超次元ゲイムネプテューヌ Origins Relay 作:シモツキ
ノワールも、ベールも、ブランもわたしにとって大切な友達で、心から信頼してる仲間。何かあれば協力は厭わないし、皆とは気兼ねなく話せる間柄だって思ってる。
友情は、時と場合によって変化するようなものじゃない。どんな時だって、どんな場合だって、思い合う心は変わらない。……そう、わたしは信じたいんだけど…どうやら皆は、そうじゃないらしい。
「…皆、アヴニールを有するラステイションとしての賠償は今後も予定通りに行うわ。だから残骸の回収はさせてもらっても構わないわよね?」
「えぇ、構いませんわ。勿論費用はそちらに持ってもらいますけどね」
「ルウィーはある程度回収の支援をしても構わないわ。代わりに回収の際、ルウィーの技術が漏れ出ていないか確かめる為に調べさせてはもらうけど」
今日はプラネテューヌに女神の皆が集まっている。折角皆がいるんだから、全員でぱーっとゲームでも…といきたいところだけど、残念ながら今日皆が集まっているのは外交の為。定期的にやってる、四ヶ国での外交会談の為。…うん、見るからにつまんなそうな回だよね。前回イリゼは信者の人達と楽しそうにしてたのに、今回はがっつり政治的な事やるかもしれないんだよ?
「…確かめる為、ねぇ…まぁいいわ。ネプテューヌはどう?」
「…………」
「…ネプテューヌ?」
「……?ネプテューヌさーん?ノワールが呼んで…って、ネプテューヌはわたしだよっ!いやむしろ、あたしだよっ!」
『……はい…?』
…小粋なギャグで雰囲気を良くしようと思ったのに、三人からの反応は微妙。…我ながらちょっと雑なボケになっちゃった感はあるけど…それでも普段ならもっとビビットな反応してくれるよね…。
「……どうなの」
「あ…うん。うちも大丈夫です…」
軽くしょぼーんとするわたしへフォローが入る事もなく、会談はその雰囲気のまま続行。
定期的にやってる会談だけど、今回の話の中心になるのはやっぱり犯罪組織絡みの後処理と、一連の戦いを踏まえた対応・対策の事。前半はネプギア達女神候補生の四人もいたけど、休憩を挟んだ後半の今ここにいるのはわたし達だけ。
「なら良かったわ。具体的な進行は後々整理して伝えるから、待っていて頂戴」
「えぇ。…さて、じゃあ件の国防だけど……」
「…被害と世論、どちらの観点から見ても軍拡路線が妥当だと思いますわ」
「…まぁ、それはそうだね。わたし達が長期間不在になっちゃった以上、いつでも女神が守るから今のままでOK…とは言えないし」
一層物々しくなっていく雰囲気。…でも、これは流石に仕方ないって私も思う。戦闘に直結する事…それもわたし達じゃなくて国民の皆の戦いに関わる事を、軽い気持ちで話すなんて出来る訳がないもんね。
「となれば友好条約の改正は必須ね。今のままじゃ、出来る事にも限りがあるわ」
「ええっと…ブラン。それはここで決めちゃうつもり?」
「まさか。案を練るだけならともかく、そこから先は他の皆の意見も聞くつもりよ」
「だ、だよね…(よかったぁ…また色々といーすんから教えてもらわないと……)」
正直、あんまりにも難しい話をその場で決めるって事は、わたしは苦手。それは性格的にって事もあるけど……一番は記憶喪失なせいで、専門的な知識が結構抜け落ちたままになっちゃってるから。だからその点に関してわたしは皆にどうしても遅れを…え、なら普段から学び直せばいいだろって?…んもう、そういう事は言わないの。
(次回からはインカム付けて会議しようかな…それならいーすんからリアルタイムで教えてもらえるし…)
条約に関する話を皆と深める事数十分。内容が内容だからこの時はわたしもボケを控えて、少しでも取り戻せた平和が長続きするような、何かあっても辛い目に合う人が一人でも減るような改正案を作り上げていく。
「では、例の制度も要項に加えるという事でいいですわね?」
「大丈夫よ。条約に明記されている、というのはそれだけで意味があるもの」
「そうね。……私達だけで進められるのは、これ位かしら…」
「うん、多分これ以上はわたし達だけで進めちゃ不味いと思うよぉ〜…ふへぇ……」
そうして改正案がある程度形になった時……わたしはもうへろへろだった。もうへろっへろもへろっへろ。や、やっぱりわたしは頭脳労働より身体動かす方が向いてるよぉ……。
「もう何度も会談はしてるのに、毎回貴女はそうなるのね…それはそうとノワール、うちへのレアメタルの輸出だけど…」
「あら、輸出量を増やしてほしいって話?それなら勿論構わない…と、言いたいところだけど…そっちも犯罪組織のせいで採掘のペースが落ちてるのよねぇ…。現状維持ならともかく、増やすとなるとこっちも採算が合わなくなるし……」
疲労したわたしがぐてーっとする中、聞こえてくるのはノワールとブランのやり取り。出てくる単語から、それが貿易の話だってのはすぐに分かったけど……何だか雰囲気が物々しい。
「…だと思ったわ。ところでだけど、十式とルウィー独自開発の新装備で得られたデータは、そっちの求めていた以上のものだったわよね?これはラステイション単独じゃ得られなかった情報だって、貴女から聞いた覚えがあるわ」
「そうだったわね。元々技術と情報の交換取引だったとはいえ、本当にありがたいと思っているわ。だから後日個人的にしっかりとお礼をさせてもらうわね」
「いいのよ別に。それに、国家間のやり取りをわたし達だけの間で締めるってのはどうなのかしら…」
「…ふぅ、ん…確かに一理あるわね。ほんと、一理はあるわ」
「でしょう?…最低でも、一理は…ね」
ノワールもブランも、互いに穏やかな表情で話している。顔も、声も、言葉も穏やかなのに……二人の纏う雰囲気は穏やかじゃない。顔は笑っているけど、目が笑っていない。心が全然笑顔じゃない。つまり……シンプルに怖い!
「ちょ、ちょっともー二人共〜。浮かんでるのが完全に営業スマイルだよー?出し抜いてやろう感ばりばりになっちゃってるよー?確かに二人は真面目系女神だけど、もう少し緩さもあった方がいいんじゃないかなぁ?」
「ふふっ、何を言ってるのよネプテューヌ。私はいつも通りよ」
「わたしもね。ネプテューヌこそ、もう少し緊張感を持ってもいいんじゃないかしら?貴女だって本当は真面目な一面もあるんでしょう?」
「うっ…だから二人共怖いんだって……」
『いや、怖いと言われたのはこれが初めてなんだけど……』
「ふふ、確かにあまり楽しい雰囲気ではありませんわね、今の状態は」
「あ…ベール……」
「わたくしは同意ですわよ、ネプテューヌ。わたくし達と違って、二人は少々遊びが足りない…そういう事でしょう?」
「そう…そうなんだよベール…!どんな事にも遊びって必要だよね…!」
気が滅入り始めちゃったわたしへ同意を示してくれたのは、そのやり取りに関わっていなかったベール。ベールの本当に穏やかな、おっとり&おしとやか系雰囲気のおかげで、わたしの疲弊した心はゆっくりとだけど癒されていく。うぅ、こういう時に頼りになるのはやっぱりベールだよね…ほんとわたし達守護女神組にとってのお姉さんっていうか、自然と滲み出る包容力には何度も助けられて……
「時にネプテューヌ。わたくし考えていますの。国防の為には一層の協力が必要ではないかと。そしてその観点においては、やはり技術の融合を得意とするリーンボックスが働きかけるべきであろうと。ですのでネプテューヌ、そちらで精製に成功したらしい新たなエネルギーのノウハウを……」
「…って、一瞬でもベールにときめいたわたしが馬鹿だったよぉおおおおぉぉっ!うわぁあぁぁぁぁんっ!」
「と、ときめいたぁ!?」
再びラウンドテーブルへと突っ伏すわたし。何やらノワールが裏返った声を出してたような気もするけど、今のわたしはそれを気にしていられるメンタルじゃない。あんまりだ…あんまりだよベールぅ!政治屋の雰囲気をギリギリまで出さずにぬらりくらりとわたしの心の中に入ってくるなんて、女神っていうか妖怪総大将さんだよ!女性だから孫娘さんだよぉっ!
「いや、わたくし別に妖怪でも孫でもないのですけど…」
「そんな感じって話だよっ!地の文読むなら文脈も読もうよ!」
「お、落ち着きなさいよネプテューヌ…そこまでベールはショックな事を言った訳じゃないでしょ?後、ときめいたって深い意味はないわよね?ないのよね?」
「ノワールこそどこに喰い付いているの…言うまでもないと思うけど、駆け引きはこういう場において必要不可欠なものよ。資源も情報も技術も、国にとっての力は殆どが有限なんだから」
「それはそうだけどさ…そうだけどさぁ……」
わたしが突っ伏したままでいると、三人はわたしの側へ。さっきまで表面にこにこ内心バチバチの駆け引きをしていたノワールとブランも今は普段通りの雰囲気に戻っていて、そこでちょっぴり安心するけど…やっぱりそれはちょっぴりだけ。
ブランの言う事だって分かるし、こんなわたしでも『政治』と『友情』は別物だって本当は知ってる。一番最初でああは言ったけど、宴会的な意味じゃない方の腹芸は普通の事だってのも分かってる。…けど、だけど……
「…好きじゃないもん…間違ってるのはわたしの方だって分かってるし、わたしだってそれが出来た方がいいとは思ってるけど…わたしはこういうの、好きじゃないんだもん……」
伏せた顔をちょっと上げて、拗ねたようにわたしは言う。我ながらこれはどうかと思う。嫌だからってぶー垂れるなんて、ネプギアには正直見せたくないレベルでしょうもない。…そう分かっていても、わたしはそうした。そうしちゃった。どうしても伝えたくて、でもどうかと思う心から恥ずかしくなって、また突っ伏そうとした時……左右から溜め息が聞こえる。
「…はぁ……貴女は先に伝えるとテンション上がってまともな会談にならないかもって思って言ってなかったけど、この後四人でお茶しようと思って喫茶店を予約してあるわ」
「へ……?」
「普段は楽…って訳じゃないけど、今回は騒動終結後最初の会談って事で、心的疲労が大きくなるのは目に見えてたものね。自分の手腕で国の利益を増やせるなんてやり甲斐がある務めだけど、こうも頭の痛い話ばっかりした上でただ帰るんじゃ、流石の私もやってられないわ」
「…それって……」
「同意と言ったでしょう?…このような雰囲気が好きではないのは、わたくし達も同じですわ」
「み、皆ぁ……」
左のブランは肩を竦めて、右のベールは表情を緩めて、更に右のノワールはやれやれと首を振って…個人としての心情を言ってくれた。わたしの友達としての、三人の意見。…そっ、か…喫茶店行くつもりだったんだ…頭の痛い話だって、この雰囲気は好きじゃないって思ってたんだ……そっかそっか、そっかぁ……。
「…なーんだ、そういう事は先に言ってよー!んもう、今回はそれだけで終わっちゃう回だと思っちゃったじゃん!でもそういう事なら話は別だねっ!長々と会談して気付けば夜…なんて勿体な過ぎるし、皆集中して終わらせちゃうよーっ!」
『……あのねぇ…』
「ん、なーに?」
がだーん!と椅子を後ろに倒しちゃいそうになる位の勢いで立ち上がったわたしの、堂々たるやる気マックス宣言。もやもや〜っとしていた気分はもう完全に吹っ飛んでいて、みなぎるやる気がわたしを奮い立たせている!そう、皆で楽しくお茶する為なら……駆け引きも腹芸も頑張っちゃうんだからねっ!
「さぁさぁ皆席に戻って!それとベール、さっきの話は少し待ってもらえないかな!その事ならネプギアも交えた方が円滑に進みそうだからね!」
『…………』
「もー、ぼけっとしないで戻る戻る!有限なのは時間もなんだよ!」
((……これだから言いたくはなかった(のよね・のですわ)…))
という訳で、やる気満々のわたしと何故か肩を落とした皆とで会談は再開。何だかんだ言っても優秀なわたし達だから、多少時間はあっても完全に行き詰まったりする事はなくて、予定よりも少し早めにお仕事終了。そして、言っていた通り……わたし達は喫茶店へお茶しに行くのだった。
……あ、一応言っとくけど真面目に会談したからね?適当な事言って国民の皆に迷惑をかけるなんて、そんな事はしたくないもん。
*
「終わりだと思った?ふふん、まだもうちっとだけ続くんだよ!」
会談を終えてから数十分後。各国の守護女神から仲良しの友達にチェンジしたわたし達がいるのは……勿論、喫茶店。
「ネプテューヌ、そのネタは微妙に前話と被ってる気がするんだけど…」
「微妙ならセーフだよ!っていうか、ここのところ皆メタ発言多くない?なんならわたしの方がまだしてない感あるよ?」
「その分貴女は『メタに対する突っ込み』というメタ発言をしてるけどね…」
ノワールに突っ込んだらそれをブランに突っ込まれたわたし。うんうん、突っ込みすらもボケとして機能しちゃうなんて、ほんとわたしのボケ能力は天下一品だね。
「わたくし達のメタ発言は、元を正せばネプテューヌの発言が……っと、来たみたいですわ」
「待ってましたっ!それじゃあ頂きまーす!」
メタ発言について語るのも悪くないけど、何はともあれまずは糖分。一杯頑張って疲れた頭と身体には、一杯ご褒美をあげなくちゃ!
「んん〜♪仕事終わりのプリンはサイコー!これの為に生きてるぅ〜!」
「あ、アルコール入ってるみたいな言い方ね…仕事終わりの甘味の魅力は分かるけど…」
「でしょでしょ?こういう時同意してくれるのって、地味にポイント高いよブラン!」
「ポイント…?(何についてのかしら…)」
運ばれてきたプリンパフェをスプーンで掬って口に入れた瞬間、ほわぁと広がる優しい甘さ。適度な弾力と柔らかさを持つプリンがわたしの口の中で蕩けて、口の中を甘さで満たして、自然とわたしもほんわか顔に。考えてみればわたししょっちゅう食べてるけど…それでも飽きない我らがプリン!女神に匹敵する人類最高にして最大の創造物ことプリン!これの為に生きてる、っていうのは言い過ぎっていうか国民の皆に失礼だけど…それでもつい言っちゃうんだもん、最早プリンは凶器だよ!わたしを堕落させる天使にして悪魔の甘味!
「…たった一口でそこまで幸せな顔が出来るなんて、ほんと貴女は単純でいいわね…」
「まぁまぁいいではありませんの。単純さも場合によっては魅力ですわ」
「そうそう、ベールの言う通りだよノワール。これはわたしの魅力なんだから」
「あ、単純である事は否定しないのね…単純っていうか子供っぽい、だけど」
「むむむ、失礼だなぁノワールは。っていうか、他人の事子供っぽいって言ってる癖にノワールだって食べてるのチョコケーキじゃん!それはどーなのさ!」
「ふっ、残念だったわねネプテューヌ。これはチョコはチョコでも…ビターチョコよ」
「び、ビターチョコ…!?チョコなのに折角の甘さじゃなくて、苦さを伸ばした子供に優しくないビターチョコ…!?そ、そんな……」
「ビターチョコは仄かな甘さとほろ苦さの調和が持ち味なのよ。それが分からないなんて、やっぱりまだネプテューヌは子供のようね」
わたしの至福に水を差してきたノワールに、許せないとばかりに反撃を…と思いきや、ノワールが注文していたのはまさかのビターチョコケーキ。ミルクチョコやホワイトチョコならやり返せたのに、ビターじゃわたしの管轄外。くぅぅ、ノワールがそんな大人っぽいものを注文してたなんて…!こんなところで、わたしとノワールとの差を見せ付けられるなんて……っ!
「……ビターチョコで大人ぶってる時点で、ノワールも大概よね」
「わたくしは可愛げがあっていいと思いますわ。それに、先程まで黙々とあんみつを食べていた貴女も、ね」
「それはどうも。でも、ティラミスを口に運ぶ度頬に手を当てて顔を綻ばせていたベール程じゃないわ」
一方のベールとブランは、テーブルを挟んだ向かい側で何かを話していた。…内容はよく聞こえなかったけど、なんかあっちの方が大人っぽい気がする…注文したのもティラミスとあんみつだし……。
「いいもん、ならお会計の時に支払いは全額ノワールが…って言ってやるもん…」
「性格の悪い仕返ししようとするんじゃないっての…ほら、ケーキの上に乗ってたチョコの板あげるから。これはビターじゃないわよ」
「え、いいの?やったー!」
(…予想出来てたとはいえ…ちょろ過ぎるでしょ貴女……)
恨めしそうにわたしが見ていると、ノワールはケーキの上にはよくあるけど普通に買おうとすると中々見つからない、あの薄いチョコをくれた。全く、こんなので許してもらおうなんてノワールも調子がいいなぁ…でも、わたしは器が大きいから許してあげる!これはチョコで釣られたとかじゃなくて、器の大きさ故の判断だもんねー!
「…あ、ところでさ、ネプギア達は呼ばなくてもよかったのかな?イリゼやこんぱ達は出掛けてるから無理だけど、ネプギア達は呼べたよね?」
「まあ、そうね。…呼びたい?」
「うーん…正直どっちでもいいって感じかな。呼べばそれはそれで楽しくなりそうだけど、ネプギア達も四人で楽しんでるだろうしさ」
「なら偶には四人でお茶というのも悪くないと思いますわ」
「偶には…あー、考えてみると四人だけでってのは久し振りだもんね。じゃあ、いっか」
お茶と言うよりスイーツがメインだけど、そんな細かい部分はどうでもいい事。だって一番大事なのは、ここで楽しめるかどうかだもん。
「しかし今のベールの発言には驚きね。貴女ならむしろユニ達も呼びたいって言うと思ったのに」
「わたくしとて四六時中妹の事を考えている訳ではありませんわ。それに…駆け引きとは時に相手から離れ、物足りなさを感じさせるのも一つの手なのですわ」
『え……?』
物腰柔らかな雰囲気のまま聞き捨てならない事を言うベール。その言葉にスプーンが止まるわたし達三人。ベールは笑みのまま…さっきわたしを引き上げてから突き落としたあの笑みのまま止まって、わたし達の額からは一筋の冷や汗が……
「……なんて、冗談ですわ♪」
『た、タチが悪過ぎるぅぅ……!』
曇りのない微笑みでベールが小首を傾げた瞬間、わたし達は揃って脱力した。…や、止めてよもう……。
「全く…ベールは狡猾だってロムとラムに伝えておかないと…」
「だから冗談ですわよ?…それに、こうして漸く気兼ねなくお茶出来る状態になったんですもの。こんな内輪でいざこざを起こすようなつもりもありませんわ」
「…そうね。外交絡みは貴女達と言えど手を抜くつもりはないけど、それ以外の…こういう楽しい場では、わたしも目一杯楽しみたいわ。二人もそうでしょ?」
微笑んだままのベールの言葉にブランがこくんと頷いて、それから二人の視線はわたし達の方に。
大変な事があったからこそ、取り戻せたものは大切にしたい。楽な事ばっかりじゃないんだから、楽しい場では心置きなく過ごしたい。…それはわたしも、ううん…皆が思っている事。考えるまでもない事。だってわたし達は女神だけど、とびきり特別な存在だけど…普通の女の子みたいな部分も、ちゃんとあるんだから。
問われたわたしとノワールは顔を見合わせる。それからわたし達は、お互い小さく肩を竦めて…二人で一緒に言った。
『(うん・えぇ)、勿論!』
難しい守護女神同士の会談後の、賑やかで楽しい四人の時間。お店に迷惑にならない程度に談笑して、スイーツも楽しんで、わたし達は友達としての時間を過ごす。
それは、特別何かある訳でも、滅多に経験出来ない訳でもない、ありふれた一時。だけどありふれた、特別な時間だなんて考えなくてもいい一時だからこそ……わたし達は帰るその時まで、心から楽しみ笑い合うのだった。
「いやぁ、今日は楽しかったね。それじゃあ帰ろ……あれ?いーすんから電話だ。もしもしー?」
「…ネプテューヌさん。貴女今日、会談に遅れちゃうと不味いからって執務の残りを後回しにしていましたよね…?今、どこにいるんですか…?(。-_-。)」
「…………」
「……ネプテューヌさん…( ̄^ ̄)」
「…きょ、今日はどっか泊まりに行こっかなー!うん、そうしようそうしよう!ノワール!ベール!ブラン!誰か、わたしを泊めてくれないかなっ!?」
今回のパロディ解説
・「〜〜あたしだよっ!」
お笑い芸人、にしおかすみここと西岡純子さんのギャグ(代名詞)の一つのパロディ。声が付けば一発で分かると思いますが、台詞だけだと何とも分かり辛いですね…。
・妖怪総大将、孫娘さん
妖怪ぬらりひょん及び、ぬらりひょんの孫のパロディ。ぬら孫の方のぬらりひょんは、ぬらりくらりと相手の心に入り込んで居座るとか。これもある種のカリスマですね。
・「〜〜もうちっとだけ続くんだよ!」
DRAGON BALLの登場キャラ、亀仙人の名台詞の一つのパロディ。もうちっとと言いつつ全然ちっとではないのも含めてパロディ…ではなく、文量は自然とこうなりました。
活動報告の『ORコラボの募集と説明』に、参加キャラ(作品)を始めとする追加情報を載せました。特に参加して下さる作者さんに対しての質問も載せてありますので、ご回答して下さると助かります。