超次元ゲイムネプテューヌ Origins Relay 作:シモツキ
完全復活を果たした犯罪神を無事倒し、再封印を完了したあの日、やっと信次元に平和が戻った。……というのは、概ね正しいけれど少し違う。信次元は概ね平和になったけど、まだ少しだけ活動を続けている残党がいる。犯罪神封印の声明を守護女神の四人が出して、犯罪神も四天王もその影響も、全てが完全に姿を消した訳だから皆もう逆転なんて不可能だと分かっているんだろうけど、それでも戦いを続ける人がいる。
それはもう、仕方のない事。信念だったり悪意だったり人によって動機は違うんだろうけど、もう自力で止まれないなら私達体制側が地道に止めてあげるしかない。…止めてあげる、なんて傲慢な言い方だけど…それが女神。相手が求めてなくたって、勝手に強引に助けようとするのが、女神というもの。
そして私も、女神の一人。国がなくたって、私も女神で、私を信仰してくれる人もいる。私にとって友達や仲間の皆とは別の形で大切な、私の信者さん達。…今日は、そんな人達と触れ合う、とある日の事。
「えー…こほん。皆、今日は集まってくれてありがとうね!約束通り、私来たよ!」
『いえぇぇぇぇぇぇいッ!イリゼ様が来たぁッ!』
「うん、なんで平和の象徴さんみたいな言い方なのかなっ!?」
ここはプラネテューヌのとあるホテル。その一角のホールに、私と私の信者さん達は集まっていた。…まだ集会が始まったばっかりなのに、この盛り上がりようである。
「いや、実際イリゼ様は平和の象徴みたいなものっすよ!何せ女神様ですし!」
「あぁ、全くだ」
「そ、それは確かにそうだけど、そういう事じゃなくてだね…」
ボケなのか本気で言っているのか分からないけど、私の突っ込みに対して信者さん達の中心…親衛隊長さんと副隊長さんが真剣な顔で返してくる。……一応言っておくけど、親衛隊ってのは皆が勝手に言ってるだけだからね?私が任命したとか部隊を新設したとかじゃないからね?
「もう…まぁいいや。えっと、全員来てる?」
『勿論!』
「あ、うん。…じゃあまずは…皆、私の話を聞いてくれるかな?」
食い気味で肯定の言葉を口にする皆へ苦笑いする私。それから表情を戻し、改めて質問をすると…今度は皆、黙ってこくんと頷いた。
返答の仕方が変わったのは、多分私が言葉に込めた意図に気付いてくれたから。…これからするのは、ちょっと真面目な話。だから皆、真面目な顔をしてくれている。
「…知っての通り、私や女神の皆は、仲間と共にこれまで犯罪組織と戦ってきた。その中で色んな人の協力を得てきたし、ここにいる皆の中にも協力してくれていた人はいるよね?…守護女神奪還戦の時なんかは、特に」
『…………』
「そうしてやっと、私達は犯罪組織に…長い歴史の中で何度も信次元の脅威となってきた犯罪神に、勝つ事が出来た。今日みたいに心置きなく皆と集まれるのも、やっぱり勝って平和を取り戻せたからなんだよね」
静かに聞いてくれる皆へ向けて、私が話すのは戦いの事。今の段階じゃ何も面白くない話の筈なのに、皆真剣に聞いてくれる。…この空気は心地良い。さっきまでの賑やかな空気も好きだけど、こういう『女神と信仰者』という雰囲気もまた、今の私には心地良く感じる。
皆が私を信仰してくれるのは、皆がそうしたいから。皆にとって私が、それだけの魅力を感じる存在だったから。だけどそれでも、私は皆に今抱いている思いを伝えたい。
「私達女神は、沢山の人に力を貸してもらってきた。…だけど、色んな人が…信者の人達がしてくれたのはそれだけじゃない。信仰してくれた事、信じてくれた思いそのものが、私達の力になってくれた。…そしてそれは、皆も同じ。…皆が私を信じてくれていたから、私は犯罪神を倒せる位の力を発揮する事が出来たんだよ。だから……ありがとね、皆。私の、信者でいてくれて」
信仰が、皆からの思いが私の力。皆の気持ちが、私を勝たせてくれた。だからありがとうって伝えたかった。温かい思いを受けたら、温かい思いを返してあげたいから。それが大切な人達との在り方だって思うから。
『イリゼ様……』
「…って、なんか思った以上にしんみりしちゃったね。お堅い話になったけど、要は皆に感謝してて、皆に信仰してもらえている私は幸せ者だって事だよ。という訳で……真面目な事はこの辺りにして、今日は目一杯楽しませてもらうよ、皆っ!」
私は私の伝えたい事を言った。そして今は、皆の交流会の最中。だったら言葉で伝えるのもいいけど、皆と楽しい時間を過ごして思いを交わすのも素敵だよね、と私は皆へ笑顔を見せる。すると皆もすぐに笑顔を返してくれて、再び空気は賑やかな感じに。
今日は一日、この会の為に予定を空けてある。それはつまり、一日皆と楽しめるって事。交流会は定期的にやってるとはいえしょっちゅうじゃないし、私だって毎回出られる訳じゃないから、こうして皆と楽しめるのは貴重な時間。だからこそ、今という時間を目一杯楽しみたい。……この時私は、そんな思いを胸に抱いているのだった。
……って、ん…?
「……あれ!?なんか終わる感じになってない!?今回の話これで終わり!?もう終わりなの!?ち、違うよね!?」
『……はい…?』
「…あ…い、いや…これは……」
「…はっ!これはもしや噂に聞く、イリゼ様の突飛発言という奴では…?」
「おぉマジか!よっしゃ、遂に見る事が出来たぜ!」
「なッ、違っ……って、これ噂になってるの!?嘘ぉ!?」
……なんかいい感じの雰囲気だったのに、悪癖が発動したせいで全部台無しに。しかもこの悪癖がパーティーや一部の人だけじゃなく、それ以外の人にも噂として知られ始めているという衝撃の事実が発覚。…いや洒落にならないよ!?こんな赤っ恥が周知の事実とかになったら、私表歩けないよ!?…うぅ…私はそんな面白天然系女神になるつもりなんてないんだからねッ!
*
普段交流会では、別段具体的な企画を幾つも用意してる訳じゃないらしい。まぁ同好の士が集まって語り合う、みたいな事がコンセプトなんだからそれで当然と言えば当然なんだけど、私もそれで問題ないと思うんだけど、私が来る時にそれじゃいけないだろう…って皆は考えている様子。…という事で、今回は…というか私が参加する時は、皆出し物を色々と準備してくれている。
『はいどうもー!アンウーマンズでーす!』
(いきなりパクり!?っていうか、パロディ!?)
隊長と副隊長さんによるコントを見せてもらう私。反射的に突っ込みたい衝動に駆られたけど、幾ら何でもコント中に観客が突っ込みを入れるのは無粋というもの。なので私はぐっと堪え、『本日も主役!』という襷(本日の、じゃなくて本日も、というのがミソ)をかけて観賞を続ける。
(…あ、でも中々面白い…しかもこれ、コントの本編はオリジナルなんじゃ…?)
掴みのネタこそ色んな意味で尖っていたものの、その後の笑いはどれも王道。副隊長さんの静かに繰り出されるボケとそれに軽快な突っ込みを入れる隊長さん、というコンビの組み合わせも上手く噛み合っていて、気付けば自然と笑っていた。
『ありがとうございました〜』
「お疲れ様〜。面白かったよ、二人共」
「本当ですか?いやぁ、それなら光栄です!」
「柄でもなくマメな練習をした甲斐があったな」
「あぁ…ってそういうのは言わなくていいんだよっ!」
「あはは、反射的にコントっぽい突っ込みをしてる辺り…本当にマメな練習、してたね?」
「う……そ、そう言われると恥ずかしいっすね…」
一度袖へ捌けた後、すぐに観客席側へ戻ってきた二人へ私は声をかける。なんかお笑い番組の進行みたいな声かけになっちゃったけど…まぁ別にいいよね。
「えー、では次は私が…毎度馬鹿馬鹿しい話を一つ、させて頂きましょうかね」
(落語!?コントに続いて落語!?…今回って演芸中心なの…?)
と、視線を外していた間にステージでは次の人…着物を着て座布団に座った男の人が落語を始め、それからも演舞だったりシャボン玉パフォーマンスだったり手品だったりと皆が色々見せてくれる。……ただ、悲しいかな私は女神。演舞は天舞壱式や弐式の参考になるかなぁと思っちゃったり、シャボン玉パフォーマンスはシェアによる精製で再現出来たら更に意表を突く戦術の幅が広がるかなぁと想像したり、手品に至ってはミスディレクションを看破しようとした結果戦闘モードの雰囲気になって皆を驚かせちゃったりと、明らかに私だけ変な楽しみ方をしてしまった。…た、楽しめはしたんだよ…?
「…え、えっと…わたしはナイフ投げやりますっ!」
「へぇ、ナイフ投げ……ナイフ投げ!?そんな物騒な事やるの!?そしてそんな物騒な事を芸としてやれるレベルの技量があるの!?」
「あ、は、はい!これで時々クエストやってたりもしてます!」
「芸どころか本職レベルだった!?…いや世界の命運をかけるレベルの戦闘もする私が何言ってるんだって話だけど!」
ここに集まってくれた皆の中では比較的年齢の低い、凡そ戦闘は似つかわしくない(これもどの口が言うんだって話だけど)女の子のナイフ芸に色んな意味でドッキドキな私。すっぽ抜けたりしたら最悪私が撃ち落としを…と緊張感フルで見る事となった私だけど、結果から言えば結構上手な投擲だった。
ありふれた芸の事もあればとんでもない芸だったり、趣味の域のものもあればかなりの技術を感じさせるものもあったりと、皆の見せてくれるものは多種多様…というか、オブラートに包まなければごちゃ混ぜな感じ。でも……
(学校のレクリエーションとか文化祭って、こんな感じなのかな)
女神は生まれた時点である程度成長してて、ある程度の知識もあって、代によっては即座に守護と統治の務めを始める事になるから、まず学校というものを経験する事はない。立場は違えどそれは私も同じ事で、こういう『アマチュアの催し』と関わる事なんてなかったからこそ、なんだかすっごくほっこりした気持ちになる事が出来た。……あんまりほっこりしてないように見える?…さ、最終的にはほっこりしたんだよ、うん…途中確かにほっこりとはかけ離れた状態になってたけど…終わり良ければ全て良し、って事でね…?…まだ終わらないけど。
「はふぅ、疲れたぁ…あの、どうでした…?」
「上手だったよ。的にきちんと当たってるのは勿論だけど、持ち方も自分を傷付けないよう計算されていたしね。でも……」
「ほぇ……?」
「もう少し肘の使い方を工夫すると、より素早く投げられる…よッ!」
緊張した、とばかりに吐息を漏らし、それから感想を求めてきたその子へ私は微笑みながら側に寄る。その子も皆もきょとんとする中、私はナイフの一本を手にして……振り向きざまに一閃。私の手から離れたナイフは音を立てて的へと飛び、狙い通りの位置へと突き刺さった。
「……ほらね?」
「す、凄い…あ、あの!もう一度見せてもらえませんか…?」
「ふふっ、いいよ。それじゃあまずはこうしてだね…」
自分に憧れてくれる人からのキラキラした視線は感じていて気分の良いものだし、つい最近まで私はネプギア達に先輩として指導していた身。それもあってか私はその子からの要望を快諾し、もう一度投擲した後その子の腕に触れて形の指導を……
『…………』
『…あっ……』
…してたら、皆から「じー」って擬音が出そうな位にがっつり注目されていた。…完全に、今皆がいる事を忘れていた。
「…え、と…ご、ごめんね皆!別に皆の事を忘れていた訳じゃ……」
『直々にご指導なんて羨ましいなぁオイッ!』
「そっち!?」
わざとじゃないとはいえ、こういう会で今の行動はやるべきじゃない。その思いで謝った私だったものの……返ってきたのはなんか思ってたのとは大分違う言葉だった。しかも慌てた様子で私から離れたその子が集団の方に戻ると、羨ましいと言った何人かは勿論、それ以外の人も「良かったなぁお前〜」みたいな感じで背中叩かれたり温かい目で見られたりしている。…う、うーん……。
(…ほっとはしたけど…女神と信仰者って、こういう関係なんだっけ……?)
皆が私を好き好んでくれてる事はもう十分伝わってるし、妬みを抱かず同好の士へ温かい態度を取ってくれて本当に安心している。…けど、どうもこれは信仰する側とされる側の関係性っぽくないというか、女神化してない時のネプテューヌはまだしも、ノワールやベール、ブランはもうちょっと恭しく接されていたようにも思えるっていうか……
「しっかしそうか、同じ趣味を持てばお近付きになれるかもしれないのか…」
「いや、イリゼ様は趣味でナイフ投げしてる訳じゃないでしょ…後者は同意だけど」
「下心丸出しねあんた達…イリゼ様ー、不届きな信者に何か言ってあげて下さーい!」
……そんな事をふと思ってしまった私だけど、ちょっとだけ反応に困る話題で言葉を交わし合っていた皆の姿を見て、その思考は消えていった。
「…まぁ、いっか。うん、いいよね別に」
『……?イリゼ様…?』
「何でもないよ。それより物騒な事を趣味にするなら、自分にも周りにも十分気を付けなきゃ駄目だからね?」
ぼそりと一人呟いて、それから私は言葉を返す。信仰されるのは女神として嬉しいし、もっと信者さんが増えてほしい…って気持ちもありはするけど、別に私は崇められたい訳じゃない。だったらそんな気にする事はないし、普通の女神としての立場を持つ訳じゃない私だからこそ、こういう関係性でもいいのかも…と、皆を見ている内に私はそんな気持ちになっていった。…それに、皆だって私の知らないところじゃこういう交流をしているかもしれないしね。
「さて、それじゃあ次は……私の番だったよね?」
「あ…ええそうですよ。やっぱり大トリはイリゼ様に務めてもらいたいですからね!」
「お、大トリなんて言われるような物は用意出来てないけどね…」
出し物は皆が私を楽しませてくれる為に行われている訳だけど、傲然な性格になんてなれない私にとって一方的に何かしてもらい続けるというのは悪い気がしてしまうもの。だから二度目以降の参加では毎回私の番も用意してもらっていて…ご覧の通り、いつも最後にやる事となっている。
「じゃ、少しだけ待っててね。持ってくるから」
「ふふっ、ワタシこれに参加するの初めてだから楽しみ〜」
「やっぱ今回もアレだよな?」
「案外違うかもしれないわ。…まぁ、何であろうと楽しみなのは変わりないけどね」
私の出し物は道具が必要…というか、作ってきたとある物を出す事だからそれを取りに移動すると、皆の会話が聞こえてくる。…うぅ、こうも期待されるとちょっと緊張するなぁ……。
(…数はよし。見た目も綺麗に出来たし、冷え切っちゃった感じもない。…大丈夫)
ホテル側から貸してもらった台車に私謹製の品を載せ、それを押して戻ってくる私。期待が高まり過ぎたのか会場は最早無音となっており、「え、そこまで!?」と一瞬私はビビるものの、私のターンであんまり余裕のない姿を見せるのも嫌だなと思って、ポーカーフェイスでステージへと向かっていく。
「……あ、イリゼ様。段差は俺達が…」
「ううん大丈夫、私一人で持てるから。…よいしょ、っと」
((だ、台車ごといった…やっぱ女神様って凄い……))
台車をステージ中央まで運んだ私は、その後ろへ回って皆に向き直る。…もしかしたら、匂いでもう何人かは分かっちゃってるかな。
「こほん。では…って言っても出す物はこれまでと同じ系統だけど……私が用意したのは、これだよ」
ばっ、と被せていた布を一息に私が取ると、その下にあったのは三つのクロッシュ。更にそのクロッシュも取り払い……私はプラネタワーで作って持ってきた三つのパイを公開した。
『おぉー……!』
「左からアップルパイ、ブルーベリーパイ、シナモンパイだよ。勿論皆に食べてもらう為に作ってきた物だから…皆、沢山食べてねっ!」
『はいっ!』
にこりと笑顔でそう言うと、返ってきたのは歓喜の歓声。私は毎回何かしらのお手製お菓子を持ってきてるから、いつも来ている人にとっては目新しさのない出し物の筈だけど、それでも皆喜んでくれる。…まだ食べてもらってすらいないのに、それだけで私は胸が一杯になりそうだった。
「はーい、じゃあ皆並んでね。きちんと全員分分けられるよう切るから、心配しないで」
呼びかけると同時に私は台車に載せていた包丁で三つのパイを切り分け、同じく用意しておいた食器へ載せていく。各自で取って、という形にしないのは…私が一人一人に渡したいから。
「…いつも、ありがとうございます。自分、これの為に食事抜いてきました」
「え、私がお菓子持ってくるか分からないのに…?…ってそっか、副隊長さんには予め伝えておいたもんね。はいどうぞ」
一人ずつ手渡し、その際一言二言言葉を交わす。なんか握手会とかサイン会みたいな感じになっちゃってるけど、これなら全員と平等に話す事が出来る。中には謙遜して私と話すのを避けようとする人もいるから、一人ずつと話す状況を作れるこの形式は好都合なんだよね。
「い、頂きますイリゼ様。一口一口味わって食べさせてもらいますね…!」
「そこまで畏まらなくても……あ、君はこの会に参加するの初めてだよね?」
「…わ、分かるんですか…?」
「うん。流石に私を信仰してくれる人全員を把握してはいないけど、ここに来てくれた人の顔位はちゃんと覚えてるよ。だって私を信仰してくれる、数少ない信者さん達なんだからね」
「イリゼ様…俺、一生付いていきます……っ!」
「だ、だからそんな硬く……いや、そうだね。だったら私も期待に応えられるよう、これからも頑張るよ」
女神にとって、信者の人達は大切な存在。守護者としての力をくれるのは勿論だけど、そもそも女神はシェアエナジー無しで生きられる存在じゃないから、まともな女神なら信者を大切にしないなんて選択肢自体がない。
けれど、一国の長ともなれば、信者の数だって膨大になる。どんなに一人一人の思いに応えたいと思っても、それは不可能になってしまう。信者の期待に応えれば信者の数も得られるシェアエナジーの質も向上するけど、そうなればそうなる程信者という『集団』へ対してしかお返し出来なくなるというジレンマを、女神の皆が持っている。
もしかしたら、いつか私もそうなるかもしれない。それ位多くの信者が出来るかもしれない。だけど今は違う。今の信者数は微々たるもので、こうして集まってくれる人も顔を覚え切れる程度の人数だけど…だから私はまだ、一人一人の思いに応えられる。これが今後どうなるかは分からないけど……それが出来る内は、精一杯応えていきたいって私は思う。
「ふふっ、皆味はどう?美味しかった?」
「そりゃ勿論美味っすよ美味!味もそうですけど、イリゼ様が俺達の為に作ってくれたって思うと、それだけで幸せな気持ちになるってもんです!」
「くぅぅ、口の中を一杯にしたいが、そうするとすぐ食べ終わってしまう…!これが何と悲しき事か…!」
「し、芝居掛かった言い方するね君……でもそういう事なら心配要らないよ?だって…実はまだあるからね!」
「上だけじゃなく台車の中にもパイが!?……こんな大きいパイをそんなに沢山作るのは、大変だったのでは…?」
「皆に喜んでもらえるなら、これ位なんて事ないよ(趣味だから段々楽しくなってきて、気付いたら作り過ぎてた…なんて言えない……)」
『イリゼ様……』
「…という訳で、皆…こっちのパイもお上がりよっ!…なんてね」
チェリーパイやパンプキンパイ、ピーナッツバターパイに果てはなんとミートパイ(これは流石に作った後、私も「な、何故…」とびっくりしました)まで色々と台車から取り出し、更に皆へ振る舞う私。皆に遠慮させてしまわないようにと幾つか私が食べる用にも切り分けて、それから私は皆はちょっとしたパイパーティーに興じて楽しむ。
皆と沢山話して、我ながら中々な出来のパイを楽しんで、その後も私は皆と賑やかな時間を過ごしていく。信者の皆と得られる楽しさは、友達の皆と話している時の楽しさとは違う。だけどどっちが上、どっちがより良いなんてものはなくて、私にとってはどっちも大切で心から楽しいと思える時間。それ位に楽しめて、嬉しいと思える時間だからこそ、私は今日もこれまでと同じように思った。……また参加したいな、って。
今回のパロディ解説
・平和の象徴さん
僕のヒーローアカデミアに登場するキャラ、オールマイトこと八木俊典の事。…イリゼはあんな濃い顔してませんよ?勿論女神化前は萎んでるとかもないですからね?
・アンウーマンズ
クレヨンしんちゃんの作中で出てきたネタの一つであり、お笑いコンビアンガールズのパロディ。パロディのパロディは、ORでもやっていきますよ。
・「〜〜お上がりよっ!〜〜」
食戟のソーマの主人公、幸平創真の代名詞的な台詞の一つのパロディ。残念ながらイリゼはそこまで料理上手だったりしません。彼女はあくまで趣味の域です。