…」
「てめぇ…自分の立場わかってんのかよ!危うく、町がめちゃくちゃになるところだったんだぞ!」
「そうよ!馬鹿なのはアンタの方でしょ!」
「愛ちゃん先生がどんだけ心配してたと思ってるのよ!」
反省どころか、周囲への不満を口にする清水に玉井や園部など親衛隊の面々が憤りをあらわにして次々と反論し、愛子は彼らを抑えようとするが、そこへヴェルは親衛隊の面々に向けて殺気を放った。
「おい、小僧小娘ども。今はそいつが話している最中だ。意見を言うのは後にして今は黙ってろ」
ヴェルの殺気に怖じ気付いた親衛隊の面々は黙り、ヴェルは愛子に清水から更に話を訊くよう促した。
「そう、沢山不満があったのですね…でも、清水君。みんなを見返そうというのなら、なおさら、先生にはわかりません。どうして、町を襲おうとしたのですか?
もし、あのまま町が襲われて…多くの人々が亡くなっていたら…多くの魔物を従えるだけならともかく、それでは君の〝価値〟を示せません」
「…示せるさ…魔人族になら」
清水の言葉にヴェル達レッカーズ以外は驚愕し、清水は話を続けた。
「魔物を捕まえに、一人で北の山脈地帯に行ったんだ。その時、俺は一人の魔人族と出会った。最初は、もちろん警戒したけどな…その魔人族は、俺との話を望んだ。そして、わかってくれたのさ。俺の本当の価値ってやつを。だから俺は、そいつと…魔人族側と契約したんだよ」
「契約…ですか?それは、どのような?」
「…畑山先生…あんたを殺す事だよ。なぁ、自分が魔人族から目を付けられていないとでも思ったのか?
ある意味、勇者より厄介な存在を魔人族が放っておくわけないだろ…"豊穣の女神"…あんたを町の住人ごと殺せば、俺は、魔人族側の〝勇者〟として招かれる。そういう契約だった。
俺の能力は素晴らしいってさ。勇者の下で燻っているのは勿体無いってさ。
やっぱり、分かるやつには分かるんだよ。実際、超強い魔物も貸してくれたし、それで、想像以上の軍勢も作れたし…だから、だから絶対、あんたを殺せると思ったのに!
何だよ!何なんだよっ!何で、六万の軍勢が負けるんだよ!何で異世界にダイアクロンみたいなロボットとかあんな兵器があるんだよっ!お前は、お前達は一体何なんだよっ!」
清水の言葉にヴェルはこう答えた。
「私は風見ヴェールヌイ。お前達の地球とは異なる地球からやって来た存在だ」
ヴェルがそう答えた後、愛子は清水にこう語りかける。
「清水君…君の気持ちはよく分かりました。特別でありたい。そう思う君の気持ちは間違ってなどいませんし、人として自然な望みです。そして、君ならきっと特別になれます。
だって、方法は間違えたけれど、これだけの事が実際にできるのですから…でも、魔人族側には行ってはいけません。
君の話してくれたその魔人族の方は、そんな君の思いを利用したのです。そんな人に、先生は、大事な生徒を預けるつもりは一切ありません……清水君。もう一度やり直しましょう?
みんなには戦って欲しくはありませんが、清水君が望むなら、先生は応援します。君なら絶対、天之河君達とも肩を並べて戦えます。そして、いつか、みんなで日本に帰る方法を見つけ出して、一緒に帰りましょう?」
愛子がそう語った直後だった。
「ッ!?ダメです!」
未来視が自動発動したシアは一瞬で完了した全力の身体強化で縮地並みの高速移動をし、愛子に飛びかかると自分達を守るフリースタイルシールドを展開、飛んできた矢はフリースタイルシールドによって阻まれる。
一方、ゼルフィは矢の射線を演算処理で辿り、黒い服を来た耳の尖ったオールバックの男が、大型の鳥のような魔物に乗り込む姿を発見。
「逃がさない!」
と両肩のスラストアーマーに懸架されたセグメントライフルからエネルギーレーザーを放ち、鳥型の魔物を撃ち落とすと黒服の男を捕らえ、ヴェルの元へ連れていった。
「よくやった、シア、ゼルフィ」
ヴェルはシアとゼルフィを誉め称えるとその黒服の男にハンドガンの銃口を向けつつ被っているフードを取った。
「やはり魔人族か…」
愛子と清水を殺そうとした黒服の男の正体は魔人の男だった。
「何で魔人族が…」
と呟く園部にヴェルは自身の考えを告げる。
「さしずめ、そこにいる清水の監視と…失敗した時に始末する為だろうな…畑山教師もろとも、な」
その言葉に愛子や親衛隊、そして清水は驚きを隠せず、そんな彼らに構わずヴェルは続ける。
「魔人族側としては清水を"勇者"という都合の良い道具として利用するつもりだったんだろう。
彼の持つ力は魔人族側からしてみれば利用価値の高い、使えるものだが、信用しているわけでもないし信頼もしていない…あくまでもその力だけがほしい。
手に出来れば良いという程度で手に出来ない…役に立たないならそれでも構わない。そうなったら始末すれば良い…元々の標的だった畑山教師もろとも、な」
「なかなか鋭いじゃないか…やるな。どうだ、我々の軍門に入らないか」
「断る。入る気など微塵もない」
「そうか…俺はお前達の捕虜になって情報を渡すつもりはない」
魔人族の男はある薬が入った注射器を自分の身体に刺し
「あの方に栄光を―」
と言い残して肉塊へと成り果てるのだった。
To be continue…