ヴァルキリーロンド   作:衛置竜人

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第25話『フューレンへの帰還』

ある日のフューレンのある場所…其所に一人の少女の姿があった。

エメラルドグリーンの長い髪と幼いながらも整った可愛らしい顔立ちをしているが、何より特徴的なのは通常の人間の耳の代わりに扇状のヒレが付いている耳だ。

それに小さなその手には指の股に折りたたまれるようにして薄い膜がついていた。

 

そう、彼女は亜人族の一種である海人族である。

 

彼女は母親と共に泳いでいたところ迷子になり、その際に人間族の男達に誘拐され、薄暗い牢屋のような場所に入れられた。

そこには、彼女の他に人間族の幼子たちが多くいて、その子供達は毎日数人ずつ連れ出されていって戻ってくることはなかった。

「どうして戻って来ないの?」

「僕達は見世物になって客に値段をつけられて売られるんだよ」

彼女より少し年上の少年はそう言った。

 

いよいよ彼女の番が訪れたが、その日たまたま下水施設の整備でもしていたからか地下水路へと続く穴が開いていたのだ。

懐かしき水音を聞いた彼女は僅かな隙をついて脱走、咄嗟にそこへ飛び込んで汚水への不快感を我慢して懸命に泳いだ。

 

しかし慣れない長旅に誘拐されるという過度のストレス、慣れていない不味い食料しか与えられず下水に長く浸かるという悪環境に、彼女は肉体的にも精神的にも限界を迎えてしまい、意識を失った。

 

(助けて…誰か助けてなの…!)

そんな彼女が戦女神とその仲間に出会い、彼女達のパーティーに最年少の存在として加入するのはもう少し先の話である。

 

 

 

 

―side:Vernyi―

 

 

皆が落ち着いたのを見計らい、私達は町へと戻って片付けを行った。

流石にMSGを放置しておく訳にはいかないからな。

 

そして私は幸利や親衛隊、畑山教師に後で話があるから暫く経ってから尋ねて欲しいと頼んだ。

まぁ、あるものを渡すだけだがな。

「ヴェルさん、話って何ですか?」

と幸利は私に問う。

「お前達は私から信頼を勝ち取った…だからこそ渡したい物がある、それだけの事だ。

だが、その前に確認しておく。今後、お前達は魔人族の襲撃とは避けては通れないだろう…魔人族は豊穣の女神の暗殺に失敗したのだからな。

そして、それは戦いも避けられないと言う事でもある。そうなった時、お前達は人の姿をした者達と戦い、時には殺す事になるだろう…それでも親衛隊を続け、畑山教師を守る覚悟があるか?」

私の言葉に幸利達親衛隊の面々は真剣な眼差しをしながら首を縦に振る。

「そうか…ならば、準備しておいて良かったな」

私はあるものを親衛隊に渡した。

「これってヴェルさん達が使ってたMSG!?」

「見たことないのもある…」

「幾つかは先ほどMSG等の改良や開発、量産を任せているハウリア族から届けられた物だ。今後、お前達の元にも時折届けられるだろう。

新作はこれら…先ずはマギアブレード。魔法付加に特化した短剣だ。

続いてはビーストマスターソード…単なるロングソードと侮ってはならない。こいつは節々で分裂し、蛇腹剣となる。

そしてグラインドサークルは円形チェーンソー形態と半月状の大型剣…クレセントカッターの2つの形態にすることが可能だ」

親衛隊の面々はそれぞれ自分に合ったMSGを手にする。

「幸利、お前にはルシファーズウイングも託しておく」

「良いんですかヴェルさん…」

「あぁ、遠慮するな」

「ありがとうございます!」

続いて私は畑山教師の元へ歩み寄る。

「畑山教師、貴女にも渡しておこう」

「いえ、私は人を傷付ける事…まして人を殺すなんて教師としては…」

「それはわかっているが、護身用として持っておいて欲しい。このウォーターアームズは所謂水鉄砲としても使用できるから、モードや調整次第で高圧水流で相手を殺さず抵抗するにはピッタリだ」

「ありがとうございます、ヴェルさん。大事に使わせていただきます」

畑山教師や親衛隊の面々がそれぞれMSGを手にした後、園部がある事を口にした。

「清水の事はどうなるの?私達は和解したから良いけど…」

「確かに教会側としてはいくら騙されていたとはいえ魔人族に協力した幸利を無罪放免で放っておくなんて事はしないだろうな。

だが、その点も問題ない。護衛騎士達に嘘の報告を行うよう脅し、監視をつけて、もし清水が処罰される様な報告をしようものならその監視に暗殺される。これで問題ないだろう」

私は殺気を放ちながらデビッド達護衛騎士に視線を向ける。

幸利を処罰するような報告をすれば私がよこした監視に暗殺されかねないし、ましては畑山教師からの評価・評判も底辺となり嫌われるのは確実…それを十分に理解したデビッド達護衛騎士は勿論だともと言わんばかりに汗を滴ながら首を縦に振る。

「それで良い。物分かりが良くて助かる」

私はそう言うと、宝物庫から MSCバッグを出し、更にその中から密かに作っていたFAガールを出し、起動させた。

「彼女がお前達に同行するFAガール、アーキテクト オフホワイトだ」

作製者(マイスター)ヴェルに作られたフレームアームズ・ガールの一人、アーキテクト オフホワイトです。アーキテクトとも呼ぶも良し、アークとでも呼んでください」

「はい、宜しくお願いしますねアークさん」

「はい、宜しくお願いします、畑山教師」

と互いに挨拶を交わす畑山教師とアーキテクト。

因みにマスターは幸利に設定している。

 

「さて、渡す物も渡したし、我々はそろそろ出発しよう」

「ヴェルさん達はこれからどうするんですか?」

と幸利は問う。

「我々はフューレンに戻る。ウィルをフューレンのギルド支部長の元へ送り届けなければならないからな。それが済めば再び迷宮攻略の旅に出る。

もし何か困った事があればアーキテクトを介して我々と通信を取る事ができるから連絡してほしい。出来る限り協力しよう」

私はそう答えると宝物庫からトレーラーを出し、予め出していたビークルモードのオプティマスコンボイに牽引させる。

ハジメや香織もクラスメートである親衛隊や恩師である畑山教師に挨拶をしてトレーラーに乗り込む。

一方、ユーリアは園部の前に立ち止まった。

そう言えば、この二人はウィルの捜索に出る前日だけでなく戦いの前や片付けの時も話をしていたようだったな。

「…もし機会があれば、貴女が作った料理を食べてみたいですね」

「えぇ!ご馳走するわ!またね、ユーリア!」

「また会いましょう、優花さん!」

こいつら、何時の間に仲良くなったんだ?まぁ良い。

レッカーズのメンバーとウィルがトレーラーに乗ったのを確認した後、私もオプティマスコンボイに乗ろうとする前に

「ヴェルさん!」

畑山教師に呼び止められた。

「ありがとうございました!」

「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」

と畑山教師と幸利達親衛隊は私にお辞儀をする。

「また会おう、畑山教師…そして親衛隊の諸君。お前達の今後の健闘、期待する」

私はそう言ってオプティマスコンボイに乗ってウルの町を出発した。

 

 

ユーリアは久々の特等席に機嫌が良いようだ。

「優花さんのご実家、洋食屋を営んでいるらしいですよ。優花さん自身も料理が出来るみたいで、機会があれば料理をご馳走してくれると約束しました!」

「ハラショー、それを聞いたら食べに行きたくなるな。日本に帰ったらレッカーズのメンバー全員で食べに行くか」

「はい!」

と話をしていたらトレーラーに乗っていたウィルが話しかけてきた。

「あの、ヴェルさん…彼らと戦っている時、明らかに手加減していましたよね?」

「あぁ、そうだ。よくわかったな」

「魔物の軍勢との戦いを見てましたからね。貴女はその気になれば清水さんを直ぐに殺す事も出来た筈です」

「幸利はこのまま死なせるには惜しい人材だと思ったからな。殺す気などあの時は端からなかった」

「もしあの場で改心しなかったらどうしてたんですか?」

「我々に同行させ、私が無理矢理にでも改心させ、レッカーズの一員として迎い入れるつもりだった」

と私は返した。

 

途中で休憩を挟みつつ、私達は漸くフューレンに戻って来た。

そんなフューレンの入場検査待ちの列は今日も長かった。

「ヴェルさん、オプティマスコンボイで此処まで来ちゃって良かったんですか?できる限り隠すつもりだったのでは…」

とシアは私に問う。

「あれだけ派手に暴れたからな。一週間もすれば、よほど辺境でもない限り伝播している。

いずれはバレるのは決まっていた。それが予想よりちょっと早まっただけのことだ」

「でも、教会とかお国からは確実にアクションがありそうだから確かに今更だよね。愛ちゃん先生やイルワさんとかが上手く味方してくれればいいですけど……」

と香織は発言する

「まぁ、あくまで保険だ。上手く効果を発揮すればいいなぁという程度のな。それに誰かさん達のお陰で私の名前そのものも広まりそうだしな」

「あ、あれはその…」

「僕達はユーリアに頼まれて…」

「別に責める気はない。ただ予定より早く私の名が広まる事になるだろう…ただそれだけの話だ」

その後、簡易の鎧を着て馬に乗った男3人…おそらく門番の男達が私達の元へとやってきた。

「…君達、君達はもしかしてレッカーズと言うパーティー名だったりするか?」

「ああ、確かにそうだ」

「そうか。それじゃあ、ギルド支部長殿の依頼からの帰りということか?」

「その通りだ。もしかして支部長から通達でも来てるのか?」

私の言葉に門番の男が頷く。門番は、直ぐに通せと言われているようで順番待ちを飛ばして入場させてくれるようだ。四輪を走らせ門番の後を着いて行く。列に並ぶ人々の何事かという好奇の視線を尻目に悠々と進み、ハジメ達は再びフューレンの町へと足を踏み入れた。

 

 

ギルドの応接室で待つこと5分。イルワが部屋の扉を蹴破らん勢いで開け放ち飛び込んできた。

「ウィル!無事かい!?怪我はないかい!?」

「イルワさん…すみません。私が無理を言ったせいで、色々迷惑を…」

「…何を言うんだ…私の方こそ、危険な依頼を紹介してしまった…本当によく無事で…

ウィルに何かあったらグレイルやサリアに合わせる顔がなくなるところだよ…

二人も随分心配していた。早く顔を見せて安心させてあげるといい。君の無事は既に連絡してある。数日前からフューレンに来ているんだ」

「父上とママが…わかりました。直ぐに会いに行きます」

イルワはウィルに両親が滞在している場所を伝え、会いに行くよう促した。ウィルは、イルワに改めて捜索に骨を折ってもらったことを感謝し

「ヴェルさん、レッカーズの皆さん。この度は本当にありがとうございました。後日、改めて挨拶に行きます」

そう言って応接室から出て行った。

それを見届けたイルワは穏やかな表情で微笑むと、深々と私達に頭を下げた。

「ヴェル君、レッカーズの諸君。今回は本当にありがとう。まさか、本当にウィルを生きて連れ戻してくれるとは思わなかった。感謝してもしきれないよ」

「生き残っていたのはウィルの運が良かったからだ」

「ふふ、そうかな?確かに、それもあるだろうが…何万もの魔物の群れから守りきってくれたのは事実だろう?"鋼鉄の戦女神"様?」

「…随分情報が早いな」

「鋼鉄の戦女神の噂は以前から耳にしていたし、ギルドの幹部専用だけどね。長距離連絡用のアーティファクトがあるんだ。私の部下が君達に付いていたんだよ。

といっても、あのとんでもない移動型アーティファクトのせいで常に後手に回っていたようだけど…彼の泣き言なんて初めて聞いたよ。諜報では随一の腕を持っているのだけどね」

「それはその人物に悪い事をしたな。まぁ、監視を付けるのは当然の措置だろう」

「それにしても、大変だったね。まさか、北の山脈地帯の異変が大惨事の予兆だったとは…二重の意味で君に依頼して本当によかった。数万の大群を殲滅した力にも興味はあるのだけど…聞かせてくれるかい?一体、何があったのか」

「ああ、構わないが、その前にユエとシア、そしてティオのステータスプレートを頼む」

「ふむ、確かに、プレートを見たほうが信憑性も高まるか…わかったよ」

そして、渡されたステータスプレートに記されたユエ、シア、ティオのステータスがこうだ。

 

『ユエ 323歳 女 レベル:80

天職:神子

筋力:430(?????)

体力:680(?????)

耐性:450(?????)

敏捷:530(?????)

魔力:13770(?????)

魔耐:13980(?????)

技能:自動再生[+痛覚操作]・全属性適性・複合魔法・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率上昇][+魔素吸収]・想像構成[+イメージ補強力上昇][+複数同時構成][+遅延発動]・血力変換[+身体強化][+魔力変換][+体力変換][+魔力強化][+血盟契約]・毒耐性・麻痺耐性・胃酸強化・念話・高速魔力回復・気配感知[+特定感知]・魔力操作・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・戦女神の加護・戦女神の祝福・可変外装・生成魔法・重力魔法』

 

『シア・ハウリア 16歳 女 レベル:50

天職:占術師

筋力:400(?????)

体力:480(?????)

耐性:400(?????)

敏捷:520(?????)

魔力:6200(?????)

魔耐:6400(?????)

技能:未来視[+自動発動][+仮定未来]・魔力操作[+身体強化][+部分強化][+変換効率上昇Ⅱ] [+集中強化]・気配感知[+特定感知]・魔力操作・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・胃酸強化・念話・戦女神の加護・戦女神の祝福・可変外装・重力魔法』

 

『ティオ・クラルス 563歳 女 レベル:89

天職:守護者

筋力:850[+竜化状態5080]

体力:1200[+竜化状態7260]

耐性:1200[+竜化状態7260]

敏捷:640[+竜化状態3830]

魔力:5040

魔耐:4640

技能:竜化[+竜鱗硬化][+魔力効率上昇][+身体能力上昇][+咆哮][+風纏]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・火属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・風属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法・戦女神の加護・戦女神の祝福』

 

ユエとシアのステータスが私の想像以上の数値だった…今後もティオ共々高くなっていくのだろう。

因みに私達のステータスはこんな感じだ。

 

『風見ヴェールヌイ 116歳 女 レベル:???

天職:鋼鉄の戦女神 職業:冒険者

筋力:12000+α(?????)

体力:12000+α(?????)

耐性:12000+α(?????)

敏捷:12000+α(?????)

魔力:12000+α(?????)

魔耐:12000+α(?????)

技能:金属細胞適合型不老生命体・可変外装・武装改造・歩く武器庫・毒無効・麻痺無効・石化耐性・夜目・遠見・恐慌耐性・先読・全属性耐性・物理耐性・戦女神の威圧・高速魔力回復・念話・追跡・魔力変換[+体力変換]・纏雷・風爪・気配感知[+特定感知]・魔力操作・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・言語理解・生成魔法・重力魔法』

 

『南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

天職:錬成師 職業:冒険者

筋力:12150(?????)

体力:14250(?????)

耐性:11870(?????)

敏捷:14550(?????)

魔力:15980(?????)

魔耐:15980(?????)

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+自動錬成][+イメージ補強力上昇][+消費魔力減少][+鉱物分解]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷[+雷耐性][+出力増大]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛[+部分強化][+集中強化][+付与強化]・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・[+治癒力変換][+衝撃変換]・生成魔法・重力魔法・戦女神の加護・戦女神の祝福・可変外装』

 

『白崎香織 17歳 女 レベル:???

天職:治癒師 職業:冒険者

筋力:11200(?????)

体力:11200(?????)

耐性:11900(?????)

敏捷:14200(?????)

魔力:16200(?????)

魔耐:16200(?????)

技能:回復魔法[+回復効果上昇][+回復速度上昇][+イメージ補強力上昇][+浸透看破][+範囲回復効果上昇][+遠隔回復効果上昇][+状態異常回復効果上昇][+消費魔力減少][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]・光属性適性[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・高速魔力回復[+瞑想]・魔力変換[+体力変換][+治癒力変換][+衝撃変換]胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・念話・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・生成魔法・重力魔法・戦女神の加護・戦女神の祝福・可変外装』

 

『蓮井・ディアリング・ユーリア 11歳 女 レベル:???

天職:騎竜参謀 職業:冒険者

筋力:12000+α(?????)

体力:12000+α(?????)

耐性:12000+α(?????)

敏捷:12000+α(?????)

魔力:12000+α(?????)

魔耐:12000+α(?????)

技能:金属細胞適合型不老生命体・可変外装・毒無効・麻痺無効・石化耐性・夜目・遠見・恐慌耐性・先読・全属性耐性・物理耐性・威圧・念話・追跡・魔力変換[+体力変換]・纏雷・風爪・高速魔力回復・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・言語理解・戦女神の加護・戦女神の祝福・生成魔法・重力魔法』

 

『レムリア 13歳 女 レベル:???

天職:空竜騎 職業:冒険者

筋力:12000+α(?????)

体力:12000+α(?????)

耐性:12000+α(?????)

敏捷:12000+α(?????)

魔力:12000+α(?????)

魔耐:12000+α(?????)

技能:金属細胞適合型不老生命体・可変外装・毒無効・石化耐性・夜目・遠見・恐慌耐性・先読・全属性耐性・物理耐性・威圧・念話・追跡・魔力変換[+体力変換]・纏雷・風爪・高速魔力回復・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・言語理解・戦女神の加護・戦女神の祝福・生成魔法・重力魔法』

 

『シエラ 13歳 女 レベル:???

天職:砲竜騎 職業:冒険者

筋力:12000+α(?????)

体力:12000+α(?????)

耐性:12000+α(?????)

敏捷:12000+α(?????)

魔力:12000+α(?????)

魔耐:12000+α(?????)

技能:金属細胞適合型不老生命体・可変外装・毒無効・石化耐性・夜目・遠見・恐慌耐性・先読・全属性耐性・物理耐性・威圧・念話・追跡・魔力変換[+体力変換]・纏雷・風爪・高速魔力回復・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・言語理解・戦女神の加護・戦女神の祝福・生成魔法・重力魔法』

 

 

このステータスに流石のイルワも開いた口が塞がらないようだ。

ユエとティオは既に滅んだとされる種族固有のスキルである"血力変換"と"竜化"を持っている上に、ステータスが特異過ぎ、シアは種族の常識を完全に無視していて、私達アデプトテレイター組はイルワからしてみれば未知のスキル持ちだ。驚くなと言われても無理な話だ。

「いやはや…なにかあるとは思っていましたが、これほどとは…」

イルワは冷や汗を流しながら、何時もの微笑みが引き攣っている。

そして私はお構いなしに事の顛末をイルワに話した。

普通に聞いただけなら、そんな馬鹿なと一笑に付しそうな内容だが、先にステータスプレートで裏付けるような数値や技能を見てしまえば信じざるを得ないだろう。

私だってイルワの立場にいたら同じ様になっていたかもしれない。

すべての話を聞き終えたイルワはまるで一気に10歳くらい年をとったような疲れた表情でソファーに深く座り直した。

「…道理でキャサリン先生の目に留まるわけだ。ヴェル君、ハジメ君、香織君、ユーリア君が異世界出身だということは予想していたが…実際は、遥か斜め上をいったね…いや、貴女の方が年上ですから言い方にも気を付けた方が良いですね」

「今まで通りの言い方で構わない。此処での立場は貴方の方が上だ。

…それで、イルワ支部長。貴方はどうする?危険分子だと教会にでも突き出すか?」

「冗談がキツいよ。出来るわけないだろう?君達を敵に回すようなこと、個人的にもギルド幹部としても有り得ない選択肢だよ。

大体、見くびらないで欲しい。君達は私の恩人なんだ。そのことを私が忘れることは生涯ないよ」

「…そうか。そいつは良かった。試して悪かった」

「さて、私としては約束通り可能な限り君達の後ろ盾になろうと思う。ギルド幹部としても、個人としてもね。まぁ、あれだけの力を見せたんだ。当分は、上の方も議論が紛糾して君達に下手なことはしないと思うよ。

一応、後ろ盾になりやすいように、君達の冒険者ランクを全員"金"にしておく。普通は、"金"を付けるには色々面倒な手続きがいるのだけど…事後承諾でも何とかなるよ。

キャサリン先生と僕の推薦、それに"豊穣の女神"と対となる"鋼鉄の戦女神"という名声があるからね。

他にもフューレンにいる間はギルド直営の宿のVIPルームを使わせて貰って構わないし、私の家紋入り手紙を用意しておこう。

今回のお礼もあるが、それ以上に君達とは友好関係を作っておきたいからね」

「なるほどな。私としても今後の事を考えて貴殿方とは友好的な関係を気付いておきたい」

「そうか…それは良かった。それでは今後とも宜しく頼むよ、ヴェル君」

「あぁ、こちらこそ。イルワさん」

「さんはいらないよ。貴女の方が年上なのだからかね」

「わかった、イルワ」

私達は互いに握手を交わすのだった。

 

イルワと別れた私達はフューレンの中央区にあるギルド直営の宿のVIPルームでくつろいだ。

途中、ウィルが両親であるグレイル伯爵とサリア夫人を伴って挨拶に来た。

王宮で見た貴族とは異なり随分と筋の通った善良な人だった。

ウィルの人の良さというものが納得できる。

グレイル伯爵は、しきりに礼をしたいと家への招待や金品の支払いを提案したが、私は丁重にお断りし、その変わり困ったことがあればどんなことでも力になってほしいと頼み、グレイル伯爵もその条件を呑んでくれた。

 

因みに部屋割りは私とユーリア、ハジメと香織、レムリアとシエラとゼルフィ、ユエとシアとティオという形になった。

ユーリアへの褒美や慰め?勿論やった。

 

 

翌日、我々はある事件に関わる事になるのだが、この時はまだ知る余地もなかった。

 

 

 

 

To be continue…

 

 

 

 

 


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